北海道が誇るチーズブランドとおすすめのチーズ

北海道が誇るチーズブランドとおすすめのチーズの画像

北海道では酪農が盛んに行われ、乳製品が全国的にも有名です。その中でも高い人気を誇るのがチーズ。素材の良さを生かした製品の数々は、そのまま食べても、スイーツの原料にしても絶品です。チーズを手掛けるブランドが多くあり、商品の特徴はさまざま。この記事では、北海道が誇るチーズブランドとおすすめのチーズを紹介します。

    この記事でわかること

  • 北海道は本格的なチーズ製造の始まりの地
  • 北海道は生乳のシェアが全国の50%以上
  • 近年、個性的なチーズ工房が急増している
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

北海道に美味しいチーズがたくさんある理由

北海道に美味しいチーズがたくさんある理由

北海道では広大な土地を生かして、各地で酪農が営まれています。チーズの原料となる生乳のシェアは、全国の50%以上を占め、乳用牛の飼育が特に盛んです。

質の高い生乳をチーズやバターなどに加工する生産者も多く、各地から特色のあるチーズが全国に送り出されています。「北海道産チーズ」のように、北の大地でつくられた安心感・ブランド力があり、全国的に北海道のチーズは有名です

チーズ王国としての地位を確立している北海道は、本格的なチーズ製造が始まった地ともいわれています。七飯町の七重農業試験場での試作、トラピスト修道院での酪農の開始などを経て、1900年頃にチーズづくりが始まりました。1933年には、現在の雪印乳業にあたる会社が安平町に専門工場を設立し、のちに明治乳業もチーズ製造をスタート。酪農家によるチーズ工房も増加していき、北海道の各地でチーズが製造されるようになりました。

北海道が誇るチーズブランドとおすすめ商品

ここでは、北海道で活躍するチーズブランドとおすすめ商品をご紹介。こだわりやチーズの特徴などを知ると、きっと食べてみたくなるはずです。気になるブランドとチーズを見つけてみてくださいね。

農事組合法人共働学舎新得農場「フロマージュブラン」

農事組合法人共働学舎新得農場は、長野県の信州共働学舎、小平町の寧楽共働学舎とともにNPO共働学舎を構成し、様々な生い立ちや個性を持ったメンバーで酪農を営んでいる農場です。

「飲むミルクから、食べるチーズへ」をモットーに、新得町の気候を生かしながら、丁寧にチーズを作っています。ラクレットチーズなど多彩なチーズがある中でおすすめしたいのは、フロマージュブラン。フランス語で「白いチーズ」という意味があります。ヨーグルトよりもまろやかでありながら、しっかり食感を残したフレッシュチーズで、そのままはもちろん、デザートやサラダに添えても楽しめますよ。

住所 北海道上川郡新得町新得9-1
営業時間 10:00~16:00
定休日 火曜日~木曜日(カフェ)※売店は無休
電話番号 0156-69-5600
公式サイト https://www.kyodogakusha.org/

ニセコフロマージュ「クリスピーチーズ」

 ニセコフロマージュ「クリスピーチーズ」

ニセコフロマージュは、リゾート地・ニセコにある小さなチーズ工房。主人はかつてスノーボード全日本選手権で優勝したアスリートで、チーズ牧場での修行、余市町での工房を経て、ニセコにお店を構えました。

商品の一つである「クリスピーチーズ」は、一風変わったサクサクのチーズです。サクサクと食感が良く、噛むほどにチーズの味わいが押し寄せてきます。子どもでも食べやすいチーズのため、家族で取り合いになってしまうかも。

住所 北海道虻田郡ニセコ町東山27-3
営業時間 10:00~17:00
定休日 月曜日~金曜日
電話番号 0136-44-3471
公式サイト https://niseko-ta-plaza.shop-pro.jp/

ひがしもこと乳酪館「おつまみチェダーチーズ」

ひがしもこと乳酪館「おつまみチェダーチーズ」

ひがしもこと乳酪館は、東藻琴を活性化するために、地元の生乳を使った乳製品の製造や体験・見学・販売を通した農村との交流などを行っている施設です。

「自然との共生」をテーマに、カマンベールチーズやゴーダチーズ、チェダーチーズなど、様々なチーズをつくっています。人気の「おつまみチェダーチーズ」は、口当たりがスッキリしていて、軽めのワインとの相性が抜群。加熱すると溶けやすく、チーズソースにしたり、オムレツに入れたりするのもおすすめです。

住所 北海道網走郡大空町東藻琴409-1
営業時間 9:00~17:30
定休日 5月~10月/月曜、11月~4月/月曜・火曜日
電話番号 0152-66-3953
公式サイト http://nyurakukan.com/about.htm

長沼あいす酪乳品工房「北のおいちーず」

長沼あいす酪乳品工房は、「あいすの家」を各地で運営する株式会社長沼あいすが運営する工房。おすすめしたい商品は「北のおいちーず」です。

見た目はさきいかのようで、細長いチーズが袋にたくさん入っています。味付けには醤油を使用し、噛めば噛むほどチーズの味わいが出てきて、バター醤油のような食べ応えのある味を楽しめるのが魅力。そのままでも、お酒のお供にも相性ばっちりな新感覚のチーズです。

住所 北海道夕張郡長沼町西11線南6番地
営業時間 9:30~18:00
電話番号 0123-88-0170
公式サイト https://icenoie.info/index.html

NEEDS「プチカチョカバロ」

NEEDS「プチカチョカバロ」

チーズ工房NEEDSでは、100年以上の歴史を持つ新田牧場で生産される生乳を使った乳製品を製造しています。「いつものテーブルにチーズを」をコンセプトに、様々なシーンで食卓に並ぶチーズをつくっているのが特色です。

「プチカチョカバロ」は、牛乳をひょうたん型に形成し、乾燥熟成してつくられています。ミルクの風味、コクがしっかり残っていて、骨太な味わいが特徴です。加熱すると、良く伸びて味わいに深みが出るので、肉料理やトーストなどの付け合わせにおすすめ。

住所 北海道中川郡幕別町新和162-111
営業時間 8:30~17:30
定休日 日曜日
電話番号 0155-57-2511
公式サイト https://needs-kashiyuni.com/

十勝野フロマージュ「なかさつないカマンベール」

十勝野フロマージュ「なかさつないカマンベール」

十勝野フロマージュは、中札内村の自然豊かな場所に工房を構えています。JAL国際線機内食や洞爺湖サミットなどで採用された「ブリ・ド・トカチ」「おいしいカマンベール」など、質の高いチーズが豊富です。

ここでおすすめしたいのは「なかさつないカマンベール」。独自の研究を重ね、オリジナルの製法でつくられたカマンベールチーズです。甘みとクリーミーさ、上品な風味が特徴で、白カビチーズの美味しさに感動する一品。120g2個入のちょうどよいサイズ感で、食べきりやすいのも嬉しいポイントです。

住所 北海道河西郡中札内村西2条南7丁目2番地
営業時間 10:00~17:00
定休日 水曜日
電話番号 0155-63-5070
公式サイト https://www.t-fromages.com/

白糠酪恵舎「トーマ・シラヌカ セミハード」

白糠酪恵舎「トーマ・シラヌカ セミハード」

白糠酪恵舎では、「地域の人に地域の生乳で作られた乳製品を提供したい」という想いから、自然と手が伸びるチーズに取り組んできました。生乳の質にこだわり、搾ってから運ぶときに振動を与えない、殺菌・冷却でストレスを与えないなど、生乳主体のチーズづくりが特色。

「トーマ・シラヌカ セミハード」は、食べやすい柔らかさ、後味に残るミルキーさが特徴のチーズです。くちどけの良さはサラダやトーストと相性が良く、朝食に食べても重くありません。1個直径20cmになっているので、毎日切り分けながらじっくり食べてみてはいかがでしょうか。

住所 北海道白糠郡白糠町茶路東1線116-11
営業時間 9:00~17:00
電話番号 01547-2-5818
公式サイト https://rakukeisya.jp/

アドナイ「フロマージュ・ド・エール」

アドナイ「フロマージュ・ド・エール」

チーズ工房アドナイは、オホーツク海に面した興部町にある工房。ヨーロッパの製法をもとに、独自のチーズづくりを1996年から続けています。

おすすめの「フロマージュ・ド・エール」は、チーズの表面を洗いながら熟成したウォッシュチーズ。クリーミーな味わいで、加熱するとトロトロに溶けます。バケットやじゃがいもなどに付けて、アツアツのチーズと一緒に味わうのがおすすめです。

住所 北海道紋別郡興部町字興部914-12
電話番号 0158-82-3133
公式サイト https://adonaicheese.stores.jp/

さらべつチーズ工房「酪佳」

さらべつチーズ工房「酪佳」

さらべつチーズ工房では、更別村で生産された牛乳を使って、チーズづくりと直売所での販売を行っています。「さらべつウォッシュ」や「気まぐれブルー」など、オリジナルチーズを提案。

「酪佳」は、ハード・セミハードタイプのチーズ。深みのある味、存在感のある香り、コクを長期間の熟成で引き出しています。購入してからも熟成が進むため、異なる味わいを長く楽しめますよ。

住所 北海道河西郡更別村字更別北1線95
営業時間 12:00~20:00
定休日 木曜日
電話番号 0155-52-5575
公式サイト https://tokachibare.jp/post_spot/post_spot-1770/

ノースプレインファーム「オホーツクおこっぺ熟成チーズ」

ノースプレインファーム「オホーツクおこっぺ熟成チーズ」

ノースプレインファームは、興部町にある牧場。乳用牛は牧草地の青草や干し草を食べて成長し、美味しいミルクを生み出しています。「おこっぺ牛乳」を使用した、発酵バターやゴーダチーズ、おこっぺヨーグルトなどの乳製品づくりにも取り組んでいます。

「オホーツクおこっぺ熟成チーズ」は、有機チーズに様々な素材を組み合わせたチーズ。ゴーダやスモーク、モッツアレラなどのほかに、バジル、ペッパー、にんにくなど種類が豊富です。

住所 北海道紋別郡興部町北興116-2
営業時間 10:00~17:00
定休日 火曜日(直営ショップ)
電話番号 0158-88-2000
公式サイト https://northplainfarm.co.jp/

Bocca「牧家のさけるチーズ」

Boccaは、伊達市の小高い丘にある80ヘクタールの牧草地で、乳用牛を放牧しています。ドイツ原産のアングラー種の牛を健康に飼育し、質の良い牛乳を生産しているのがこだわりです。

「牧家のさけるチーズ」は、軽やかにさけて、チーズをさっぱりといただくことができます。味付けは食塩のみで、ミルクの味わいが口いっぱいに広がります。加熱によって溶かし、トーストやピザなどに使うのもおすすめです。

住所 北海道伊達市乾町201番地292(牧場)
電話番号 0142-25-3302
公式サイト https://www.bocca.co.jp/

あしょろチーズ工房「天」

あしょろチーズ工房「天」

あしょろチーズ工房は、1981年からチーズ製造に取り組む地元の工房。現在は店舗は運営していないものの、道の駅「あしょろ銀河ホール21」で購入することができます。

クリームチーズ「天(てん)」は、生クリームを使用した贅沢なチーズ。ミルクと生クリームのクリーミーさ、くちどけの良さで、チーズの味わいを存分に楽しめます。出荷後も熟成が進んでいるので、固めが好きな方は早めに、柔らかめが好きな方は熟成してから食べてみてください。

住所 北海道足寄郡足寄町北1条1丁目21(あしょろ銀河ホール21)
営業時間 9:00~17:30
電話番号 0156-25-6131
公式サイト https://hokkaido-michinoeki.jp/michinoeki/2639/

ファットリアビオ北海道「カチョカヴァロ」

ファットリアビオ北海道「カチョカヴァロ」

ファットリアビオ北海道では、南イタリアの農場「ファットリアビオ」のチーズマスターが北海道のミルクを使ったチーズづくりに取り組んでいます。世界の中でも品質の高い北海道ミルクに出会ったことをきっかけに、北の大地でスタートしたブランドです。

「カチョカヴァロ」は、イタリアの認証を受けた伝統製法でつくられています。北海道産生乳100%と塩だけでつくられ、素材の味にこだわったナチュラルチーズです。焼くだけで表面にこんがりと焦げ目がつき、チーズが溶け出します。料理に添えるのはもちろん、スライスしてそのまま食べても美味しいです。

住所 北海道札幌市白石区平和通12丁目北5-20
営業時間 11:00~16:00
定休日 日曜日
電話番号 011-376-5260
公式サイト https://fattoriabio.jp/

月のチーズ「フレッシュクリームチーズ」「のむ月のチーズ」

月のチーズ「フレッシュクリームチーズ」「のむ月のチーズ」

月のチーズは、オホーツクの滝上町にあるチーズ工房。工房の代表は、ナチュラルチーズ輸入会社営業職から転身したこともあり、異なる視点からチーズづくりに取り組んでいます。パリの朝市で販売されている、くちどけの良いフレッシュチーズが味の目標です。

「フレッシュクリームチーズ」は、上品な酸味とクリーミーな口当たりが特徴。パンやサラダと相性が良く、はちみつやジャムと組み合わせればチーズデザートにもなります。

「のむ月のチーズ」は、飲むヨーグルトならぬ飲むチーズを実現した商品です。てんさい糖で甘みを加え、すっきりと味わうことができます。毎朝の牛乳代わりにもおすすめしたい、新しいチーズ製品です。

住所 北海道紋別郡滝上町札久留
電話番号 0158-29-2852

伊勢ファーム「江丹別の青いチーズ」

伊勢ファーム「江丹別の青いチーズ」

伊勢ファームは、旭川市から30分ほど行ったところにある、江丹別(えたんべつ)の牧場。乳用牛を放牧で飼育し、餌は草中心の飼料を使用。生乳を使ったソフトクリームを店舗で販売したり、ブルーチーズに加工したりしています。

代表的な商品は、ブルーチーズ「江丹別の青いチーズ」。絞った乳をパイプを通さずに工房に運びチーズに成形し、熟成に約2ヶ月かけます。こだわり抜いた味わいや風味は、JAL国際線のファーストクラスにも採用されたほど。2015年に一時製造を中止したものの、約1年間のチーズ修行を経て、さらに進化したブルーチーズの販売を再開しています。

住所 北海道旭川市江丹別町拓北214
営業時間 13:00~17:00
定休日 火曜日 ※冬期休業
電話番号 0166-73-2148
公式サイト https://shop.asahikawa.style/bluecheese

【番外編①】北海道のチーズを使う長野県の人気商品

たむらや「モッツァレラみそ漬け」

たむらやは、創業から120年以上の歴史を持つ漬物店です。伝統を大切にしながら、時代に合った新しい商品を探求しています。店舗は群馬県にありますが、人気のチーズみそ漬けシリーズには、十勝のさまざまなチーズが使われていますよ。

「モッツアレラみそ漬け」は、フレッシュなチーズを特製の味噌に漬け込んだ商品。チーズの甘み・風味と味噌のコク・旨みが絶妙にマッチしています。JAL国際線ビジネスクラスの機内食にも採用。そのまま食べても、お酒のお供にしても、パスタに加えても美味しくいただけます。

住所 群馬県前橋市若宮町2-3-17
前橋市公田町、高崎市飯塚町にも店舗あり
営業時間 10:00~18:30
定休日 水曜日
電話番号 027-231-9098
公式サイト https://www.tamuraya.com/company

【番外編②】道内のチーズ専門家による菓子店が札幌

チーズ菓子専門店『SNOW CHEESE』

チーズ菓子専門店「SNOW CHEESE」

2022年4月12日(火)に大丸札幌店にオープンした『[SNOW]CHEESE』。店名には、「いつか解けてなくなっても人の心に残る雪のように、誰の心にも残り続けるお菓子を届けたい」という想いが込められています。SはSCENT(香り)、NはNATURAL(自然)、OはORIGINAL(独創)、WはWISDOM(知恵)の頭文字です。

お菓子の決め手は、「生食感チーズ」。北海道が育んだ上質なミルクをふんだんに使用し、新たな味わいや風味のチーズを生み出し、オリジナルのスイーツを提供しています。

生食感チーズチョコレート「SNOW WHITE CHEESE」、サブレとチーズを組み合わせた「SNOW GOLD CHEESE」、チーズケーキ「CREAM&EDAM」が代表的なメニュー。2022年5月10日(火)時点で、開店から数時間で完売しているそうなので、気になる方は早い時間に来店してみてくださいね。

チーズ菓子専門店「SNOW CHEESE」
住所 北海道札幌市中央区北5条西4丁目7番地 大丸札幌店 地1階「ほっぺタウン」内
営業時間 10:00~20:00
電話番号 011-828-1111
公式サイト https://snowcheese.jp/

まとめ

酪農が盛んな北海道では、生乳を加工したチーズが有名です。

生産者のこだわりやアイデアが発揮された個性豊かなチーズがあり、どれを食べようか迷ってしまうほど。そんなときは、気になるチーズはいくつか購入して食べ比べてみるのも良いかもしれません。北海道に数多あるチーズの中から、お気に入りのチーズを見つけてみてくださいね!

writerprof_sugawara
菅原 光拳
ライター / フリーエディター
札幌生まれ、北広島市育ち。学生時代に釧路で環境と自然教育を学んだのち、卒業後も北見を拠点に道東で7年間を過ごす。現在は北海道観光をはじめ、ライフスタイルメディアなど多様なジャンルの記事を執筆中。