ラディッシュの葉は食べてもいいの? 栄養やレシピのおすすめなどを紹介
丸々とした形に真っ赤な色合いが可愛らしい「ラディッシュ」。ラディッシュは、赤い部分だけでなく、葉も美味しくいただけることをご存知ですか?
本記事ではラディッシュの栄養素や葉も美味しくいただけるレシピについて、徹底解説します!
ラディッシュの基礎知識
ラディッシュは、丸い形からカブの仲間だと思っている人も多いのではないでしょうか? 実は、カブではなく大根の仲間です。
この項目では、ラディッシュの基礎知識について解説していきましょう。
和名では「二十日大根」
冒頭でも解説した通り、ラディッシュはカブではなく、アブラナ科ダイコン属の歴としたダイコンの仲間です。ラディッシュは、種まきから収穫までが20日前後であることから、和名では「二十日大根」と呼ばれています。種まき後すぐに収穫できることから、家庭菜園でも育てやすい品種です。
余談ですが、ラデッシュは「世界一小さい大根」とも呼ばれ、大根の原型になった品種です。現在、スーパーで見かける白くて細長い大根は、ラディッシュを品種改良して作られています。
ラデッシュの歴史
ラディッシュの原産はヨーロッパで、その歴史は古くローマ帝国時代や古代エジプト時代にも食べられていた記録が残っています。また、日本に伝わったのは明治以降だといわれています。
ラディッシュの種類
ラディッシュといえば、丸くて赤いというイメージが一般的です。しかし、近年では黄色や白、紫といったカラフルなものも登場しています。形も丸だけでなく細長いラディッシュもあります。
赤丸ラディッシュ
ラディッシュの代表的な品種で直径は3㎝ほどです。表皮は赤ですが中が白く輪切りにすると、白地に赤い縁取りが特徴的。
赤長ラディッシュ
長さ3cm~4cmほどの円筒形で、皮は赤く中は白色です。表皮が白いものもあり、大根をそのまま小さくしたような形。
カラフルファイブ
赤、紫、ピンク、薄桃色、白と、5色のラディッシュを収穫できる品種です。サラダをはじめとする、料理の彩りにおすすめ。
小型大根
ミニ大根、サラダ大根、姫大根の名で流通する小さな大根。これらの品種も総称してラディッシュと呼ばれます。太さ2cm~4cmほどでやや大きめなのが特徴。長さ10cmほどの雪小町という二十日大根もあります。
マイクロラディッシュ
直径が8mmほどの極小ラディッシュ。SNS映えすることでも注目されています。フレンチ料理の付け合わせとしても良く用いられる。
ラディッシュの根に含まれる栄養素
ラディッシュの栄養素は、根と葉の部分でそれぞれ異なります。ラディッシュの根に含まれる栄養素について解説します。
アミラーゼ(別名:ジアスターゼ)
ラディッシュの根の部分に含まれるアミラーゼは、別名ジアスターゼと呼ばれている消化酵素の一種です。アミラーゼは、食物の消化を助け胸やけや胃もたれを防ぐ効果があります。また、がん予防に有効で焦げ部分に含まれる発がん性物質を抑制する働きもあります。
ビタミンC
ラディッシュの赤い部分には、ビタミンCが多く含まれ、美肌や免疫力向上などの効果が高い成分です。ただ、根の部分の栄養素は熱を加えることで失われやすくなるので、生のまま食べるのがおすすめです。
次に、葉の部分に含まれている栄養素を見ていきましょう。
ラデッシュの葉に含まれる栄養素
ラディッシュの葉は緑黄色野菜であり、根の部分にはない栄養素が豊富に含まれています。
この項目では、ラディッシュの葉に含まれる栄養素を3つに分けてみていきましょう
鉄・カルシウム
ラディッシュの葉に含まれる鉄やカルシウムなどは、貧血や骨を丈夫にする働きがあります。
ビタミン B1・B2・C
ビタミンB群は糖質や脂質の代謝を促してくれるので、ダイエット中にも積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCは、ラディッシュの根の部分にも含まれていますが、実は葉の部分の方が多いと言われています。
β-カロチン
β-カロチンは、体内でビタミンAに変換され皮膚や粘膜を健康的に保ちます。また、β-カロチンは強力な抗酸化作用があることから、アンチエイジングやあらゆる病気の予防に効果があります。
ラディッシュは捨てるところがない野菜
前の項目では、ラディッシュに含まれる栄養素をご紹介してきましたが、最も栄養素があるのは葉の部分です。通常ラディッシュは、葉がついたまま売られていることの多い野菜です。
ただ、多くの人は根の部分だけを食べ、葉の部分は捨ててしまっているのではないでしょうか?実は、その捨てている葉にこそ栄養があり、ぜひ召し上がっていただきたい部分です。ラディッシュは、根だけでなく葉も丸ごと食べられるので、捨てる部分のない野菜だといえるでしょう。
ラディッシュの食べ方と保存方法
栄養豊富なラディッシュですが、食べ方や保存方法が分からない人は意外に多いはず。
この項目では、ラディッシュの食べ方や保存方法について解説していきましょう。
ラディッシュは生食で効率よく栄養がとれる
ラディッシュは、熱を加えるよりも、生食の方が栄養素が効率よく摂取できます。なぜなら、ラデッシュの栄養素は熱に溶け出しやすいからです。
熱に弱い点から、ラディッシュは生で召し上がったほうが栄養価をそのまま摂取できます。
葉っぱはサラダや汁物に最適
ラディッシュは、葉っぱも生で召し上がれます。サラダなどにそのまま入れて、ドレッシングをかければシャキシャキした食感が楽しめますよ。
生で食べようとすると、トゲが気になるかもしれません。その際は塩もみや、さっと湯通しするなどしてください。ラディッシュの葉を塩もみや湯通しすることで、トゲがしんなりして気にならなくなるでしょう。
熱に弱いという点も、汁物であれば溶け出した栄養素を一緒にいただけるのでぴったりです。
新鮮なラディッシュの見分け方と保存方法
この項目では、スーパーで新鮮なラディッシュの見分け方と保存方法を解説しています。
新鮮なラディッシュの見分け方
新鮮なラディッシュは、葉がみずみずしくピンとしているのが特徴。また、根の部分は丸く張りのあるものを選びましょう。
大きく育ちすぎたものや、葉の付け根付近にヒビが入っているものは”ス”ができている場合があるので避けてください。“ス”とは、野菜の中に空洞ができてしまう現象のことを指します。
“ス”のできてしまったラディッシュは、水分が抜けているので食感がパサパサで味も落ちます。ただ、腐っているわけではないので、煮物やピクルスにするのがおすすめです。ちなみに、水に浸すことで多少パサパサ感が軽減されます。
ラディッシュの保存方法
ラディッシュは、正しい保存方法によって長持ちさせることができます。
この項目では、ラデッシュの保存方法について解説していきましょう。
葉とヒゲ根をカット
まず、ラディッシュを購入したらすぐに、根の先についているヒゲ根を切り落としましょう。ヒゲ根を切らないでおくと、可食部である根の部分の栄養がどんどん失われてしまうからです。
また、すぐに食べない場合は根と葉の部分もカットしておきましょう。ヒゲ根と同様に、葉も根の栄養を吸いとってしまうからです。
根は水分を含ませたキッチンペーパーに包むと長持ちする
ラディッシュの葉の部分は、そのまま保存袋に入れて野菜室で保管してください。丸い根の部分は、軽く水分を含ませたキッチンペーパーで包みます。
そして、保存袋でしっかりと密閉し冷蔵庫の野菜室で保存すれば、1週間ほどは鮮度をキープできるでしょう。
ラディッシュは冷凍保存できるのか
次に、ラディッシュは冷凍できるのかについて解説していきます。結論からいうとラディッシュは、葉の部分のみ冷凍が可能です。
根の部分は、水分が多く冷凍すると組織が破壊され、食感や風味が損なわれてしまうからです。そのため冷凍はおすすめできません。
ラディッシュの葉も活用できるおすすめレシピ
ラディッシュは、根も葉も余すことなく食べられる優秀な食材です。この項目では、ラディッシュの葉も活用できるおすすめレシピを紹介します。
ラディッシュの煮浸し
ラディッシュは、味が染み込みやすいため煮物にぴったりです。
作り方の簡単な説明
- ラディッシュの根と葉を別々にしておく
- 根の部分は4等分にカット、葉の部分は食べやすい大きさにカットする
- だし汁にしょうゆと砂糖を加え一煮立ちさせる
- ラディッシュの根を入れて2分ほど煮る
- 次に葉の部分を入れて1分ほど煮る
- 最後に器に盛り付け生姜を添えたら完成
材料 | 分量 |
---|---|
ラディッシュ | 6個 |
おろし生姜 | 大さじ1 |
だし汁 | 1カップ |
しょうゆ | 大さじ1 |
砂糖 | 小さじ1 |
ラディッシュの葉のふりかけ
ラディッシュの葉のふりかけは、ご飯と相性が抜群です。お豆腐の上に添えれば、薬味にもなります。
作り方の簡単な説明
- ラディッシュの葉はみじん切りにしておく
- フライパンにごま油を入れ熱したら、ラディッシュの葉を入れて炒める
- 葉がしんなりしてきたら、調味料を加える
- 水分がなくなるまで炒めたら完成
材料 | 分量 |
---|---|
ラディッシュの葉 | 4個分 |
ごま油 | 大さじ1 |
調味料 | 酒…小さじ1 |
しょうゆ…小さじ1/2 | |
みりん…小さじ1 | |
砂糖…小さじ1/2 |
ラディッシュの中華風炒め
中華炒めにラディッシュを入れることで、さっぱりとした味わいになります。
作り方の簡単な説明
- ラディッシュ、茄子を薄切りにする
- ブロッコリーを地作切りにする
- しめじをばらす
- 切った材料を全てお皿にのせレンジで3分加熱(600wの場合)
- フライパンに油をひいて豚肉を炒めたら、野菜を加える
- 最後に調味料を加えて、全体に馴染ませれば完成
材料 | 分量 |
---|---|
ラディッシュ | 1個分 |
茄子 | 1/2個 |
ブロッコリー | 1/2株 |
しめじ | 1/2株 |
豚肉 | 50g |
調味料 | オイスターソース…小さじ1 |
しょうゆ…小さじ1 | |
酢…小さじ1 | |
酒…小さじ2 | |
鶏がらスープ(顆粒)…少々 |
まとめ
ラディッシュの特徴や食べ方、葉も活用したレシピを紹介しました。ラディッシュは、サラダの飾りとして根の部分だけ食べるイメージがあります。しかし、実は葉の部分も栄養が豊富でざまざまな料理に活躍する優秀な野菜です。葉も余すことなく、効率よく栄養を補いましょう。