「パリおにぎり」って何?2024年大注目のトレンドグルメを知る
2024年にパリオリンピックを控えたフランスで、おにぎりが流行していることをご存知でしょうか。実は、数年前からフランスの食文化に根付きつつある「おにぎり」。日本の伝統食であるおにぎりが、フランス・パリで空前のブームを引き起こしているのです。
そんななか、日本でも話題になり始めた「パリおにぎり」について、今回は徹底解説します。パリおにぎりについて知りたい人や自宅で作ってみたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- パリおにぎりとは、パリで流行している変わった具材を使ったおにぎりのこと
- クックパッドの食トレンド予測2023に選出された
- パリおにぎりは自宅で作ることができる
クックパッドの食トレンド予測で話題!パリおにぎりとは?
さまざまな料理レシピが投稿される人気レシピサイト・クックパッドが毎年公表している食トレンド予測をご存知でしょうか。食トレンド予測では翌年に流行しそうな食べ物や食材を発表。2022年には半熟カヌレ、2021年には大豆ミート、2020年には台湾カステラが選出されています。これらのワードに「そう言えば流行っていたな」と思った人も多いでしょう。選出されてトレンドになる確率が非常に高いことから、クックパッドの食トレンド予測は流行を先取りしたい人にとって重要な指標のひとつとして注目されています。
そんな食トレンド予測2023に選出されたのが「パリおにぎり」です。日本の伝統的な食べ物のひとつである「おにぎり」なのに、フランスの首都・パリの名前がついている事を不思議に思う人が後を断ちません。
パリおにぎりとは、パリを中心にフランスで流行しているおにぎりのことです。日本のおにぎりと全く異なるパリおにぎりは、2024年に日本でもトレンドになるのではないかと予測されています。
食トレンド予測 | 食トレンド大賞 | |
---|---|---|
2018年 | 和食、ビスケットブラウニー、オープンパンケーキ、キャンプ飯、ゆるベジタリアン、中東料理、バインミー | サバ缶 |
2019年 | 和の発酵食、ひよこ豆、パネチキン、ドライフルーツブラウニー、スパイスカレー、新野菜、バスクチーズケーキ | 下味冷凍の肉おかず、生食パン |
2020年 | 半熟チーズケーキ、シェントウジャン、食品ロス削減レシピ、レーリュッケン、チーズボール、すいかジュース、エッグスラット、プロテインシェイク | ホットプレートごはん、ダルゴナコーヒー、台湾カステラ |
2021年 | 台湾茶、青いスイーツ・料理、大豆ミート、ハニーバターチキン、冷凍作りおきトースト | オートミールごはん、プロテインおやつ、マリトッツォ、バタフライピー |
2022年 | 豆腐干、ポークビンダルー、半熟カヌレ、モクテル、デュカ | 韓国風やみつき卵(麻薬卵)、生食感スイーツ |
2023年 | 米粉、ポチャ、ロゼ料理、豆ヌードル、プヂン | ライスペーパー、暗殺者のパスタ、進化系クロワッサン、米粉、プヂン |
2024年 | パリおにぎり、とうもろこし、モノクロスイーツ、クラフト紅茶、アジアン粥、英国式スコーン |
※参考:食トレンド予測 | cookpad
フランスでおにぎりが人気の理由
おにぎりは日本を代表する伝統食として世界に発信されており、海外でも「ONIGIRI」として広く知られるようになってきました。特に、フランスでは近年おにぎりが大ブームとなってきており、さまざまな場所で気軽に購入できるファストフードのひとつとして国民に受け入れられています。
日本から遠く離れたフランスの地では、意外にも日本の文化が多く根付いています。日本のアニメや文化や柔道、空手などのスポーツ、日本食など、フランス国民に受け入れられ人気のあるものが多いです。
元々親日派の人が多いフランスで、片手で気軽に食べられ、冷めても美味しい日本食であるおにぎりは、上陸するやいなや瞬く間にフランス国民に受け入れられ人気になりました。
ひるおびも注目!日系のおむすび権米衛がパリで大人気
パリおにぎりが日本で話題になった理由は、お昼の情報番組・ひるおびで特集されたことも大きな要因のひとつと言えるでしょう。番組ではパリに出店している日本のおにぎり専門店「おむすび権米衛」を特集していました。おむすび権米衛は平成3年創業のおにぎり専門店で、関東を中心に多数店舗を展開しています。
2017年に海外進出し、パリ・レピュブリックに店舗を構えて以来、連日多くのフランス人が足を運ぶ人気店になりました。
パリおにぎりの3つの特徴
パリおにぎりには、日本のおにぎりとは異なる特徴がみられます。続いては、日本のおにぎりとは違うパリおにぎりの特徴についてみていきましょう。
特徴1.値段はやや高め
€(ユーロ) | 日本円 | |
---|---|---|
ハンバーガー | 4.3€ | 約70円 |
ラーメン | 8€ | 約1,300円 |
サンドイッチ | 6€ | 約1,000円 |
カプチーノ | 4.2€ | 約680円 |
おにぎり | 3.9€ | 約636円 |
※1€=163円で換算(2024.2.27現在)
日本では100~300円の価格設定にされていることが多いおにぎり。特に、近年高級素材を使ったおにぎりなども人気ですが、それでも500円以上になるものはそう多くありません。
一方、パリで売られている一般的なおにぎりの価格は約3.9€です。日本円にすると約636円と、やや高めの価格設定のように思えますね。
しかし、日本のおにぎりはフランス人に人気があり、沢山の人に買い求められています。
特徴2.冷蔵で販売されている
日本で売られているおにぎりの多くは、常温で販売されています。しかし、パリでは基本的におにぎりは冷蔵で販売されているようです。国によって食品基準などが異なることも影響しているのでしょう。また、パリおにぎりでは生ものや乳製品などもおにぎりの具材として使われているため、冷蔵で販売する必要があります。
冷蔵でも味を損なわないよう厳選された日本米を使っているお店が多いため、フランスの人々は冷えたおにぎりでも、そのまま美味しく食べられているようです。
特徴3.フランス人向けの具材が人気
日本のおにぎりと言えば、梅干しや鮭、昆布、おかかなどが定番です。しかし、フランスのおにぎり店ではほとんど見かけることがありません。わずかに取り扱っているお店もありますが、そのほとんどは日系のおにぎり屋さんです。
フランスで好まれているおにぎりは、チキン照り焼きやアボガド、サーモン、クリームチーズなど、日本では驚くような具材が多い傾向にあります。その他にも、オリーブオイルやハーブ、トマトなど、フランス人向けの具材を用いたさまざまなおにぎりが人気です。
特徴4.ヴィーガン(完全菜食主義)向けのおにぎりもある
ヴィーガンとは、肉や動物が生み出す乳製品などの動物性食品を食べない人のことを言います。食べるのは主に植物性食品であるため、お米を主な材料として用いるおにぎりはヴィーガンとの相性が抜群です。
日系のおにぎり屋やヴィーガン向けの食品店では、高菜、ゆかり、昆布など動物性食品を使わないおにぎりに「ヴィーガン」という表記を掲げていることがあります。また、小麦を含む食べ物を避けたい人に向けて「グルテンフリー」の表記がされているおにぎりもあるそうです。
逆輸入しちゃおう!自宅で作れるパリおにぎりレシピ
パリおにぎりには興味があるけれど、実際にパリまで買い求めに行く訳には行きませんよね。そこで、今回は自宅で簡単に作れるパリおにぎりレシピを紹介します。
朝食や昼食など、いつもと少し違うおにぎりが食べたい時にぜひ試してみてはいかがでしょうか。
スモークサーモン×ディル
パリおにぎりの定番具材であるサーモンとフランスの定番ハーブ・ディルを使ったパリおにぎりを作ってみましょう。
スモークサーモンを適度な大きさにカットし、刻んだディルと少量のクリームチーズをご飯によく混ぜ合わせます(画像はディルの代わりにパセリで代用)。塩と少量の麺つゆを加えて味を整え、おにぎりを握って完成です。
仕上げに上から青のりをまぶすとさらに風味が際立ちやすくなります。
チーズ×オリーブ×生ハム
パリおにぎりにはオリーブも欠かせません。
ご飯に、小さくカットしたチーズとスライスしたオリーブ、ブラックペッパー、少量の塩を混ぜ込みましょう。おにぎりを握った上から生ハムを巻き付けて完成です。
生ハムにも強い塩味があるので、味付けは薄めにしておくのがおすすめです。
ナッツ×カレー粉×ソーセージ
フランス系おにぎり店では、ピーナッツペーストやクルミなどを使ったおにぎりも売られていることがあります。日本では、入手しやすく食べやすいカシューナッツを使うのがおすすめです。
ご飯に、小さく砕いたカシューナッツ、カレー粉、ブラックペッパー、コンソメパウダーを加えてよく混ぜます。具として焼いたソーセージを包むようにおにぎりを握れば完成です。
子どもにも喜ばれる香ばしい味わいのパリおにぎりになりますよ。
美味しいパリおにぎりを作るポイント
パリおにぎりはあるポイントを押さえれば自宅で簡単に作ることができます。最後に美味しいパリおにぎりを作るポイントを紹介していきましょう。
パリっぽい具材なら何でもOK
パリおにぎりにルールはありません。具材は、作っている人が「パリっぽい」と思えるなら何でもOKです。チーズや生ハム、オリーブ、サーモンなど、思い思いの「パリっぽい具材」でおにぎりを握ってみてください。
ディルやバジルなど、ハーブを使うとよりパリっぽい雰囲気のおにぎりに仕上がります。
しっかり握る
パリでは海苔を食べる食文化があまり広がっていないため、パリおにぎりも海苔を巻いていないものが多いです。
しかし、パリおにぎりには照り焼きチキンやオイル漬けのオリーブなど、水分や油分の多い具材を使うことも少なくありません。水分や油分が多いと、おにぎりは崩れやすくなってしまうため、普段よりもしっかり目に握るようにしておきましょう。
美味しい日本米を使う
日本米は瑞々しくもっちりとした食感が世界から高く評価されています。フランスで展開しているおにぎり屋さんの多くは、日本米を輸入しているケースも多いです。おにぎりの味を決めるのには、美味しい日本米を使う必要があります。
どんな具材や味付けをしても、材料の大半を占めるご飯が美味しくなければ、味気なく感じてしまうでしょう。美味しいパリおにぎりを作るためには、ぜひ厳選された美味しいお米を使ってみてください。
まとめ
2024年にブームが予想されているパリおにぎりについて紹介してきました。実際は、パリだけでなくフランスのさまざまな地域で受け入れられはじめているおにぎり。遠いフランスの地で、日本の伝統食が好まれているのはとても嬉しいことですよね。
日本で生まれたおにぎりが、海外に進出して新しい形になって帰ってきた今、ぜひともパリおにぎりを味わってみたいという人も多いでしょう。
パリおにぎりに厳密なルールはないため、ぜひご家庭でも「パリっぽい具材」を使ったオリジナルのパリおにぎりを作ってみてくださいね。