すぐに実践できるオクラ水の作り方! 美容と健康にうれしい理由と注意点を詳しく解説
スーパーフードのひとつとして知られている「オクラ」。テレビ番組でしばしば取り上げられ、栄養素がたっぷりな注目を集めている食べ物のひとつです。
なかでも最近、オクラの栄養素を簡単に摂れると話題の「オクラ水」。どのようなものなのか、実際に作って飲んでみました。
- オクラ水を作るのはとても簡単(5工程)
- オクラ水はとろみがあり、少し青い香りはするが飲みにくさはない
- オクラ水で腸が活発になるのを感じた(感想)
実際に作ってみて分かったこと
「オクラ水」って一体なに?
「オクラ水」は、オクラを8時間~24時間浸けた“水”のことです。オクラが持つ栄養素を家庭で手軽に摂取できる自家製健康ドリンクとして、兵庫県にある「市橋クリニック」の院長・市橋研一氏が2018年に雑誌で紹介したことで広く知られるようになりました。
このオクラ水は、食事で健康を維持する考え方「食養生」に由来すると言われています。
「オクラ水」が注目されるようになった理由
これまでも健康によい食べ物として挙げられてきた“ネバネバ食品”の代表格・オクラですが、テレビ朝日の番組「相葉マナブ」(2021年8月29日放送)や「林修の今知りたいでしょ!」(2022年5月31日放送)などで「オクラ水」が取り上げられたことで、一気に注目度が高まりました。
日本だけではなく、アメリカやインド、香港やパキスタンなどで、オクラ水を紹介している美容・健康・医療関連サイトもあります。
オクラにはどんな栄養素があるの?
鮮やかな緑色の外皮と五角形のフォルム、そして輪切りにすると現れる真っ白な種のコントラストもかわいい星型のオクラは、印象的な見かけに加え、栄養価が高いことで知られています。
古くは、世界三大医学のひとつでインド発祥の「アーユルヴェーダ」の食事法や、中国薬膳でもオクラが取り入れられてきました。
水溶性と不溶性の2つの食物繊維を持つ
オクラは、近年「第6の栄養素」と言われることもある“食物繊維”を豊富に含み、ネバネバに象徴される水溶性食物繊維と噛み応えがある不溶性食物繊維をどちらも含んでいるのが特徴です。
このほか、カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル、β-カロテン、ビタミンK、ビタミンCなど、その栄養素の働きが注目されています。
オクラは生食OKの野菜
オクラを使ったレシピでは、その多くがさっと茹でるなど加熱する料理が多いと思いますが、実は新鮮であれば生食がOKな野菜です。オクラの栄養素をできるだけ摂ることを重視する場合は、生食がおすすめです。
「オクラ水」の作り方
それでは、オクラ水を作ってみます。オクラ水作りは、たったの5工程。簡単と言われていますが、どの程度カンタンなのでしょうか。実際にトライしてみます。
オクラ水の材料
- 生オクラ・・・5本
- 水・・・100~180ml
オクラ水を作るために用意したもの
- オクラが入る高さのビンやキャニスター(蓋つき推奨)
- まな板
- 包丁
- 計量カップ
オクラ水を作る手順
- オクラを洗う
買ってきたオクラや収穫したオクラは、水で洗います。農薬が気になる場合は、30分ほど水に浸けておきます。 - オクラの不要な部分を切り落とす
1本ずつ、オクラのヘタとガクを切り落とします。 - 容器にオクラの切り口を下にして入れる
ヘタとガクを切ったオクラは、切り口を下にして、キャニスターやコップなどの容器に入れます。 - 容器に水を注ぐ
オクラを入れた容器に100㏄~180㏄程度の水を注ぎ入れます。 - 蓋やラップをしてひと晩、冷蔵庫におく
水を注いだら、容器に蓋やラップをし、冷蔵庫でひと晩(8時間~12時間)おいておきます。
あとは待つだけです!
「オクラ水」を飲んでみた感想! 気になる味や香り
ひと晩、水に浸けておいたオクラ水。できあがったオクラ水を見て飲んでレポートします。
まずはオクラの切り口を見てみます。とろりとした水溶性食物繊維が糸を引くようにしたたり落ちてきます。オクラ水の香りは、わずかに青っぽさを感じる程度。
冷えたオクラ水を飲んでみると、とろりとした舌触りを感じるほか、オクラの青い香りが少し感じ取れますが、思っていたほど飲みにくさは感じません。思いのほかクセがなく、飲み続けられそうな「オクラ水」ができあがっていました。
そして常温程度にしたオクラ水を飲んでみると、今度は冷たいオクラ水よりも香りが強く、香りや味に敏感な人であれば、冷えたオクラ水に比べると気になる青臭さになっています。オクラと水の量や個人差によって、感じ方は異なると思いますが、香りの点では冷えている方が気にならないかもしれません。
「オクラ水」を飲むタイミングと飲み方
飲み頃のオクラ水(冷蔵庫で8時間~12時間浸けたオクラ水)は、衛生面や鮮度の面から早めに飲んだ方がよいので、オクラ水ができあがった頃に飲むのがベスト。翌日まで持ち越さないことが大切です(日持ちはしません)。特に海外では、朝、食事を摂る前など、空腹のうちに飲むと最も栄養素を吸収しやすいと考えられているようです。
「オクラ水」は、そのまま飲むことができますが、特有の香りが気になる場合は、お気に入りのビネガーやメープルシロップ、ハチミツ、レモンなどを加えた飲み方がおすすめです。
海外では、塩・コショウで味付けする方法も取り入れられているようです。
「オクラ水」の注意点
冷蔵庫から出したばかりの場合、冷たい飲み物が苦手な方は、ぬるま湯を少し足して温めて飲みましょう。ただし、オクラが持つ栄養素の特徴として、電子レンジなどでの加熱や熱湯などで温めると、水に抽出した栄養素の性質が変化する可能性があるので、温め方には注意が必要です。また、同じ理由からオクラ水の冷凍も避けたほうがよいでしょう。
また、オクラについては、まだ解明されていない要素があり、オクラから抽出された成分が香り成分同様に揮発する可能性が考えられるので、念のために蓋やラップをして冷蔵庫に保管するとよいかもしれません。
摂りすぎは腸が活発に!?
オクラそのものは食物繊維を多く含むことから整腸作用があるうえ、夏野菜で体を冷やす作用があります。摂りすぎると腸の活動が活発になりすぎるかもしれません。このため、オクラ水の飲み過ぎ、オクラの食べすぎには注意が必要です。
一度使用したオクラでオクラ水を作るのは避ける
オクラ水をひと晩抽出したあとのオクラは、衛生面・鮮度・栄養価の観点などから使い回さないようにしましょう。オクラ水を作ったオクラでもう一度オクラ水を作ることはできませんが、早めに加熱調理をして食すことはできそうです。ただし、前述の“摂りすぎ”に繋がるため、自身以外の家族などに食べてもらうのが良さそうです。
オクラの活用方法【オクラ水を作った後は・・・】
オクラ水を作ったあとのオクラは、オクラ水への使いまわしはNGですが、捨ててしまうのはもったいない! ということで、作ってみました。食物繊維たっぷりのひと品で健康的かつSDG’sなフードロスやゴミの削減にも貢献できそうです。
<事前の下処理をお忘れなく>
オクラ水を作ったオクラを調理して食べる場合、オクラ水を作るときにオクラを洗ったあと、まな板で塩でこする「板ずり」や、オクラが入っていたメッシュの袋でもみ洗いするなど、必要に応じてオクラ水を作る前に“産毛をとる下処理”をしてください。
朝食におすすめ! オクラ納豆の塩昆布和え
多くの方がすでに実践されていると思いますが、オクラと納豆の塩昆布和えです。夜に仕込んだオクラ水を朝に飲むタイミングで和え物を作り、朝食の一品に。
シャキシャキ感とできるだけ栄養素を残すという意味で、オクラは刻んだだけで加熱せずに和えました。
スーパーフード×スーパーフード! オクラのサブジ
「サブジ」(炒め煮)は火を通す料理ですが、いつもはキャベツなどで作っているインド料理のサブジをオクラで作ってみました。スーパーフードつながり&ブームに便乗したスパイス料理です。
材料
- オクラ水を作った後のオクラ
- タマネギ
- クミンシード
- ターメリック(ウコン)
- 塩・こしょう
作り方
- オクラを食べやすい大きさに切り、タマネギは薄くスライスする
- オリーブオイル(もしくはサラダ油など)を熱し、クミンシードを入れて香りが立つまで炒める
- クミンシードの香りが立ったら、タマネギを入れて色が変わるまで炒めてからオクラを入れる
- さっと炒めてターメリックを入れて混ぜ、塩・胡椒で味付けする
※ターメリックは入れすぎると苦みが強くなるので、耳かき1杯程度から入れてみてください(食器や鍋以外のものにターメリックがつくと色が落ちにくいので、取り扱いは注意してください)
まとめ
「オクラ水」は、オクラさえ手に入れば手軽に作ることができる比較的飲みやすい自家製健康ドリンクであることがわかりました。オクラを毎日食べ続けるには、レシピに迷ったり飽きたりすることがあるかもしれませんが、「オクラ水」にすることで、オクラの栄養素を毎日余すことなく摂ることができ、“しっかり栄養を摂る”という健康習慣のサポートになりそうです。
個人的な感想ですが、オクラ水とオクラを摂り始めて数日のうちに、いつもより腸の運動が活発になってきたことを感じ、少なくとも食物繊維の働きを実感しています。とはいえ、多く摂りすぎると、やはり腸の運動が活発になり過ぎる可能性があるので、続けやすく、自分の体質に合った“飲む適量”をみつけることがオクラ水をうまく利用するポイントかもしれません。