北海道民でも読めないかもしれない難読地名26選!読み方が難しい理由や由来も紹介

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全国にはさまざまな難読地名がありますが、北海道は特に読むのが難しい地名が多いことで有名です。北海道の難読地名は、他府県民はもちろん北海道民でも読めないことも…。

この記事では、多くの人が読めない北海道の難読地名を紹介します。北海道に読めない地名が多い理由も併せて解説しているので、ぜひ楽しんで最後まで読んでみてください。

この記事のまとめ

  • 北海道に読めない地名が多いのはアイヌ語が由来となっているから
  • 北海道の難読地名は当て字も多い
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

北海道の地名が難しいのはなぜ?

日本最大の面積を誇る北海道。広大な土地にはさまざまな地名が付けられており、中には他府県民では読めないものも少なくありません。
「函館(はこだて)」「網走(あばしり)」「富良野(ふらの)」程度なら一般的であり知っている人が多いでしょうが、中には「札比内(さっぴない)」「支幌呂(しほろろ)」など、初見ではほとんどの人が読めないという地名もあります。

このように北海道の地名が難しい理由は、土地の名前の由来にあります。北海道には元々、先住民であるアイヌ民族が暮らしていました。アイヌの人々の言葉で呼ばれていた地名を漢字に当てはめて地名としているため、難読地名が多くなってしまったのです。

北海道の地名全てがアイヌ語をルーツにしている訳ではありません。しかし、北海道にはアイヌ語をルーツにしている地名が圧倒的に多く、中には北海道民さえ正しく読めない地名もあるようです。

北海道の難読地名のルーツ「アイヌ語」とは

北海道の難読地名のルーツ「アイヌ語」とは

北海道の難読地名の多くは、ルーツがアイヌ語です。アイヌ語は、北海道の先住民であるアイヌ民族が用いる独自の言語。

日本には8つの言語がありますが、その中でも唯一極めて深刻な消滅の危機を迎えているのがアイヌ語と言われています。歴史のさまざまな出来事の中で、だんだんとアイヌの文化が失われていき、現在は北海道でもアイヌ語を分かる人はほんのわずかです。

現在の北海道の地名の多くは、アイヌ語に漢字を当てはめているため、一般的な音読みや訓読みに当てはまらない使い方をしているものも少なくありません。これにより、北海道民でさえ読めない地名ができてしまっているようです。

【読めたらラッキー!】北海道の読めない地名と由来

初見ではなかなか読めない北海道の難読地名。まずは比較的簡単なものから紹介していきます。

ぜひ、読み方を考えながら読み進めてみてくださいね。

厚岸

読み方「あっけし」
道東に位置する厚岸は牡蠣の水揚げで有名な町です。名前の由来はアイヌ語の「アッケ・ウㇱ」。ニレ科の樹木であるオヒョウの木の皮を剥ぐところ、という意味だそうです。昔の厚岸にはオヒョウがたくさん自生していたのかもしれませんね。

留寿都

読み方「るすつ」
北海道のリゾート観光地としても有名な留寿都は、道南にある人口約1,900人ほどの小さな村です。名前の由来はアイヌ語の「ル・スツ」で山のふもとに道があるという意味。ウィンタースポーツを好む人は、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

積丹

積丹

読み方「しゃこたん」
「せきたん」と読みたくなってしまいますが、正しくは「しゃこたん」です。道央、西海岸に突き出た積丹半島にある町で、アイヌ語の「シャク(夏)」と「コタン(村、郷土)」を組み合わせた言葉がルーツと言われています。「シャクコタン」には夏場所という意味があるそうです。ウニ漁が盛んで、ソーラン節発祥の土地とも言われています。

由仁

読み方「ゆに」
なんとなく読めたという人も多いのではないでしょうか。夕張メロンが有名な夕張群にある町で、アイヌ語の「ユウンニ(温泉があるところ)」が名前の由来です。実際に「ユンニの湯」という温泉がありますが、施設ができたのは平成5年。温泉があることが分かったのは明治時代だそうです。割と最近の話しですよね。

もしかすると、アイヌの人々はもっと昔から由仁にある温泉を利用していたのかもしれません。

喜茂別

読み方「きもべつ」
素直に漢字を読めば「きもべつ」と読めますが、ついつい「何か引っかけがある?」と疑いたくなりますよね。名前の由来はアイヌ語の「キムオペツ」。山奥にある川という意味があります。由来の通り、喜茂別には一級河川である喜茂別川が流れています。

美唄

読み方「びばい」
国設スキー場があり、スキーヤーの間では良く知られている美唄市。アイヌ語でカラス貝を意味する「ピパイ」「ピパオマナイ」「ピオパイ」という言葉から名付けられているそうです。

留辺蘂

留辺蘂

読み方「るべしべ」
「蘂」自体が難読漢字であるため、読める人は少ないでしょう。蘂は「べ・しべ」と読み、花のしべを指す漢字で、雌蘂(めしべ)・雄蘂(おしべ)などに使われます。留辺蘂の地名はアイヌ語で「ルペシペ(越えていく道)」や「ルペシペツ(山越えの道)」などに由来していると言われています。由来通り留辺蘂町は2つの山のふもとにあり、アイヌの人々は留辺蘂を通って山を越えていたのでしょう。

長万部

長万部

読み方「おしゃまんべ」
「長」を「おしゃ」と読む難読度の高い地名ですが、「これぞ北海道の難読地名」という気もしますね。名前の由来はアイヌの「オシャムベツ」。川尻が横になっている川という意味です。

花畔

読み方「ばんなぐろ」
湖畔(こはん)などに使われる「畔」が入っているため「はなはん」と間違えられることも多い花畔。そもそも花には「はな」「カ」「ケ」しか読み方がないので、なぜ花畔と書いて「ばんなぐろ」と読もうと思ったのか疑問に感じる点も少なくありません。
名前の由来はアイヌ語の「パナウンクル・ヤソッケ(川下人の漁場)」です。

遊楽部

読み方「ゆうらっぷ」
道南の渡島半島にある遊楽部。読めそうで読めませんね。名前の由来はアイヌ語の「ユ・ラン・ペツ(温泉から下る川)」。登山スポットとして人気の遊楽部岳(ゆうらっぷだけ)がある、自然豊かな町です。

【その読み方はないでしょ!?】意外性のある北海道の読めない地名と由来

私達の予想の斜め上をいく読み方が多い北海道の難読地名。その中でも「その読み方するの?」と思わず言いたくなる地名を集めてみました。

増毛

読み方「ましけ」
この地名を見て「ぞうもう」と読んだ人も多いでしょう。実際、よく読み間違えられるそうです。名前の由来はアイヌ語の「マシュキニ」「マシュケ」で、カモメの多いところという意味。ボタンエビの水揚げ量が日本一な他、酒造なども盛んで名物が多い町なので、北海道を訪れたらぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょう。

歌志内

歌志内

読み方「うたしない」
素直に漢字を読めた人だけが正解を当てることができます。名前の由来は「オタ(砂)」「ウシ(あるところ)」「ナイ(川)」で、砂のある川という意味です。

一已

読み方「いちやん」
「已」は「イ」や「や(む)」と読めますが、この字を見て「いちやん」と読めるのはごくわずかでしょう。アイヌ語の「イチャン」が由来で、鮭の産卵場という意味があります。こちらはかつて存在した村の名前。1963年(昭和38年)に近隣町村と合併し、現在の深川市の西側に位置します。

弟子屈

読み方「てしかが」
「でしかが」と読んだ人も多いのではないでしょうか。こちらは「てしかが」と読みます。アイヌ語で「テシカ(鮭をとる梁)」と「カ(罠)」に由来しており、鮭をとる梁型の罠という意味になります。弟子屈町には摩周ブルーで有名な摩周湖があり、農業や産業も盛んです。

入境学

読み方「にこまない」
どうしてこんな読み方になるの?と言いたくなりますよね。こちらは「にゅうきょうがく」ではなく「にこまない」と読み、釧路町にある地名です。名前の由来はアイヌ語の「ニ・オマ・ナイ」で流木のある川という意味。北海道の難読地名として度々取り上げられている難問です。

濃昼

読み方「ごきびる」
「こいひる」「のうちゅう」などの声があがる中、「濃」を「ごき」と読むのが北海道の難読地名ならではです。名前の由来は「ゴキンボリ(山の陰)」「ボキビル(滝つぼに水が落ちる様子)」と言われています。石狩市浜益区にある自然豊かな山道「濃昼山道」は、2018年に北海道遺産に認定されました。

忍路

忍路

読み方「おしょろ」
「おしろ」と読めた人はいるかもしれませんが、正解である「おしょろ」と読めた人は少ないでしょう。アイヌ語で「オショロ・コッ」が地名の由来で、その意味は「尻のような窪み」です。小樽市にある町の名前ですが、どの辺がお尻のような窪みなのか気になりますね。

生振

読み方「おやふる」
「なましん」「しょうふり」と読む人も多いですが、実は「おやふる」と読みます。アイヌ語の「オ・ヤ・フル」が名前の由来で、尻が陸につく丘という意味だそうです。ちなみに、生振町があるのは石狩(いしかり)市。すんなり読める石狩(いしかり)ですが、これもアイヌ語が由来となっており、「イシカラペツ(神様が作った美しい川)」がルーツだそうです。

知方学

読み方「ちっぽまない」
「ちほうがく」「ともかたまなぶ」などと読みそうなものですが、まさかの「ちっぽまない」が正解です。語源はもちろんアイヌ語で「チㇷ゚・オマ・ナイ」。船のある川という意味です。知方学も北海道の難読地名でよく取り上げられています。

胆振

読み方「いぶり」
「たんふり」と読みたくなりますが、「いぶり」と読みます。北海道はアイヌ語を由来としているものが多いですが、胆振の語源は日本書紀にあるのだそうです。日本書紀には、斉明天皇の時代に阿部臣が胆振さえの蝦夷を歓待したことが由来と記されています。この胆振は、伊達市や室蘭市、登別市など4市7町のエリア名として用いられます。

【当て字過ぎる!】漢字の読み方が難読すぎる北海道の読めない地名と由来

最後に紹介するのは、北海道民ですら読めない人も多い難読地名です。他府県民からは「当て字ですらない」と言われることもある超難読地名の解読に挑戦してみてください。

占冠

読み方「しむかっぷ」
何だかかわいらしい響きと「冠」を「かっぷ」と読ませる強引さに、一度知ると頭に残る難読地名です。名前の由来はもちろんアイヌ語で「シュムカプ」。ヤチダモが多い川岸という意味があるそうです。

ちなみに、北海道の難読地名には冠(かっぷ)シリーズがあり、愛冠(あいかっぷ)、新冠(にいかっぷ)という地名も存在します。

倶知安

倶知安

読み方「くっちゃん」
こちらもかわいらしい響きの難読地名です。倶知安の由来はアイヌ語の「クッシャニ」で、くだのようなところを流れでてくる場所という意味があります。

興部

読み方「おこっぺ」
「興部」を見て「おこっぺ」と直ぐに分かる人は多くないでしょう。道東のオホーツク海沿いにある興部町は、酪農が盛んな他、ホタテ漁や毛ガニ漁などでも賑わいを見せています。名前の由来はアイヌ語の「オウコッペ」。川尻の合流したところ、という意味だそうです。

老者舞

読み方「おしゃまっぷ」
北海道には「〇〇っぷ」という難読地名が多いですが、その中でも読む人を困らせるのが老者舞(おしゃまっぷ)です。由来となるアイヌ語は「オ・イチャン・オマプ」で、川尻に鮭鱒産卵場があるという意味。牡蠣の名所としても有名な、釧路町仙鳳趾村の地域名です。

重蘭窮

重蘭窮

読み方「ちぷらんけうし」
もうここまでくると何をどう読めば重蘭窮(ちぷらんけうし)と読めるのか分かりませんね。アイヌ語で舟下ろしをするところ、という意味の「チㇷ゚・ランケ・ウシ」が由来だそうです。こちらも前項を同じく、釧路町仙鳳趾村の地域名。

鼈奴

北海道の難読地名-べっちゃろ

読み方「べっちゃろ」
まったく検討もつかない鼈奴(べっちゃろ)は、現在は十勝管内浦幌町ベツチヤロという地区名となっています。明治期までは鼈奴村という村であり、周辺の村との合併によって大津村に。昭和中期に入るとその大津村が浦幌町に編入して、今現在は村のかけらはない状態です。「鼈奴」はアイヌ語由来の地名で、舟下ろしをする場所という意味の「チㇷ゚・ランケ・ウシ」からきているようです。

北海道以外にも?難読地名が有名な都府県

北海道以外にも、難読地名のある都府県はたくさんあります。最後に、難読地名が有名な他の都府県についても簡単にみていきましょう。

長野県

難読地名ランキングで堂々の一位を飾ったのは、長野県の東御(とうみ)市。東御市は平成16年に2つの町村が合併してできました。合併前は、小県郡(ちいさがたぐん)と北御牧村(きたみまき)村、合併以前から難読地名だったようです。

大阪府

笑いの町・大阪も難読地名で度々話題になります。十三(じゅうそう)や中百舌鳥(なかもず)放出(はなてん)など、「なんでそんな読み方やねん」と思わずツッコミをしたくなるような地名が有名です。

沖縄

北海道と同じく独自の言語で地名が付けられているため、他府県民には読めないことが多い沖縄。美作(ちゅらさく)や桃原(とうばる)喜瀬武原(きせんばる)など、初めて見ると全く読めない地名も珍しくありません。

まとめ

一筋縄では読めない北海道の難読地名を紹介してきました。北海道には、ここで紹介した以外にも多くの難読地名があります。北海道を訪れる際には、事前に地名の読み方や由来を調べてみてはいかがですか。アイヌの言葉が由来となっているケースが多く、地名から新たな発見があるかもしれませんよ。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!