ちゃんちゃん焼きって、どんな料理? 道民なら知ってる、秋の北海道名物
北海道の代表的な味覚のひとつ、鮭。そして、大人数で楽しむ鮭料理といえば、北海道では石狩鍋と並んで定番なのが「ちゃんちゃん焼き」です。
大人数の時には、鮭の半身をまるごと使いますが、もちろん切り身でも作れるので、手軽に1人分からも作れます。メイン食材は鮭ですが、野菜もたっぷり使うので栄養バランスもよく、満足感のある料理になります。
本記事ではちゃんちゃん焼きの歴史や由来、基本のちゃんちゃん焼きの作り方などをご紹介します。
- ちゃんちゃん焼きは北海道石狩市発祥
- ちゃっちゃと作れるからなど名前の由来は諸説ある
- 鮭だけでなくマス類でも作れる
- 手軽にレンジでも作れる
この記事でわかること
ちゃんちゃん焼きってどんな料理?
秋から冬にかけてとれる鮭と旬の野菜を蒸し焼きにして甘めの味噌で味付けした料理で、北海道全域の猟師町で古くから食べられてきました。ここでは発祥や名前の由来を詳しく紹介します。
発祥は石狩
ちゃんちゃん焼きは、北海道・石狩地方の漁師町が発祥といわれています。石狩市では、昭和初期に漁師が釣った鮭をドラム缶から作った鉄板を使い、船上で焼いて食べたていたそうです。
大きな鉄板やホットプレートの上にたっぷりの野菜を敷き詰め、その上に鮭をのせ、味噌に酒やみりんなどを混ぜた調味液をまわしかけ、蒸し焼きにするのが基本の作り方。
北海道のコアな郷土料理ですが、石狩鍋やジンギスカンとともに今では全国的に有名となり、2007年に農林水産省の「農山漁村の郷土料理百選」に選出。
また、同じく農林水産省の「うちの郷土料理」でも紹介されています。
北海道ではよく鮭を食べる
北海道では昔から鮭が多く食べられていました。アイヌの人々にとっても貴重な食料源で、アイヌ民族の生活の中では鮭の皮を使った日用品もあったほどです。
北海道は現在でも鮭の漁獲量が国内トップ。鮭を使った様々な郷土料理が存在します。
名前の由来
ちゃんちゃん焼きという、ちょっと変わった響きの名前ですが、由来は諸説あります。
有力な説
- お父ちゃんが作る料理だから
- ちゃっちゃと(素早く)作れるから
- 鉄板とヘラがぶつかりあってチャンチャンと音を立てるから
この他、「仕事中の漁師が親方の目を盗んで鮭を焼いて食べる時、ちゃんちゃんこで身を隠したから」、「火を起こすときの火打ち石の音から」、「当時、鮭定置網の作業に使われていた大きな鋤簾(じょれん)を浜ではチャンチャンと呼んでおり、そのチャンチャンを鉄板代わりに調理したから」などの説もあります。
フライパンで手軽に“ちゃんちゃん”
大きな鮭の半身を使うならBBQ用の鉄板やホットプレートを使いますが、少ない量で作るならフライパンでもOKです。1~2人分であればスキレットを使うと見栄え良く仕上がりそうですね。
スキレットを使う場合はアルミホイルなどをかぶせて蒸し焼きにしましょう。
マス類で作るちゃんちゃん焼き
ちゃんちゃん焼きは鮭を使うことが多いですが、ニジマスやサクラマスでも美味しく作れます。
本来のちゃんちゃん焼きは鮭の半身を使いますが、ニジマスやサクラマス、カラフトマスなどでもおいしく作ることができます。この他、北海道ではホッケやイカを使う地域もあるのだそう。
ちゃんちゃん焼きの作り方
前述のとおり、ちゃんちゃん焼きは鉄板やホットプレートの上に鮭と野菜をのせて蒸し焼きにする料理。漁師めしなので、さほど難しさはありません。ここでは自宅で実践できる作り方を簡単に紹介します。
基本のレシピ
材料(4人分)
- 生鮭の切り身 4切れ(または半身のハーフカットなど)
- キャベツ 1/2~1/3個
- 玉ねぎ 1個
- にんじん 1本
- もやし 1袋
- ぶなしめじ 1パック
- 味噌だれ
- 味噌 100g
- 酒 大さじ4
- 砂糖 大さじ1
- みりん 大さじ1
- にんにくのすりおろし 小さじ2
- サラダ油 大さじ1
- バター 20g
作り方
- 味噌だれの材料を合わせます。
- 耐熱容器に野菜を敷き、上に鮭をのせて、味噌だれを回しかけます。
- ふんわりとラップをかけ、600Wで6分加熱します。
- 仕上げにバターをのせて出来上がりです。
レンジで簡単バージョンレシピ
スーパーやコンビニで売っている、野菜炒め用などのカット野菜を使えば下準備も楽々です。調味料も味噌と焼肉のたれを合わせてみりんを少し加えるだけ。これなら気軽に作れますよ。
材料(2人分)
- 生鮭の切り身 2切れ
- カット野菜(キャベツ入り) 1袋
- 味噌だれ
- 味噌 小さじ2
- 焼肉のたれ 大さじ2
- みりん 小さじ1
- バター 10g
作り方
- 味噌だれの材料を合わせます。
- 耐熱容器に野菜を敷き、上に鮭をのせて、味噌だれを回しかけます。
- ふんわりとラップをかけ、600Wで6分加熱します。
- 仕上げにバターをのせて出来上がりです。
味噌だれ+プチアレンジ
ちゃんちゃん焼きに使うたれは、味噌に酒・みりん・砂糖などを合わせて少し甘めに仕上げます。
ビールなどお酒とともに楽しむなら、唐辛子やニンニクなどを加えて少しパンチのある味にするのがおすすめ。ショウガのすりおろしを加えても爽やかです。また、焼き上がった後にレモンを搾ったり、上からマヨネーズをかけて食べるのもおすすめです。
味噌とマヨネーズの組み合わせはご飯が進みますよ!
リメイクレシピ
ちゃんちゃん焼きが余ってしまったら、ぜひおすすめしたいのがチーズ焼きです。
残ったちゃんちゃん焼きを耐熱皿に入れ、上からピザ用チーズをたっぷりとのせて、オーブンまたはトースターで焦げ目が付くまで焼くだけです。チーズと甘い味噌の組み合わせはクセになる美味しさです。
まとめ
ちゃんちゃん焼きの由来と作り方、いかがでしたでしょうか。
鮭は秋が旬なので、美味しい生鮭が手に入りやすいのは秋から冬にかけてですが、最近は冷凍技術の発達や、外国産のサーモンが輸入されることもあって、鮭は1年を通して入手しやすい食材となっています。
子供から大人まで嫌いな人が少ない魚のひとつではないでしょうか。合わせて野菜もたくさん食べられるので、ご家庭のレパートリーに加えてみてはいかがでしょう。