北海道の魚・海産物まるわかり! 旬カレンダーと道内でしか食べられない魚介も紹介
日本海、オホーツク海、太平洋と3つの海に囲まれた北海道。種類・漁獲量ともに国内有数の産地として知られていますが、季節や地域ごとに旬が異なるほか、同じ魚でも水揚げされる場所によって種類や味わいも違います。
本記事では、北海道の旬魚を月別に紹介。道内でしか水揚げされない珍しい魚介もピックアップしているので、海産物好きは要チェック!
この記事でわかること
- 日本の漁獲量の約1/4が北海道
- 北海道の厳冬が魚介を美味しくしている
- 種類なら夏、美味しさなら冬
日本の漁獲量の約4分の1が北海道
四方を海で囲まれ、日本海・オホーツク海・太平洋の豊かな水産資源に恵まれている北海道。日本では沖縄県も四方を海に囲まれていますが、北海道は潮の流れが非常に入り組んでいるため、様々な魚介類が生息しており、その数も圧倒的に多いと言われています。
北海道では古くから漁業が盛んであったことはこれに由来し、最新のデータにおいても北海道の漁船が水揚げする魚介類は、日本の漁獲量の約4分の1を占めています。
参考:農林水産省 北海道農政事務所 統計調査(令和2年発表)
北の寒さが美味しさを増す
北海道で海産物が有名な理由は、漁獲量だけではありません。多くの人が 北海道=海鮮 という印象を持つのは、新鮮で美味しいからではないでしょうか?
海域によって異なりますが、北海道の海鮮がおいしい理由には、以下の3つが上げられます。
親潮の影響
海には潮の流れがあります。日本を取り巻く潮の流れは全部で7つあり、黒潮や津軽暖流などがその代表格。この7つのうち、最も重要なのが「親潮」です。“栄養分を多く含んで生命を育む潮”だから親潮と命名された逸話があるほど、親潮は豊富な栄養分をもたらしてくれる潮です。この親潮は太平洋を流れており、道東から道南にかけて水揚げされる魚介は、その栄養分の賜物というワケです。
流氷の下で増えるプランクトン
例年1月~2月になると、道北のオホーツク海に流氷がやってきます。オホーツク海の海流は宗谷・網走の道北沿岸はもちろんのこと、道東の根室や釧路、道南の日高や函館まで影響を与えると言われています。
流氷そのものには栄養はないのですが、流氷を運ぶ海流が豊かな栄養分を運んできます。分厚い氷でフタをされた海の中では、この栄養分によってプランクトンが爆発的に増殖し、魚介類にとって住みやすく成長しやすい環境に。世界的にみても流氷が届く沿岸の魚が美味しいと言われるのは、氷の下で魚たちがたっぷり栄養を蓄えているからなのです。
冷たい海で身が締まる
冷涼な気候と冬には厳寒を迎える北海道は、海も大変冷たいです。この寒い海に生きる魚たちは自然と身が締まり、冬の寒さや産卵のために大量の脂肪を蓄える必要があるのです。
魚にとって厳しい環境が、脂がのった魚を育てる土壌となっており、美味しい魚となってくれます。
漁獲量全国1位の北海道魚介
農林水産省の統計調査によると、2018年の北海道の海面漁業・養殖業生産量は108万トンで、金額にすると2,735億円とのこと。都道府県別でみても、北海道は量・金額ともに第1位の生産規模を誇っています。
北海道の主要魚種であるホタテ貝、サケ・マス類、スケトウダラ、ホッケ、サンマ、昆布は道産の占める割合が80%を越えており、都道府県別第1位の生産量となっています。
北海道で春夏に旬を迎える魚
夏と冬の寒暖差が激しく、冬は積雪に覆われて流氷が訪れる北海道では、春から夏が水揚げされる魚介類がもっとも多いです。本州では冬の味覚として認識されている蟹も、北海道では意外と漁獲時期が長いのも特徴です。
※下記記載の月別旬魚は、漁獲最盛期を基準としています
4月の旬魚介
タラバガニ
太く立派な足と、甘みの強い味わいが人気のタラバガニ。北海道最北端の稚内では、水揚げ場が近いということもあり、刺身やカニしゃぶで楽しむこともできます。
旬の時期 | 3月~8月 |
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主な産地 | 稚内市ほか |
紅ズワイガニ
紅色が美しい、北海道を代表する紅ズワイガニ。甘い身肉と、ぎっしり詰まったカニ味噌がたまりません。日本海全域で水揚げされますが、江差町とせたな町での漁獲が特に盛んです。
旬の時期 | 4月~8月 |
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主な産地 | 江差町、せたな町ほか |
サクラマス(桜鱒)
産卵期に体が桜色になる、春らしい特徴を持つサクラマス。漁獲量では、オホーツク海沿岸部が日本一を誇ります。脂がたっぷりのっており、寿司やカマ焼き、ステーキなどで楽しむのが一般的です。
旬の時期 | 2月~5月 |
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主な産地 | 羅臼町、江差町、寿都町ほか |
チカ
円筒形で細長い魚体が特徴のチカは、「ヒメアジ」「オタポッポ」などの別名で呼ばれることも。北海道ならではの氷下待ち網漁で漁獲される、地域を代表する魚でもあります。
旬の時期 | 3月~5月 |
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主な産地 | 函館市、厚岸町 |
ボタンエビ
花の牡丹のような鮮やかな色が特徴的なボタンエビは、3月初旬~5月初旬が旬と言われています。甘みが強く、絡みつくような食感で、寿司ネタとしても人気です。
旬の時期 | 3月~5月 |
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主な産地 | 北海道全域 |
イカナゴ
「イカナゴ」という名称はあまり馴染みがないかもしれませんが、稚魚は「シラス」と呼ばれる魚です。成長(体長)によって名前が変わり、シラス > チリメン > コスジ > イナゴ > オオナゴと変化します。
旬の時期 | 3月・4月 |
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主な産地 | 稚内市、利尻富士町、紋別市 |
エゾバカガイ
「時々斧足が殻からはみ出している」ため、バカガイと呼ばれるようになったちょっと可哀そうな貝です。しかしこの斧足は、江戸前寿司の青柳の寿司ネタとしても人気で、酢味噌と和えた「ぬた」としても好まれています。
旬の時期 | 2月~4月 |
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主な産地 | 網走市、根室市ほか |
アサリ
貝の代表と言えるアサリも、北海道を代表する海産物のひとつです。沿岸のほとんどの地域に生息しています。本州のアサリは3cm程度ですが、北海道で捕れるアサリは4cm超えは当たり前。味噌汁の具や酒蒸し、パスタなど北海道では様々なアサリ料理が楽しめます。
旬の時期 | 4月~7月 |
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主な産地 | 根室市、帯広市、釧路市 |
5月の旬魚介
マスノスケ
マスノスケ(鱒の介)は、「キングサーモン」という名前でお馴染みの魚。火を通しても硬くならず、甘みのある上質な味わいが特徴的。北海道での漁獲量は多くありませんが、太平洋沿岸でわずかに水揚げされている高級魚です。
旬の時期 | 4月~6月 |
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主な産地 | 釧路市、根室市、日高町 |
クロガレイ
クロガレイの特徴は、頭と側線の湾曲が小さいという外見にあります。オホーツク海沿岸から十勝、釧路地方の海に生息。カレイ全般は北海道民にとってポピュラーな魚で、新鮮なものであればお刺身で食べる“ツウ”も多い。
旬の時期 | 4月~7月 |
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主な産地 | 根室市、厚岸町 |
シャコ *年2回
刺々したエビのような見た目をしたシャコ。北海道では、透明度の高い石狩湾でシャコ漁業が行われています。生きたまま湯がいて食べるのが本格的なシャコの食べ方ですが、もちろん寿司ネタとしても人気です。シャコは成長が早いため、1年に2回旬を迎えます。
旬の時期 | 4月~6月、10月~12月 |
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主な産地 | 小樽市 |
カワヤツメ(ウナギ)
ウナギに似た姿のカワヤツメ。エラ穴が複数個あり、横から見ると目が8つあるように見えることから「ヤツメ」と名付けられました。つけ焼きや蒲焼などで味わうのが一般的で、北海道では5月~6月に遡上してその夏に産卵するものと、9~10月に遡上して翌年の春に産卵するものがいます。
旬の時期 | 5月~10月 |
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主な産地 | 江別市 |
6月の旬魚介
鮭(トキシラズ)
北海道の海産物を代表する鮭の中でも、トキシラズ(時不知)は夏場に旬を迎える品種。北海道の郷土料理である石狩鍋やちゃんちゃん焼き、そして鮭いくら丼など、北海道を訪れた人の舌を楽しませてくれます。
旬の時期 | 5月~7月 |
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主な産地 | 釧路市、釧路町、根室市、日高町 |
紅鮭/ヒメマス
鮭類の中で淡水域に生息する紅ザケは、別名「ヒメマス」とも呼ばれています。幼少期は湖に生息し、その後は海に下ります。サケ・マス類の中で一番人気とも言えるベニザケは脂肪分も多く、荒巻としても人気です。
旬の時期 | 5月~7月 |
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主な産地 | 標津町、羅臼町、網走市 |
ホッケ
居酒屋メニューとしてはもちろん、北海道土産としても人気のホッケは北海道全域で長期間漁獲できます。沿岸にエサを食べに来る“春ボッケ”の時期は、特に脂がのっていてウマいと評判です。
旬の時期 | 5月~12月 |
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主な産地 | 羅臼町、利尻町、利尻富士町、礼文町、積丹町 |
7月の旬魚介
北海シマエビ *年2回
野付湾(別海町)で行われる打瀬船漁法が有名な北海シマエビは、7月前後が旬となります。生での刺身や活海老もこの時期に楽しみたいものです。
旬の時期 | 6月・7月、10月・11月 |
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主な産地 | 別海町、釧路町、厚岸町、浜中町 |
ホッコクアカエビ(甘エビ)
額の角が特徴的なホッコクアカエビ(北国赤海老)は、「甘エビ」という名前で広く知られています。生食での身のコクと甘み、ほんのり粘りのある食感で、寿司はもちろん天ぷらや鍋で食べてもおいしいです。
旬の時期 | 5月~10月 |
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主な産地 | 小樽市、利尻町、積丹町 |
ホタテ *年2回
北海道のホタテは夏と冬、2回旬を迎えます。6月前後に旬を迎えるのは、オホーツク海側で捕れたもので天然物。北海道ならではの天然ホタテは、食べ応えのある大ぶりサイズと確かな食感、深い味わいが特徴です。
旬の時期 | 6月~10月、12月~3月 |
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主な産地 | 猿払村、紋別市、北見市 |
ヒメエゾボラ(青ツブ)
ヒメエゾボラとは、居酒屋や炉端焼きで良く見かけるツブ貝のことです。浅瀬の小石がある海底に生息し、北海道沿岸域に分布しています。北海道では殻のまま焼いて味わうのが一般的です。
旬の時期 | 5月~8月 |
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主な産地 | 北海道全域 |
真サバ
鯖は全国的に秋に旬を迎えますが、北海道では夏が旬。釧路沖で水揚げされる真サバは産卵期を迎える少し手前のため、脂がったっぷりのったというよりはあっさりとした味わいが特徴です。
旬の時期 | 7月・8月 |
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主な産地 | 釧路市、釧路町 |
秋刀魚(サンマ)
秋の味覚の代表格、サンマは北海道でも同じく秋に旬を迎えます。しかし、一番おいしいのは産卵が始まる前。産卵のために栄養を蓄え始めた時がおいしい瞬間です。この時期のサンマは、マグロのトロと同じくらい脂を蓄えていると言われています。
旬の時期 | 7月~10月 |
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主な産地 | 根室市 |
8月の旬魚介
花咲ガニ
北海道四大カニのひとつ、花咲ガニ。釧路~根室の太平洋沖で主に水揚げされます。根室市では9月に『根室カニ祭り』が開催されるほど名産となっており、カニの姿煮が振る舞われたり、カニ早食い競争が行われるなどしています。
旬の時期 | 7月~9月 |
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主な産地 | 根室市および太平洋沖 |
日高昆布(三石昆布)
『北海道の夏の風物詩』とも言われる昆布は、北海道全域で漁獲されています。それぞれ漁獲地域で名称が異なるほか、その大きさや1枚あたりの太さも違います。日高昆布は柔らかくて煮えやすく、味も良いため、様々な料理に使える万能昆布です。
旬の時期 | 7月~9月 |
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主な産地 | 新冠町、浦河町、静内町、広尾町 |
利尻昆布
利尻昆布は、京料理の出汁に重宝される上品な味わいが特徴。その名の通り利尻が主な分布地で、澄んだ薄い塩味が特徴です。千枚漬けや湯葉豆腐などにも使われます。
旬の時期 | 7月~9月 |
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主な産地 | 利尻町、利尻富士町 |
アイナメ
背中一面にある大きな背鰭が特徴のアイナメは、北海道のほぼ全域で漁獲できます。そのため漁獲時期が長く、地域によって旬の時期にもバラつきがあります。北海道では概ね、夏~初秋に旬を迎えることが多いようです。油がよくのった白身魚は刺身や塩焼き、煮付けなどいろいろな食べ方があります。
旬の時期 | 7月~9月 |
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主な産地 | 北海道全域 |
9月の旬魚介
秋鮭(アキアジ)
9月・10月に水揚げされる白鮭のことを、秋鮭(アキアジ)と呼びます。秋鮭は脂が少なく、さっぱりとした味わいです。ムニエルやフライ料理など、洋食アレンジでの味わうのが特におすすめです。
旬の時期 | 8月~10月 |
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主な産地 | 斜里町、羅臼町 |
スルメイカ
北海道のスルメイカ漁は、7月に最盛期を迎えます。道南・函館のソウルフード「いかめし」も、このスルメイカが使われています。函館では「函館イカまつり」が毎年開催されるなど、イカは道民の愛すべき海産物のひとつとも言えます。
旬の時期 | 6月~12月 |
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主な産地 | 函館市、羅臼町 |
北海道で秋冬に旬を迎える魚
秋から冬で最も水揚げ量や旬を迎える種類が多いのは、12月と1月。年末年始の高級食材としても知られる鮑や蟹をはじめ、魚介好きに人気の牡蠣などが美味しく味わえます。
※下記記載の月別旬魚は、漁獲最盛期を基準としています
10月の旬魚介
宗八カレイ
菱形という特徴的な魚体を持つ宗八(ソウハチ)は、カレイ類の仲間に属する魚です。やや臭みがあるため加工食品として食べられることが多く、干したものを焼く「焼き宗八」は北海道の居酒屋定番メニューとも言えます。
旬の時期 | 10月~3月 |
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主な産地 | 広尾町、羅臼町 |
ナメタガレイ
陸上げするとすぐに見た目が悪くなることに由来して、ひと昔前は「ババガレイ」と呼ばれていた魚です。関東ではナメタガレイが高級魚の一種とされているようですが、北海道ではわりとスタンダードな位置づけ。
旬の時期 | 10月~1月 |
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主な産地 | 広尾町 |
ハタハタ
スズキやカジカと同じ種に属するハタハタは、北海道の名産のひとつ。近年は漁獲量が減少していて、漁業関係者様が積極的に保護活動に力を入れています。クセのない白身魚で、塩焼きやしょっつる鍋、煮付けなどで味わうのが定番です。
旬の時期 | 10月・11月 |
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主な産地 | 石狩市、網走市、根室市、釧路市、増毛町 |
ししゃも
スーパーでよく売られているししゃもは、「カラフトシシャモ」と言って別の魚。同じような名前なのは、ししゃもの代用品として普及したためです。本物のししゃもは、北海道でしか水揚げされておらず、10月に旬を迎えます。捕れたて新鮮なししゃもは、生寿司でも食べらるほどです。
旬の時期 | 10月・11月 |
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主な産地 | むかわ町、広尾町ほか |
シャコ *年2回
5月の旬魚でも紹介したシャコですが、秋にももう一度旬を迎えます。これはシャコの成長速度が早いため&同じ海域でも漁獲位置を変えているためです。夏と同じく、透明度の高い石狩湾で水揚げされます。
旬の時期 | 4月~6月、10月~12月 |
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主な産地 | 小樽市 |
シラウオ
細長く半透明の魚体のシラウオ。死後、時間経過と共に白く変色することから「白魚(シラウオ)」と呼ばれるようになりました。お吸いものや卵とじ、そして寿司ネタとして人気があります。
旬の時期 | 9月・10月 |
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主な産地 | 網走市 |
11月の旬魚介
ヒラメ
ヒラメは、アジアに生息する唯一のヒラメ属魚類で、貴重な白身魚です。その身にはタンパク質をたっぷり含んでおり、クセがなく、エンガワと呼ばれる背びれは寿司ネタとしてよく知られています。
旬の時期 | 11月~2月 |
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主な産地 | 石狩市、寿都町、白老町 |
キンキ
大きな目と赤い魚体が特徴のキンキ。道東では「めんめ」とも呼ばれています。秋~冬にかけて漁獲が行われ、長いところでは2月まで水揚げできるところもあるよう。旬を迎えたキンキは、脂がたっぷりのって美味しいと評判です。昔は手軽に捕れる大衆魚として親しまれていましたが、近年は漁獲量が激減して希少価値の高い白身魚となっています。
旬の時期 | 10月~12月 |
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主な産地 | 羅臼町、網走市、苫小牧市 |
オオサガ(メバル)
100歳まで生きる長寿魚、オオサガ。成長が遅く、成魚になるまでに10年以上かかります。現在は高級魚として扱われ、北海道ではタイの代用品としても重宝されています。
旬の時期 | 10月~2月 |
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主な産地 | 釧路市、羅臼町 |
北海シマエビ *年2回
体長は8cm~13cmほどで、緑や黄緑色をしていて縞模様が入っていますが、茹でると赤色に変化します。北海シマエビの産卵期は8月下旬から9月にかけてで、資源保護の観点からこの時期は漁が禁止されています。産卵期を終えた10月に漁が再開されるため、2回旬があるというワケです。
旬の時期 | 6月・7月、10月・11月 |
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主な産地 | 別海町、釧路町、厚岸町、浜中町 |
キタムラサキウニ
別名「ノナ」とも呼ばれるキタムラサキウニは、大きく崩れにくい身と、クセのない甘みが特徴です。刺身や寿司ネタによく使われるため、流通が広く、北海道各地で出会うことができるでしょう。
旬の時期 | 6月~12月 |
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主な産地 | 奥尻町、松前町 |
クロマグロ
マグロの中でも最もサイズが大きいクロマグロ。1年の多くを北海道北部で回遊し、定置網や釣りで漁獲されます。青森県の大間で釣りあげられる「大間のマグロ」と同じもので、北海道で釣りあげられればより安価で楽しめるというのが不思議。赤身、中トロ、大トロのどこを食べても絶品です。
旬の時期 | 8月~12月 |
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主な産地 | 松前町、函館市 |
12月の旬魚介
牡蠣
海のミルクとも呼ばれる牡蠣もまた、北海道を代表する海産物。「蝦夷の三絶」のうちのひとつに数えられる北海道の牡蠣は、釧路館内厚岸の名産品として推されており『カキえもん』ブランドとして価値が高まっています。
旬の時期 | 11月~3月 |
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主な産地 | 厚岸町、佐呂間町、知内町 |
蝦夷アワビ
高級食材のイメージがあるアワビですが、北海道の一部地域、特に漁師町では家庭の食卓にも並ぶことも。漁獲時期は10月~1月ですが、奥尻島周辺では5月~7月にも漁獲されているようです。
旬の時期 | 11月~1月 |
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主な産地 | 松前町、積丹町、寿都町 |
スケトウダラ
身はかまぼこの原料となり、卵はタラコや明太子になるという幅広い食べ方をされるスケトウダラ。北海道全域で漁獲されているため、年中楽しむことができますが、網走や釧路では冬が旬とされています。
旬の時期 | 11月~3月 |
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主な産地 | 網走市、室蘭市、釧路市ほか |
エゾメバル
別名「ガヤ」とも呼ばれる、大きな目が特徴のエゾメバル。国内でも特に北海道が主な漁場となっており、味噌汁や煮付け、唐揚げの具材として楽しまれています。
旬の時期 | 11月~2月 |
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主な産地 | 羅臼町ほか |
八角(トクビレ)
八角の正式名称は「トクビレ」という名で、捌いた時に身が八角形をしているから「八角」と呼ばれるようになったという説があります。北海道特有の魚といっても過言ではなく、ぷりぷりの白身は脂がのっていて絶品。漁獲地域では、背割りにして焼く軍艦焼きがポピュラーなようです。
旬の時期 | 11月~3月 |
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主な産地 | 白老、釧路市、紋別、広尾町、稚内市、室蘭市 |
クロソイ
専用での漁業はありませんが、ほかの魚と共に混獲されるクロソイ。身の詰まった白身の歯応えが人気で、塩焼きや煮付け、鍋などで食べられています。
旬の時期 | 12月~2月 |
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主な産地 | 室蘭市、古平町 |
イトウ *養殖
人の生活圏に近い淡水域に生息しているイトウ。絶滅危惧種にも指定されており、「幻の魚」と呼ばれています。日本国内での分布は北海道のみで、養殖されたイトウは刺身や天ぷらで食べることが可能です。食べることができるのは飲食店がほとんどで、市場で一般的に手に入る魚ではありません。
旬の時期 | 10月~3月 |
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主な産地 | 釧路市 |
1月の旬魚介
毛ガニ *太平洋
太平洋沖とオホーツク海沿岸部で捕れる毛蟹は、ズワイやタラバと異なり、冬の味覚の代表格。臭みが少なく繊細で甘みのある味が人気。塩茹でするだけのシンプルな食べ方で十分においしく味わえます。
旬の時期 | 12月~2月 |
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主な産地 | 稚内市、雄武町、網走市、斜里町、釧路市、厚岸町、白糠町 |
ヤマトシジミ
味噌汁の具として食べられるヤマトシジミは、丸みを帯びた正三角形の殻と、成長ごとに刻まれる成長脈というシマ模様が特徴です。天塩町で水揚げされるヤマトシジミは、その身が大きく、食べ応えがあります。しかしながら、近年は漁獲量が減少しており、身も小ぶりになってきているとか。
旬の時期 | 1月・2月 |
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主な産地 | 天塩町、網走市、大樹町 |
ヤリイカ
冬に旬を迎えるヤリイカ。ヤリイカの薄く透き通った身は、生食では強い食感を味わうことができ、火を通すと甘く柔らかくなります。ヤリイカを釣ってその場で味わうことができる『函館朝市』は、北海道を代表する観光スポットのひとつにもなっています。
旬の時期 | 1月~3月 |
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主な産地 | 函館市、松前町 |
真ガレイ
カレイ類の中でも特別上質な身をもつ真ガレイ(マガレイ)。産卵期の子持ちのメスを使用すると、最高級の煮付けを作ることができます。防波堤から手軽に釣れることもあり、北海道では非常に身近な魚としても知られています。
旬の時期 | 11月~3月 |
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主な産地 | 稚内市、利尻町、礼文町ほか |
マコガレイ
真ガレイやクロガシラガレイと似ていますが、両目の間に鱗があるのがマコガレイです。カレイ類の中でも随一の肉厚な白身をもち、刺身や煮物、揚げ物として食べられます。
旬の時期 | 11月~3月 |
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主な産地 | 木古内町、函館市 |
ヤナギノマイ
魚の中でも珍しい、黄色い体色をしたヤナギノマイ(メバル科)。通年漁獲されますが、冬の時期がもっとも旬といわれています。煮付けや塩焼き、刺身などが人気です。
旬の時期 | 11月~3月 |
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主な産地 | 佐呂間町、函館ほか |
ミズタコ
ミズタコは世界一の大きさを誇るタコで、大きな個体は40キロにも及びます。鹿部町が道内屈指のミズダコの産地として有名。味は甘めで、肉質はやや水っぽいのが特徴です。刺身もおいしいのですが、煮ダコや酢蛸として食べるのが人気です。
旬の時期 | 12月~2月 |
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主な産地 | 鹿部町、函館市、釧路市、釧路町、稚内市、増毛町、羽幌町、森町ほか |
ホタテ *年2回
夏と冬で旬が2回あるホタテ。厳冬期に旬を向かえるのは太平洋沖で水揚げされたもの、または垂下式で養殖されたホタテです。卵がよく育った冬のホタテは旨味の強い出汁が出るのが特徴ですが、一方で貝柱は小さくなります。
旬の時期 | 6月~10月、12月~3月 |
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主な産地 | 猿払村、紋別市、北見市 |
2月の旬魚介
ホッキ
本州ではあまり知られていない貝ですが、北海道ではポピュラーなホッキ(北寄貝)。資源管理がしっかりされていて、漁獲量も決められているほど大切にされています。刺身や寿司ネタ以外にも、カレーに入れたり、バター焼きなど様々な食べ方が可能です。
旬の時期 | 12月~4月 |
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主な産地 | 苫小牧、室蘭市、北斗市 |
ワカサギ
氷結した湖沼や河川でとれるワカサギも、北海道の冬には欠かせません。ドラマやアニメなどで見られる氷の湖で魚を釣るシーンも、このワカサギ釣りがモデルになっています。一般の人が釣り体験できる場所もあり、その場で天ぷらにして食べられるサービスも。
旬の時期 | 2月・3月 |
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主な産地 | 網走市、釧路市 |
トゲカジカ
“箸で鍋底を突きすぎて壊してしまうくらい美味しい”ことから、「ナベコワシ」と呼ばれることもあるトゲカジカ。身がよく締まる冬場が旬。見た目はあまり好かれませんが、味は一級品です。
旬の時期 | 12月~2月 |
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主な産地 | 釧路市、根室市、浜中町 |
3月の旬魚介
二シン
かつて、小樽や余市エリアでよく水揚げされていたニシン。ロシアやアメリカからの輸入物が多くなっていますが、現在もわずかながら漁獲されています。『春告魚(はるつげうお)』と呼ばれ、その旬はちょうど冬の終わり。脂が多く、ふっくらとした身がとてもおいしい魚です。細かな骨が多い魚ですが、加工方法が進歩し、骨を気にせず食べられる加工品も登場しています。
旬の時期 | 1月~3月 |
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主な産地 | 小樽市、余市町 |
ごっこ(ホテイウオ)
「ごっこ」という名を知っている人は、かなりの北海道ツウ。道南、特に函館市でよく食べられている魚で、身はもちろん、骨から卵まで食べられる貴重な魚です。郷土料理のごっこ汁や唐揚げなどが一般的な食べ方です。
旬の時期 | 12月~4月 |
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主な産地 | 函館市 |
エゾバフンウニ
鮮やかなオレンジ色の身をしたエゾバフンウニは、羅臼沖やえりも沖で水揚げされています。冬の終わりから春に漁獲されており、この時期のエゾバフンウニは特別濃厚で美味です。
旬の時期 | 3月~6月 |
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主な産地 | えりも町、日高町、羅臼町 |
北海道でしか食べられない魚
普段よく目にする魚でも、実は北海度こそ名産という意外な魚を紹介します。これらは北海道の現地で、またはお取り寄せで鮮度の確かなものをぜひ食べてほしいです。
ししゃも
本州のスーパーで見かける「ししゃも」は、実はニセモノです。これらは『樺太ししゃも』と呼ばれる輸入品の「カペリン」という魚で、ししゃもの代用品として普及しました。本物のししゃもは北海道にしか存在しない魚。食材としては非常に貴重で、道内では人気の魚であることから、なかなか市場に出回りません。
活きの良いししゃもは生食でも楽しむことができ、旬の時期には現地飲食店に刺し身として登場することもあるとか。
旬の時期 | 10月・11月 |
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主な産地 | むかわ町、広尾町 |
生ホッケ
ホッケと言えば、“ホッケの開き”として焼いて味わうのが一般的ですが、水揚げされたばかりの鮮度の良いものは生の刺身としても楽しむことができます。
もともとホッケというのは、鮮度が非常に早く落ちる魚。そのため、生のホッケが食べられるのは北海道だけと言えます。白くてぷりぷりのホッケの刺身を食べると、今までのホッケに対するイメージが変わること間違いなし。北海道を訪問した際は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
まとめ
日本列島で一番大きい島、それが北海道。四方を3つの海に囲まれ、道内各地で水揚げされる魚介類は驚くほどにバラエティー豊かです。そのため、地域によって旬がまったく異なるのは当然です。
せっかく北海道の魚介を味わうなら、一番おいしい時期においしい状態で楽しんでいただきたいというのが北海道民の本音。旅行や観光で現地を訪れるもよし、お取り寄せで味わうもよし。本記事を参考に、北海道の海産物を楽しんでくださいね。