洋菓子の種類と名前一覧!ドイツからフランス、アメリカまで代表的な洋菓子を計60種類紹介
普段食べている洋菓子には数え切れないほどの種類があります。ケーキやパイ、ワッフル、シューなどがありますが、洋菓子には分類があることをご存知でしょうか。
この記事では洋菓子の分類方法から、分類別に具体的な洋菓子を計60種類紹介します。それぞれの魅力や味わい、歴史についても紹介しているので、気になる洋菓子があればぜひチェックしてみてください。
この記事でわかること
- 洋菓子は主に動物性の原材料を使う
- 水分量によって大きく3種類に分けられる
- ショートケーキは日本発祥のお菓子
- バウムクーヘンは日持ちしやすくギフトにぴったり
- ロールケーキは多彩な見た目とアレンジが魅力
洋菓子ってどんなお菓子?洋菓子と和菓子の違い
洋菓子は西洋で誕生した菓子のことを言います。和菓子との大きな違いは原材料で、日本は主食となる米・麦・豆などの植物性の原材料を使用し、砂糖やでんぷんを多く使用するため糖質量が多いことが特徴です。一方で、洋菓子は卵・牛乳・バターなど動物性の原材料を使用するため脂質量が多いことが特徴です。
洋菓子は大きく3つに分類される!生菓子・半生菓子・干菓子の違い
洋菓子にはさまざまな種類がありますが、水分量によって大きく次の3つに分けられます。
水分量 | 分類 | |
---|---|---|
生菓子 | 30%以上 | スポンジケーキ類、バターケーキ類、シュー菓子 発酵菓子、フィユタージュ類など |
半生菓子 | 10~30% | タルト類、砂糖漬け類など |
干菓子 | 10%以下 | キャンディー類、チョコレート類、チューインガム類など |
水分量は保存性に関わり、水分が多い食品は微生物が発生しやすく食品が傷みやすいです。大量の塩や砂糖を使用した物は水分が少なくなるため、食品が傷みにくく保存性が高くなります。水分量が30%を超える洋菓子は生菓子といい、スポンジケーキ類やバターケーキ類などが当てはまります。生クリームなどを使用する洋菓子が多く、傷みやすいため1〜2日程度で早く食べるのが望ましいです。
水分量が10〜30%の洋菓子は半生菓子に分類され、タルト類や砂糖漬け類などの洋菓子が当てはまります。保存性が比較的高いバタークリームやドライフルーツを使用することが多いため、生菓子よりも日持ちしやすいですが、おいしく食べられるうちに早めに消費するのが大切です。また、干菓子とは水分量が10%以下の洋菓子のことで、キャンディー類やチョコレート類などが当てはまります。水分量が少なく長期保存できるため、ストックするのにも適しています。
焼き菓子とは?代表的な種類を紹介
焼き菓子とは、オーブンなどで焼いたお菓子のことです。洋菓子の分類に焼き菓子という種類はなく、焼き菓子の明確な定義もありませんが、焼いて作るお菓子は概ね焼き菓子とよばれます。洋菓子の中で、代表的な焼き菓子には以下があります。
主な焼き菓子
- マドレーヌ
- マカロン
- カヌレ
- スコーン
- バウムクーヘン
など
焼き菓子はバターや小麦粉、卵、グラニュー糖などを原材料としている物が多く、また生菓子と比べて賞味期限が比較的長いため、常温でも販売できるという特徴があります。
スポンジケーキ類の洋菓子3選
スポンジケーキ類は生菓子に分類される洋菓子です。小麦粉・卵・砂糖を原材料とした「スポンジ生地」を使用したケーキは、全般的にスポンジケーキと言います。また、スポンジ生地には、卵白と卵黄を分けて泡立てる「ビスキュイ生地」と卵白と卵黄を同時に泡立てる「ジェノワーズ生地」の2種類があります。代表的なスポンジケーキ類の洋菓子は次のとおりです。
主なスポンジケーキ類
- ショートケーキ
- ロールケーキ
- シフォンケーキ
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.ショートケーキ
ショートケーキは、生地とクリームの層で構成された洋菓子です。スポンジ台に生クリームを塗り、フルーツを挟んだり乗せたりするほか、フレッシュフルーツやジュレ、ガナッシュを使用するなどさまざまなアレンジが可能です。名前の由来は「短い繊維」を意味する「ショート」から来ており、繊細なショートブレッドを使用したことに由来します。また、日本で創作された洋菓子で、アメリカにはビスケット生地を使用した「ストロベリー・ショートケイク」という類似品があります。
2.ロールケーキ
ロールケーキは、薄く板状に焼いたスポンジケーキにクリームやフルーツ、ジャムなどを塗り、端から巻き上げたケーキです。切り口に渦巻き模様が現れるのが特徴の洋菓子です。ふわふわの生地とたっぷりのクリームが絶妙なバランスを生み出し、シンプルなものからフルーツを加えたものまで、専門店で多様なアレンジが楽しまれています。見た目の美しさと味わいのバリエーションの豊富さが人気の理由です。
3.シフォンケーキ
シフォンケーキは、中央に穴の空いた特別な型を使って焼き上げられるアメリカ発祥のケーキです。バターの代わりにサラダ油を使用し、卵白を多く含むため、ふわふわと柔らかい食感が特徴です。さらに、生地にはメレンゲが使われており、空気をたっぷり含んでいるため、きめ細かくふんわりと仕上がります。シフォン(絹)のように薄くて軽い布からその名が付けられ、軽やかな食感を表しています。
バターケーキ類の洋菓子5選
バターケーキ類に分類される洋菓子は、生地にバターを多く含むケーキ全般です。スポンジケーキと比べて生地の密度が高く、バターの風味が感じられます。スポンジ生地の表面に生クリームではなくバタークリームをコーティングするものもバターケーキに分類されることがあります。代表的なバターケーキ類の洋菓子は次のとおりです。
主なバターケーキ類
- バウムクーヘン
- チーズケーキ
- パウンドケーキ
- バターケーキ
- マフィン
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.バウムクーヘン
バウムクーヘンはドイツ発祥の洋菓子で、切り株のような見た目が特徴です。名前はドイツ語で「木(baum)」「菓子(kuchen)」を意味し、輪切りにすると年輪のような模様が現れます。また、ドイツでは国立洋菓子協会による厳しい基準をクリアしたものだけが、本物のバウムクーヘンと認められ、それ以外はバウムクーヘンと名乗ることが認められていません。19世紀頃に現在の形が確立され、日本には大正時代末期に伝わったとされています。分類上、バウムクーヘンは生菓子のバターケーキ類の一種ですが、比較的長持ちしやすいのでギフトや引き菓子などとして人気です。
2.チーズケーキ
チーズケーキは、クリームチーズやカッテージチーズを使用して作るケーキです。大きく分けてベイクドチーズケーキとレアチーズケーキの2種類があります。ベイクドチーズケーキは、砕いたビスケットを敷き詰めた型にチーズクリームを詰めて焼き上げるもので、しっとりとした濃厚な味わいとレモン汁の爽やかな風味が特徴です。一方、レアチーズケーキはオーブンを使わずにゼラチンで固めて仕上げるタイプで、生のような食感が楽しめます。
3.パウンドケーキ
パウンドケーキはイギリス発祥のバターケーキで、小麦粉やバター、砂糖、卵をそれぞれ1ポンドずつ使うことから名前が付けられました。フランスでは「カトルカール」とよばれ、同様に4つの材料を同量使います。しっとりとした食感が特徴で、日本ではラムレーズンやドレンチェリーを混ぜたフルーツケーキとしても人気です。
4.バターケーキ
バターケーキは、バターをたっぷり使用し、しっとりとした生地と濃厚な風味が特徴のケーキです。バター・砂糖・卵・小麦粉を使い、これらを混ぜ合わせて焼き上げるのが基本的なレシピです。クリームやフルーツ、ナッツをトッピングして楽しむことも多く、幅広いアレンジができます。また、パウンドケーキやフルーツケーキ、バウムクーヘン、チーズケーキなどもバターケーキの一種になります。
5.マフィン
マフィンは、生地を円形のカップに入れて焼いた焼き菓子で、「カップケーキ」ともよばれます。中世ヨーロッパから始まり、アメリカやイギリスで人気が広がりました。基本のマフィンはバターをたっぷり使い、ふわっとした食感が特徴です。お好みでチョコレートチップやナッツ、フルーツなどを混ぜ込むことでさまざまなバリエーションが楽しめます。甘いものだけでなく、甘さ控えめのブルーベリーのほか、チーズやベーコンなどの塩味系マフィンもあります。
フィユタージュ類の洋菓子3選
フィユタージュ類は、パイ生地を使った洋菓子全般を指します。フィユタージュはフランス語で折り込みのパイ生地を意味しており、生地をバターで包み伸ばして折る工程を繰り返して作る生地のことです。生地に層が生まれることで、サクサクとした軽い食感が特徴です。代表的なフィユタージュ類の洋菓子には以下があります。
主なフィユタージュ類
- アップルパイ
- ミルフィーユ
- タルト
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.アップルパイ
アップルパイはアメリカを代表するお菓子です。りんごを砂糖で煮込んでパイ生地に包み、焼き上げたものです。起源はイギリス人の「ピルグリム」がアメリカでりんごを育て、作ったことから始まったとされます。パイ生地は小麦粉とバターやショートニングを練り合わせて作られ、古代エジプトにも類似の製法があったとされています。伝統的なホール型のほか、近年ではロール型やサンド型なども有名です。
2.ミルフィーユ
ミルフィーユは、薄く焼いたフィユタージュにカスタードクリームやジャムを挟み、表面に粉砂糖や糖衣をふりかけたケーキです。名前はフランス語で「千の葉」を意味し、多層に重なった生地が特徴です。日本では苺を使用したミルフィーユを「ナポレオン」とよぶことがありますが、海外では一般的にミルフィーユとよばれます。サクサクのパイ生地と滑らかなクリームの組み合わせが生み出す絶妙な味わいが魅力です。
3.タルト
タルトは、パイ生地やビスケット生地の器にクリームやフルーツを詰めたお菓子です。通常、大きなホールサイズを「タルト」、小さな一人分サイズを「タルトレット」と言います。また、洋菓子の分類において、タルトはフィユタージュ類に分けられますが、タルト類という分類も存在します。
ワッフル類の代表的な洋菓子
ワッフル類に分類される洋菓子は、基本的にワッフルのみです。ワッフルは格子柄の見た目が特徴的なおしゃれな焼き菓子で、外はカリっと中はふわふわとした食感です。オランダ語で「ハチの巣」を意味する「wafel」から由来しています。また、ワッフルは小麦粉・卵・牛乳・砂糖を混ぜた生地を格子状の焼き型で焼き上げ、メープルシロップや生クリーム、果物などを添えて楽しむのが一般的です。日本では、西洋料理店「米津風月堂」の当主が、1891年にヨーロッパから持ち帰った技術を独自にアレンジし広まったとされます。
シュー菓子の洋菓子3選
シュー菓子とは、バター・水・小麦粉から作られるシュー生地を使ったお菓子のことです。焼成中に発生する蒸気を利用して生地を膨らませる製法で、軽い食感が特徴的です。生菓子に分類されます。代表的なシュー菓子は次のとおりです。
主なシュー菓子
- シュークリーム
- エクレア
- クロカンブッシュ
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.シュークリーム
シュークリームは、シュー生地にカスタードクリームを詰めた洋菓子です。フランス語では「シュー・ア・ラ・クレーム」、英語圏では「クリーム・パフ」とよばれています。「シュ」はフランス語でキャベツを意味し、丸く膨らんだ形状がキャベツに似ていることからこの名前が付けられました。
2.エクレア
エクレアは、細長く焼いたシュー生地にカスタードクリームを詰め、その上にチョコレートをかけた洋菓子です。フランス発祥の洋菓子で、名前はフランス語で「稲妻」を意味する「エクレール」から来ています。一説には食べるときに中のクリームが飛び出さないよう、素早く食べることに由来すると言います。フランスでは基本的なお菓子の一つとして親しまれているお菓子です。
3.クロカンブッシュ
クロカンブッシュは、小さなシュークリームをツリーのように積み上げ、飴やカラメルで接着させて固める洋菓子です。フランスでは、結婚式や特別な祝い事に欠かせないお菓子で、ウェディングケーキとして用いられることが多いです。結婚式には新郎新婦が木槌で崩して列席者に配る風習があり、子孫繁栄や幸福を願う象徴とされています。また、クロカンブッシュには「ごつごつした木」という意味があり、「ピエス・モンテ」とよばれる工芸菓子の一種です。
発酵菓子の洋菓子4選
発酵菓子は、酵母を使用して発酵させた洋菓子です。製法や材料により生菓子か半生菓子のどちらかに分類されます。たとえば、パイ生地やデニッシュペストリー生地で作られる洋菓子は大量のバターを使用し、油脂が劣化しやすいため生菓子です。一方、パネトーネのような水分が少ない洋菓子は半生菓子に分類され、数日程度日持ちします。
また、通常は発酵菓子に分類されないクッキーやケーキでも、発酵させる工程を加える場合は発酵菓子に分類することがあります。代表的な発酵菓子の洋菓子は次のとおりです。
主な発酵菓子
- デニッシュペストリー
- サバラン
- パネトーネ
- シュトーレン
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.デニッシュペストリー
デニッシュペストリーは、バターと砂糖を多く含む生地を発酵させ、パイのように層を作って焼いた菓子パンです。デンマーク風の菓子パンであり、クリームやフルーツなど多彩な具材で楽しめるのが特徴です。デンマークやスウェーデンなどの北欧で親しまれ、デンマークではオーストリアのウィーンで発祥したことから「ヴィナーボズ(ウィーンのパン)」ともよばれます。豊かな風味とサクサクした食感が魅力で、朝食や軽食として人気です。また、生菓子に分類される発酵菓子のひとつで、日持ちしないためおいしいうちに早めに消費することが大切です。
2.サバラン
サバランは、冷蔵庫でゆっくり発酵させる「ブリオッシュ生地」を使用した発酵菓子です。ブリオッシュ生地をシロップや洋酒に浸し、クリームを飾って作られます。19世紀中頃のフランスのパリで誕生したとされ、美食家「ブリア・サバラン」の名前からその名が付けられました。しっとりとした食感と芳醇な風味が特徴で、通常は発酵菓子の生菓子に分類されます。
3.パネトーネ
パネトーネは卵や砂糖、バターをたっぷり使ったリッチな生地にドライフルーツを加えたイタリアの菓子パンです。ミラノで発祥し、「大きなパン」を意味するイタリア語から名付けられました。ふわふわとした軽い食感とドライフルーツの甘酸っぱい香りが特徴です。自然酵母「パネトーネ種」を使用しており、仕上がり時の水分量が少ないため半生菓子に分類されます。そのため、イーストで作った一般的なパンよりも日持ちしやすいです。
4.シュトレン
シュトーレンは、酵母入りの生地にレーズンやドライフルーツ、マジパン、ナッツなどを練り込み、外側に粉砂糖をたっぷりまぶした洋菓子です。ドイツ発祥の菓子パンで、名前はドイツ語で「坑道」を意味しています。14世紀のドイツでクリスマスの贈り物として始まったとされ、バターを使うことが許可された「バター書簡」以降、味が改良されて現在の姿になりました。クリスマスまで毎日少しずつスライスして食べる風習があり、時間をかけることで風味が増すことが特徴です。さらに、クリスマスのキリスト降誕を待つ喜びも深まる素敵なお菓子です。
デザート菓子の洋菓子3選
デザート菓子とは、主に食事の最後に食べられる一般的なお菓子です。もともとは、糖分やビタミンなど料理だけでは摂取できない栄養を補うために食べられていたとされます。代表的なデザート菓子は次のとおりです。
主なデザート菓子
- パンケーキ
- クレープ
- ババロア
- ムース
- プディング
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.パンケーキ
パンケーキは小麦粉・卵・牛乳を混ぜた生地をフライパンで丸く焼いた洋菓子です。日本では「ホットケーキ」として親しまれるほか、アメリカだけでなくヨーロッパやアジア、南米、オーストラリアなど世界各国で広く食べられています。名前の由来は、平鍋(パン)で簡単に焼けることから来ています。一般的には甘さが控えめのお菓子で、ジャムやソースを添えて楽しむことが多いです。アメリカではベーコンやソーセージ、目玉焼きなどと一緒に食べられることもあります。自宅で手軽に作れるため、朝食やおやつに人気のメニューです。
2.クレープ
クレープは、薄力粉・砂糖・卵などを混ぜたゆるい生地を薄く焼いたフランス発祥のデザート菓子です。パンケーキの一種ですが、非常に薄く焼かれ、生地を巻いたり折ったりしてさまざまな材料を包み込んで食べるのが特徴です。名前はラテン語の「クリスプス(縮れた)」に由来し、焼いた表面が縮んだように見えることから名付けられました。洋酒を注いでフランベする「クレープ・シュゼット」や、生地を何枚も重ねた「ミル・クレープ」などのバリエーションもあります。
3.ババロア
ババロアは、卵や牛乳、砂糖、生クリーム、エッセンスなどをゼラチンで固めた冷製デザートです。バイエルン王国の貴族のためにフランス人シェフが考案したとされ、名前はフランス語で「バイエルンの」を意味します。ムースやプリンとは異なり、固めるためにゼラチンを使用することが特徴です。冷たくプルプルとした食感が魅力の洋菓子です。
4.ムース
ムースは、卵白や生クリームを泡立てた後、ペースト状の果物やチョコレートを加え、卵黄やゼラチンで冷やし固めたデザート菓子です。フランス語で「泡」を意味し、その名の通り軽くふんわりとしたクリーミーな食感が特徴です。あっさりした口当たりで多くの人々に親しまれています。
5.プディング(プリン)
プディングは、牛乳と砂糖を混ぜた卵液を加熱してカスタードを固めたデザート菓子です。イギリスの蒸し料理「プディング」を原型としており、ぷるんとした見た目と滑らかな食感が特徴です。日本ではプリンとよばれるほか、ポルトガルなど南米では「フラン」、フランスでは「フレーム・カラメル」として知られます。もともとは大航海時代のイギリスで、船乗りが余り物を使って作ったのが始まりとされています。
料理菓子の洋菓子2選
料理菓子は、食事の代わりに食べられるような菓子のことを指します。代表的な料理菓子は次のとおりです。
主な料理菓子
- ミートパイ
- ピザパイ
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.ミートパイ
ミートパイはパイ生地で作ったクラストに牛肉や豚肉や鶏肉、ラム肉、タマネギ、ニンジン、セロリ、ジャガイモなどの野菜とスパイスを詰めて焼いたものです。英国発祥の伝統的な料理で、多くは牛肉が使われますがほかの肉が使われることもあります。特にオーストラリアでは国民食とされ、スポーツ観戦や屋外イベントでオーストラリアのソウルフードとして広く親しまれています。小麦粉とバターを多く使ったサクサクの生地と、ジューシーな具材の組み合わせが魅力です。
2.ピザパイ
ピザパイは、平たく伸ばしたパン生地にトマトソースを塗り、サラミやエビ、ピーマンなどとチーズをのせて焼いた料理菓子です。イタリア南部地方の代表的な料理で、「ピッツァ」「ピザ」ともよばれます。生地は小麦粉に水や少量の油、塩、イースト菌を加えて練り、室温で発酵させます。香料入りトマトソースとチーズが塗られた薄い生地をオーブンで焼き上げることで、サクサクしたクラストとジューシーなトッピングが楽しめるメニューです。
タルト類の洋菓子2選
タルト類、小麦粉やバターなどで作った生地を器にし、クリームやフルーツなどを入れた洋菓子です。タルト生地はスポンジ生地と比べて水分が少ないため、半生菓子に分類されます。ただし、タルト生地に生クリームや生のフルーツなどを使用した菓子は、傷みやすく生菓子に分類されます。代表的なタルト類の洋菓子は次のとおりです。
主なタルト類
- タルトレット
- フルーツタルト
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.タルトレット
タルトレットは、一人用に小さく作った一口サイズのタルトです。通常、パイ生地で形作られた小型の箱にクリームやフルーツを詰めて焼き、デザートとして提供されます。そのほか、魚介類や肉を詰めて前菜としても楽しめるアレンジの幅が広いお菓子です。小さくて取り分けやすい形状から、パーティーやイベントでもよく利用されます。
2.フルーツタルト
フルーツタルトは、タルト生地にカスタードクリームを詰め、季節のフルーツを美しく配置したスイーツです。しっかりと焼き上げたサクサクのタルト生地、甘いカスタードクリーム、鮮やかで美しいフルーツの組み合わせが特徴です。パティシエの腕前が試されるスイーツであり、その見た目の美しさとバランスのよさが求められますが、簡単なものであれば自宅でもおいしく作れます。
砂糖漬け類の洋菓子3選
砂糖漬け類は、フルーツや花などを砂糖漬けしたお菓子です。砂糖漬けにすることで水分が抜け、保存性が高まるため半生菓子に分類されます。そのまま食べられるほか、お菓子によっては紅茶やお酒に浮かべて楽しむこともあります。代表的な砂糖漬け類の洋菓子は次のとおりです。
主な砂糖漬け類
- マロングラッセ
- レモンピール
- オランジェット
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.マロングラッセ
マロングラッセは、栗を糖衣したお菓子です。新鮮な栗の渋皮を丁寧に取り除き何度もシロップに漬け込み、糖分が透明な輝きを放つまで乾燥させるという手間のかかる製法が特徴です。これにより、栗は芯までしっとりと柔らかくなり、甘さと風味が引き立ちます。そのままでもおいしいですが、チョコレートコーティングやアイスクリームのトッピングとしても人気です。高級な贈り物や特別な日のデザートとして広く愛されています。
2.レモンピール
レモンピールは、レモンの皮をシロップで煮詰めて乾燥させた砂糖漬けのドライフルーツです。レモンの爽やかな香りと甘酸っぱい味わいが特徴で、そのまま食べられますが、さまざまなアレンジ料理に使われます。特に製菓材料としてよく使われ、ケーキやスイーツ、カクテルに使用することで風味を引き立てる役割があります。
3.オランジェット
オランジェットは、柑橘類の果物の皮を砂糖漬け(コンフィ)にし、チョコレートをかけたお菓子です。フランス生まれのデザートで、甘さとビターなチョコレートの絶妙なバランスが特徴です。皮を細長くカットしたものや果肉ごと輪切りにしたものなどがあり、見た目も楽しめます。また、作り方はシンプルで特別な材料や道具は不要なので、自宅でも手軽に作ることができます。
キャンディー類の洋菓子3選
キャンディー類は、砂糖や水飴を煮詰めて味や色をつけ、常温で固めたお菓子です。加熱方法や使用する材料などにより、ソフトタイプとハードタイプがあります。代表的なキャンディー類は次のとおりです。
主なキャンディー類
- ドロップ
- キャラメル
- ヌガー
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.ドロップ
ドロップは、水あめと砂糖を煮詰めて固めたキャンディー類です。砂糖に香料や果汁を加え、140〜150度で煮詰めて作られるハードキャンディの一種です。冷えたところで型に整形し、さまざまな形や色に仕上げます。宝石のような透明感とフルーティーな味わいが特徴で、時間をかけて舐めることで甘さと香りをじっくりと楽しむことができます。
2.キャラメル
キャラメルは、砂糖やバター、蜂蜜、生クリーム(または牛乳)を115〜121℃で熱し、固めた砂糖菓子です。乳製品を使用しているのが特徴で、濃厚で滑らかな味わいが楽しめます。日本では特に生クリームを多量に使った生キャラメルが人気です。キャラメルはポルトガル語の「caramelo」に由来し、日本ではかつて「軍粮精(ぐんろうせい)」とよばれていました。また、日本では明治32年に森永太一郎がアメリカから製法を持ち帰り、大正3年に発売し、現在もロングセラー商品として親しまれています。
3.ヌガー
ヌガーは、砂糖と水飴を煮詰めた後、アーモンドなどのナッツ類やドライフルーツを混ぜて固めた砂糖菓子です。ねっとりとした食感が特徴です。中には、メレンゲを加えることで軽い食感を生み出す「ヌガー・ド・モンテリーヌ」もあります。フランスの伝統菓子ですが、起源は中央アジアや中国にあり、古代ギリシャやローマの時代にはすでに作られていたとされています。また、イタリアのヴェネト州コローニャ・ヴェーネタや台湾でも人気の高いお菓子です。
チョコレート類の洋菓子3選
チョコレート類は、「カカオマス」を使用したお菓子です。カカオマスとは、カカオ豆を発酵・焙煎したもので、カカオマスを主原料として砂糖やココアパウダー、粉乳などを混ぜて練り固めたお菓子がチョコレートです。代表的なチョコレート類の洋菓子には以下があります。
主なチョコレート類
- チョコレート
- ガトーショコラ
- トリュフチョコレート
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.チョコレート
チョコレートは、カカオマスに砂糖やバターを加えて溶かし固めたスイーツです。名前の由来は「苦い水」を意味する、ナワトル語の「chocolatl(ショコラトール)」から来ています。もともとはメキシコの原住民が薬用飲料として使用していました。チョコレートは多様な形状やフレーバーがあり、板チョコなどの無垢な「ソリッドチョコレート」のほか、中に具材を詰めた一口サイズの「ボンボン・ショコラ」などさまざまです。
2.ガトーショコラ
ガトーショコラはチョコレートの一種です。フランス語で「チョコレートのお菓子」を意味し、日本ではチョコレートケーキ全般を指します。表面はザクっと内側はしっとりとした食感で、濃厚な味わいが特徴です。世界各国に多様な種類があり、フランスの「オペラ」やアメリカの「ブラウニー」、オーストリアの「ザッハトルテ」などもガトーショコラの一種です。
3.トリュフチョコレート
トリュフチョコレートは、チョコレートと生クリームを混ぜた「ガナッシュ」を球状に丸め、ココアパウダーやチョコレートでコーティングしたお菓子です。高級食材のトリュフに形が似ていることからその名が付けられました。クリーミーで濃厚なガナッシュの味わいが特徴で、ティータイムやおもてなしにぴったりです。少ない材料で手軽に作れることから、自宅で作れるスイーツとしても人気があります。
チューインガム類の洋菓子3選
チューインガム類は、糖類や香料などを原材料とする「ガムベース」を使用するお菓子です。噛むことで風味や食感を楽しめることが特徴で、干菓子に分類されます。代表的なチューインガム類の菓子は次のとおりです。
主なチューインガム
- 風船ガム
- 板ガム
- 粒ガム
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.風船ガム
風船ガムは、ガムベースに味や香りを加え、噛むことで風味や口当たりを楽しむチューインガムの一種です。息を吹き込むことで大きく膨らむことが風船ガムの大きな特徴です。これは、風船ガムの原料であるガムベースに、細い糸が絡み合った網のような素材「酢酸ビニル樹脂」を使用しているため、伸びて膨らむ仕組みとなっています。普通のガムには、膨らませるのに適さない植物性樹脂が使われています。
2.板ガム
板ガムは、板状のチューインガムです。日本では1954年にロッテが国産初の天然チクル入り「バーブミントガム」を発売して以来、世代を超えて愛される商品となっています。90年代初めまでは主流の形状でしたが、現在は粒状の「粒ガム」が主流となっています。しかし、近年は日本のレトロブームの到来とともに、板ガムが再び注目を集めています。
3.粒ガム
粒ガムは、ガムを粒状にしたものです。日本では1997年に発売された「キシリトールガム」が代表的な商品です。キシリトールガムは「歯にいいガム」として発売され、従来の「ガムは歯によくない」という概念を一変させました。粒の表面は糖衣でコーティングされており、表面のカリッとした食感と内側の爽やかな風味が特徴です。
ビスケット類の洋菓子4選
ビスケット類は、小麦粉・バター・卵・牛乳を材料として使用して焼いたお菓子です。代表的なビスケット類の洋菓子には以下があります。
主なビスケット類
- ビスケット
- プレッツェル
- クラッカー
- ウエハース
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.ビスケット
ビスケットは、小麦粉や砂糖、バター、卵、牛乳などを混ぜて焼いたイギリス風の焼き菓子です。名前の由来はラテン語の「ビス(2度)・コウトゥス(焼かれたもの)」にあり、古代ヨーロッパで航海や遠征時に日持ちするように2度焼かれたパンが起源です。日本には戦国時代末期にポルトガルから「ビスコイト」として伝わり、開国後にイギリス文化の影響で「ビスケット」となりました。日本では砂糖や油脂を控え、水分を多めにして作られるハードビスケットが一般的で、パリッとした食感が特徴です。また、ビスケットとクッキーを区別するのは日本だけで、イギリスではどちらも「ビスケット」、アメリカではどちらも「クッキー」とよんでいます。
2.プレッツェル
プレッツェルは、生地を棒状にし円形を作って両端を交差させ、横八の字形をした洋菓子です。プレッツェルの形は蛇の姿を模しており、神秘の象徴や永遠の不老を表すと信じられてきました。ベーグルに似た生地で、さっくりとした表面ともっちりとした内側の食感が特徴です。ドイツ発祥のパンで、ドイツでは塩気の効いたソフトプレッツェルが主流ですが、アメリカ式の甘くて固いハード系プレッツェルもあります。
3.クラッカー
クラッカーは、イーストを使って生地を発酵させ、高温で短時間に焼き上げたビスケットの一種です。砂糖は使われず、サクサクとした軽い口当たりとパリッとした歯ごたえが特徴です。発祥はアメリカで、1792年に船員の長期保存食として作られたのが始まりです。1801年にはオーブンで焼いているときの音から「クラッカー」と名付けられました。
4.ウエハース
ウエハースは小麦粉や砂糖、粉乳、卵黄、ベーキングパウダー、香料などを混ぜて薄い板状に焼いた洋菓子です。気泡を多く含んだ軽い食感の焼き菓子で、2枚の間にクリームやチョコなどをサンドしたものが一般的です。13世紀のヨーロッパで聖体拝領のために初めて作られたとされ、そのおいしさから家庭でも楽しまれるようになりました。薄くて軽やかな食感と細かなフレーバーが特徴で、クリームやナッツ、チョコレート、抹茶フレーバーなどのバリエーションが豊富です。手軽に食べられて栄養価も高いため、幅広い年齢層に愛されています。
スナック類の洋菓子2選
スナックとは「軽い食事」を意味する言葉で、手軽に食べられるお菓子がスナック類です。甘くなく塩味に味付けされたものがほとんどです。代表的なスナック類の洋菓子には以下があります。
主なスナック類
- ポテトチップス
- コーンパフ
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.ポテトチップス
ポテトチップスは、ジャガイモを薄切りにして冷水にさらした後、高温の食用油で揚げ、塩や香辛料で味付けしたスナック菓子です。1853年にアメリカのニューヨーク州の「ムーン・レイク・ハウスホテル」で、フレンチフライの厚切りに不満を持つお客様に対し、紙のように薄く切ったじゃがいもを揚げたことが始まりとされています。日本で登場したのは、戦後のフラ印による「アメリカンポテトチップス」が始まりとされます。また、1967年にカルビー創業者「松尾孝」がアメリカで大量のポテトチップスを見たことをきっかけに、日本でも広く販売されるようになりました。
2.コーンパフ
コーンパフは、とうもろこしを原料としたパフスナックです。素材本来のほのかな甘みと香ばしさを感じられるお菓子です。とうもろこしを専用機械で粉砕した後、圧縮して摩擦熱で加圧し、オーブンで焙煎して作られます。軽いサクサクとした食感が特徴で、おやつとして食べるほか、シリアルとして食べたりパフェのトッピングなどにして食べられます。また、ポップコーンはコーンパフとは異なり、とうもろこしを加圧・加熱してはじけさせ、塩などで調味したスナック菓子です。
国別の洋菓子の特徴とは?各国で異なる定番スイーツを紹介
洋菓子とは、基本的に西洋で誕生したお菓子のことです。ヨーロッパの国のお菓子を全般的に洋菓子と言いますが、ヨーロッパ諸国それぞれでお菓子の起源が存在し、その背景や製法などに違いがあります。ここからは、ドイツやイギリス、フランスなどのヨーロッパに加え、アメリカも含めた欧米の代表的な洋菓子を紹介します。
ドイツの伝統的な洋菓子3選
ドイツのお菓子は、基本的な製法や生地自体は他国の菓子と大きな違いはありません。一方で、甘さが控えめで、シンプルかつ素朴な親しみやすい味わいのお菓子が特徴です。代表的なドイツの洋菓子には以下があります。
主なドイツの伝統菓子
- バウムクーヘン
- シュトレン
- アプフェルクーヘン
そのほか、プレッツェルやラスクなどもドイツの伝統的なお菓子として知られています。ここからは、上記3つの洋菓子について紹介します。
1.バウムクーヘン
バウムクーヘンはドイツ発祥の洋菓子です。見た目が木の年輪のようであることから、「baum kuchen(木のケーキ)」と名付けられました。ドイツでは、お祝いの席でよく用いられる焼き菓子で、日本でも人気が高く、贈り物やギフトとして選ばれることが多いです。
2.シュトレン
シュトレンはドイツの伝統的なクリスマス菓子で、保存料なしでも日持ちするように工夫されています。生地にはバターがたっぷりと使われ、ナッツや洋酒に漬けたフルーツが散りばめられています。クリスマスまで毎日一切れずつ食べ進めることで、ドライフルーツの味わいが生地に染み込み、徐々に変化する風味を楽しむことができます。
3.アプフェルクーヘン
アプフェルクーヘンは、ドイツの家庭でよく食べられているりんごを使った焼き菓子です。生のりんごを生地で包み込んで焼き上げて作られ、アップルパイに似た風味が特徴です。レーズンやくるみを加えたり、ナツメグやシナモンなどの香辛料で風味を増したりと、さまざまなアレンジが楽しめます。りんごからの水分で生地がしっとりと仕上がる素朴なおやつで、ドイツの家庭で昔から親しまれている伝統的なケーキです。
イギリスの伝統的な洋菓子3選
イギリスには昼食と夕食の間に食事を摂る「アフタヌーンティー」という文化があり、紅茶と一緒に軽食やお菓子を食べることが多いです。ふわふわした食感の洋菓子よりも、ボリュームのあるものが多い傾向にあります。代表的なイギリスの洋菓子は次のとおりです。
主なイギリスの伝統菓子
- スコーン
- ショートブレッド
- ヴィクトリアサンドウィッチ
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.スコーン
スコーンはイギリス発祥の伝統的な焼き菓子で、特にスコットランド地方で親しまれています。薄力粉やバター、牛乳を混ぜ合わせて生地を作り、オーブンで焼き上げます。外側はサクッと、内側はふんわりとした食感が特徴で、焼きたてのスコーンはバターの香りが広がり、シンプルな味わいが魅力です。ジャムや生クリームを添えて、紅茶と一緒に楽しむのが一般的です。名前の由来はスコットランド王の戴冠式で使用された「運命の石(The Stone of Scone)」から来ています。また、アメリカでは甘めの生地を使った重めのスコーンも人気があります。
2.ショートブレッド
ショートブレッドは、スコットランド発祥の伝統的なバタークッキーで、イギリスを代表する焼き菓子のひとつです。名前は「くだけやすい焼き菓子」に由来し、ほろほろと口の中で崩れる食感が特徴です。発酵バターを使うとリッチで風味豊かに仕上がります。卵や牛乳を使用せずシンプルな味わいで、お茶うけとしても人気です。
3.ヴィクトリアサンドウィッチ
ヴィクトリアサンドウィッチケーキは、イギリスの伝統的な焼き菓子です。パウンド生地を丸い型で焼き、間にイチゴジャムやラズベリージャムを挟んだシンプルなケーキで、ヴィクトリア女王がアフタヌーンティーの際に好んでいたとされます。見た目は華やかではないですが、その素朴な味わいが紅茶にぴったりです。イギリスでは、幼い頃から親しんだ母の味として、またお祭りの祝い菓子としても愛されています。
アメリカの伝統的な洋菓子3選
移民が集まるアメリカにはさまざまな種類のお菓子があります。たとえば、チェリーパイやアメリカンクッキーなど甘くてボリューミーなものを思い浮かべる人も多いでしょう。中でも代表的なアメリカの洋菓子には以下があります。
主なアメリカの伝統菓子
- ニューヨークチーズケーキ
- ウーピーパイ
- マラサダ
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.ニューヨークチーズケーキ
ニューヨークチーズケーキは、アメリカのニューヨーク発祥の洋菓子です。ベイクドチーズケーキの一種で、「湯煎焼き」でじっくりと蒸し焼きにすることで、白っぽくしっとりとした仕上がりになることが特徴です。土台にはグラハムクラッカーやクッキーを砕いたものを使用します。材料にはサワークリームを加えることが多く、これにより濃厚でありながらも軽い食感が楽しめます。ニューヨークチーズケーキは、アメリカの代表的なデザートとして広く知られています。
2.ウーピーパイ
ウーピーパイはアメリカの伝統的なスイーツで、昔からお母さんが子どもたちのために作っていた家庭料理です。「ウーピー(Whoopee)」は「わーい!」「やったー!」など、喜びや歓声の声を表していることから名付けられました。しっとりとしたケーキのような生地にクリームを挟んで作り、見た目はマカロンのようですが食べ応えがあります。生地やクリームの色を変え、デコレーションしてかわいいウーピーパイが食べられています。
3.マラサダ
マラサダはハワイのローカルスイーツで、外はサクサク中はもちもちとした食感のドーナツです。もともとはポルトガル発祥のお菓子で、ポルトガルの家庭で作られていたものがハワイに伝わり、今ではハワイの名物となりました。発酵時間を長くとることで、空気を含んだふんわりとした生地が特徴です。シンプルに粉砂糖やシナモンをまぶすだけの味付けで、生地の甘さとおいしさを楽しめる、ハワイの定番スイーツです。
フランスの伝統的な洋菓子4選
フランスのお菓子は、芸術的な見た目と洗練されたフレーバーの両方を兼ね備えていることが特徴です。フランス菓子と称される洋菓子には別の国で発祥したものも少なくなく、マカロンもそのひとつです。さまざまな文化や背景を盛り込み、幅広い形に進化したことがフランス菓子の魅力とも言えます。代表的なフランスの洋菓子は次のとおりです。
主なフランスの伝統菓子
- マカロン
- マドレーヌ
- カヌレ
- ラングドシャ
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.マカロン
マカロンは、粉末アーモンドに卵白や砂糖を混ぜて焼いた丸型のお菓子です。外側はサクッと内側はねっとりとした食感が特徴です。フランス菓子として知られていますが、マカロンはイタリア発祥とされています。名前はイタリア語の「maccherone」に由来し、もともとはアーモンドを使った素朴な茶色い焼き菓子でした。ガナッシュクリームなどを挟んで仕上げる「マカロン・パリジャン」が一般的ですが、ほかにも「マカロン・ド・ナンシー」や「マカロン・ダミアン」といった地域特有のバリエーションもあります。
2.マドレーヌ
マドレーヌは、フランスのロレーヌ地方発祥の伝統的な焼き菓子で、生地を貝殻の形の型に入れて焼き上げたものです。名前の由来は、ラテン語の「Sancta Maria Magdalena」に関連し、キリスト教の聖人の信仰心から名付けられたとされています。バターの香ばしさと素朴な味が特徴で、レモン果汁やオレンジピールなどを加えたアレンジしたものも多いです。プレゼントにも適しており、フランスでは「おばあちゃんの味」として親しまれています。
3.カヌレ
カヌレは、フランスのボルドー地方発祥の伝統菓子です。女子修道院で作られていたと言われています。フランス語で「溝のついた」という意味があり、溝の入った型に生地を流し入れて焼くことが特徴です。外側は固く香ばしく内側はもっちり柔らかい食感に加え、バニラビーンズとラム酒の芳醇な香りが広がる特別な風味が魅力です。日本でも人気が高く、専門店やアレンジ菓子も登場しています。
4.ラングドシャ
ラングドシャは、小麦粉や卵白、砂糖、バターを混ぜた生地を薄くのばして焼き上げた洋菓子です。フランス語で「猫の舌」を意味しており、口の中でサッとほどけるような軽く繊細な食感が特徴です。バターのリッチな旨みとやさしい甘みがあり、誰にでも愛されるようなおいしさです。元々は細長い形で焼かれていましたが、日本では正方形が一般的です。
イタリアの伝統的な洋菓子3選
イタリア菓子はフランス菓子よりも長い歴史をもち、ハチミツやチーズ、ナッツなどを使用するお菓子が多い傾向にあります。日本でも流行した「マリトッツォ」や、プリンに似た「パンナコッタ」もイタリア菓子のひとつです。中でも代表的なイタリア菓子には以下があります。
主なイタリアの伝統菓子
- ティラミス
- パネトーネ
- ビスコッティ
ここからは、それぞれの洋菓子について紹介します。
1.ティラミス
ティラミスは、エスプレッソを染み込ませたクッキー生地に、カスタードソースとマスカルポーネチーズを合わせたクリームを層にして重ねたデザートです。イタリアを代表するスイーツで、直訳すると「私を上に持ち上げて」になるため、「食べて元気になる」という意味があります。ほろ苦いエスプレッソとリッチなマスカルポーネの風味が特徴で、仕上げにカカオパウダーをかけて完成します。2.パネトーネ
2.パネトーネ
パネトーネは、イタリアのクリスマスには欠かせない伝統菓子です。クリスマスの1ヶ月前から各家庭で焼かれ、ご近所に配られる習慣があります。時間の経過とともに風味が変化し、長期間楽しめるスイーツとして人気があります。
3.ビスコッティ
ビスコッティは、イタリアの伝統的なお菓子です。生地を棒状に伸ばして一度焼き、その後カットして再び焼くことで、ザクザクとした食感に仕上がります。独特の食感が特徴で、素朴な味わいがコーヒーや紅茶とよく合います。チョコレートやナッツなど、お好みの具材でアレンジが可能です。ビスコッティはそのシンプルな美味しさから、イタリアの家庭で広く親しまれています。
スペインの伝統的な洋菓子
スペインは国土が広く、アーモンドやスパイスの栽培が盛んな国です。スペイン産の素材を使用したお菓子のほか、ミルクやバターを多く使用したお菓子が多い傾向にあります。代表的なスペインの洋菓子は次のとおりです。
主なスペインの伝統菓子
- ポルボロン
- バスクチーズケーキ
ポルボロンは、ほろほろな食感が特徴のクッキーです。ポルボには「粉」という意味があり、ロンには「崩れる」という意味があります。また、バスクチーズケーキとは、スペインのバスク地方で生まれた表面を黒く焦がしたチーズケーキです。ベイクドチーズケーキに似ていますが、中はとろけるレアチーズケーキのような食感が特徴です。
まとめ
洋菓子にはさまざまな種類があり、原材料や製法が違い、楽しみ方も人それぞれです。水分量で大きく3種類に分けられるほか、製法や生地によっても細かく分類されます。洋菓子のことをよく知れば、さらにおいしく楽しく食べられると思うので、洋菓子を食べる際はぜひ分類や歴史もチェックしてみてはいかがでしょうか。