パリッパリの最中(モナカ)の皮の正体とは!? 自宅で試せる簡単な作り方も
最中といえば日本の伝統的な和菓子のひとつです。パリッとした皮にあんこをはさんだものが一般的ですが、アイスをはさんでモナカアイスとしてもよく食べられています。最中の皮に、フリーズドライのお汁粉やお吸い物などを入れたものもありますね。ウエハースの代わりに和風パフェにあしらったりするお店もあります。
でも、その最中の「皮」、いったい何でできてるのかご存じでしょうか?
この記事でわかること
- 最中の皮はもち米からできている
- 最中の皮だけでも売っている
- 最中の皮は自分で作ることもできる
- 最中の名称はお月見が由来している
最中の皮は何でできているの?
パリパリ、サクサクとした最中の皮は、おもちでできています。とは言っても、普通のおもちを焼くだけで最中の皮になるわけではありません。もち米を原料に、いくつもの繊細な工程を経て、最中の皮になります。
もち米が最中の形になるまで
工場では、まず原料となる「もち米」を洗米するところから始まります。よく洗ったもち米を水に浸し、その後、特別な製粉機で米をつき、きめの細かい状態になったら、蒸気で蒸して練ります。
最中の皮はどうやって焼いているの?
蒸して練った後は、薄く成形してプレスしながら焼き上げます。プレスする工程が最中の食感を大きく左右すると言われてます。工場では機械が導入されているところも多いようですが、ひと昔前は熟練の職人さんが圧をかけながら焼いていたようです。やっぱり、最中はパリッとした皮が良いですよね。
最中の皮(=最中種)を専門に作っている工場やお店では、いろいろな型で焼き上げられており、中に入れる餡の違いや用途の違いによって、食感が変わるように作られています。
最中の「皮だけ」を買うこともできる
最中の皮は、食べる直前に餡をはさんで食べるほうが、よりサクサク感が楽しめます。それを自宅で味わえるように、皮と餡を別にして売られている商品もありますが、実はオンライン通販などで、最中の皮(最中種)だけを販売しているところも多くあります。
最中種だけを買えば、自宅で好きな物をはさんで楽しむことができますね。薄い皮に合わせるなら繊細な味わいの餡、しっかりした皮にはさむならバニラアイスやチョコアイスなどいかがでしょうか。もちろん、餡だけでも、粒あん、こしあん、白あん、うぐいすあんなどバリエーションは様々! フルーツやバターを一緒にはさむのも美味しいですよ。
最中種のアレンジを調べてみた
餡やアイス以外にも実はいろいろアレンジできる最中種。調べてみると、他のスイーツの代用として最中の皮を使っている達人たちがたくさんいました。ちゃんと作るとちょっと手間がかかるスイーツも、最中の皮で簡単&きれいに作れてしまうので、これはおすすめです。
最中の皮で流行りのマリトッツォ風
たとえば、丸みを帯びた最中種に生クリームとフルーツをたっぷりはさめば、シュークリームやマリトッツォのような雰囲気に! フルーツとカスタードクリームでタルト風にしたり、ナッツとキャラメルソースでフロランタンを作ったりと楽しみ方がいろいろ。
最中の皮の特徴を生かしたミルフィーユ風
薄めの最中種なら、生クリームと最中種を交互にはさんでしばらく置けば、生クリームの水分を最中種が吸って、ミルフィーユのような仕上がりにもなります。最中種にコーヒーを染みこませて、クリームチーズをはさめばティラミスにも!
好きなものをはさんだりのせたりするだけで気軽に食べられるので、子どもでも楽しめるのが嬉しいですね。お好み最中パーティーなんかいかがでしょう。
ワインと好相性! 最中でカナッペ
平たい最中種なら、チーズやスモークサーモン、生ハム、オイルサーディンなどをのせてカナッペ風に盛り付けるのもおすすめです。最中種そのものは薄味なので、甘いものもしょっぱいものも合うのが嬉しいですね。
ポテトサラダやアボカドディップなどをのせて、そのまま食べられるフィンガーフードにすると、お酒の席にもぴったりです。
最中をお麩のように使う
何もはさまず最中種を味わうなら、お吸い物やお味噌汁などの汁ものに加えるのも美味しいですよ。水分を吸って、ふわふわになった最中種はひと味違う食感。色や形が可愛い最中種なら、彩りにもなりますね。
最中の皮の保存方法と賞味期限
単体でも手に入る最中の皮ですが、常備品ではないので、保存方法と賞味期限が気になるところ。オンラインで購入できる最中の皮は、意外と量が入っているので無駄にしたくないですよね。ここでは、気をつけたい保存方法と賞味期限について紹介します。
最中の皮の賞味期限は最大6カ月
パリッと焼いて水分を飛ばしているので、最中種の賞味期限は意外と長く、3ヵ月から6カ月くらいは味が保たれるようです。半年を過ぎても腐敗したりはしませんが、風味が飛んでしまうので、この期間のうちに食べきるほうが美味しく楽しめます。
最中の皮をおいしく保存する方法
薄く焼いた皮なので、湿気は大敵。特に夏場の湿度が高い時期であれば、ほんの少し外に出しておいただけで湿気ってしまいます。
最中種は密閉袋にいれ、光に当てないように箱や缶にいれて保管しましょう(光に当てると退色します)。
最中の皮が湿気ってしまった場合の対処法
うっかり湿気ってしまった最中種は、電子レンジで30秒ほど温めると復活することがあります。最中種の厚みや量によって必要な時間が変わってくるので、少しずつ試しながらやってみるといいかもしれません。温めたあと、少し冷ますとパリッとした食感が戻ります。または、トースターで1分ほど焼くという方法も。焦げないように気をつけながらやってみてください。
最中の皮を自作してみよう
どうせなら、最中の皮も自分で作ってみたいけど、やっぱり難しい? いいえ、自宅で作る方法もあります! 自宅で作る場合は白玉粉を使います。最中の皮の、本来の原料はもち米ですが、白玉粉はもち米からできているので、市販品に近い食感が味わえますよ。
材料(直径6cmの型10枚分)
- 白玉粉:大さじ3
- コーンスターチ:大さじ1
- 水:大さじ2 +α(微調整)
- サラダ油:少々
用意するもの
- 金属製のミニタルト型やマドレーヌ型、ゼリー型
最中の皮の作り方
- 同じ型を2つずつ用意し、片方は内側にもう片方は外側にサラダ油を塗る
- 白玉粉とコーンスターチをボウルに入れ、軽く混ぜ合わせる
- 水を少しずつ加えながら、手に付かなくなるまでこねる
- 10等分した生地を軽く丸めて、内側にサラダ油を塗った型の中央に入れる
その上から外側に油を塗った型を重ねて、中の生地が薄く全体に広がるように押しつける - 金属製の洗濯ばさみやクリップなどで型を留め、230℃のオーブンで10~11分焼く
- 焼き上がったら熱いうちに型から外す
知ってた!? 最中の名前の由来
最中(モナカ)という名前の由来は、平安時代にまで遡ります。拾遺和歌集の撰者として有名な源順(みなもとのしたごう)が、宮中の月見の宴で『池の面に照る月なみを数ふれば今宵ぞ秋の最中(もなか)なりける』と詠んだ句が起源とされています。
この時に出されたお菓子が薄い丸形の餅菓子で、これが中秋の名月に似ていたことから、「最中の月」と呼ばれるようになりました。
この「最中の月」が、江戸時代には市中の煎餅屋で売られていましたが、当時は今のように餡が入っていたわけではなく、もち米を蒸して薄く延ばしたものを丸形にして焼き、上から砂糖をまぶした、煎餅のようなものだったと言われています。
後に餡をはさむようになり、餡が真ん中に入ることから中央を意味する「最中(さいちゅう)」=「もなか」と呼ばれるようになったという説と、菓子そのものの形が丸形以外も売られるようになったことから、「最中の月」から「月」をとって「もなか」になったという説があります。
まとめ
今回は最中の、特に「皮」についてまとめてみましたがいかがでしょうか。最中の皮のサクサク感、パリパリ感は独特の食感ですよね。どこか儚げな、それでいてしっかりと存在感のある、不思議なお菓子です。アレンジによって、和風はもちろん洋風にも変身できる最中ですが、函館市のお隣・北斗市にはひと味変わった最中スイーツがあります。その名も「モナスク」です。
サクサクの最中の皮に、北海道バターをたっぷり使ったクッキー生地を詰めて焼いたものです。アーモンドの甘い香りと香ばしさが漂い、クッキーのザクザク食感と最中の軽い食感を一度に味わえる創作スイーツです。こちらもぜひ!