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トマトの旬は夏じゃない!? 一番おいしい季節とは

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真夏の太陽を浴びて真っ赤に実ったトマトの旬は夏!実は、それ間違いなんです。夏野菜のイメージがありますが、本当に美味しい時期は夏ではありません。この記事では、トマトが美味しい時期を詳しく解説。栄養素や選び方、調理方法、保存方法も紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

    この記事でわかること

  • トマトの旬は春と秋
  • お尻に放射状の模様があるのが美味しいトマト
  • リコピン、β-カロテン、ビタミンC、カリウムが豊富
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

トマトってどんな野菜?

トマトってどんな野菜?

身近な野菜ではあるものの、歴史や産地、種類など、トマトについて意外と知らないことも多いのではないでしょうか。旬の時期を紹介する前に、あらためてトマトについて学んでみましょう。

歴史・由来

トマトは、世界中で食べられている野菜ですが、原産地はペルーやエクアドルなどに股にかけるアンデス山地と言われています。ラテンアメリカの原住民が食べていたそうで、コロンブスによって発見され、ヨーロッパへと広がっていきました。

日本に入ってきたのは江戸時代初期で、当初は食用ではなく観賞用の植物だったそうです。昭和に入ってからは食用として生活になじんでいきました。

古代メキシコ語の「トマトゥル」が名前の由来で、膨らむ果実という意味です。トマトといえば赤ですが、当時の人たちは膨らむことの方が印象深かったのかもしれませんね。

主な産地

トマトは世界に約1万種あると言われ、日本だけでもたくさんの品種があります。「農林水産省品種登録ホームページ」のデータ検索にて“トマト”を検索してみたところ、現在登録されているものだけで338件もあり、全国各地で様々なトマトが生産されていることがわかります(2022年5月時点)。

トマトの主な産地

参考:農林水産省 作物統計(令和4年発表)

農林水産省が毎年発表している作物統計データによると、2021年の日本のトマトの収穫量は約72万トン(ミニトマトの収穫量を含む)。熊本県が日本のトップを誇り、次いで北海道、愛知県と続きます。

また、2021年の総作付面積は11,400ha。産地ごとに収穫時期が異なるため、農林水産省では「冬春トマト」と「夏秋トマト」に分類して以下のように計上しています。

冬春トマトの作付面積TOP3(2021年)

熊本県 860ha
愛知県 394ha
千葉県 238ha

夏秋トマトの作付面積TOP3(2021年)

茨城県 757ha
北海道 735ha
千葉県 448ha

東京都と鹿児島県を除いて、トマトはほとんどの都道府県で生産・収穫されています。そのため年中楽しめる野菜の一つと言えますが、作付面積が広くてもその年の天候(特に台風)によって収穫量に大きな影響が出るため、一概にイコールとは言えません。

種類

トマトの種類

日本だけでも300種類以上の品種があるトマトは、種類の多い野菜です。トマトの種類は「甘い」「酸味がある」「加熱に適している」「生の方が美味しく食べられる」という4つの基準で分けることができます。

丸形で身近な品種「桃太郎」は酸味が強いトマトです。細長い形をした「アイコ」は甘いトマトとして一躍有名になりました。お尻がとがった「ファースト」、糖度の高い「アメーラ」など、様々なトマトがあります。好きなトマトを選ぶのはもちろん、新しい品種にチャレンジするのもおすすめです。

トマトの旬は夏じゃない!? 実は春や秋が食べごろ

トマトの旬は夏じゃない!? 実は春や秋が食べごろ

トマトは夏野菜に含まれることが多く、暑い夏が一番美味しくなると思われがちです。実際、トマトの栽培が始まったころは夏に食べられていましたが、実は夏はトマトの旬ではありません。

トマトは高温多湿の環境が苦手で、強い日差しや冷涼な気候の下でよく育ちます。そのため、夏の気候はトマトにとって厳しい環境。春から初夏、秋から初冬が最も美味しいと言われています。

とはいえ、収穫量が多いのは夏です。生育が早いため、全国的に多く出回っています。ただ、糖度が上がる前に育つこと、水分が多くなりやすいことから、夏のトマトは比較的味が薄め。春や秋のトマトはゆっくりと大きくなりながら糖度が高まるので、甘くて味が濃くなる傾向があります。

栄養素が豊富なパワーベジタブル

栄養素が豊富なパワーベジタブル

トマトは栄養豊富な野菜ですが、具体的にどのような栄養が含まれているのでしょうか。主な栄養と効果・効能をチェックしていきましょう。

リコピン

リコピンは、トマトの赤色の元になっている色素。緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンの一種で、抗酸化作用に優れています。肌荒れやシミ・シワなどの原因になる活性酵素に作用し、肌の調子を維持してくれるのが嬉しい効果です。似た働きを持つβ-カロテンやビタミンEよりも強い効果があるため、美肌づくりに取り組んでいる方は積極的に食べてみましょう。

β-カロテン

β-カロテンは、体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の調子を整えてくれます。リコピンと同じ抗酸化作用や免疫力向上効果もあり、肌や身体を健やかに保ってくれる栄養素です。ビタミンAに変換するのは不足しているときなので、摂りすぎにならないのも嬉しいポイント。

ビタミンC

ビタミン群の中でも、トマトにはビタミンCが多く含まれています。コラーゲンの生成や鉄の吸収を助けるのが主な働きです。コラーゲンは細胞と細胞とつなげるもの、鉄は赤血球の材料になるものなので、どちらも欠かせません。トマトを摂取すれば、ビタミンCを補うことができ、抵抗力を高めたり、動脈硬化を予防したりする効果を期待できます。

カリウム

カリウムは、ミネラルの一種です。神経の興奮や筋肉の収縮などを調整する働きがあり、塩分の排出にも関わっています。不足すると、脱力感や食欲不振などが起きやすいです。水溶性であるため、水を使って調理すると逃げてしまいます。カリウムを意識して摂取したいときは、生がおすすめです。

トマト選びのポイントを知る

スーパーや八百屋さんに並んでいるトマトは、一つひとつに違いがあります。形、重さ、模様、ヘタの様子などは三者三様。その違いこそ、美味しいトマトを見極めるポイントです。目利きのコツを押さえて、たくさんのトマトから一番美味しいトマトを見つけ出してみましょう。

丸くて形が良いこと

丸いトマトは、中身がしっかり詰まっていることが多いです。表面がでこぼこしていたり、角ばっていたりすると、空洞ができていることが多く、食べてみて物足りなく感じることがあります。品種によっては丸くないこともあるので、その場合は形がきれいなものを選びましょう。

重みを感じるもの

手に持ったときに重みを感じるトマトは、美味しいことが多いです。身が詰まっているからこそ重く、ジューシーなトマトに出会うことができます。いくつかトマトを手に取ってみて、一番重く感じたものを購入してみましょう。

お尻の先から筋が放射状に広がっていること

お尻の先から筋が放射状に広がっていること

トマトの下側のお尻部分を見てみると、線が走っています。筋がはっきりしていて、放射状に広がっているものは糖度が高いことが多いです。この模様はスターマークと呼ばれています。より甘いトマトを食べたいときは、お尻の模様に注目です。

ヘタがピンとしていること

新鮮なトマトか見極めるときは、ヘタの状態に注目しましょう。ヘタがピンと立っていて、色が良いものは収穫してからまだ時間が経っていない新鮮なトマトです。ヘタがしおれているものは、鮮度が落ちている傾向があります。

トマトの調理方法・食べ方

トマトの調理方法・食べ方

トマトはそのまま食べても、料理に加えても美味しく食べられる食材。調理方法を知っておけば、色々な料理に使えるようになります。ここでは、主な調理方法と食べ方をマスターしていきましょう。

丸かじりで豪快に

トマトそのものを味わいたいなら、サッと表面を洗って、丸かじりするのがおすすめ。口いっぱいにトマトが広がり、甘みや酸味を存分に味わえます。塩を一振りしたり、マヨネーズをかけたりして、味変しながら丸々1個を食べるのも良いですね。

ひと口大に切ってサラダに添える

生のままで食べるなら、サラダに添えるのも定番です。洗ってから一口大にカットするだけ。緑の多いサラダに赤色が加わり、食卓に彩りも加えられます。

湯むきして皮を剥く

湯むきして皮を剥く

トマトを料理に使うときは、皮をむくのが基本です。湯むきは、皮が気持ちよくめくれる方法。お尻の部分に十字に切り込みを入れて、沸騰したお湯に入れると、切れ目から皮がめくれてきます。冷たい水で冷やしたら、切り込みから皮をむきましょう。口当たりが良くなり、なめらかなトマトを味わえます。

オーブンで焼く

トマトをオーブンで焼くと、余分な水分を飛ばすことができます。甘みや旨みだけが残るので、トマトの美味しさをストレートに感じられますよ。グラタンやドリアに乗せたり、ステーキや魚料理に添えたりするのがおすすめです。

煮込み料理でコトコト煮る

缶詰のホールトマトやカットトマトをカレーや煮込み料理に使っている方が多いのではないでしょうか。生のトマトを煮込み料理に使うときは、湯むきしてからカットするのがポイントです。

旨みや栄養を逃したくないときは、皮ごとミキサーにかけてから鍋に加えると良いでしょう。皮に含まれる旨みを逃さず、料理に入れることができます。

ミキサーでピューレにするのもおすすめ

ミキサーでピューレにするのもおすすめ

湯むきしたトマトをミキサーにかけると、トマトピューレができます。簡単な味付けでトマトソースになり、スパゲッティや魚料理、サラダなどに合うソースが完成。

レモン汁や塩を加えてミキサーにかければ、トマトジュースも手作りできます。栄養をサッと摂取でき、習慣にするとダイエットや美容に効果が現れるでしょう。

トマトの保存方法

トマトの保存方法

トマトは、常温、冷蔵、冷凍、どの方法でも保存できます。購入してすぐのとき、青い部分があるときは、常温保存がおすすめ。15~25度の温度で収穫後も熟していきます。全体が赤くなったら冷蔵庫に入れましょう。

冷蔵保存は、トマトの歯ごたえを残しやすい保存方法です。熟す前に冷蔵することで、気持ちいい食感でトマトを食べられます。重なっているところから悪くなっていくので、トマト同士が接しないようにしましょう。

料理に使用する場合は、冷凍するのも方法のひとつです。冷凍によってうまみや栄養が閉じ込められ、約1ヶ月保存が利きます。解凍の手間が気になるときは、冷凍する前にカットしておくと楽です。

まとめ

トマトの旬は、実は春や秋です。夏のトマトよりも糖度が高く、味が濃いので、トマトそのものの味わいを存分に感じられます。そのまま食べても美味しいですが、オーブンで焼いたり、煮込んだり、ピューレにしたりしても美味しく食べられるのは、トマトの魅力です。

形や重さ、ヘタの状態、お尻の模様にも注目して、旬の時期に鮮度が高くて味の良いトマトを食べてみましょう!

writerprof_sugawara
菅原 光拳
ライター / フリーエディター
札幌生まれ、北広島市育ち。学生時代に釧路で環境と自然教育を学んだのち、卒業後も北見を拠点に道東で7年間を過ごす。現在は北海道観光をはじめ、ライフスタイルメディアなど多様なジャンルの記事を執筆中。