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室蘭の工場夜景にうっとり。一度は見てみたい北海道の絶景ナイトビュー【おすすめスポット9選】

室蘭の工場夜景にうっとり。一度は見てみたい北海道の絶景ナイトビュー【おすすめスポット9選】の画像

夜空を背景にきらめく工場夜景。どこか幻想的で、それでいて近未来感もある、独特の美しさで人気を集めているのが室蘭の工場夜景です。

一般的に「夜景」と言われるのは、函館山や藻岩山などから望む街の明かりです。その明かりのひとつひとつに生活の営みが想像できることも夜景の美しさのひとつですが、工場夜景は生活そのものを反映した光ではありません。そこにこそ、ある種の魅力がひそんでいるのです。本記事では、一度は行ってみたいと人気の室蘭の工場夜景を詳しく紹介します。

    この記事でわかること

  • 室蘭はすり鉢状の地形で至る所から夜景が楽しめる
  • 室蘭の工場夜景を楽しむなら10~11月
  • 2019年に「JXTGエネルギー室蘭製造所」の保安灯が消灯して明かりが減った
  • ベストスポットには私有地や立ち入り禁止エリアもあるので注意
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

室蘭ってどこにあるの? どんな街?

室蘭ってどこにあるの?

室蘭は北海道の南西部に位置し、三方を海に囲まれた都市です。函館苫小牧の中間地点にあり、温泉で有名な登別市の隣にあります。札幌市街からは車で2時間ほど、新千歳空港からは車で約1時間と都心部にも比較的近いです。

室蘭は渡り鳥の営巣地となっているためバードウォッチングが楽しめる場所として人気のほか、イルカやクジラが悠々と泳ぐ太平洋、晴天時には青森県の下北半島まで見渡せる地球岬など大自然の絶景ポイントがたくさんあります。また、「やきとり」なのに鶏肉を使わない「室蘭やきとり」や、「室蘭カレーラーメン」といったローカルグルメも有名です。


室蘭の夜景がキレイな理由

室蘭市街の夜景

天然の良港として北海道の発展にも寄与した室蘭は、北海道有数の工業都市として知られています。鉄鋼所、造船所、製油所などの大きな工場が港を囲むように建ち並び、これらの工場群が夜になると安全稼働のために周囲を強い照明で照らすことから、工場夜景が生まれます

室蘭の地形が夜景を際立たせる

天然の良港として栄えた室蘭ですが、他の港と違うのは、室蘭港がゆるやかな高台に囲まれていること。函館や長崎なども天然の良港ですが、そちらは急な崖も多く、内陸側からの視界が遮られることもあります。室蘭ではゆるい高低差が視界を確保しつつ、夜景のバリエーションを生み出します。

各所にある展望台も標高があまりないことが絶景ビューの役割と果たしており、夜景を間近に&ダイナミックに見ることができるのです。

工場の圧倒的な光量

工場の光量

工場にはたくさんのパイプ類が通っており、それぞれに圧力計や温度計などが設置されています。大きな工場であればあるほど安全が第一なので、コンビナートに異常がないか目視で確認できるように強い光りで工場を照らしています。

一般家庭よりも遥かに強く明るい光を放ち、煙突からの水蒸気とも相まって、まるでSF映画のような不思議な夜景が生まれているというわけです。

室蘭の夜景と言えば「白鳥大橋」

ライトアップされた白鳥大橋

室蘭港入り口にかかる、白鳥大橋の存在もまた唯一無二の夜景を生み出している重要なポイントです。白鳥大橋は関東以北最大の吊り橋で、室蘭港を望むほとんどのポイントから眺められます。

室蘭の工場夜景に個性を与えているのは白鳥大橋と行っても過言ではなく、主塔はもちろん、そこから下がるケーブルにもライトがついているので、夜にはその光の粒が美しいカーブを描きます。白鳥大橋とそれに繋がる道路を行き交う車のヘッドライトやテールライトも美しく輝きます。
※白鳥大橋のライトアップは深夜0時まで

室蘭の工場夜景を楽しむためのコツ

室蘭の工場夜景をより美しく、そして快適に楽しむために知っておきたいコツを紹介します。

室蘭の夜景が美しい時期はいつ?

室蘭で美しい工場夜景を楽しむなら、7月から10月がおすすめです。晴天率が比較的高いのは4月・5月・10月で、冬に向かって空気が澄む10月は、特に夜景がきれいに見えると言われています。もちろん、工場夜景は通年で楽しむことができますが、北海道の冬から春は冷え込むため、あまりおすすめできる季節ではありません。一方で夏から秋は、北海道は真夏でも夜になれば涼しい風が吹くので、爽やかな気候を肌で感じながら夜景を楽しめますよ。

室蘭の夜景を見に行く時の服装

室蘭は北海道南西部なので、道央や道北・道東に比べれば冬でも少し暖かいのですが、工場夜景を眺めるには屋外である程度の時間を過ごすことが想定されるため、暖かい服装で出かけるのが良いでしょう。また、夏でも夜の気温が10℃近くまで下がることもあります。昼間と同じ服装で出かけては肌寒くなってしまうので、長袖に着替えたり、上着を1枚持っていくなどの工夫が必要です。

室蘭の夜景を見に行く際に必要なもの・注意点

工場の強い光りによって遠くは明るいですが、その分、辺り周辺は真っ暗なんてことも。室蘭は閑静な住宅街が多く、高台や展望台、室蘭港周辺は特に人通りが少ないです。街灯がない場所もあるので、懐中電灯を持参すると良いでしょう。また、道の駅を除き、室蘭の夜景スポットはトイレがないところも多いので、予め最寄りのトイレの位置を確認しておくなど事前の計画が重要です。

暗闇に女性ひとりで訪れるのは危険です。団体で出かけるか、なるべく人の多いスポットを選ぶよう心がけましょう。ナイトクルージングなどのツアーを利用するのもおすすめです。

夜景見学ツアーもおすすめ

自分で夜景の美しいスポットを探すのも楽しいものですが、代表的な夜景スポットをめぐるツアーに参加するのもおすすめです。JR東室蘭駅から出発する「室蘭夜景見学バス」や、温泉で有名な隣の登別市から出発するナイトバスツアーなど、バスでおすすめの夜景スポットをめぐれるツアーは手頃で人気です。

また、陸上からだけではなく、海から夜景を楽しめる「ナイトクルージング」も見逃せません。白鳥大橋や製鉄所、いくつものプラントを海から間近に眺められます。夜景の写真もひと味違うものになるかも。

おすすめの夜景ツアー
ツアー名 ナイトクルーズ
催行会社 スターマリン株式会社
運行期間 例年4月~11月
料金 大人3,000円、4歳~小学生1,500円、3歳以下無料
※上記料金は2023年1月調べ、消費税込み
公式サイト https://star-marine.co.jp/

室蘭の工場夜景9選

2019年に「JXTGエネルギー室蘭製造所」の保安灯が消灯されたことで、以前より工場の明かりが減っていますが、夜景を楽しめるスポットの代表的な9カ所を厳選。本記事の撮影を行ったカメラマンのワンポイントアドバイスとともに紹介します。

ちなみに、夜間は暗い中で駐車場から移動する必要があるので、懐中電灯を持参するのをおすすめします

室蘭工場夜景のおすすめマップ

白鳥大橋展望台

室蘭の白鳥大橋

白鳥大橋のビューポイントとしておすすめなのがこちらの展望台です。室蘭市のシンボルでもある白鳥大橋は、1998年の開通です。白鳥が翼を広げたような、優美でダイナミックな姿が印象的。全長1,380mという大規模な橋ながら、無料で通行できるのも特徴です。

白鳥大橋の夜間ライトアップの電力は風力発電でまかなわれているというのも面白いですね。駐車場から展望台へは徒歩約3分ほど。正面に白鳥大橋があり、周囲の製油所の明かりも楽しめます。

室蘭夜景のカメラマンコメント6
スポット名 白鳥大橋展望台
住所 北海道北海道室蘭市祝津町1丁目
Googleマップ
アクセス JR「室蘭駅」から車で約10分
備考 駐車場無料(約20台)

南防波堤

室蘭の南防波堤から見た白鳥大橋

白鳥大橋を下から見上げるなら、ここ! 近場からダイナミックな白鳥大橋を眺められます。釣り人は多いものの、街灯などはないため、懐中電灯などを持参するのが良いでしょう。また、近場にトイレはありません。

スポット名 南防波堤
住所 北海道室蘭市祝津町4丁目
Googleマップ
アクセス JR「室蘭駅」から車で約10分

測量山展望台

測量山からの室蘭の夜景と星空

街との距離が近く、街の明かりと室蘭港、白鳥大橋を見渡せる展望台で、夜景スポットの代表格とも言われます。周囲の土地がゆるやかな起伏を描く室蘭市の中で、高さ約199mの位置から夜景を見渡せます。天候が良ければ隣の登別市や伊達市方面も望めるとか。

こちらの展望台からはカラフルな電波塔が間近に眺められるのが魅力です。駐車場から展望台までは徒歩約2分。階段はフットライトで照らされています。

測量山からの室蘭の電波塔 室蘭夜景のカメラマンコメント3
スポット名 測量山展望台
住所 北海道室蘭市清水町1
Googleマップ
アクセス JR「室蘭駅」から車で約10分
備考 駐車場無料(約10台)

潮見公園展望台

室蘭の潮見公園から見た夜景

新日鐵住金室蘭製鐵所を中心とした工場夜景を楽しめるスポットです。展望台は2つあり、1つは駐車場から徒歩約2分、もう1つは徒歩約10分です。

近いほうからも夜景は楽しめますが、ぜひ遠いほうの展望台へ! 少し山道を登る形になりますが、その分見晴らしもよくなりますよ。

室蘭夜景のカメラマンコメント5
スポット名 潮見公園展望台
住所 北海道室蘭市みゆき町3丁目
Googleマップ
アクセス JR「東室蘭駅」から車で約10分
備考 駐車場無料

祝津公園展望台

祝津公園から見た室蘭の夜景

測量山に次ぐ有名な夜景スポットで、夜景観光のバスツアーにも組み込まれています。白鳥大橋展望台や、測量山展望台に比べるとやや距離はありますが、白鳥大橋とその奥に広がるJX日鉱日石エネルギー(株)室蘭製油所の夜景が楽しめます。駐車場から徒歩約1分の展望台には街灯があるので、夜間でも訪れやすいのが魅力です。

室蘭夜景のカメラマンコメント4
スポット名 祝津公園展望台
住所 北海道室蘭市祝津町3-4
Googleマップ
アクセス JR「室蘭駅」から車で約15分
備考 駐車場無料

絵鞆臨海公園

絵鞆臨海公園の夜景

道の駅「みたら室蘭」に隣接する公園で、クルージングの発着場にもなっているので交通アクセスが良いのが魅力です。ライトアップされた白鳥大橋と風車を眺められます。日帰り温泉「むろらん温泉ゆらら」も隣接しているので、こちらの露天風呂から白鳥大橋を望むのもおすすめですよ! 道の駅や水族館が隣接していることもあり、夕日が沈んだ後も散歩を楽しむ人たちが多く、安心して夜景をじっくり楽しめます。

室蘭夜景のカメラマンコメント1
スポット名 絵鞆臨海公園
住所 北海道室蘭市祝津町4-16
Googleマップ
アクセス JR「室蘭駅」から車で約10分
備考 駐車場無料

陣屋町1丁目(北海道電力・伊達発電所室蘭送油所前)

JXエネルギーなど化学・石油系の工場が多いエリアです。隣接する崎守町は「崎守ビューポイント」と呼ばれる工場夜景の人気スポットですが、関係者以外立入禁止となっているので、工場夜景バスツアー以外では基本的に入れないのでご注意ください。

隣接する陣屋町は、歩道から工場群を眺めるビューポイントがあります。化学工場を間近に眺める形となるので、SF映画のような雰囲気を楽しむならこちらがおすすめです。

スポット名 北海道電力・伊達発電所室蘭送油所前
住所 北海道室蘭市陣屋町1丁目
アクセス JR「東室蘭駅」から車で約15分
備考 駐車場なし

みゆき町高台

室蘭でも最大級の夜景が見渡せる穴場ポイントです。整備された展望台ではないため、高台へ登るための懐中電灯が必須となります。小高い丘からは、室蘭港を一望でき、工場夜景のパノラマが広がります。

住宅地の一角なので、付近に駐車場などはありません。潮見公園の駐車場から歩くと約15分ほどかかりますが、丘にたどり着けば視界を遮る物がないので、絶景が楽しめます。安全面を考慮して、少し明るいうちに出かけて、トワイライトタイムから楽しむのをおすすめします。

スポット名 みゆき町高台
住所 北海道室蘭市みゆき町3丁目
アクセス JR「東室蘭駅」から車で約15分
備考 駐車場なし

室蘭港

室蘭港の夜景

室蘭市内の至るところから望める測量山ですが、室蘭港(L字埠頭・室蘭港中央埠頭・室蘭フェリー埠頭)から見上げる測量山のライトアップが特にキレイです。JR室蘭駅からも近く、国道235号線からもすぐなのでアクセスが良く、季節によっては遅い時間まで釣り人がいるので日が暮れてから夜景撮影に訪れても不安が少ないです。ただし、近場にトイレがないため注意を。

室蘭夜景のカメラマンコメント2
スポット名 室蘭港
住所 室蘭港中央埠頭:北海道室蘭市海岸町1丁目
L字埠頭:北海道室蘭市築地町
室蘭フェリー埠頭:北海道室蘭市海岸町1丁目58-33
Googleマップ
アクセス いずれもJR「室蘭駅」から車で約5分

まとめ

工場夜景の魅力は、昼夜を問わず動き続ける機械的な美しさにあるのかもしれません。一般的な夜景とは違って、人々の生活に直結した明かりではありませんが、工場が動いているその先にはやはり、人々の営みがあります。無機質でありながら、人の心をひきつける魅力がある明かりですね。

室蘭では港を囲む形で工場群があるため、水面に色とりどりの明かりが反射する様も見応えがあります。また、白鳥大橋のライトアップもさらに夜景を引き立ててくれます。工場のたたずまいや存在感・造形美もあわせて観賞してみてください。

writerprof_minagawa
皆川 今日子
ライター
札幌在住。旅行誌を中心に、観光・グルメ系メディアにて執筆中。趣味は料理とゲーム。長年、掃除を苦手としていることで悩んでいたが、「掃除に必要な才能を生まれ持たなかった」と割り切ることで気が楽になった。