北海道最強のコンビニ「セイコーマート」とは? 誕生の歴史と道民に愛される人気商品
“セコマ”の愛称で知られるセイコーマートは、北海道民にはお馴染みのコンビニのひとつ。産業のあらゆる調査・研究を行う「公益財団法人 日本生産性本部」実施の顧客満足度調査(JCSI)では、コンビニ部門で顧客満足度1位を過去11回も獲得するなど、名実ともに道民に愛されていることがよく分かります。
北海道ファンならもしかすると一度は耳にしたことがあるかもしれない「セイコーマート」ですが、本記事ではその歴史や魅力をあらためてご紹介。日々進化を続けるセコマの最新情報もお届けします。
この記事のまとめ
- セイコーマートは日本で最初のコンビニエンスストア
- セイコーマートの魅力は、北海道に根ざしたサービスにある
- セイコーマートには、北海道を存分に感じる商品が豊富に並んでいる
セイコーマート誕生の歴史
意外と知られていませんが、「セイコーマート」は日本で初めてできたコンビニエンスストアです。今でこそ北海道内に1,179店舗(2023年1月現在)もありますが、もちろん始まりは小さな1店から。“店舗数の拡大よりも、他がマネできないことを”というスピリットで、今日に至ります。
セイコーマートは日本最古のコンビニ
セイコーマートの創業は1971年(昭和46年)とその歴史は古く、セブンイレブンの日本上陸よりも2年早く誕生しています。ちなみに大手コンビニの創業順はセブンイレブン・ジャパンとファミリーマートが1973年(昭和48年)、ローソンは1975年(昭和50年)となっており、未来ある産業としてこの時代はコンビニ事業への進出が盛んだったようです。
創業者は、酒卸を営んでいた「丸ヨ西尾」(現セイコーフレッシュフーズ)に勤めていた赤尾昭彦(あかお あきひこ)氏です。時代の変化に伴って注文数が伸び悩むようになったことを受けて、いち早くコンビニエンス事業に目を付けます。時代の流れに飲み込まれないよう、酒屋や食料品店に声をかけて、コンビニへ業態転換させていったと言います。
セイコーマートの歴史 | |
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1971年 | 札幌市内に第1号店がオープン |
1974年 | 株式会社セイコーマート設立 |
1981年 | 道内に100店舗を展開 |
1985年 | 道内に200店舗を展開 |
1994年 | 道内店舗数が500店舗に 足寄町にホットーフード1号店オープン |
2010年 | 道内1,000店舗突破 |
2016年 | 社名を株式会社セコマに変更 |
セイコーマートの名前の由来は、人物の名前?
創業者の赤尾氏が勤めていた「丸ヨ西尾」では、歴代の社長が「西尾長光」という名前を名乗っていたそうです。その名前の「西」と「光」をもじって「セイコーマート」と名付けられたと伝えられています。
関東にもセイコーマートがある
セイコーマートは現在、北海道内に1,179店舗、関東地方に95店舗を展開しています(2023年1月現在)。関東に店舗があるのは茨城県と埼玉県の2県で、道民に愛されるセイコーマートは、これは茨城県にある会社がフランチャイズ権を獲得したことで、関東にもセコマが展開されるようになりました。
茨城県には86店舗もあるため、今は茨城県民にもお馴染みのコンビニに。基本的には道内のセイコーマートと変わりありませんが、北海道限定商品などは取り扱っていないのが特徴です。
全国のセイコーマート(2023年1月現在) | |
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北海道 | 1,179店舗 |
茨城県 | 86店舗 |
埼玉県 | 9店舗 |
セイコーマートの5つの魅力
セイコーマートには数えきれない魅力がありますが、ここでは“北海道最強のコンビニ”と呼ばれる5つのポイントを紹介します。
1.商品の価格が安くて種類が豊富!
コンビニの商品は高いというイメージがありますが、セイコーマートの商品は安価に設定されています。あらゆる商品が安く、種類も豊富なため、つい買いすぎてしまう程です。
気軽に立ち寄れるコンビニでありながら、スーパーのように消費者に寄り添った価格設定と品揃えも兼ね備えている点は、大きな魅力です。
2.北海道産原料を使用! 多くの人に愛されるオリジナル商品
セイコーマートでは、北海道産の豊かな原料や資源を使ったオリジナル商品を約1,000種類扱っています。豊富町産の牛乳を使った北海道牛乳ソフトなど、地産地消を大切にし、北海道に根差していることが特徴的です。
品質と安全性を保ち、手頃な価格で店頭に並ぶオリジナル商品。こだわり抜かれた商品からは、北海道ならではの食の豊かさを感じることができます。
3.店内調理であったかおいしいホットシェフ
セイコーマートには、「ホットシェフ」という店内で調理されたお弁当やお惣菜があります。出来立てのカツ丼や豚丼、手軽に楽しめるフライドチキン(最近は一部名称がザンギになっている)、美味しくてついリピートしてしまう焼きたてパンなど、メニューも豊富です。
温かくておいしいホットシェフのメニューは、家庭の強い味方。札幌市内中心部、特にオフィス街の店舗ではお昼になるとすぐに売り切れてしまうことも。
一番人気は、500円という価格ながらも蓋までぎっしりつまった「カツ丼」。箸で切れるほど柔らかいカツとプルプルの半熟たまごとじが絶秒で、出汁もきいていて美味しいと評判です。具とご飯はセパレートになっているので、食べる直前に上部の皿を引けばOK。最近はハーフサイズも登場しており、女性や子供も食べやすい量と好評のようです。
レジ袋が無料!環境に配慮した素材へ転換で利便性を追求
セイコーマートでは、現在もレジ袋が無料でもらえます。2020年7月1日からレジ袋有料化がスタートし、コンビニにもエコバックを持って行かなくてはならなくなりました。しかしその中でセイコーマートは、レジ袋の素材を30%バイオマス原料を使用したものに変更し、無料配布を継続しているのです。
セイコーマートはエコの観点を大切にしながらも、消費者ファーストで利便性を追求してくれています。
北海道民の味方! どこにでもあって身近な存在
セイコーマートは離島を含めて道内どこにでもあり、道民にとってとても身近な存在です。稚内市から最寄りのセブンイレブンまでは、片道約2時間20分の距離があります。このように、大手コンビニが存在しない場所も北海道では珍しくありません。しかしセイコーマートは全道各地に店舗を構えているため、道民の生活を支える大きな存在となっています。
2018年 北海道胆振東部地震で大きな役割を果たす
北海道民からより信頼を得るきっかけとなったのが、2018年に起きた北海道胆振東部地震での事例です。最長2日間にわたって起きたブラックアウトの中、セイコーマートでは非常用電源を確保して、ホットシェフのガス窯で塩むすびを作り、手動POSレジを使って食料が手に入らずにいた地域住民への販売を行ったのです。
営業を続けた店舗は道内店舗の95%にものぼり、真っ暗闇の中で不安に震える近隣住民に「安心」を届けてくれました。
セイコーマートのおすすめ商品5選
セイコーマートの数ある商品の中から、北海道民にお馴染みの定番商品を5つ厳選しました。旅行で北海道を訪れた際には、ぜひチェックしてみてください。
北海道牛乳ソフト
北海道牛乳ソフトは、豊富町産の牛乳をたっぷり使用しており、北海道を代表するスイーツのひとつです。王道であるミルク味の他にも、いちごとチョコレートがあり、どれもリピート確定の美味しさです。また、「北海道メロンソフト」も定番人気のひとつ。メロン農家で手間暇かけて育てられた貴重なメロンをたっぷり使用した、絶品ソフトです。
ホットシェフのフライドチキン
ホットシェフがある店舗に立ち寄ったら絶対に食べて欲しいのが、フライドチキン! ジューシーな旨味とほんのりスパイシーな風味がたまりません。最近は北海道のご当地グルメ“ザンギ”タイプの商品もあるので、旅の途中で小腹が空いた時に、そうでない時にもぜひ食べてほしいです。
ホットシェフのチョコクロワッサン
ホットシェフのバタークロワッサンに、チョコレートがかかったチョコクロワッサンは絶品です!フランスから直輸入した生地を店内で焼き上げているため、出来立ての香りとサクサク食感を楽しむことができます。
北海道産とうもろこしでつくったトルティーヤチップス
人気商品につき、なかなかお目にかかれないお菓子のひとつと言われているのが「北海道産とうもろこしでつくったトルティーヤチップス」です。北海道産の豊かなとうもろこしを使用して作られたトルティーヤチップスは、夢中で食べてしまうほどの美味しさ。特に「焼きとうきび味」は、食べ終わった後すぐ買いに行きたくなるほどやみつきになるとSNSで話題に。見かけたら絶対に買っておきたい商品です。
セイコーマートワイン
セコマといえば、お酒は欠かせません。セイコーマートのワインは、平均的に1本600円以下で買えるお手頃価格のものが多いです。「ワインを毎日楽しむ」のコンセプトに沿った安価な価格設定にもかかわらず、おいしさに定評があります。
社員が現地のワイナリーと直接交渉し輸入しているとのことで、味にもこだわりを持っていることが伺えます。近年は毎年11月に解禁される「ボージョレ・ヌーヴォ」の販売を強化しており、質の高い味わいながら、こちらも一般商品と比べて自宅で気軽に楽しめる価格帯で提供しています。
セコママニアなら必ず訪れたい伝説のセイコーマート
テレビやネットメディアでも取り上げられたことにより、セイコーマートファンから注目を集めている2店があります。近くを訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
最古のコンビニ! セイコーマートはぎなか店【札幌市】
セイコーマート第1号店のはぎなか店は、前述でもご紹介した日本最古のコンビニです。初期のフランチャイズ店のほとんどはオーナーの代替わりが進んでおり、後継者のいない店舗はセイコーマートの子会社「セイコーリテールサービス」の直轄店へ移行していますが、こちらの店舗は初代オーナーの息子さんが跡継ぎとなって一緒に店舗を運営している貴重なお店です。
セイコーマートはぎなか店の店舗情報 | |
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住所 | 北海道札幌市北区北30条西8丁目2-23 [Googleマップ] |
アクセス | 地下鉄南北線北34条駅から徒歩約12分 |
営業時間 | 7:00~23:00 |
景観に溶け込む山小屋風、セイコーマート層雲峡店【上川町】
層雲峡温泉エリアにある唯一のコンビニ、それがセイコーマート層雲峡店です。層雲峡は、冬になると大雪に包まれる山岳地帯。こちらの店舗は三角屋根の山小屋風の店舗となっており、看板やネオンサインにもセイコマートのシンボルカラーであるオレンジを使用していません。一見、商店のような外観で分かりにくいのでマップを頼りに訪れてみて。
セイコーマート層雲峡店の店舗情報 | |
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住所 | 北海道上川郡上川町字層雲峡 [Googleマップ] |
アクセス | JR上川駅から車で約25分 |
営業時間 | 8:00~23:00 |
セイコーマートと日本ハムファイターズがパートナーに
札幌のベッドタウンとしても知られる北広島市に2023年3月、北海道日本ハムファイターズの新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」(エスコンフィールド)がオープン。これに伴い、ファイターズとセイコーマートがパートナーシップ協定を締結。ファイターズとセイコーマートのコラボ店舗オープンや開業記念商品の販売が展開されます。
2023年2月24日、ファイターズ仕様のセコマがオープン
2023年2月24日にオープンする「セイコーマート北広島西口店」は、ファイターズとセイコーマートのコラボ店舗。ファイターズのコンセプトカラーであるファイターズブルーの看板や、選手の写真などを使用した特別な装飾を施した店舗となる予定だそうです。また、同店舗では一部ファイターズグッズの販売も行われます。
セイコーマート北広島西口店の店舗情報 | |
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住所 | 北海道北広島市北進町1丁目4番地6 [Googleマップ] |
アクセス | JR北広島駅から徒歩約3分 |
営業時間 | 8:00~23:00 ※開店日の2/24は7:00オープン予定 |
エスコンフィールド×セコマの限定ワインを販売
3月の「エスコンフィールドHOKKAIDO」の開業を記念して、ファイターズとコラボした限定ラベルのワインが登場。セイコーマート全店(酒類の取扱いのある店舗)とセイコーマート公式通販サイトにて、2月18日(土)から予約販売が開始されます。
特別ラベルの「G7グランレゼルバ エスコンフィールドエディション」は、18,000本限定販売。ラベルには、シリアルナンバーがついているとのこと。セイコーマートの会員カードを提示のうえ、2月28日(火)までに予約すると、3月30日の開幕戦ペアチケットが北海道に在住の5組10名に抽選で当たる嬉しい企画も。詳しくはセイコーマートの公式サイトをご確認ください。
ES CON FIELD HOKKAIDO 開業記念ワイン
- 商品名:G7グランレゼルバ エスコンフィールドエディション(赤)750ml
- 販売価格:1,595円(税込)
- 予約受付期間:2023年2月18日(土)~3月19日(日)
- お渡し期間:3月12日(日)までの予約 → 3月20日(月)~26日(日)
- 店舗販売:3月20日(月)~ ※予約時点で完売の可能性あり
- 公式サイト https://www.seicomart.co.jp/
まとめ
セイコーマートは、北海道における地産地消を大切にし、消費者目線でサービスを提供しているコンビニです。道民に愛される理由は、セイコーマート自体が北海道を愛していることにあると言えます。北海道に旅行で訪れた際には、ぜひ近くのセイコーマートに立ち寄ってみてくださいね。