これは、エモい。かつての寝台特急「北斗星」が宿泊施設になって帰ってきた! 北斗星スクエア

これは、エモい。かつての寝台特急「北斗星」が宿泊施設になって帰ってきた! 北斗星スクエアの画像

寝台特急のパイオニアとして長く愛された「北斗星」。惜しまれながらも引退したあの車両が、解体の危機を乗り越えて、宿泊施設になって復活しました。かつての姿が残る車両での宿泊は「北斗星スクエア」ならではの体験。

気になる宿泊部屋や懐かしさ満載の車両内部など、往年のファンならずとも楽しめるポイントを紹介! PREZO撮り下ろし画像でお届けします♪

北斗星スクエアの基本情報

開業日:2022年4月22日
住所:北海道北斗市茂辺地3丁目3-14 ( map
交通アクセス:JR函館駅および北海道新幹線新函館北斗駅から車で約30分
問い合わせ:0138-83-1350

  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

憧れのブルートレイン「北斗星」

その青く輝く車体から“ブルートレイン”の愛称で長く愛された「北斗星」は、鉄道ファンなら知らない人はいない、夢の寝台特急列車です。

寝台特急「北斗星」の歴史

町と駆け抜ける北斗星の様子

北斗星が運行を開始したのは、1988年(昭和63年)のこと。トワイライトやカシオペアといった有名な寝台特急に先立つ存在として、東京上野-札幌間を約16時間で結ぶ列車でした。

時間だけを見れば、その当時でも飛行機が断然便利で早かったわけですが、世界一の海底トンネル・青函トンネルを抜けるルートであること、食堂車「グランシャリオ」で振舞われるフレンチのフルコースディナーなどが特に人気だったようです。

当時の食堂車を外から撮影した様子

夜汽車だったので、当日はパブタイムとしてアルコールも楽しめたと言います。

北斗星のトリビア★

目を惹く夜空色の塗装ですが、1988年3月の運行開始当初はオレンジに白いラインの車体だったのだそう。運行開始後すぐに青色への塗装が決定し、1988年の年内のうちにすべての車体が北斗星色に塗装完了したということです。

廃止の理由は北海道新幹線の開業

たくさんの人に愛されながらも廃止になったのは、運行開始から27年を走ったことによる老朽化。また、北海道新幹線の開業も影響し、惜しまれながらも2015年8月22日にその役目を終えました。

ラストランのその後

一時は解体されることが決定しましたが、北斗星を現代に残そうと「北斗の星に願いを推進委員会」が発足。クラウドファンディングで多くの人からの支援を受けたほか、北斗市や北斗市商工会などのサポートもあって、北海道北斗市の旧北斗市立茂辺地中学校のグラウンドで大切に保管されてきました。

車体を眺めながら食事ができるカフェ「北斗軒」の営業をはじめ(現在は終了)、一般公開やイベントなどでも度々活躍してきました。

2022年4月、宿泊施設として再出発!

“北斗”つながりで北海道北斗市に保管されてきた車両ですが、往年のファンからの声と運営による北斗星をもっと多くの人に知ってもらおう、楽しんでもらおうという思いがひとつになり、このほど生まれ変わったのが「北斗星スクエア」です。

北斗星スクエアってどこにあるの?

北斗星スクエアのマップ

北海道きっての人気観光地・函館の市街から車を30分ほど走らせた隣町、北斗市にあります。

北海道新幹線の新函館北斗駅からも同じく車で約30分のところに位置しており、函館五稜郭と木古内町を結ぶ道南いさりび鉄道の「茂辺地駅」(もへじ)から徒歩圏の場所です。北海道新幹線の「木古内駅」で乗り換えるか、函館方面からであれば「五稜郭駅」から向かうことができます。

この道南いさりび鉄道も渋いローカル線なので、鉄道ファンの多い路線です。

道南いさりび鉄道の路線図

趣を残しつつ、設備を整えた

前から見た今の北斗星 車両の通路

当時の状態をできるだけキープしながら、宿泊施設として快適であることが重要。ガラスの交換や空調の設置、電気の配線などに加えて、車体の青色もきれいに塗り直しされています

古い車両ゆえに苦労がたくさんあったようですが、その甲斐もあって、2022年4月22日のオープン時には問い合わせが殺到。オープン直後のゴールデンウィークには多くの人が訪れ、楽しんだり懐かしむ様子が見受けられました。

エモいB寝台

B寝台に入る車両入口 B寝台

後方から車両内へイン。ロビーを抜けて突き進むと、そこには現役時代の雰囲気そのままのB寝台が。一度乗ったことがある人なら(乗ったことがない人さえも)、寝台で過ごした夜が思い浮かんでくるかも!? なエモさです。

全部で7室あり、1室につき2名まで泊まれる造り。ちなみにB寝台宿泊者は、車両内のロッカー室(下記画像)も利用OK。寝台には金庫がないため、大きな荷物や貴重品はロッカー室に保管するのが良さそうです。

ロッカールーム ロッカールーム2

北斗星のトリビア★

かつての北斗星には、ホテルルーム級のA寝台と一般向けのB寝台がありました。このB寝台の1人部屋を「ソロ」、ツインベッドのように並んだ2人部屋は「デュエット」という名前だったそうです。

北斗星を眺めながら過ごすトレーラーハウス

北斗星スクエアのトレーラーハウス

敷地内には、北斗星を眺められるトレーラーハウスを新たに2棟設置し、こちらにも宿泊が可能。青く輝く車両とずっと眺めていたい・・・そんな方にぴったり。

畳みベッドのAタイプと2段ベッドのBタイプのいずれも、冷蔵庫や電子レンジ、ドライヤーにエアコンまで設備がしっかり。まさに特等席です。

北斗星スクエアのプチ情報☆

往年のファンは車両に泊まりたいという人が多数のようですが、小さな子供がいるファミリーにはトレーラーハウスが人気とのこと。宿泊料が据え置きなのでパパは車両、ママと子供はトレーラーハウスといったように2部屋分借りる利用者も多いとか。

北斗星スクエアの見どころ・楽しみ方

あの頃の姿を見て触れるだけでも貴重な体験ですが、見どころや楽しみ方を知っていると、もっと素敵な時間を過ごせるでしょう。ここでは、北斗星スクエアの魅力や注目のポイントを紹介します。

当時の社交場・ロビーでまったり

北斗星スクエアのロビー

車両の入口から入って最初に現れるのが、ロビー。

運行当時は、携帯電話やネットが一般的ではなかった時代。このロビーが、乗客の憩いの場でした。約16時間の長旅。このロビーで意気投合して結婚に至ったという乗客は少なくないらしいです。実際、思い出の場所として北斗星スクエアに宿泊しに来たご夫婦もいたそうです。

ロビーには自動販売機が設置されていますが、今は動いていない当時のもの。並んでいるドリンクのパッケージを見ると、時代が垣間見えます。そのほか、ロビーのモニター横には北斗星に関するDVDとプレイヤーが置かれており、紹介映像や車内放送などを視聴できるので、興味のある人はこちらもチェックを。

当時の面影が残るシャワールーム

北斗星スクエアのシャワールーム

B寝台の宿泊者が実際に利用できるシャワールームは、内部設備こそ新しくしているものの、案内板やスイッチなどは当時のまま。

現代のシャワールームと変わらないほどの広さなので、その当時はかなり快適であったと想像できます。

車両を隅々まで探索

北斗星スクエアの車両ドア 北斗星スクエアの通路

車両の突き当たりまで進むと車掌室があるほか、ドアの開閉スイッチや駅名表など、車内には随所に当時の面影が残っています。

夏はキャンプ感覚で楽しめる

北斗星スクエアの裏手には、茂辺地川が流れています。複数の魚が生息しているので、夏には釣りや水遊びが可能。秋には鮭の遡上も見られるので、北斗星から一歩出て、思い出作りができますよ。

宿泊する前に知っておきたいこと

北斗星スクエアの車体看板

エモさ全開の「北斗星スクエア」ですが、当時の趣を残している分、不便なこともいくつかあります。宿泊する際には、以下に気をつけましょう。

周辺にコンビニがない

施設があるのは、茂辺地地区の住宅街ど真ん中。コンビニなどのお店はありません。地区内に「阿部商店」というお店がありますが、9時~19時の営業で日曜日は定休。こちら以外に買い物できる場所が近くにはないので、食べ物や飲み物は必ず持参しましょう。

スタッフが少ない

北斗星スクエアは、基本的にボランティアスタッフによって運営されています。そのため、スタッフが不在のことも。セキュリティーはセコムを導入しているので心配はありませんが、当日ちょっと聞きたいことがあってもすぐに捕まらない場合があります。気になることは事前に問い合わせておくとスムーズです。

寒さと暑さ調節ができる服装を

実際に宿泊した方のクチコミによると、車両で宿泊する際に暑さ・寒さが気になる人が多いようです。循環空調によって全体の空調を行っていますが、寝台ごとの温度調節はできないので、夜間に寒さを感じるということも。用意されている毛布を利用したり、ブランケットを1枚持参するなど寒さ対策を行うのがおすすめです。

また、脱ぎ着しやすい服装もポイントです。

まとめ

北斗星の車体

当時の雰囲気を残しつつ、快適に過ごせるように設備が整えられた北斗星との再会。

鉄道ファンだけでなく、思い出を辿って宿泊される人が増えているそうですが、北斗星を知らない世代でもひと目見れば、レトロな造りと趣に心奪われるはず。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょう。

施設名 北斗星スクエア
住所 北海道北斗市茂辺地3丁目3-14
アクセス JR函館駅および北海道新幹線新函館北斗駅から車で約30分
総室数 9室(B寝台:7室、トレーラーハウス:2棟)
チェックイン・アウト 15:00 / 10:00
駐車場 10台(宿泊者無料)
宿泊料 B寝台
・2名1室 1名4,000円
・1名1室 1名5,500円

トレーラーハウス
・3名1室 1名3,850円
・2名1室 1名4,750円
・1名1室 1名6,500円
※各税込み、すべて1泊食事なし
※上記料金は2022年8月現在
設備 テレビ、電気ケトル、冷蔵庫、電子レンジ(要予約)、ドライヤー、電気スタンド、洗浄機能付きトイレ、シャンプー・コンディショナー・ボディソープ、ハミガキセット、カミソリ、タオル類、スリッパ、Wi-Fi接続可
問い合わせ 0138-83-1350
予約サイト 楽天トラベル
※別サイトに移動します
北斗星のおまけの一枚
PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!