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北海道ではおせちを大晦日に食べる!? 風習と料理の種類、簡単なレシピを紹介

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お正月に振る舞われるおせち料理。日本各地で地域ごとの特色はありますが、北海道は料理の内容や風習をはじめ、特に個性があることをご存じですか?

この記事では、北海道のおせちについて解説。北海道ならではの料理とレシピも紹介しますので、次回は重箱に新しいメニューを追加してみるのもいいかも!?

この記事のまとめ

  • 北海道では大晦日からおせちを食べ始める
  • 独特の風習には「年取り膳」と旧暦が関係している
  • 飯寿司・松前漬け・昆布巻きは北海道ならでは逸品
  • 道内でも地域によって内容に違いがある
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

北海道ではおせち料理を食べないって本当?

北海道ではおせち料理を食べないって本当?

年末になると、インターネットやテレビで“北海道のおせち文化が変わっている”と取り上げられることがしばしば。なかには、北海道ではおせち料理を食べないと紹介するメディアも。これは年取り膳の風習や旧暦が関係していて、北海道以外の地域とは食するタイミングが異なるというのが実際のところ。

北海道ならではの食材が使われることも多いため、単に地域色が濃いというだけです。

北海道のおせち料理を食べるタイミングと独特の風習

北海道のおせち料理を食べるタイミングと独特の風習

日本全国、地域ごとに個性があるおせち料理ですが、北海道は特に独特の風習が現代にまで伝わっています。食べ始めるタイミングやおせち料理に使う食材、「口取り菓子」の習慣などはその代表例です。ここでは北海道のおせち料理の風習などを解説します。

食べ始めるタイミング

北海道以外の地域ではお正月におせち料理が振る舞われますが、北海道では前日の大晦日から食べ始める人が多いようです。普段の食事風景とは異なり、31日の夕方から宴会が始まるのが一般的。19〜20時頃にいったん小休憩をはさみ、23時以降に年越しそばの準備を始めて除夜の鐘を聞きながら食事を再開します。

お正月当日は大晦日に食べきれなかったおせち料理を食卓に並べ、年越しそばで残った出汁でお雑煮を作ります。新年早々あれこれ食事の用意をしなくて済むのはよい習慣ですね。もちろん外食しに行く人や、普段の食事に戻る家庭もあります。

北海道特有のおせち料理の風習

北海道は本州などとは気候が大きく異なるため、独自のおせち料理の風習が発展しました。昆布巻きやなますは全国的に定番の料理ですが、北海道では使用する食材が少し異なります。昆布巻きは鮭を巻くのではなくニシン、なますには鮭の軟骨の酢漬けである「氷頭(ひず)」が入っていることが多いようです。

また、おせち料理と一緒に出される「口取り菓子」も特有の習慣の一つ。北海道は土地柄、タイやエビといった縁起物の魚介類を入手することが難しかったため、代わりにお菓子で表現するようになりました。交通網が発達した現代でもこの風習は残っており、カラフルで甘いお菓子は人気があります。

北海道のおせち文化と歴史

北海道のおせち文化と歴史

北海道特有のおせち文化は、どのようにして形成されたのでしょうか?北海道の開拓の歴史や江戸時代の風習、旧暦における日にちの数え方などが関係しています。北海道のおせち文化を知れば、日本全体の文化や歴史を垣間見ることができるかも。ここでは、北海道のおせちの歴史を解説します。

年取り膳

年取り膳とは大晦日に豪華な料理を家族みんなで食べ、年神様に今年1年の感謝を伝え、新しい年神様をお迎えする習慣のこと。使用する食材はタイ・塩イワシ・昆布など、一般的なおせち料理とほとんど変わりません。

北海道のおせち文化は、江戸時代の風習のなごりが色濃く残っていると考えられます。北海道の開拓がはじまった江戸〜明治にかけて、日本各地から大勢の人が北海道へと移り住みました。人々の移動に合わせて、年末年始の過ごし方の風習も持ち込まれます。その1つが「年取り膳」です。

大晦日に盛大に宴会を催した後、神社仏閣へ初詣をし、お正月はあまり家事を行わず静かに過ごします。北海道以外にも東北地方や長野県など、本州の一部地域でもその風習を残しているところがあります。

旧暦

旧暦と現在の日付感覚の違いも、北海道のおせち文化には残っています。旧暦では、日が沈むと新しい1日が始まるとされていました。つまり、大晦日の日没以降はお正月当日ということです。北海道では旧暦をベースにしたお正月の過ごし方が、今も残っていると言えます。

北海道ならではのおせち料理とレシピ

北海道ならではのおせち料理とレシピ

個性豊かで、日本全国地域ごとに内容が変化するおせち料理。もちろん北海道も例外ではなく、寒冷な気候ならではの料理がお重に詰め込まれます。ここでは北海道で定番の、飯寿司・松前漬け・昆布巻きをご紹介。レシピも掲載しているので、今年のおせち料理に取り入れてみたい方もぜひ参考にしてみてください。

飯寿司

飯寿司とは、米麹に野菜や魚を漬けて発酵させた寿司のこと。低温で発酵させるのが特徴で、秋の終わりから冬の始まりにかけて仕込みます。お正月に出されるのは、晩秋ごろに漬けはじめたものです。冬の保存食として、北海道や東北地方などの寒い地域で親しまれています

作り方の簡単な説明

  1. ハタハタの下処理をして1日薄めた酢に漬ける
  2. 1をあげて水気をとる
  3. 大根やショウガなどの野菜を切る
  4. 飯寿司用の樽や桶に酒を振る
  5. 笹の葉・野菜・調味料・ハタハタ・麹・ごはんを隙間なく詰める
  6. 5に重石をして冷暗所で寝かせる
  7. 水気をきり、40日ほどおく

魚はハタハタの代わりにサケやニシン、ホッケなどを使う地域もあります。場所ごとに異なる魚がとれることを反映していて、地域色が出るおせち料理です。せっかく家庭で作るなら、北海道産の魚介類を取り寄せるのもおすすめですよ。

松前漬け

松前漬け

松前漬けは、スルメと数の子を醤油で漬け込んだ料理です。北海道有数のイカの水揚げ量を誇る函館を含む、道南圏で作られています。発祥はその名の通り、かつて北海道との関係が深かった松前藩から。もともとはスルメを塩で漬けたシンプルな保存食だったのですが、味の好みの変化やニシンの水揚げ量の増加に伴い、現在のような形になりました。

作り方の簡単な説明

  1. スルメと昆布を千切りにする
  2. 数の子は塩を抜いて小さくほぐす
  3. 1と調味料を容器に入れて1週間漬け込む

家庭によって味付けや漬け込む材料は異なります。なかには大根やかぶ、山菜などを一緒に漬けることも。現在は松前漬けのキットが通販を中心に販売されており、気軽にチャレンジできる料理です。

昆布巻き

昆布巻き

おせちの定番である昆布巻きは、実は北海道発祥の料理です。平安時代には昆布に関する記述が残っており、室町時代には松前藩との貿易を通して北海道の昆布が近畿にまで運ばれました。昆布は「よろこぶ」との語呂合わせから縁起が良い食品とされています。地域によって巻く魚は違いますが、北海道ではニシンが主に使われています。

作り方の簡単な説明

  1. ニシンを米のとぎ汁に一晩漬ける
  2. 昆布を布巾で拭き、15cm幅に切り分ける
  3. 1を水で洗って2と同じ幅に切る
  4. ニシンを昆布で巻いて、かんぴょうで結ぶ
  5. 4を水と調味料と一緒に煮込む

煮込むときは味が奥に染み込むまで数時間ほど、じっくりと火を通していきましょう。今回紹介したレシピではニシンを使いましたが、サケやシシャモに変更することも可能です。お好みの北海道の魚介類を巻いて、美味しい昆布巻きを作ってみてください。

八丸 堀内水産食品株式会社
甘露煮・昆布巻き詰め合わせ
3,000(税込)

八丸 堀内水産食品株式会社の「甘露煮・昆布巻き詰め合わせ」セットです。いずれも常温保管が可能で、賞味期限は90日。お酒のアテとしてはもちろん、晩御飯のおかずの一品としても重宝します。八丸 堀内水産食品は、江戸時代に近江から松前(江差)に渡り、ニシン漁の北上に伴って小樽へと移り住んだのち、100年に渡ってニシン漁を行ってきたルーツを持つ“ニシン”を知り尽くしたプロ。「八丸」の名は、北海道ニシン漁業の歴史に関する書籍にも記載されている言葉で、信頼の証とも言えます。

地域によって食材が異なることも

地域によって食材が異なることも

北海道は、2位の岩手県と5倍以上の差をつけて、ダントツに広い土地を持っています。北海道は土地面積が広いので地域によって取れる食材や旬も異なります。それゆえに、おせち料理のメニューにも違いがでるようです。

特に魚介類はその傾向が顕著で、道南ではクジラやハタハタ、道東や石狩地方では鮭が使われます

まとめ

今回は、北海道のおせちについて解説しました。北海道では大晦日の夕方からおせち料理を食べ始め、お正月はあまり炊事をせずのんびりと過ごします。年取り膳や旧暦との関係など、開拓の歴史と古い日本の文化が伺えて奥が深く感じますね。寒冷な気候ならではの魚介類を使った料理は、一度試してみたくなります。

これを機に、北海道のおせち文化をちょっとだけ取り入れてみてはいかがでしょうか。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!