「いちごは野菜か果物か」に決着! 知るとおもしろい豆知識
いちごは果物のイメージがありますが、俄かに野菜では?という説も。調べてみると正しい分類や奥深い豆知識を知ることができたので、みなさんにシェアします!
北海道で採れるブランドいちごや、人気のいちご狩りスポットも紹介するので参考にしてみてくださいね。
いちごは果物? それとも野菜?
農林水産省によると、いちごは野菜として分類されます。甘酸っぱい実を持ついちごは、食後のデザートやお菓子作りのキーアイテムとして使われることが多いので、果物と思われがち。
いちどが野菜に分類されている理由とは?
野菜と果物の定義
一般的に“樹になる”ものが果物で、“畑からとれる”ものが野菜と考えれています。樹になる果物と聞いて分かりやすいのは、りんごやぶどう、みかんなどが挙げられます。
では実際には、どのような分類の定義が設けられているかも確認してみましょう。
野菜の定義
農林水産省では、食物を野菜に分類するときに下記の項目を基準に区別しています。
- 田畑で栽培される
- 主食ではなく副食物である
- 加工されていない
- 草本性である
4つの項目に当てはまれば野菜に分類されますが、農林水産省では「どの定義も確固たるものではない」として、果物に分類できる可能性も残しているようです。
果物の定義
農林水産省での果物の定義を調べると、下記のように定義されています。
- 2年以上栽培する植物および木本植物
- 果実を食用とする
いちごの分類は「野菜」
いちごは樹に実をつけずに苗から育てられ、1年で収穫されるので、果物ではなく野菜に分類されるということになります。
しかし、農林水産省での定義は、あくまで出荷量や生産量などの統計データを作成するための分類です。実際には生産者は「野菜」として出荷し、スーパーでは「果物コーナー」に陳列されているのが現状です。消費者も果物として購入します。いちごは、一連の流れの中で野菜から果物へと分類が変化しています。
生産者側か消費者側か、どちらの立場に立つかによって「野菜」としても「果物」としても見ることができるということになります。
いちごにまつわる豆知識
ケーキやジャムなど加工されることも多いですが、そのまま食べても美味しいいちご。ここでは、いちごの歴史や栄養素、果実に隠された豆知識を紹介します。
いちごが広まるまで
野生のいちごが食べられていたのは石器時代のころ。当時のいちごは甘みが少なく、粒も小さかったようです。
いちごが日本にやってきたのは、江戸時代末期のこと。オランダから観賞用として持ち込まれ、当時は「オランダいちご」と呼ばれていました。明治の初めにアメリカから栽培用のいちごが導入されましたが、なかなか定着しなかったようです。
その後本格的な栽培が始まり、品種改良などが進みました。今では甘くて美味しいいちごが色々な場所で使われるようになり、人々の間で認知が広がりました。
いちごの栄養素
いちごのビタミンC含有量は、果物の中でもトップクラス。いちごが旬を迎えるのと同じ時期に、グレープフルーツなどの柑橘も旬を迎える物があります。果物100gの中に含まれるビタミンCの量は、グレープフルーツが36㎎なのに対していちごは62㎎。グレープフルーツの約2倍のビタミンCが摂れます。
グレープフルーツのように硬い皮をむいたり、薄皮や種をとったりする手間もかからないので、手軽さもいちごの魅力ですね。また、新陳代謝や疲労回復に良いとされる葉酸や、目の働きや眼精疲労の予防にも効果的なアントシアニンという成分も豊富に含まれています。
いちごは子どもから大人まで、みんなに嬉しい栄養素がたくさん詰まっているので、積極的に摂るようにしたい食材ですね。
いちごの実は「果実」じゃない
いちごの赤い実には、種のような “つぶつぶ” がたくさん付いています。このひと粒ひと粒が、果実なんです。
私たちが美味しいと思って食べている赤い部分は、偽果(ぎか)と呼ばれるところ。偽果(ぎか)は、茎が肥大化してできたもので、専門的な用語では花托(かたく)と言われる部分になります。
みずみずしくて美味しい赤い実ですが、本当の果物は粒だったんですね。
北海道のいちご狩りスポット
北海道では、5月~8月にいちごの旬を迎えます。多くの農園では、6月がいちご狩り体験のピーク。ここでは、おすすめいちご狩りスポットを紹介します。
【千歳市】花茶(カチャ)
北海道千歳市にある農園。花茶で栽培されているのは、北海道産の代表的な品種「宝交早生(ほうこうわせ)」と「けんたろう」、そして2020年から販売が開始されている新品種「ゆきらら」です。
宝交早生(ほうこうわせ)は、果肉が柔らかく傷つきやすくあまり市場には出回らないため、いちご狩りで思いっきり堪能しておきたいいちご。また、けんたろうは北海道以外では栽培されておらず、希少ないちごとされています。ゆきららは新品種なので、いちご好きなら一度は味わっておきたいですね。
北海道ならではの広大な農園で、甘くておいしいいちごをたっぷり堪能することができます。
スポット | 花茶(カチャ) |
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住所 | 北海道千歳市泉郷479 |
アクセス | JR千歳駅から車で約20分 |
体験期間 | 6月中旬~7月中旬 |
営業時間 | 9:00~16:00 *いちごがなくなり次第終了 |
定休日 | 不定(天候による) |
問合せ | 0123-29-2888 |
【札幌市】定山渓ファーム
札幌市中心部から車で約40分のところにある定山渓温泉。その一角にある広大な農園が定山渓ファームです。北海道産の品種「けんたろう」の30分食べ放題が体験できるほか、いちご摘み取り体験のみのプランも選択可能。
旅行やお出かけの前後に、気軽にいちご狩りを楽しめるのが同農園が人気の理由です。
スポット | 定山渓ファーム |
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住所 | 北海道札幌市南区定山渓832 |
アクセス | JR札幌駅から車で約40分 |
体験期間 | 6月上旬~下旬 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 要問合せ |
問合せ | 011-598-4050 |
【余市町】ニトリ観光果樹園
北海道の隣町、小樽からさらに先にある余市町のフルーツ農園です。同園では、地面に苗を植えて栽培する「露地栽培」と高い位置で栽培する「高設栽培」の2種類の栽培方法を採用しています。
「高設栽培」は大人の腰くらいの高さにいちごがなっているので、ハウス内で立ったままいちご狩りが楽しめると人気です。品種も複数用意され、食べ比べができます。
露地栽培のいちご狩りは、時間無制限の食べ放題! 毎年かなり人気のため、早めに訪れるのがおすすめ。いちごが無くなり次第受付終了となってしまうので、事前に問い合わせを。
スポット | ニトリ観光果樹園(山本観光果樹園) |
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住所 | 北海道余市町登町1102-5 |
アクセス | JR余市駅から車で約4分 |
体験期間 | 露地栽培:6月中旬~下旬 高設栽培:5月上旬~8月上旬 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 要問合せ |
問合せ | 0135-23-6251 |
北海道いちごの名産地
近年、道内各地で豊かな土地柄を生かしたいちご栽培が盛んです。ここでは、全国的にも注目を集める北海道のブランドいちごを紹介します。
豊浦いちご®
その名のとおり、豊浦町で栽培されているいちご。栽培の歴史は80年以上もあり、北海道では最も歴史の深いブランドいちごです。
冷涼な気候によって甘みが乗りやすく、完熟してから摘み取るため、口に入れると強い甘みと香りが広がります。
すずあかね
北海道浦河町で栽培されているいちごです。浦河は夏は涼しく、冬は温暖で雪が少ない町。2014年に「すずあかね」という品種が生産量日本一となり、これをきっかけに認知度が高くなりました。
すずあかねは、主に加工用としてお菓子やケーキなどに使用されることが多いです。首都圏を中心に出荷されているので、実は知らない間に食べているという人も多いかもしれません。
摩周ルビー
最近話題の摩周ルビーは、弟子屈町で栽培されているいちご。温泉地熱を利用して通年生産されている摩周ルビーは、絶妙な甘酸っぱさが特徴。
高級いちごとして、ホテルレストランやスイーツ専門店にも採用されるなど注目度が高まっています。摩周ルビーをドライフルーツにしてホワイトチョコレートを染み込ませた「摩周ルビーしみチョコいちご」という手頃な商品も販売されており、こちらもおいしいです。
まとめ
いちごの分類は少しややこしく、農林水産省の基準・生産者目線・消費者目線の3つによって捉え方が変わります。がしかし、概ね「野菜」という認識で間違いないようです。いちごは甘くて美味しいだけでなく、一粒の中にたくさんの栄養素が含まれています。旬の時期には、積極的に食べましょう。