ほっけは焼き方次第でもっと美味しくできる!調理方法や選び方も紹介
肉厚でさっぱりとした旨味が、大人から子どもまで幅広い年代に人気のほっけ。晩御飯のメイン料理やお酒のアテとしても好まれています。お店で食べるとふっくらとした身が特徴のほっけですが、自宅では上手く調理できないことも。
そこで、今回は自宅でできるほっけの美味しい焼き方を紹介します。焼き方と合わせて生ほっけやほっけの開きの目利き方法なども解説しているので「とにかく美味しいほっけを食べたい!」という人はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- ほっけの一大産地は北海道
- 生ほっけは寄生虫の危険性があるため注意する
- ほっけは身から先に焼く
ほっけについて
普段何気なく食べているほっけですが、どのような魚なのか詳しく知っていますか?ほっけの美味しい焼き方を紹介する前に、ほっけとはどのような魚なのか産地や旬なども合わせて見ていきましょう。
𩸽(ほっけ)は出世魚
ほっけはアイナメ科に属する魚で、冷たい海を好む冷水性です。そのため、日本では東北から北海道周辺に生息しています。地方によっては「タラバほっけ」「チュウほっけ」「ドモシジュウ」「ホッキ」「ぼっけあ」など様々な呼び方をすることもあるそうです。
あまり知られていませんが、ほっけは出世魚です。幼魚の時はアオボッケと呼ばれ、成長するに連れてロウソクボッケ、真ほっけ、根ほっけと呼び名が変わります。水揚げされるのは真ほっけが多いです。
成魚になる頃には体が青みがかって海に咲く花のように見えると言われることも。皮に独特のにおいがあるのも他の魚にはあまり見られない特徴です。
ほっけの一大産地は北海道
冷たい海を好むほっけは、国内で流通している内の95%以上が北海道産と言われています。特に礼文や積丹などは、ほっけの水揚げが盛んなことで有名です。
ほっけの旬は春と秋の年2回
ほっけは1年を通して水揚げされる魚ですが、春と秋に漁獲されるものが特に美味しいと言われています。春のほっけは、たくさんの餌を蓄えているため脂乗りがよくジューシーでプリプリの身を楽しめるのが特徴。一方、秋のほっけは産卵を控えて脂の味がより濃厚になり、春のものとは違った味わいです。
ほっけの栄養
ほっけは魚介類らしく低カロリー高たんぱくで、体内の不要な水分を輩出するために必要なカリウムも豊富に含んでいます。
また、開きなど干しものにするとカルシウム含有量が大幅に増加するため、カルシウムが不足しがちな人には干しものがおすすめです。ほっけに多く含まれるナイアシンには、アルコールの分解を助ける働きがあるため、お酒のアテとしてもぴったり。人間の体に必要とされる必須アミノ酸も豊富に含んでいます。
ほっけは生でも食べれるの?
ほっけは非常に鮮度の落ちやすい魚なので、一般的には冷凍や干物として流通しています。
ほっけも他の魚同様、生で刺身などにして食べることができます。しかし、ほっけはアニサキスやシュードテラノーバ、綿虫などの寄生虫を持っていることが多い魚です。
もしも生で食べる場合には、これらの寄生虫がいないかよく確認し、比較的寄生虫が少ないしっぽ側(肛門までの)を使うとよいでしょう。とは言え、寄生虫を警戒して漁師さんも滅多に生で食べることはないそうです。ほっけは、焼きものなど加熱処理した方が安全に食べられるでしょう。
【調理方法別】ほっけの美味しい焼き方
シンプルな塩焼きでいただくほっけは絶品。続いては、自宅でほっけを美味しく焼く方法について紹介していきます。
魚焼きグリル、フライパン、オーブントースターなどさまざまな調理方法での焼き方を見ていきましょう。
片面魚焼きグリルを使ったほっけの焼き方
片面から加熱するタイプの魚焼きグリルを使う場合は、以下の焼き方でほっけを美味しく焼くことができます。
- グリルを中火で十分予熱する
- ほっけの皮を下側にしてグリルに置く
- 約10分焼いて焼き目がついてきたら裏返す
- 弱火にして約7分焼き、焼き目がついたら完成
グリルによって火力が異なるため、焼き目の付き具合を確認しつつ火加減を調整してくださいね。
両面魚焼きグリルを使ったほっけの焼き方
両面を同時に加熱することができる両面魚焼きグリルを使う場合は、火が通りやすいため片面魚焼きグリルより早く調理することができます。両面魚焼きグリルで焼く時には以下の方法で焼いてみてください。
- グリルを両面中火で十分予熱する
- 上面を中火、下面を弱火にしてほっけの皮を下側にしてグリルに置く
- 約7分焼いて焼き目がついてきたら裏返す
- 上面も弱火にして約5分焼き、焼き目がついたら完成
裏返さずに両面焼くこともできますが、最後に皮面をパリッと焼き上げることでほっけの皮が持つ風味を強く感じられます。
フライパンを使ったほっけの焼き方
魚焼きグリルが無い場合や後片付けを簡単にしたい場合は、フライパンを使うのがおすすめです。クッキングシートを使うことで、フライパンを汚さずにほっけを焼くことも可能。今回はクッキングシートを使う方法を紹介します。
- フライパンを中火で予熱する
- はみ出ない大きさにカットしたクッキングシートをフライパンに敷く
- 皮を下にしてほっけをクッキングシートの上に置く
- 皮に焼き目がついてきたら弱火にして裏返す
- 少量の調理酒を注いで蓋を閉め蒸し焼きにする
- 身に火が通ったら完成
フライパンで焼くと、しっかり蒸し焼きにできるのがポイント。蒸し焼きにすることで身がふっくらするため、干物はフライパンで焼くのがおすすめです。
オーブントースターを使ったほっけの焼き方
さらに手軽にほっけを焼きたい場合、オーブントースターで焼くこともできます。
- 天板にアルミホイルを敷く
- 切り分けたほっけを置く
- 1,000wで約12分加熱する
オーブントースターの場合、裏返す必要はありません。しかし、脂がヒーターに落ちると発火する可能性もあるため、加熱中は目を離さないようにしましょう。
ほっけを美味しく焼くポイント
調理方法以外にも、一手間くわえることでほっけは自宅でも更に美味しく焼けるようになります。
生ほっけは振り塩をしてから焼く
生ほっけは身が柔らかく水分が多いです。そのまま焼くと、水分が抜ける時に旨味が落ちてしまうことも。焼く前に振り塩をして余計な水分を抜いておくと、ギュッと旨味を凝縮することができます。
振り塩は皮面だけでなく、お腹にも振りましょう。抜けてきた水分はクッキングペーパーでしっかり拭き取ってから焼くのもポイントです。
開きは焼く前に水洗いする
ほっけの開きは、焼く前にサッと水洗いしましょう。しっかり洗ってしまうと身が崩れてしまうため、水にくぐらせる程度にしておくのがポイントです。
生ほっけと違い、開きは水分が抜けすぎてパサついてしまうことも珍しくありません。軽く水分を含ませると、ふっくらしたほっけに焼き上りますよ。
冷凍ものは半解凍にして焼く
冷凍の魚は凍ったまま焼くのがセオリーですが、身が厚いほっけは冷凍のまま焼くと生焼けになりやすいです。また、全て解凍してしまうとドリップと共に旨味が抜け落ちてしまったり、生臭さが目立ってしまうことも。
冷凍ほっけは冷蔵庫で約3~5時間放置すると、丁度良い具合に半解凍できます。ただし、小さめのほっけは半解凍をするのが難しい上、そのまま焼いても生焼けにはなりにくいです。冷凍のまま焼いても美味しく仕上がりますよ。
皮面は後から焼く
魚を焼く際、皮面を先に焼くのが一般的です。しかし、ほっけは皮に油分が多いため、先に皮を焼くと火が通り過ぎて焦げてしまうことも。また、身から脂が落ちてしまうとパサつく原因にもなります。
しっとりふっくらと焼き上げるためにも、先に身から焼いて皮面で旨味や油分をキャッチしておきましょう。後から皮面を焼くことで、身をふっくらジューシーに仕上げることができます。
予熱で仕上げる
ほっけは身が厚いため、生焼けになりやすい魚です。だからといって長時間焼いてしまうと、身がパサつく原因に。そこでおすすめなのが、予熱を使って全体に火を通す方法です。
焼きあがった後、火を止めて5分程度放置します。予熱を使ってじんわりと内部に火を通すことで、生焼けを防いで身をふっくら仕上げられます。
美味しいほっけの選び方
焼き方を工夫するのも大切ですが、まずは美味しいほっけを目利きすることも忘れてはいけません。目利きのポイントを押さえて、新鮮で脂乗りの良いほっけを選びましょう。
生ほっけの場合
生ほっけは大きく新鮮な程脂乗りが良く味も良いとされ、高級魚として扱われます。その他は以下の点をチェックして選んでみてください。
- 腹を触ると弾力がある
- エラの中が鮮やかな赤色
- 目が澄んでいる
- 皮表面にヌメリがある
腹が柔らかくなっているものや、エラの中が茶色くなっているものは鮮度が落ちているため選ばないようにしましょう。
開きの場合
ほっけの開きを選ぶ場合も、ポイントを押さえて目利きをしましょう。
- お腹が茶色く変色していない
- お腹の小骨が毛羽立っていない
- 身が厚い
- 重たい
- お腹や背中に白い脂の塊がついている
開きは乾燥して干からびてしまっているものもあります。そういったものを選んでしまわないよう、なるべく厚く乾燥していないものを選ぶのがポイントです。
【塩焼き以外も】ほっけのおすすめの食べ方
ほっけと言えば塩焼きをイメージする人が多いですが、旨味が強く肉厚なほっけは他の料理でも美味しく食べられます。最後に、おすすめのほっけ料理をみていきましょう。
ポワレ
ポワレとはフランス料理のひとつで、鯛や鮃(ひらめ)などを用いて作るのが一般的です。しかし、肉厚で旨味も感じられるほっけはポワレにして美味しく食べられます。
ほっけは皮が分厚いため、パリッと仕上げるため高温でしっかり焼くことが大切です。
からあげ
旨味を含んだ脂身を多く含むほっけは、からあげにするのもおすすめです。ほっけは下味も付きやすいため、短時間で調理できるのもポイントです。外がカリカリ、中はジュワッとしたほっけのからあげは、お酒のツマミにも最適です。
トマト煮
旨味の強いほっけは、トマトとの相性抜群です。トマトに含まれる旨味成分が魚のにおいを押さえ、ほっけの味わいを更に引き出してくれるため、魚が苦手という人でも美味しく食べられます。
煮つけ
ほっけの一大産地である北海道では、煮つけで食べる家庭も多いそうです。生ほっけを甘辛い出汁で煮付けることで、ご飯にもお酒にも合う逸品に。卵を持っているほっけは、特に美味しく食べられますよ。
まとめ
ほっけの生態や焼き方、目利きについて紹介してきました。身が厚くホクホクの食感が特徴的なほっけは、子どもから大人まで幅広い年代に好まれます。
良いほっけを選んで美味しい焼き方をすれば、自宅でもお店の味を再現することができます。ぜひ、今回紹介した目利きや焼き方を実践して、自宅で美味しいほっけを味わってみてください。