北海道の果物図鑑!旬カレンダー&全国シェア1位のフルーツも紹介

北海道と言えば豊かな大地で育まれる酪農や四方を囲う漁場で水揚げされる海鮮などが有名ですが、国内最大の敷地面積を活かして果物の生産が盛んなことも忘れてはいけません。
広く豊かな土壌を活かし、北海道ではさまざまな種類の果物が栽培されています。
この記事では、北海道で栽培されている果物を紹介します。合わせて、果物カレンダーや北海道産フルーツの特徴なども紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
この記事でわかること
- 北海道で栽培が盛んなフルーツの旬は5月上旬から11月上旬まで
- ハスカップやシーベリー、キイチゴは北海道産がシェア1位
- 北海道のいちご狩りは5月から7月まで楽しめる
【旬の時期を知りたい】北海道の果物カレンダー

北海道では、さまざまな果物が栽培されていますが、本州で栽培されているものとは旬の時期が異なるものも少なくありません。
北海道の寒冷な気候によって、本州よりも遅れて旬を迎える果物が多いのです。果物狩りなどを楽しみたい場合は、北海道ならではの果物の旬の時期を事前にチェックしておくことが大切です。
北海道で栽培されている果物13種
北海道ではさまざまな果物が栽培されており、なかには北海道でしか見かけない果物や品種もあります。
続いては、北海道で栽培されている13種の果物を紹介します。
1.いちご

春の果物の代名詞とも言われるいちごは、本州なら2月頃から旬を迎えはじめます。ハウス栽培の技術向上や品種改良によって、近年では1年中栽培されることもあり、比較的1年中流通している果物のひとつです。
北海道でもハウス栽培されているものは、雪解けとともに収穫がはじまり5~7月にかけて出荷のピークを迎えます。
北海道のいちご狩りは6~7月がピーク
本州では、いちご狩りと言えば2月下旬から5月上旬にかけて行われることが少なくありません。
しかし、平均気温が低い北海道では早い所で5月頃からいちご狩りが楽しめ、ピークを迎えるのは6~7月頃です。初夏でもまだ気温が低く過ごしやすい北海道では、長くいちご狩りが楽しめます。
特に石狩市周辺にはいちご農園が多く、観光客にもいちご狩りの人気エリアとして注目されています。
北海道で生まれた品種「けんたろう」
北海道の人気いちご品種である「けんたろう」は、北海道立道南農業試験場で交配され2004年に登録された品種です。
北海道優良品種に認定され、北海道でしか収穫できないいちごとして希少価値の高さも注目されています。収穫時期が5~6月の短期間しかないため、流通量は非常に少なく、道外ではあまり知られていないいちごです。
コク深く爽やかな甘みが楽しめる大粒のけんたろうは、北海道ならではのいちごを食べたい方におすすめの隠れた逸品です。
年中楽しめる「はこだて恋いちご」
観光地としても人気のはこだてエリアで温泉熱を利用し1年中栽培、収穫が可能になった「はこだて恋いちご」はメディアなどでも一躍話題となりました。
非常に高い糖度と大粒で食べ応えのあるはこだて恋いちごは、そのまま食べてもスイーツに加工しても一級品です。はこだて恋いちごの製造会社では洋菓子店も経営しており、はこだて恋いちごを美味しく味わえるさまざまなスイーツが作られています。

絶品夏いちご「夏瑞」
品種改良によって夏に栽培できるいちごの品種も多くなりましたが、夏いちごは冬いちごに比べると糖度が上がりにくく、酸味の強いものが多い傾向にあります。
そんな夏いちごのなかでも、瑞々しく強い甘みを感じられると人気なのが「夏瑞(なつみずき)」です。品種名は「ペチカほのか」で、富良野、十勝、網走エリアの限られた農家でのみ栽培されている希少ないちごとして人気があります。

2.さくらんぼ

本州では5月頃から旬を迎えるさくらんぼ。品種によっては4月上旬から収穫を迎えるものもあります。
北海道では、本州よりもさくらんぼの旬の時期が遅く、6月下旬頃から徐々に旬を迎えるのが特徴です。遅いものでは8月下旬に旬を迎えるものもあり、夏のフルーツというイメージをもつ道民も少なくないでしょう。
北海道では、佐藤錦や紅秀峰などの品種のさくらんぼが多く栽培されています。
3.ハスカップ

ハスカップは北海道の特産品のひとつで、国内でも北海道の限られた地域でのみ栽培されている果物です。カルシウムや鉄分、ポリフェノールなど栄養価の高さから不老長寿の果実としても注目されています。
旬の時期は6月上旬から8月中旬です。厚真町などでは、限られた期間ではあるものの、ハスカップ狩りを楽しめる農園もあります。
ジュースやジャムなどに加工して食べるのが北海道流
豊富な栄養で美容や健康への効果が期待されるハスカップですが、味は強い酸味とほのかな苦味を感じ、収穫した実をそのまま食べるのには向きません。ブルーベリーと良く似た見た目をしているものの、味わいは全く違います。
そこで、北海道では栄養豊富なハスカップをジャムやジュースにして美味しく味わえるように加工して食べることが多いです。
スイーツとしても人気急上昇中
日本国内でも北海道以外の地域では栽培されていないため、特産品として扱われているハスカップ。そんなハスカップを北海道名物として多くの人に知ってもらうため、さまざまな食べ方が広まるなかでスイーツに加工するケースも増えてきました。
上品な酸味を感じさせるハスカップは、スイーツとの相性が非常に良く、甘いものが苦手な人でも食べやすい味わいから徐々に人気を高めています。ハスカップを北海道の定番の味として広めるべく、古くから親しまれている定番のスイーツにハスカップ味を加えた新製品も誕生しています。

4.メロン

メロンは春から夏にかけて旬を迎える果物ですが、本州に比べて涼しい北海道では5月中旬から10月頃まで長い期間旬を楽しめます。
メロンの品種によって旬の時期は多少異なり、北海道ではさまざまなメロンを味わうことができます。
- 夕張メロン…6月から7月中旬
- ふらのメロン…5月中旬から10月
- 三笠メロン…7月上旬から8月上旬
- らいでんメロン…6月下旬から10月
- 月形メロン…6月中旬から9月中旬
旬の時期にはメロンの食べ放題サービスを提供しているお店などもあります。ぜひ、メロンの旬の時期に北海道を訪れて、さまざまなメロンを味わってみてはいかがでしょうか。

5.ブルーベリー

アントシアニンが豊富でさっぱりとした甘さが特徴的なブルーベリー。北海道ではブルーベリーを栽培している農家も多く、富良野、札幌、網走、小樽、旭川などさまざまなエリアにブルーベリー農場があります。
本州では6月頃から旬を迎えるブルーベリーですが、北海道では7月下旬から8月中旬にかけて旬を迎えます。旬の時期にはブルーベリー狩りを楽しめる農場もあり、多くの家族連れやカップルなどがブルーベリー狩りを楽しんでいます。

6.すもも(プラム・プルーン)

小振りで爽やかな甘酸っぱさが楽しめるすもも。夏の果物として知られており、本州では6月中旬頃から旬を迎えます。
北海道では8月中旬頃から10月下旬頃が北海道産のすもも(プラム)の旬の時期です。
ちなみに、プラムとプルーンは同じバラ科スモモ属の果樹です。そのため、北海道産のプルーンも同時期に旬を迎えます。
7.シーベリー

シーベリーとは、中国やモンゴルなどのアジア圏で自生しているグミ科の果物です。アジア圏ではサジーと呼ばれることもあります。
オレンジ色の小さな実がたくさん実り、ビタミンや鉄分などさまざまな栄養を含んでいることから健康への高い効果が期待されています。
そんなシーベリーが近年、北海道で栽培され始めています。国内でほとんど栽培されていないため、国産シーベリーはほとんど北海道でしか収穫されていません。
北海道産シーベリーの旬は7月から10月頃とされており、道内でも特にシーベリー栽培が盛んな士幌町では8月頃になるとシーベリー狩りを楽しめる農園もあります。
8.桃

山梨県や福島県が生産シェア上位を占める桃ですが、実は北海道でも桃を栽培している農家は多くあります。生産量はそこまで多くありませんが、6月から8月頃に旬を迎える本州の桃に対して、北海道の桃が旬を迎えるのは8月中旬から9月下旬の時期です。
本州で桃の旬が終った頃に、北海道ではもっとも美味しい食べごろの桃が収穫されます。
9.スイカ

厳密にいえば、果物ではなく野菜の一種ですが、夏の定番として親しまれているスイカも、北海道で盛んに栽培されています。特に、富良野エリアではスイカの栽培が盛んで、6月中旬から8月下旬頃まで、美味しいスイカが収穫されます。
北海道産のスイカはズッシリと実が詰まり、さっぱりした甘さが特徴的です。スイカの品種によっても旬の時期が異なり、上川郡で栽培されている「でんすけスイカ(品種名はタヒチ)」は7月下旬から8月中旬にかけて旬を迎えます。
10.ぶどう

あまり道外の人には知られていませんが、実は北海道には多くのぶどう農園があります。2023年の出荷量は全国5位。道央エリアを中心に多くのぶどう農園があり、旬の時期にはさまざまな品種のぶどう狩りが楽しめます。
北海道のぶどうの旬は8月下旬から10月下旬頃までです。生食用の品種であるキャンベルアーリーやポートランドの他、ワイン用の品種も多く栽培しているため、道央エリアにはワイナリーが多いのも特徴のひとつと言えるでしょう。
11.りんご

北海道では、さんさ、つがる、ひめかみ、ハックナイン、ふじなどの品種のりんごが栽培されています。それぞれ、9月下旬から11月上旬にかけて旬を迎えます。全国的に見れば生産量はそれほど多くありませんが、朝晩の寒暖差が激しい北海道の秋に育つりんごは爽やかなりんご本来の甘みを味わえると人気です。
12.梨

一般的な梨の旬は7月から10月頃と言われています。しかし、北海道では9月上旬から11月上旬頃が梨の旬の時期であり、道内の梨農園では梨狩りを楽しめます。
北海道では和梨だけでなく、洋梨を栽培しているエリアもあり、代表的な地域に道央に位置する余市町があります。余市町は梨の栽培が盛んで、なかでも町の特産品である千両梨はここでしか食べられない梨として有名です。
見た目は洋梨、味は和梨という北海道ならではの梨を味わってみてはいかがでしょうか。
13.アロニア

アロニアは北アメリカ原産の果物でチョークベリーと呼ばれることもあります。ブルーベリーによく似た見た目をしていますが、ブルーベリーよりも色が濃く深い紫色をしているのが特徴です。
ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなど、豊富な栄養が注目されており、国内では北海道が一大生産地として知られています。アロニアは9月下旬頃から旬を迎え、伊達市や厚真町などで、アロニア農園でアロニアの収穫体験を行っていることもあるようです。
渋みやえぐみが強く生食には適していませんが、ジャムやジュースなどに加工すると美味しく食べられ、豊富な栄養から健康や美容にも効果が期待できると言われています。
北海道のシェアランキングが高い果物は?

全国津々浦々でさまざまな果物が栽培されていますが、以下の果物においては北海道産のものが全国シェアランキングの1位を占めています。
- ハスカップ
- シーベリー
- キイチゴ
北海道ならではの果物を味わいたいのなら、上記の果物をチェックしてみるとよいでしょう。その他にも、以下の果物も全国で北海道産のものが多く流通しています。
- プルーン
- ラズベリー
- メロン
特に、メロンは茨木県が全国出荷量1位にも関わらず、北海道夕張産の夕張メロンの方が知名度が高くなっています。全国シェアが1位でなくても北海道産が有名な果物もありますので、ぜひ雄大な大地で実る絶品果物を探してみてください。
まとめ
今回は北海道の果物事情について紹介しました。北海道と言えば、美味しい海鮮や酪農が注目されがちですが、実はこんなにもさまざまな種類の果物栽培が行われています。
また、観光客向けにフルーツ狩りや収穫体験を行っている農園も多くあるため、北海道を訪れた際には、ぜひ絶品の果物も味わってみてくださいね。