クッキーとビスケットの違い(ラングドシャ・サブレ・クラッカーなど)を徹底解説!
多くの人たちに愛されているお菓子の定番、クッキーとビスケット。しかし、この2つにはちょっとした違いがあるのをご存じですか?
この記事では、クッキーとビスケットだけでなく、その仲間であるラングドシャ、サブレ、クラッカーなどの特徴も併せてご紹介。クッキーやビスケットをもっと楽しむための豆知識や、ご自宅でできるシンプルなレシピまで、分かりやすく解説します。ぜひお菓子選びの参考にしてみてくださいね!
クッキーとは?
クッキーとは、オランダ語で「小さなお菓子」を意味する「koekje(クオキエ)」が語源とされるお菓子です。材料は、薄力小麦粉、砂糖、バター、卵が基本。特に薄力小麦粉を使用することで、グルテンの量が抑えられ、サクサクとした食感が生まれることが特徴です。
また、日本では糖分と脂肪分の合計が40%以上含まれるビスケットを「クッキー」と定義しています。つまり、クッキーはビスケットの一種でもあるのですね。形状や種類も豊富で、型抜きクッキーやドロップクッキーなど、手作り感があることもクッキーならではの特徴です。
代表的な商品〜森永ビスケット「MOONLIGHT(ムーンライト)」
ビスケットとは?
ビスケットとは、小麦粉、油脂、糖類、食塩などを原材料として焼かれた洋菓子です。ラテン語で「二度焼いたパン」を意味しており、保存食として作られたのが起源だとされています。その名の通り、水分の少ない硬めの食感が特徴です。
全国ビスケット協会※では、小麦粉を主原料とした生地を形成、焼いたもの全てを「ビスケット」と呼んでおり、クラッカーやパイなどもビスケットの仲間としています。
なお、日本で一般的な「ビスケット」と言われている、丸くて薄い形状のものは「ハードビスケット」と呼ばれるもの。膨らみを抑えるために、ガス抜きの穴が開いていることが特徴です。
代表的な商品〜森永ビスケット「MARIE(マリー)」
※全国ビスケット協会とは、1927年に創設された非営利団体。ビスケット業界の調和と発展を図ることを目的とした調査や研究、普及活動などを行っています。
クッキーとビスケットの違い
先述した通り「小麦粉を主原料として練った生地を成形して焼いたもの」をビスケットとするならば、クッキーもビスケットの仲間。しかし、その材料の配合や食感には違いがあります。
砂糖やバターをたっぷり使って、サクサクとした食感に仕上げるのがクッキー。一方ビスケットは、砂糖や油分を少なめにし、牛乳などの水分量を増やして練った、硬めの食感が特徴です。
また、クッキーは個性的な形やデコレーションされているものが多くありますが、ビスケットは保存性を重視した、シンプルな形が一般的です。
ちなみに、日本では上記の違いから「クッキー」と「ビスケット」を使い分けていますが、アメリカやイギリスでは2つを区別せずに呼んでいます。
アメリカでは、日本の「クッキー」と「ビスケット」をどちらも「クッキー」と呼び、イギリスでは「ビスケット」と呼びます。
さらに、アメリカでは「ビスケット」をパンの一種として扱っています。固くて薄いビスケットではなく、スコーン状のものを指すことがほとんどです。
クッキーもビスケットも、種類や味わいは国や地域の文化によっても異なりますが、日常の様々なシーンで愛されていることは共通しています。
ラングドシャとは?クッキー、ビスケットとの違い
ラングドシャとは、「猫の舌」を意味するフランス語から名付けられたクッキーです。ラングドシャの薄くてザラザラとした表面が、猫の舌に似ていることから付けられたと言われています。
ラングドシャの特徴は、サクサクとした軽い食感。クッキーのように卵黄を使うのではなく、ふんわりとした卵白を多く使うことで、ラングドシャ特有の歯ざわり、食感が生まれます。生地を薄く、細長く焼き上げる製法も、クッキーやビスケットとは異なる点です。
代表的な商品〜石屋製菓「白い恋人」
サブレとは?クッキー、ビスケットとの違い
サブレとは、バターの風味が豊かなクッキーです。その起源はフランスとされており、「サブレ」という町に由来するという説や、フランス語で「砂」を意味する「sable(サブル)」に由来するという説があります。
クッキーやビスケットに比べてバターの比率が高く、サクサクとした軽やかな食感が特徴です。
また、ベーキングパウダーを使用せず、バターと同量の小麦粉を使って焼き上げることもサブレの特徴のひとつ。この独特な製法により、口溶けが良く、バターの香りが際立つサブレが出来上がります。
クッキーやビスケットと比べて、バターの豊かな風味が特に感じられるのがサブレの魅力です。
代表的な商品〜日清食品「ココナッツサブレ」
クラッカーとは?クッキー、ビスケットとの違い
クラッカーとは、イーストで発酵させた生地を、高温かつ短時間で焼き上げて作るお菓子です。薄くて軽い口当たりと、塩味がきいた味わいが特徴。クラッカーの起源はアメリカで、もともとは保存食として開発されたと言われています。
クッキーやビスケットとの大きな違いは、イーストを使って生地を発酵させているところ。さらに、砂糖を加えず、塩味がメインであるところもクラッカーならではの特徴です。
そのため、クラッカーはおやつとしてだけではなく、おつまみや食事の補助としても重宝され、多彩な食べ方で楽しまれています。
代表的な商品〜ナビスコ「リッツ」
クッキー、ビスケット、ラングドシャ、サブレ、クラッカーの違い
ここまでご紹介してきた、クッキー、ビスケット、ラングドシャ、サブレ、クラッカーの違いを以下の表にまとめてみました。
ぜひお気に入りを見つける際の参考にしてみてください!
種類 | 特徴 | 代表的な商品 |
---|---|---|
クッキー | ・糖分と脂肪分の合計が40%以上 ・手作り感のある形状 |
森永ビスケット「MOONLIGHT(ムーンライト)」 |
ビスケット | ・原材料の数値がクッキー未満の焼き菓子 | 森永ビスケット「MARIE(マリー)」 |
ラングドシャ | ・卵白を多く使用 ・薄く、細長い形状 |
石屋製菓「白い恋人」 |
サブレ | ・ベーキングパウダーを使わない ・小麦粉と同量のバターを使う |
日清食品「ココナッツサブレ」 |
クラッカー | ・イーストを使って生地を発酵 ・高温、短時間で焼き上げる ・塩味がメイン |
ナビスコ「リッツ」 |
シンプルな材料で違いがわかる!クッキー、ビスケットの作り方
クッキーとビスケットを実際に作って食べてみることで、2つの違いを体感してみませんか?どちらもシンプルな材料で作ることができるため、自宅にあるもので挑戦できますよ。
クッキーはサクサク、ビスケットは外サクッと中ふわの食感が魅力。ぜひ2つの違いを楽しんでみてください!
基本の型抜きクッキー
さまざまな種類があるクッキーですが、今回は基本の型抜きクッキーの作り方をご紹介します。
材料 (約15枚分)
- 薄力粉 100g
- 砂糖 50g
- 無塩バター 50g
- 卵黄 1個分
作り方
- バターは常温に戻しておく
- オーブンは170℃で予熱しておく
- ボウルにバターと砂糖を入れ、白っぽくなるまでしっかりと混ぜ合わせる
- ③に卵黄を加えてさらによく混ぜる
- ふるっておいた薄力粉を加えて、さっくりと混ぜる
- 生地がひとつにまとまったらラップで包み、30分ほど冷蔵庫で寝かせる
- 生地をめん棒で2mmほどの薄さにのばす
- お好みの型に適量の薄力粉をつけて、生地を抜く
- クッキングシートを敷いた天板に⑧をのせ、オーブンで15分ほど焼く
- 周りが薄く茶色く焼き上がったら完成!
参考: DELISH KITCHEN
クッキーはアレンジが自由自在!生地におからパウダーやアーモンドプードルを加えることで、栄養価がアップします。お子さんと一緒に、さまざまな形のクッキー型を使って楽しく作ってみてくださいね。
朝食にもおすすめ!ホットビスケット
今回ご紹介するのは、アメリカ風の少し厚みのあるビスケット。少し丁寧な作業が必要ですが、クッキーと同じくシンプルな材料で作ることができますよ。
材料 (約6個分)
- 強力粉 100g
- ベーキングパウダー 5g
- 砂糖 20g
- 塩小さじ 4分の1
- 無塩バター 30g
- 強力粉 (バター用にまぶす用) 小さじ1
- 牛乳 45ml
- 強力粉 (打ち粉用)適量
- 牛乳 (仕上げ用) 大さじ1
- メープルシロップ 大さじ2
作り方
- オーブンは200℃に予熱しておく
- 無塩バターを5mm角に切り、くっつかないよう強力粉をまぶして冷凍庫で15分ほど冷やす
- ※バターを冷やすことで、ビスケット特有のサクッとした食感が生まれます!
- ボウルに強力粉とベーキングパウダーを入れ、ゴムベラで混ぜ合わせる
- 粉類に冷やしたバターを入れ、バターをつぶすように手ですり合わせる
- ④に牛乳を加え、生地を折りたたみながらまとめる
- 打ち粉をした台の上に生地をのせ、めん棒で1.5cmほどの厚さにのばす
- 丸型で型抜きをする
- クッキングシートを敷いた天板の上に⑦をのせ、表面に牛乳を塗る
- 予熱しておいたオーブンで15分ほど焼いたら完成
- お好みでメープルシロップをかけてどうぞ!
参考: クラシル
焼きたてのビスケットは、特別な日の朝食にぴったり。チョコチップやドライフルーツを加えると、さらに味わい深いビスケットになります。週末の朝に家族でゆっくりと、出来たての手作りビスケットを堪能してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、クッキーとビスケットの細かな違い、ラングドシャ、サブレ、クラッカーの特徴をご紹介しました。
全て日常生活でよく目にするお菓子ですが、実はそれぞれに特徴があり、味わいや食感、作り方に違いがあります。異なる個性を知っておくことで、いつものティータイムがより特別な時間になるかもしれませんね。
ご紹介した簡単なレシピを参考に、お家で楽しむ朝食やおやつ作りにも、ぜひ挑戦してみてください!