牛乳は7種類もある!違いを知ると普段の“牛乳選び”が変わるかも?

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牛乳には種類があることをご存知でしょうか。一般的に牛乳として飲まれているのは、牛乳([種類別]牛乳)・成分調整牛乳・低脂肪牛乳・無脂肪牛乳です。加工乳や乳飲料も牛乳の種類のひとつではありますが、厳密には牛乳ではありません。

こちらの記事では、牛乳の定義や牛乳の種類、栄養、選び方について解説します。

この記事でわかること

  • 絞ったままの生乳を均一化・加熱殺菌したのが牛乳
  • 牛乳は全部で7種類
  • 牛乳は乳脂肪分・無脂乳固形分の量で分けられる
  • 特別牛乳は生乳に近い特別な牛乳
  • 低脂肪牛乳のカロリーは100mlあたり46kcal
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  • スープカレー特集

牛乳とは?生乳をホモジナイザーで成分を均質化したもの

牛乳

牛乳は、牛から絞ったままの乳「生乳(せいにゅう)」を加工したものです。牛から取れる乳には、小さな粒の形をした脂肪分「脂肪球」が含まれており、その粒の大きさや質量が不揃いな状態です。
大きい脂肪球は時間の経過とともに上部に浮き上がり層を作るため、牛乳としての品質を安定させるために「ホモジナイズ(均質化)」と呼ばれる処理が行われます。
「ホモジナイザー」とは、ホモジナイズする機械のことです。ホモジナイズの目的は牛乳の品質を安定化させるほか、牛乳に含まれる栄養成分の均一化や殺菌処理の効率化、消化吸収をよくするなどの目的があります。

また、生乳を加工せずに販売することは食品衛生法で禁止されています。生乳は許可を得ている工場でホモジナイズした後、細菌や抗生物質を検査し、加熱による殺菌処理を行っており、その工程を経てようやく「牛乳」として消費者に届けられるのです。

牛乳は全部で7種類!種類別名称を紹介

牛乳は大きく分けて以下の7種類があります。

種類別名称 乳脂肪分 無脂乳固形分
[種類別]牛乳 3.0%以上 8.0%以上
特別牛乳 3.3%以上 8.5%以上
成分調整牛乳 8.0%以上
低脂肪牛乳 0.5%以上、1.5%以下 8.0%以上
無脂肪牛乳 0.5%未満 8.0%以上
加工乳 8.0%以上
乳飲料 乳固形分3.0%以上

乳脂肪分とは乳に含まれる脂肪成分のことで、無脂乳固形分とは牛乳から水分・乳脂肪分を除いた成分のことです。上記7種類のうち一般的に牛乳と呼ばれているものは、「牛乳」「特別牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」です。これらは生乳のみで製造されており、水など生乳以外のものを混ぜることが禁止されています。そのため、加工乳や乳飲料も牛乳の一種ではありますが、厳密には「牛乳」と表記することができません。

生乳100%と表示される牛乳は4種類

種類

容器に「生乳100%」と表示することが認められているのは、原材料に生乳のみを使用したもののみです。生乳100%と表示できる牛乳は5種類ですが、一般的に販売されている牛乳は次の4種類です。

生乳100%の牛乳

  • 牛乳
  • 成分調整牛乳
  • 低脂肪牛乳
  • 無脂肪牛乳

「特別牛乳」も生乳100%ですが、限られた施設でしか製造が認められておらず、スーパーなどの一般市場には出回っていません。ここからは、上記4種類の牛乳について詳しく紹介します。

1.牛乳

牛乳([種類別]牛乳)とは生乳をホモジナイズ・加熱殺菌し、なおかつ「乳脂肪分が3.0%以上」「無脂乳固形分が8.0%以上」の成分規格を満たしているものを指します。殺菌処理は、63℃で30分加熱する、または同等以上の殺菌効果がある方法で加熱殺菌することが定められています。「普通牛乳」とも呼ばれるほか、分類としてはわかりやすいように「[種類別]牛乳」と表記されるのが一般的です。

2.成分調整牛乳

成分調整牛乳([種類別]成分調整牛乳)とは、生乳から水分や乳脂肪分、ミネラルなどの一部の乳成分を取り除き、成分調整した牛乳です。遠心分離機と呼ばれる機械を使用して乳脂肪分を2〜3%にしたもの、膜処理技術によって水分の一部を除去して濃厚にしたものなどさまざまです。

成分規格では「無脂乳固形分が8.0%以上」のものが該当します。乳脂肪分に規定はありませんが、乳脂肪分が1.5%以下や0.5%未満などに成分調整されたものは、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳に分類されます。

牛乳

3.低脂肪牛乳

低脂肪牛乳([種類別]低脂肪牛乳)は、成分を調整して成分規格が「無脂乳固形分が8.0%以上」「乳脂肪分が0.5%以上、1.5%以下」に該当する牛乳です。遠心分離で生乳から乳脂肪分の一部を除去して作られます。低脂肪なので[種類別]牛乳などと比べてさっぱりとした味わいが特徴です。また、「低脂肪牛乳」とそのまま商品名となっていることが多いです。

4.無脂肪牛乳

無脂肪牛乳([種類別]無脂肪牛乳)は、生乳から乳脂肪分のほとんどを除去した牛乳です。成分規格は「無脂乳固形分が8.0%以上」「乳脂肪分が0.5%未満」と定められています。無脂肪という表記ですが、厳密には乳脂肪分0%ではありません。また、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳は他の牛乳よりも安価な商品がほとんどですが、値段が安いのは製造工程で取り除いた脂肪分をバターやチーズなどの原料に使用しているためです。

加工乳・乳飲料とは?生乳100%ではない

加工乳

牛乳と同様に販売されている加工乳や乳飲料は、生乳や牛乳以外の原材料を使用して加工された飲み物です。生乳100%ではないため、商品目に「牛乳」と表記して販売することが認められていません。ここからは、加工乳と乳飲料について詳しく紹介します。

加工乳|生乳に乳製品を加えたもの

加工乳は生乳に乳製品を加えた飲み物です。加工乳の製造で使用できる乳製品は、乳等省令により11品目定められており、脱脂乳や脱脂粉乳、濃縮乳、クリーム、バターなどがあげられます。成分規格では「無脂乳固形分が8.0%以上」と定められており、脱脂乳や脱脂粉乳などを加えることで、実際の無脂乳固形分は8.5~10.0%となっているものが一般的です。また、乳脂肪分の規定はなく、脱脂乳を加えて低脂肪タイプのほか、クリームやバターを加えて濃厚タイプ、中には無脂肪タイプなどの加工乳もあります。

乳飲料|生乳や乳製品を加工したもの

乳飲料とは生乳や乳製品を主原料として、コーヒーや果汁など乳製品以外の原材料を加えた飲み物です。成分規格では、無脂乳固形分と乳脂肪分を合わせた「乳固形分」を3.0%以上含むことが定められています。乳飲料は大きく分けて以下の3つのタイプがあります。

主な乳飲料

  • 栄養タイプ
  • 嗜好タイプ
  • 乳糖分解タイプ

栄養タイプとは、カルシウムや鉄、ビタミン、食物繊維などを含めて栄養価を高めたものです。また、嗜好タイプはコーヒーや果汁などの甘味を加えたもので、乳糖分解タイプは乳糖の一部を分解して飲みやすくしたものです。日本人には、乳糖をうまく消化できずに下痢や腹痛などの症状を覚える「乳糖不耐症」の人が多いと言われており、乳糖分解タイプは乳糖不耐症の人でもお腹を壊さずに飲める乳飲料です。

特別牛乳とは?特別に許可を得た施設で作られた牛乳

特別牛乳

牛乳には「特別牛乳」という種類があります。特別牛乳とは、「特別牛乳搾取処理業」の許可を得た牧場のみで搾乳・処理された牛乳のことです。搾りたての牛乳を加熱殺菌処理しなくても安心・安全にそのまま飲めることの認証を国から受けており、無殺菌または低温殺菌で飲めることが特徴です。

また、一般的に市販で購入する牛乳は120℃~130℃で2〜3秒間で殺菌する「超高温殺菌」処理を施されているものが一般的です。一方、特別牛乳は殺菌処理する場合、63℃〜65℃で30分以上加熱する「低温殺菌」の処理が行われます。低温殺菌は高温殺菌と比べてタンパク質の変質が少ないため、特別牛乳は生乳に近い味わいを楽しめます。

特別牛乳と他の牛乳の違いは?成分が濃厚

特別牛乳は他の牛乳と比べて味わいや風味が違います。成分規格が「乳脂肪分が3.3%以上」「無脂乳固形分が8.5%以上」と定められており、乳脂肪分と無脂乳固形分はどちらも[種類別]牛乳より多いです。乳脂肪分は牛乳の濃厚さに関わる成分で、無脂乳固形分は甘みに関わる成分なので、どちらも多い特別牛乳は濃厚でミルキー感の強い味わいとなっています。また、一般販売されている牛乳と比べて高級感があり、値段も高くなる傾向にあります。

特別牛乳の許可を受けている牧場一覧

牧場

特別牛乳の許可を受けるためには、厚生労働省が定める厳しい衛生基準をクリアしなければならず、許可を受けている牧場は全国で4カ所のみです。(2023年時点)

特別牛乳の許可を受けている牧場

  • 想いやりファーム(北海道)
  • 雪印こどもの国牧場(神奈川県)
  • クローバー牧場(京都府)
  • 白木牧場(福岡県)

そのうち、北海道河西郡中札内村にある「想いやりファーム」は、日本で唯一無殺菌牛乳を販売している牧場です。現在牧場内での販売は行っておらず、牧場内の立ち入りも認められていないため、販売店・取扱店で購入しましょう。牛乳ではなく生乳を飲んでみたい方は、想いやりファームの「想いやり生乳」をぜひ一度試してみてください。

成分無調整牛乳とは?牛乳の製造工程で成分調整しないもの

無調整乳

成分無調整牛乳は、牛乳の製造工程で成分を調整していない牛乳のことです。生乳100%で、乳脂肪分を調整していないものなので、「[種類別]牛乳」と同義です。法的に決められた表示ではなく、メーカーが自社の特徴を表す言葉としてつけているだけなので、[種類別]牛乳と味わいや風味に違いはありません。

ただし、生乳の成分は乳牛の品種や個体、季節、地域などにより変動し、乳脂肪分や無脂乳固形分も変化します。そのため、同じ牛乳でも飲むタイミングによっては風味が異なることがあります。

牛乳の殺菌方法にも種類がある?成分は変わらない

牛乳の殺菌方法は主に3種類あります。それぞれの違いは次の通りです。

殺菌方法 温度 時間
超高温瞬間殺菌(UHT) 120℃〜130℃ 2〜3秒
高温短時間殺菌(HTST) 72℃以上 15秒以上
低温保持殺菌(LTLT) 63℃〜65℃ 30分

超高温瞬間殺菌は大量生産に向いている殺菌方法で、市場に出回っているほとんどの牛乳が超高温瞬間殺菌で処理されています。ただし、有害な菌だけでなく有用な菌まで死滅させてしまうほか、カルシウムやタンパク質が熱変性を起こして風味を損なうのが欠点です。

牛乳がくさいと感じるのは、高温殺菌によってカルシウムやタンパク質が変質しているためと言われています。ただし、加熱によって栄養成分に変化はないうえ、風味の評価も個人差があるので、牛乳は殺菌方法ではなく好みで選べば問題ありません。

牛乳に含まれる栄養と効果効能

牛乳の栄養

牛乳には以下の栄養素が含まれています。

牛乳の栄養素

  • タンパク質
  • カルシウム
  • ビタミンB群
  • 乳脂肪
  • 乳糖

牛乳は筋肉や臓器などを構成するタンパク質のほか、骨や歯を形成するカルシウム、皮膚や粘膜を健康に保つビタミンB群などの栄養があります。牛乳に含まれる脂質「乳脂肪」はビタミンの吸収を助け、乳糖は腸内環境を整えるのに役立つ成分です。また、牛乳の栄養や牛乳を使ったおすすめの料理・レシピを以下の記事で紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。

低脂肪牛乳のカロリーはどのくらい少ない?

[種類別]牛乳と低脂肪牛乳のカロリーは次の通りです。

牛乳のカロリー(100mlあたり)

  • 牛乳:67kcal
  • 低脂肪牛乳:46kcal

低脂肪牛乳のカロリーは、[種類別]牛乳と比べて100mlあたり21kcalの差があります。コップ1杯分の牛乳は約200mlなので、低脂肪牛乳は1杯あたり約42kcalのカロリーを抑えることができます。ただし、商品により細かい成分量が異なり、低脂肪牛乳の商品でも比較的カロリーが高いものもあるので、商品パッケージのカロリー表記を確認しましょう。

牛乳の種類はどれがいい?種類別の選び方

どの牛乳をおいしいと感じるかは人それぞれですが、牛乳の選び方の目安を以下にまとめました。

  • 牛乳:牛乳本来の味わいを楽しみたい人向け
  • 成分調整牛乳:カロリーを抑えつつ牛乳の味わいも楽しみたい人向け
  • 低脂肪牛乳・無脂肪牛乳:脂肪分やカロリーを抑えたい人向け
  • 加工乳:できる限り安い牛乳を選びたい人向け
  • 乳飲料:ミルク感のある飲み物を飲みたい人向け

ただし、同じ種類の牛乳でも濃厚タイプやさっぱりタイプ、値段が安いもの、高いものなど、商品によりさまざまです。どの種類の牛乳を選ぶかは、本人の好みに左右される部分が大きいため、自分がおいしいと思った牛乳を飲むのがおすすめです。もしどの牛乳を飲むか迷ったときは上記を参考にしてみてください。

牛乳のまま飲むのが苦手な方はアレンジドリンクがおすすめ

アレンジ

牛乳をそのまま飲むのが苦手という方は、牛乳に他の飲み物を加えたアレンジドリンクにして飲むのもおすすめです。紅茶と合わせてミルクティにしたり、ほうじ茶と合わせてほうじ茶オレにしたりするなど、いろんな味わいを楽しめます。コーヒー好きはカフェオレにして飲んでみてはいかがでしょうか。

また、カフェオレの味にこだわるなら、コーヒーにこだわるのもポイントです。コーヒーらしい苦味と酸味の調和が魅力のブルーマウンテンは、カフェオレにピッタリ。以下のページでは、函館の優良土産として高い評価を獲得した「凍結熟成 元町珈琲プレミアムブレンド」を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

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まとめ

牛乳は生乳をホモジナイズの処理と加熱殺菌処理を行った飲み物です。牛乳は全部で7種類あり、それぞれ乳脂肪分と無脂乳固形分の量によって種類が分けられています。同じ種類の牛乳でも商品によって味わいや風味、濃厚さなどが違うので、牛乳は種類にとらわれず自分の好みで選んでみてください。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!