縮まずプリプリ♪ 冷凍シーフードミックスの解凍にはコツがあった! 旨みを逃がさない方法
さまざまな魚介類が下ごしらえ済みの冷凍シーフードミックスは、手間も省けておサイフにも優しい料理の強い味方です。「魚介を使いたいけど下ごしらえが苦手」という人や「色々な魚介を使いたいけど全て買うと費用が…」という人にも広く支持されています。
そんな冷凍シーフードミックスですが、美味しく味わうためには解凍方法に工夫が必要なことをご存知ですか?
この記事では、冷凍シーフードミックスの旨味を逃さずプリプリ食感に解凍する方法を紹介します。その他、テレビやSNSなどで紹介されたシーフードミックスの解凍方法についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
- 冷凍シーフードミックスは塩水解凍がベスト
- 旨味を逃さないために、海水に近い塩分濃度で解凍するとよい
- 食感を残すには低温で解凍するのがおすすめ
この記事でわかること
冷凍シーフードミックスは解凍しないで料理に使える?
下処理などの面倒な手間をかけず、手軽に海の幸を味わえるシーフードミックス。冷凍保存できて使い勝手がよく、頻繁に使うという人も多いのではないでしょうか。シーフードミックスは下処理済みでカットされている商品が多いため、なかには「解凍せずにそのまま使っている」という方もいます。
しかし、冷凍シーフードミックスを解凍せずに調理している人からは「魚介の臭みが出てしまった」「食感が良くなかった」なんて声も聞かれます。
冷凍シーフードミックスを解凍せずに料理に使ってしまうのは勿体ないです。実は、冷凍シーフードミックスは解凍方法次第で2倍も3倍も味や食感がよくなります。
冷凍シーフードミックスを解凍する方法
早速、冷凍シーフードミックスを美味しく解凍する方法を紹介していきましょう。冷凍シーフードミックスを解凍する方法はいくつかありますが、特に美味しく解凍できるものをメインに紹介していきます。
【おすすめ】塩水で解凍する方法
冷凍シーフードミックスを解凍する際に、一番おすすめなのは塩水を使う方法です。海水に近い塩分濃度の塩水を使って、冷凍シーフードミックスを旨味たっぷりのプリプリ食感に仕上げましょう。
材料
- 水…200cc
- 塩…小さじ1
解凍方法
- 水に塩を加えてよく混ぜる
- できた塩水に冷凍シーフードミックスを入れる
- 常温で解凍されるまで放置する
- ザルなどにあげて完成
放置時間は、冬場1時間、夏場30分を目安にするとよいでしょう。食感を良くするため、水温が10度以下の状態が理想なので、冷たい水を使うのがポイントです。解凍された魚介を指で摘まんでみて、凍っているところが残っていなければ解凍完了です。
流水解凍する方法
冷凍シーフードミックスは流水解凍もできます。流水で解凍することで、冷凍シーフードミックスの臭みが流れ落ちていくメリットもあります。
解凍方法
- 冷凍シーフードミックスをザルに入れる
- 流水(常温)でシーフードミックスについている氷を溶かす
- 氷が溶けたら完成
流水解凍する時には、シーフードミックスが水に浸ってしまわないように注意してください。水道水に浸してしまうと旨味が流出しやすくなってしまいます。
冷蔵庫で自然解凍する方法
手間をかけず放置して自然解凍したいという人は、冷蔵庫を活用しましょう。冷凍シーフードミックスは、常温で自然解凍してしまうと、氷が溶けた時に旨味や食感が損なわれてしまいやすいです。
冷蔵庫を使うことで、ゆっくりと氷を溶かしつつ旨味やタンパク質をシーフードミックス内に留め、美味しくプリプリ食感に解凍できます。
解凍方法
- バッドにシーフードミックスを入れてラップをする
- 冷蔵庫の10度以下になる場所で5時間放置して完成
5時間以上放置してしまうと。旨味やタンパク質が流出しやすくなるので放置時間に注意してください。
【急ぎの場合】お湯+塩水で時短解凍する方法
どうしても冷凍シーフードミックスを今すぐ使いたいという場合には、時短で解凍する方法もあります。
材料
- 水…100cc
- お湯…100cc
- 塩…小さじ1
解凍方法
- 水とお湯を混ぜて塩を加えよく混ぜる
- できた塩水に冷凍シーフードミックスを入れる
- 2~3分置く
- ザルなどにあげて完成
塩水を温かくすることで、時短解凍が可能です。ただし、温かい塩水を使うことで、冷たい塩水を使った時に比べて食感が劣りやすくなるため、シーフードミックスの食感を活かした料理に使いたい場合は控えた方がよいでしょう。
旨味を活かす、スープや煮込み料理などにシーフードミックスを使う際におすすめです。
どうして冷凍シーフードミックスを塩水解凍するとプリプリになるの?
冷凍シーフードミックスを解凍する際に、一番おすすめなのは海水と同程度の塩分濃度にした塩水を使う方法です。この方法で解凍したシーフードミックスは旨味が流出しにくく、身もプリプリとした良い状態で解凍できます。
しかし、なぜ塩水を使うと冷凍シーフードミックスの旨味を逃がさず解凍できるのでしょうか。そこには冷凍シーフードミックスの製造方法と浸透圧が関係しています。
シーフードミックスの鮮度を保つグレーズとは
冷凍シーフードミックスは、魚介類をただ凍らせている訳ではありません。品質劣化を防ぐため、一度海水と同程度の塩分濃度を持つ塩水にくぐらせ、塩水ごと凍らせるのが一般的です。
塩水ごと凍らせることで、シーフードミックスの表面には氷の膜ができ、旨味を封じ込め、品質を維持できます。この氷の膜をグレーズと呼びます。
グレーズの働きによって、シーフードミックスの鮮度は加工時から高い品質を保たれていますが、氷の膜には魚の持つ臭みなども含まれています。冷凍シーフードミックスを解凍せずに使うと臭みがでやすいのは、グレースに含まれる臭みが原因と言えるでしょう。
旨味の流出を防ぐ鍵は浸透圧
シーフードミックスを解凍する際に注意したいのが旨味の流出です。
グレーズが溶けて流れ出る際に、シーフードミックス内の水分と旨味成分が一緒に流出してしまいます。これを防ぐのが塩水です。塩水にシーフードミックスを浸けて解凍することで、塩水とシーフードミックスの間に浸透圧が働きます。浸透圧が働いて水分とシーフードミックスの間で水分の移動が制限され、旨味の流出を防ぐことができるのです。
時間をかけて解凍すると食感が保ちやすくなる
特にタンパク質が豊富な魚介類は、解凍した際にタンパク質が変性し食感がスカスカになったり、身が固まってしまうことがあります。これは、10~40度程度の常温で解凍された際に起こりやすい現象です。
タンパク質の変性を防ぐためには、低い温度で適切な解凍方法を選ぶ必要があります。そこで推奨されるのが氷水解凍や冷蔵庫を使った自然解凍です。10度以下の低温で時間をかけて氷を溶かすことで、タンパク質の変性が抑えられます。
冷たい塩水に浸けて解凍することで、浸透圧による旨味の流出防止だけでなく、タンパク質の変性も防ぎ、食感の良さも維持できるのです。
冷凍シーフードミックスは電子レンジ解凍できるの?
近年、電子レンジの解凍機能は凄まじく進化していますが、冷凍シーフードミックスに関しては、電子レンジ解凍を避けた方がよいでしょう。
グレーズが溶け出る際に旨味が流出してしまい、加熱することでタンパク質も変性をおこしてしまいます。特に、貝やイカなどの魚介は、電子レンジで加熱することで縮んで固くなってしまうこともあるでしょう。
テレビやSNSで話題の冷凍シーフードミックスの解凍方法は実際どうなの?
今回紹介している方法の他にも、テレビやSNSなどで話題になっている冷凍シーフードミックスの解凍方法がいくつかあります。続いては、テレビやSNSなどで話題になった冷凍シーフードミックスの解凍方法についてもみていきましょう。
ヒルナンデスで紹介された方法
昼の帯番組として主婦から絶大な支持を集めるヒルナンデス。2018年にゲストとして登場した柴田理恵さんが紹介した冷凍シーフードミックスの解凍方法が話題になりました。
用意するもの
- 鍋に沸かしたお湯
- レモン½
解凍方法
- 鍋に入ったお湯を沸騰させる
- 沸騰したら火を止めて冷凍シーフードミックスを入れる
- 蓋をして3分放置
- シーフードミックスをザルにあげる
- レモンを絞って果汁をシーフードミックスにかける
時短で解凍できてシーフードミックスに生臭さが残らないと話題になったレシピです。ただし、この方法が披露されたのは、制限時間5分で料理を作るという企画でした。そのため、時間内に冷凍シーフードミックスを解凍させるにはこの方法しかなかったとも言えるでしょう。
食感などをしっかり残したいのであれば、お湯を使う方法はおすすめしません。
また、臭み消しにレモンを使っていますが、これは柴田理恵さんがシーフードサラダを作っていたからという理由もあります。料理によってはレモンをかけると、調味の邪魔をしてしまうこともあるため注意しましょう。
シーフードクラムチャウダーのように煮込む料理にするのであれば、ヒルナンデスで紹介された方法で解凍してみるのもよいかもしれません。
タサン志麻さんが紹介した解凍方法
伝説の家政婦としてメディアに引っ張りだこの「志麻さん」ことタサン志麻さんも冷凍シーフードミックスの解凍方法を紹介していました。
用意するもの
- 水…1L
- 塩…30g
- 野菜くず(ニンジンの皮、玉ねぎの芯、セロリの茎など)
- 熱湯…1L
- ※粒こしょう…10粒
- ※酢…大さじ1
- ※白ワイン…大さじ2
解凍方法
- 水に塩を加えてよく混ぜ、冷凍シーフードミックスを入れる
- 鍋に入った熱湯に野菜くずと※の調味料を全て入れて弱火で煮る
- 出汁が出たら、一度濾して再び鍋に出汁だけを戻す
- 1のシーフードミックスを塩水から上げて鍋の中に入れ1分30秒ゆでる
- シーフードミックスを取り出す
これまで紹介した方法に比べると、とても手間がかかる方法ですが、驚く程魚介の臭みが取れて美味しいシーフードミックスになると話題です。
この方法はフランス料理で作られる手法を元にしていると考えられ、2で作った出汁はクールブイヨンと呼ばれます。クールブイヨンは魚介類を茹でるための煮汁で、臭みを消し旨味を最大限に引き出すことができるそうです。野菜くずは何でもOKですが、一般的には香味野菜や芳香野菜を用います。
冷凍シーフードミックスを調理するときにおすすめのひと手間
美味しくなるよう丁寧に解凍したシーフードミックスを、さらに美味しく調理する方法があります。調理の前のひと手間で、シーフードミックスがさらに美味しくなるので、ぜひ試してみてはいかがですか。
解凍後は一度水分をしっかり拭き取る
解凍したシーフードミックスは、キッチンペーパーなどを使って一度水分をしっかり拭き取りましょう。
解凍した際にシーフードミックスについている水分には、臭み成分も含まれています。解凍後に、一度しっかりと水分を拭き取ることで、調理した時に臭みが抑えられ魚介の旨味や香りを感じやすくなるでしょう。
臭み取りをする
下処理の段階で臭みとりをしておくのも、シーフードミックスを美味しく調理するために欠かせない工程です。手軽にできるものだと、調理酒や柑橘類を使う方法があります。調理酒に含まれるアルコールが蒸発する際に、臭み成分が抜ける他、柑橘類の果汁を少量振りかけるだけでも臭みはグッと抑えられるでしょう。
また、料理によっては牛乳やヨーグルト、スパイスなどに漬け込んでも魚介特有の臭みを取り除くことができます。
香味野菜と一緒に調理する
強い香りを放つ香味野菜と一緒に調理すると、シーフードミックスの臭みが気にならなくなります。
一般的に知られている香味野菜にはニンニクやネギなどがありますが、調理によって使い分ける必要もあるでしょう。和食であれば、ネギ、玉ねぎ、大根、カイワレ、生姜、みょうが、わさびなどがおすすめですし、洋食であればニンジンやニンニク、セロリ、クレソン、パセリ、ミントなどを選んでみてください。
調理の最後に入れる
冷凍シーフードミックスは、下処理をしてから加工されているものが多いため、とても火が通りやすいです。長時間煮込んでしまうと、身が柔らかくなり過ぎたり種類によっては固くなるものもあるため、食感を活かした料理にしたい場合は、調理の最終段階で加熱するようにしましょう。
余った冷凍シーフードミックスの保存方法
冷凍シーフードミックスが余ってしまった場合、そのまま袋をゴムなどで閉じて再び冷凍する人もいますが、これはNGです。一度空いた袋のまま再度冷凍すると、シーフードミックスの水分が失われていき品質が低下してしまう原因となるでしょう。
余ったシーフードミックスは袋の空気を抜いたうえで閉じ、さらに冷凍用保存袋でできるだけ空気を抜いた状態で保存するのがおすすめです。酸化を防ぐことで、美味しい状態をより長く保てるようになります。
まとめ
今回は、冷凍シーフードミックスの解凍方法についてご紹介しました。下ごしらえの手間なく美味しい海鮮を食べられる冷凍シーフードミックスは、時短料理に最適です。
今回紹介した解凍方法を実践して、パエリアやアヒージョ、シーフードカレーなど、シーフードミックスを使った料理をさらに美味しく味わってみてください。