いくつ知ってる?北海道の「伝統工芸品」はこんなに沢山あるんです!
観光地として魅力的なスポットが多くある北海道ですが、地域ならではの「伝統工芸品」があるのをご存知でしょうか。
100年以上の歴史がある伝統的工芸品をはじめ、地域の暮らしから生まれた技法や技術が、現代に受け継がれているものが多く残っています。
職人の手によって生み出される伝統工芸品は、旅の思い出の品やお土産にもぴったりです。
この記事では、北海道の伝統工芸品について代表的なものをご紹介します。北海道の工芸品の種類や購入場所、価格帯まで詳しくお伝えしますので、お土産選びの参考にしてみてくださいね。
この記事でわかること
- 伝統工芸品・民芸品に関する正しい知識
- 北海道の伝統工芸品・民芸品を購入できる場所
伝統工芸品とは?
伝統工芸品とは、伝統的な技術や技法、素材で作られている工芸品のことをいいます。日用品ではありますが、有名な作り手のものである場合は「美術品」として扱われるケースもあります。一方で、「伝統技術を使ったもの=伝統工芸品」として、工芸品の名を残したまま大量生産を取り入れるなど、時代に適した改良も行われています。
数ある工芸品の中でも経済産業省が指定する「伝統的工芸品」は、厳しい指定要件をクリアした、いわば国の「お墨付き」。生活の豊かさや地域経済の発展を目的とした法律によって要件が定められています。
伝統的工芸品の指定要件は、以下の5つです。
- 日用品であること
- 手工業的であること
- 伝統的な(100年以上の)技術・技法であること
- 伝統的に使用された原材料であること
- 一定の地域で産地形成がなされていること
国内では現在約240品目が、要件を満たした「伝統的工芸品」として国から指定されています。
伝統工芸品と民芸品の違い
旅先や展示などで伝統工芸品を目にする方は、「民芸品」と呼ばれるものもご存知ではないでしょうか。
民芸品の正式名称は「民衆的工芸品」。その名前から、民芸品も伝統工芸品も広く「工芸品」であることが分かります。
伝統工芸品と民芸品の両方に共通しているのは、「地域に根ざしたものである」ということ。また、暮らしにある材料で作られた、手製の日用品であるということです。伝統工芸品も民芸品も、地域で代々受け継がれてきた、歴史文化に基づくものであるといえるでしょう。
その中でも民芸品は、民衆が生活の中で知恵と経験をもとに生み出してきたものといわれています。名のある作り手ではなく、無名の職人たちによって作られたものがほとんどのため、比較的安価なことも特徴です。
北海道の伝統工芸品
では、北海道にはどのような伝統工芸品があるのでしょうか?ここからは、代表的な北海道の伝統工芸品をご紹介します。
まずは厳しい要件を満たし、2013年に経済産業省から初めて北海道の「伝統的工芸品」として指定された「二風谷(にぶたに)イタ」と「二風谷(にぶたに)アットゥシ」について見ていきましょう。
二風谷イタ
「二風谷(にぶたに)イタ」とは、北海道の沙流川(さるがわ)流域で古くからアイヌ民族の間で使われていた、木製のお盆です。現在は北海道の平取町(びらとりちょう)で展示、制作が行われています。
二風谷イタの特徴は、お盆に彫られたアイヌ文様です。アイヌ語で「モレウノカ」と呼ばれるうずまきの形をした文様や、「ラムラムノカ」と呼ばれるウロコ彫りが美しく彫り込まれています。
かつての二風谷イタは、アイヌの人々の暮らしの中で料理を盛る器として使われていたとも言われています。現在は現代作家により存続されており、作品の多くは緻密で精巧な美しさから「美術品」としても取り扱われています。
二風谷イタは、北海道沙流郡平取町にある「平取町立二風谷アイヌ文化博物館」で目にすることができます。アイヌ文化に触れてみたいという方は、ぜひ足を運んで見てください。
施設名 | 平取町立二風谷アイヌ文化博物館 |
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住所 | 北海道沙流郡平取町二風谷55 |
アクセス | 札幌から車で約1時間50分、新千歳空港から車で約1時間 |
電話番号 | 01457-2-2892 |
営業時間 | 9:00~16:30 |
入館料金 | 大人/400円、小・中学生/150円 |
定休日 | 4月16日~11月15日/なし、冬期間は毎週月曜日 |
公式サイト | 平取町立二風谷アイヌ文化博物館 |
二風谷アットゥシ
「二風谷(にぶたに)アットゥシ」とは、オヒョウやシナノキなど、北海道に生息する樹木の皮から作られた反物です。樹木の内皮から採取した繊維から糸を作り、アイヌに伝わる独自の機織り機を使って織られていることが特徴です。
樹木の皮から作られている二風谷アットゥシは、通気性に優れており水にも強く、天然繊維にも関わらずとても丈夫です。元々はアイヌ民族独自の伝統的衣装として使われていましたが、その機能性や美しさから、現在は着物の帯などにも使用されています。
また二風谷アットゥシは、二風谷イタと同様に、現在も100年以上前と同じ道具と製法で作られていることも大きな特徴です。アイヌの文化や伝統を守り伝えていくために、現在も職人が伝統工芸品として制作を続けています。
二風谷アットゥシは、先ほどご紹介した「平取町立二風谷アイヌ文化博物館」で触れることができます。
また、周辺にある「平取町アイヌ文化情報センター」内にある「二風谷工芸館」では、イタやアットゥシを素材とした製品を購入することができます。どちらも使うほどに風合いが出てくる作品のため、長く付き合える「一生モノの品」として、手に入れてみてはいかがでしょうか。
施設名 | 平取町アイヌ文化情報センター(二風谷工芸館) |
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住所 | 沙流郡平取町二風谷61-6 |
アクセス | 札幌から車で約1時間50分、新千歳空港から車で約1時間 |
電話番号 | 01457-2-3299 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
入館料金 | 無料 |
定休日 | 12月31日~1月5日 |
公式サイト | 平取町オフィシャルサイト |
北海道の民芸品(工芸品)
ここからは、北海道の暮らしに根付いて発展してきた民芸品・工芸品をご紹介します!民芸品・工芸品は、伝統的工芸品に比べて手に入れやすい価格帯であることも魅力的。北海道での生活の中で生まれた、手作りの温もりを感じられる品々のため、旅の記念品やお土産にもおすすめです。
木彫りの熊
北海道の民芸品・工芸品として代表的なものといえば「木彫りの熊」。昭和初期に多く生産されたという木彫りの熊ですが、北海道土産といえば「鮭をくわえた木彫りの熊」と、思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
最近では、可愛らしいものや芸術性の高いものなど、様々な木彫りの熊が登場しており、再び注目を集めています。
また木彫りの熊のルーツは、函館から車で2時間ほどの場所に位置する八雲町(やくもちょう)にあるといわれています。
八雲町にある「木彫り熊資料館」には、北海道第1号の木彫りの熊をはじめ、道内各地の木彫りの熊が展示されています。館内には大小様々な木彫りの熊が展示されており、八雲の木彫りの熊の成り立ちを知ることができるので見応え十分。木彫りの熊が好きという方には、おすすめのスポットです!
施設名 | 八雲町木彫り熊資料館 |
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住所 | 北海道二海郡八雲町末広町154番地 |
アクセス | JR函館本線 「八雲」駅から徒歩約10分 |
電話番号 | 0137-63-3131 |
営業時間 | 9:00~16:30 |
定休日 | 毎週月曜日、祝祭日、12月29日~1月5日 |
公式サイト | 八雲町ホームページ |
小樽オルゴール
レンガ造りの歴史ある建物が並ぶ小樽では、オルゴールが民芸品・工芸品として知られています。小樽とオルゴールの関係性は諸説ありますが、「レトロな街並みである小樽のイメージに合うから」という理由で販売が始まったといわれています。
小樽に数多く立ち並ぶオルゴール店の中でも、一番古くからあるのが「小樽オルゴール堂 本館」。 建物は小樽市指定歴史的建造物にも選ばれています。レンガ造の外観と、シャンデリアがきらめく異国情緒溢れる空間は、明治45年に建てられたもの。昭和42年にオルゴール堂としてリノベーションして開業したという歴史があります。
展示されているオルゴールは、国内最大級の約3,400種類、2万5,000点以上。オルゴールの曲も様々で、購入する際には思わず迷ってしまうでしょう。
また、小樽オルゴール堂 本館の斜め向かいにある「手作り体験 遊工房」では、オルゴールの手作り体験を楽しむことができます。体験料金は2,500円から。飾り付けを自由に選べるコースや本格的な組み立てコースもあり、自分だけのオルゴール作りを体験することができます。
施設名 | 小樽オルゴール堂 本館 |
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住所 | 北海道小樽市住吉町4番1号 |
アクセス | JR函館本線「南小樽」駅から徒歩約7分 |
電話番号 | 0134-22-1108 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | なし |
公式サイト | オルゴール専門店「オルゴール堂」 |
小樽ガラス
小樽とガラスの歴史は古く、明治時代までさかのぼります。かつて小樽は北海道の玄関口として開拓の重要な拠点とされており、ガラス製の「石油ランプ」が生活の必需品となっていました。
また、小樽はニシン漁などの漁業も盛んな土地だったため、漁具として「ガラス製の浮き玉」が多く製造されていたといいます。その後、電気の普及やニシン漁の衰退などにより、ガラス製品の需要は減少していきましたが、現在も小樽ならではの民芸品・工芸品として技術が受け継がれています。
小樽ガラスの老舗といえば「北一硝子」といえるでしょう。明治34年に「浅原硝子」として創業し、かつては石油ランプの製造や浮き玉を製造していました。その伝統的な製法や技術を活かし、現在も数多くの小樽ガラス製品を生み出しています。
施設名 | 北一硝子三号館 |
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住所 | 北海道小樽市堺町7番26号 |
アクセス | JR函館本線「南小樽」駅より徒歩約10分 |
電話番号 | 0134-33-1993 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | なし |
公式サイト | 北一硝子ホームページ |
まとめ
北海道には、アイヌの伝統的工芸品をはじめとした、数多くの伝統工芸品・民芸品があります。その土地ならではの伝統工芸品に触れることで、日本の歴史や文化を知る機会にもなるでしょう。
北海道を訪れる際には食や景色とともに、ぜひ伝統工芸品の魅力にも触れてみてくださいね。