体を温める食べ物・飲み物一覧!冷え性対策につながる食べ物の特徴も6つ解説
冷え性でお悩みの方は少なくないかと思います。食べ物には体を温めるものと冷やすものがあり、冷え性対策として内側から体を温めるためには、体を温める食べ物を意識的に摂ることが大切です。この記事では、体を温める食べ物の特徴や食べ物・飲み物一覧、おすすめの料理を紹介します。
この記事でわかること
- 食べ物には体を温めるものと冷やすものがある
- 体を温める食べ物には収穫地や旬などに特徴がある
- 根菜類や発酵食品は体を温めるものが多い
- ビタミンE・ビタミンB1・ビタミンCは体を温める
- 冷え性はホルモンバランスの乱れや血行不良が原因
体を温める食べ物の特徴6つ!冷え性対策におすすめ
東洋医学・漢方では、健康維持の基本は食べ物にあると考えられています。さらに食事によって健康的な体作りを目指す考え方を「薬膳」と言い、冷え性対策には日々の食事に薬膳の考え方を取り入れることが大切です。
そのため、体を温める食べ物を意識的に摂取しましょう。体を温める食べ物の特徴には次のものがあります。
体を温める食べ物の特徴
- 寒い地域が収穫地・原産地
- 冬が旬
- 発酵している
- 色味が暖色系
- 水分量が少ない
- 干物・乾物
以下では、体を温める食べ物の特徴について詳しく紹介します。
特徴1.寒い地域が収穫地・原産地
収穫地・原産地が寒い地域の食べ物は、体を温める傾向にあります。たとえば、さつまいもや小松菜、にら、チーズなどは体を温める食べ物のひとつです。
一方で、暖かい地域原産の食べ物は体を冷やす特徴を持つものが多いです。
特徴2.冬が旬
冬が旬の食べ物も体を温める傾向にあります。根菜類は冬に旬を迎えることが多く、根菜類には水分があまり含まれておらず、体温を維持するはたらきがあるミネラルが凝縮されています。にんじんやごぼうなどは体を温める代表的な根菜類です。
また、夏が旬の野菜は生で食べられることが多いですが、根菜類は基本的に加熱して食べられ、よく炒め物やスープなど温かい料理として食べられるという特徴があります。
特徴3.発酵している
発酵食品には体の新陳代謝を促進する酵素が含まれており、体を温めてくれる作用があります。大豆には体を温める・冷やす作用はありませんが、発酵させて納豆や味噌、醤油などにすると体を温める食べ物・食材になります。
このほか、チーズやキムチも体を温める発酵食品のひとつです。また、発酵して造られる日本酒も体を温める飲み物として知られています。
特徴4.色味が暖色系
食べ物の色味で体を温めるか見分けることもできます。暖色系の食べ物は体を温め、寒色系の食べ物は体を冷やすケースが多いです。かぼちゃやにんじん、りんごなどは暖色系で体を温める代表的な食べ物です。ただし、トマトや柿は体を冷やす特徴があり、暖色系の食べ物でも例外はあります。
また、発酵している食べ物・飲み物は茶色系になることが多く、発酵食品も色で見分けることが可能です。紅茶や中国茶、ほうじ茶(番茶)などは寝る前に飲むと体が温まり、眠りやすくなるとされています。
特徴5.水分量が少ない
水分量が少ない食べ物は、体を温める特徴を持っている可能性があります。根菜類は水分量が少ないことが多く、体を温める食べ物が多いです。
一方で、水分量が多い食べ物は体を冷やす傾向にあります。大根は冬が旬の根菜類ですが、水分が多いため体を冷やす食べ物に分類されます。水分量を見分けるために、柔らかいものよりも固い食べ物を選ぶのもポイントのひとつと言えます。
特徴6.干物・乾物
干物や乾物は体を温める特徴を持っていることがあります。野菜や果物は干すことで温める性質が強まったり、冷やす性質が弱まったりするケースが多いです。
バナナやマンゴーなどは南国原産のフルーツで、水分量も多く体を冷やす食べ物ですが、ドライフルーツにすることで体を冷やす性質が弱くなります。柿は干し柿に、大根は切り干し大根に加工することで、体を冷やす食べ物から体を温める食べ物に変わります。
【食品別】体を温める食べ物一覧
ここまで、体を温める食べ物の特徴について紹介しましたが、具体的にどの食べ物を食べればいいのか知りたい方もいるかと思います。以下では、体を温める食べ物を食品別に紹介していきます。
1.体を温める肉・魚|肉全般と赤身魚や青魚
体を温める肉・魚
- 牛肉
- 鶏肉
- 羊肉
- 赤身魚(まぐろなど)
- 青魚(あじなど)
肉や魚にはたんぱく質が多く含まれています。たんぱく質は筋肉になると同時に、エネルギーを作るために必要な栄養素で、エネルギーに変換される時に多くの熱量が生じて体を温めます。そのため肉は全般的に体を温める食べ物ですが、豚肉や馬肉は体を冷やす傾向にあります。豚肉は沖縄の郷土料理に使われることが多く、さらに鹿児島でも黒豚が有名です。暖かい地域で豚肉が好まれているという背景から、豚肉は体を冷やす食べ物として見分けることができます。
一方で、羊肉は体を温める肉の代表です。ジンギスカンとして北海道で食べられているほか、北欧やモンゴルなどの寒い地域で羊肉がよく食べられており、体を温めるはたらきがあることがわかります。
また、赤身魚や青魚は体を温める傾向にあり、白身魚は温めも冷やしもしないとされています。
2.体を温める野菜|にんじんやしょうが
体を温める野菜
- にんじん
- かぼちゃ
- ごぼう
- れんこん
- たまねぎ
- じゃがいも
- にら
- 山芋
体を温める野菜は土の中で育つ根菜類が多く、そのほとんどが黒色や赤色といった暖色系の色味をしており、さらに冬が旬のものばかりです。それに対してレタスやキャベツ、白菜、なすなどの地面の上で育つ野菜は、体を冷やす特徴を持つ傾向があります。
体を温める野菜か、冷やす野菜かどうかは、育つ環境で概ね判断することもできます。体を温める野菜はスープや煮物にするほか、味噌につけて生で食べるのも冷え性対策におすすめです。
3.体を温める果物|りんごやさくらんぼ
体を温める果物
- りんご
- さくらんぼ
- オレンジ、みかん
- ぶどう
体を温めてくれる果物は、寒い地域で採れるものが多いです。りんごは青森県で最も多く生産されており、2020年時の全国シェアは61%です。さくらんぼが最も多く生産されている地域は山形県で、全体の76%を占めています。例外として、オレンジやみかんは暖かい地域で育つ果物ですが、血行を促進して体を温めるはたらきがあります。
体を冷やす果物は暖かい地域で収穫されるものが多く、スイカやメロン、パイナップルなどが代表的です。
4.体を温める飲み物|紅茶やココア、赤ワイン
体を温める飲み物には以下のものがあります。
体を温める飲み物
- しょうが紅茶
- プーアール茶
- ルイボスティー
- ほうじ茶
- ココア
- 赤ワイン
- 日本酒
紅茶は茶葉を発酵させて作られるお茶で、体を温めるはたらきがあります。なかでもルイボスティーはノンカフェインなので、妊娠中の方でも気にせず飲むことが可能です。
酒類では、赤ワインや日本酒が体を温める飲み物のひとつです。赤ワインの原料はぶどうで、血流を促して体を温めるはたらきがある「ポリフェノール」が豊富に含まれています。日本酒の原料となる白米にはアミノ酸が含まれており、白米のアミノ酸には血管を拡張して体を温めるはたらきがあります。
5.体を温める香辛料|とうがらしや山椒、シナモン
体を温める香辛料
- 薬味野菜(ねぎやしょうがなど)
- とうがらし
- シナモン
- 山椒
香辛料は少量で体を温めてくれることが特徴です。なかでも、とうがらしやしょうがが代表的な香辛料です。しょうがには発汗を促す作用があり体の芯から温めてくれます。しょうがは紅茶と相性が非常によく、しょうが紅茶にシナモンを加えれば、体を温める効果がさらに高まります。また、とうがらしに含まれる成分「カプサイシン」は体を温めるホルモンの分泌に役立つほか、血流を改善して冷え性体質の改善に有効です。
以下の記事ではしょうがの効果や食べ方について紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。
体を冷やす食べ物・食材まとめ
冷え性体質の方は、体を冷やす食べ物にも注意しましょう。体を温める食べ物と冷やす食べ物の特徴の違いは次の通りです。
体を冷やす食べ物 | 体を温める食べ物 | |
---|---|---|
原産地・収穫地 | 暖かい地域 | 寒い地域 |
旬 | 夏 | 冬 |
色味 | 寒色系 | 暖色系 |
水分量 | 多い | 少ない |
体を冷やす具体的な食べ物には次のものがあります。
体を冷やす食べ物
- レタス
- キャベツ
- トマト
- きゅうり
- スイカ
- メロン
- 牛乳
- 化学調味料
- 白砂糖
体を冷やす食べ物は暖かい地域で収穫されるものが多く、寒色系の色味をしている傾向にあります。たとえばレタスやキャベツ、スイカは暖かい地域で収穫されることの多い食べ物で、水分量も多いです。
体を冷やす食べ物は冷え性体質の方には向いていませんが、夏バテ対策には有効です。詳しく知りたい方は下記の記事も確認してみてくださいね。
ビタミンには体を温めるはたらきがある
ビタミンE・ビタミンB1・ビタミンCには体を温めるはたらきがあります。ビタミンEは血管を広げて血流をよくし、ビタミンB1は代謝を促進してエネルギー生成を助け、ビタミンCは毛細血管の機能を維持する作用を持っている栄養素です。ビタミンの種類別に、体を温めるおすすめの食べ物には次のものがあります。
ビタミンE | うなぎ、ナッツ類、なたね油、あまに油、アーモンド |
---|---|
ビタミンB1 | 玄米、そば、大豆、卵 |
ビタミンC | アセロラ、ブロッコリー、パプリカ、柑橘類、緑黄色野菜 |
体を内側から温めるためには、血行をよくして代謝を整えておくことが大切です。冷え性対策のために、ビタミンE・ビタミンB1・ビタミンCが含まれている食べ物を意識的に摂ってみてはいかがでしょうか。
冷え性の原因は?体を温める食べ物を食べて冷え性対策しよう
冷え性対策を行うために、冷え性の原因を知っておきましょう。冷え性になる原因はさまざまですが、主に次のようなものが考えられます。
冷え症の原因
- 自律神経の乱れ
- ホルモンバランスの乱れ
- 血行不良
- 筋力の低下
自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れは、日々の生活リズムやストレスが関係しており、生活習慣が乱れると冷え性につながると考えられています。さらに、血行不良は食生活の乱れ、衣服の締め付けによって引き起こされるケースもあります。
特に女性はホルモンバランスが乱れやすいことから貧血になりやすく、筋肉量も少ないため、男性と比べて冷え性になりやすいです。手足の冷えや肩こりなど、冷え性の症状を感じたら体を温める食べ物を意識的に摂ることをおすすめします。
手軽に作れる!体を温めるおすすめ料理
冷え性の対策につながる料理を食べるなら、体を温める食材を使いましょう。体を温めるおすすめの料理には次のものがあります。
体を温めるおすすめ料理
- 根菜の入ったスープ
- みそ汁
- 焼き魚(赤身魚・青魚)
- ジンジャー入り紅茶
ごぼうやにんじんをはじめとした根菜類を効率よく摂取することができるスープは、体を温める料理におすすめです。しょうがやとうがらしなどの香辛料を少し加えると、相乗効果でさらに体を温める効果が期待できます。
発酵食品も冷え性対策に有効なので、日々の食事にみそ汁を取り入れたり、紅茶にしょうがを加えたりする飲み方もおすすめです。
まとめ
食べ物には体を冷やすものと体を温めるものがあり、冷え性対策するためには、体を温める食べ物を選ぶのがポイントです。根菜類や発酵商品は体を温める食べ物が多いので、本記事を日々の食事の参考にしてみてください。