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冬は北海道の郷土料理「三平汁」であったまろう!石狩鍋との違いも紹介

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北海道の郷土料理である三平汁は、身体を芯から温めてくれる道民のソウルフードです。北海道の特産品を余すことなく使った三平汁には、北の大地と海の実りが凝縮して詰まっています。

この記事では、三平汁がどのような料理なのか、歴史やレシピも合わせて紹介していきます。また、同じく北海道の鮭を使った郷土料理として有名な石狩鍋との違いも解説。ぜひ、最後まで読んでみてください。

この記事でわかること

  • 三平汁は塩漬けした魚を使った北海道の汁物料理
  • 塩鮭、塩ダラ、糠ニシンなどを用いる
  • 地域によって味付けが変わる
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

三平汁とは

三平汁

三平汁は、北海道に古くから伝わる郷土料理のひとつです。塩漬けした鮭・タラ・ニシンなどをつかった汁物の料理で、北海道全域で食べられています。

保存用に塩漬けした魚と根菜を用いた北海道の冬の定番料理です。家庭ではもちろん、北海道では寿司屋や定食屋などでも提供されています。

三平汁の歴史

三平汁は200年以上前から北海道で食べられてきたと言われる郷土料理のため、歴史に諸説あります。

続いて、三平汁の歴史についてみていきましょう。

諸説1.斎藤三平が振舞った汁

北海道では、冬の寒さを凌ぐために各家庭でさまざまな汁物が作られてきました。そんななか、松前藩(現在の北海道松前郡周辺)の藩主が斎藤三平という漁師の家で汁を振舞われたことが三平汁のルーツと言われています。

漁師である斎藤三平の家では、保存用に塩漬けしていた魚を使って汁物を作っており、藩主がこれを大層気に入ったそうです。そこで、斎藤三平の名前から「三平汁」と名付けられたという説があります

ここで登場している斎藤三平という漁師は、違う説では南部藩の家臣と言われることもあります。どちらにせよ、斎藤三平が三平汁のルーツに深く関わっている可能性は高いと言えるでしょう。

諸説2.三平皿に盛る汁

三平汁

汁ものと言えば、汁碗に盛るのが一般的です。しかし、塩漬けした鮭やタラ、ニシンやアラなどを使う三平汁は、汁椀では小さすぎてうまく収まりません。

汁がしっかりと盛り付けられるよう三平皿を使うことから、三平汁と呼ばれるようになったとも言われています。

ちなみに、三平皿とは少し深さのある皿のことですが、北海道や青森だけで使われる呼び方です。全国的には預け皿と呼ばれます。三平皿の名前の由来には「北海道の三平汁を盛り付けるのに丁度よい皿だから」という説もあるため、三平汁が先か、三平皿が先かは未だ謎のままです。

諸説3.アイヌ語の「サンペ」を使う汁

アイヌ民族の料理には「サンペのオハウ」という料理があります。オハウは燻製にして保存している鮭とジャガイモ、ダイコンなどの根菜を使った昆布と塩をベースにしているアイヌの伝統料理です

サンペとはアイヌ語で「心臓」をさし、鮭の心臓も含めて余すことなく使った汁物であることから「サンペのオハウ」と呼ばれています。サンペのオハウは、三平汁と大変似通っていることから、三平汁のルーツはサンペのオハウではないかと言われているのです。

三平汁にはどんな魚を使うの?

三平汁には、さまざまな魚を使います。地域によっても使う魚が異なりますが、基本的には、塩鮭、塩ダラ、糠ニシンが多いです。

それぞれの特徴についても紹介します。

塩鮭

塩鮭

北海道は鮭の一大産地として有名です。全国のサケ・マス類の水揚げ量のうち9割は北海道産と言われています。

そんな鮭を長期間保存するため塩鮭に加工したり、燻製や干物に加工したりすることも多いです。特に、鮭を日持ちさせるためには塩の量を多くし辛口や中辛口などにする必要があるため、焼き物として食べるには少々塩辛く感じてしまうこともあるでしょう。

三平汁は、手軽に保存食である塩鮭を使って作れる料理として、古くから道民に親しまれているのです。


塩ダラ

塩ダラ

北海道はスケトウダラの水揚げ量も多く、家庭では身近な魚のひとつとして好まれてきました。特に、スケトウダラからとれる白子は、保存技術が発展していない時代には廃棄されることも多かったそうです。

そこで、三平汁にスケトウダラや白子を入れて食べるようになった地域もあります。タラの場合は、塩ダラだけでなく生タラを使うことも多いそうですが、身崩れを防ぐために最初に多めの塩を振りかけて身を引き締めて使うのが一般的です。

タラのホクホクした身と、濃厚な白子が入った三平汁は、道民だけが食べられる絶品料理でした。

糠ニシン

ニシン

糠ニシンは、北海道発祥の保存方法です。ニシンの水揚げ量が多かった留萌沿岸地域では、ニシンを糠で漬け込んで保存食としていました。

糠ニシンは塩分濃度が高いため、魚の塩味だけで味付けする三平汁との相性抜群です。 糠漬けにすることで、ビタミンB1やB2も多く含まれるため、美味しいだけでなく栄養面の高さでも糠ニシンを使った三平汁が人気です。

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北海道発祥の郷土料理「三平汁」に使われるこの多い“糠にしん”は、通常は米ぬかで作られます。京都にしんそば用の身欠きにしんを製造する同社ならではの発想で、蕎麦に合うなら、そば糠も合うのでは?と商品開発。試行錯誤のうえ誕生した本商品は、北海道のそば製造所のそば糠を使用。蕎麦由来の香りと上品な口当たり、素朴でやさしい味わいに仕上がっています。

三平汁と石狩鍋の違い

石狩鍋

石狩鍋は石狩川周辺から発祥したと言われる鮭を使った鍋です。北海道の郷土料理として、現在も広く愛され冬の定番料理となっています。

三平汁と石狩鍋は、どちらも鮭を使った料理ですが味つけに違いがあります。

三平汁は塩漬けされた鮭を使い塩味だけで味付けするのに対して、石狩鍋は味噌で味付けをします。これが三平汁と石狩鍋の決定的な違いと言えるでしょう。 また、石狩鍋は味噌仕立てにするため、生鮭を使うことも大きな違いです。

三平汁は保存食としている塩鮭を使って手軽に作れる汁物である一方、石狩鍋は多く捕れた生鮭を消費する料理です。同じ鮭を使っているものの、ルーツが全く異なる料理と言えるでしょう。

三平汁は地域によって特色がある

三平汁は古くから伝わる郷土料理ですが、実は地域によってさまざまな特色を持っています。

例えば、道央や道東では塩鮭を使うのが一般的ですが、道北では塩ダラを使うことが多いです。そのほかにも、檜山地方では塩ダラを使って塩味ベースに仕上げる「塩三平」と塩鮭を使って味噌ベースで仕上げる「味噌三平」があります。

その他、家庭によっても個性がでる料理なので、食べる地域によってさまざまな三平汁を味わえるのも魅力のひとつです。

三平汁は酒粕を使わない

三平汁は基本的に昆布出汁と魚の塩味のみで味付けします。しかし、郷土料理として愛されるなかで、家庭によってオリジナルの作り方をすることも増えていきました。

特に、寒さの厳しい北海道では、より身体が温まるように三平汁に酒粕を入れる家庭も多いです。本来の三平汁には酒粕を入れませんが、濃厚でこっくりした味わいにしたい場合は酒粕を入れるのもよいでしょう。

三平汁のおすすめ人気レシピ

三平汁

三平汁は家庭でも簡単に作れる料理です。ぜひご家庭で、美味しい三平汁を作ってみてください。

材料

  • 塩鮭(塩ダラ・糠ニシンでも可)
  • 根菜(じゃがいも、にんじん、大根などお好みで)
  • こんにゃく
  • 長ネギ
  • 昆布(出汁用)
  • 料理酒
  • 生姜(すりおろしたもの)

これらの材料の他にも、きのこ類や豆腐など各家庭によってお好みの具材を入れてもよいです。

作り方

  1. 固く絞った濡れ布巾で昆布の表面をサッと拭いて、鍋に入れた水に浸けておく(30分~1時間程)
  2. 塩鮭や塩ダラ、糠ニシンは一度洗い流しておく
  3. 魚を一口大に切って、料理酒をふりかける
  4. 具材(根菜、こんにゃく、長ネギ)を適当な大きさに切っておく
  5. 鍋に鮭を入れて中火にかけ、沸騰直前で昆布を取り出す
  6. 具材を入れて15分程度煮込
  7. 生姜を加えて一煮立ちしたら火を止めて完成

味が薄い場合は少量の塩を加えてみてください。酒粕を入れる場合は生姜と同じタイミングで溶かし入れるとよいでしょう。

三平汁を作るときのポイント

三平汁を作るときには以下のポイントを押さえておくと、より美味しくなります。

【濃厚な出汁がでる】アラを使うとよい

鮭やタラのアラを使うと、より魚の出汁が効いた美味しい仕上がりになります。魚は骨部分から美味しい出汁がとれるため、アラを使うと風味高い三平汁ができるでしょう。

【生臭さを撃退】臭みとりをする

三平汁はシンプルな味付けのため、魚の臭みがでやすい料理と言えます。必ず調理前にしっかりと臭みとりをしましょう。

臭み取りには塩振りと霜降りがおすすめです。

塩振り

魚に塩を振りかけておくと、身から水分が抜け出ます。この際に出て来る水分に臭みの元が多く含まれているため、よく洗い流しましょう。

塩振りした魚をお皿などに置いてしまうと、流出した水分に浸って臭みが落ちにくくなるため、網の上やザルなどに置いておくのがおすすめです。

最後はしっかりと、キッチンペーパーなどで水分を拭き取ってから料理に使いましょう。

霜降り

魚をザルなどに置いて、上からサッと熱湯をかけます。

熱湯によって臭みの原因となる汚れが浮かびあがるので、最後にしっかりと流水や氷水で洗い流してください。仕上げに、キッチンペーパーなどで水分を拭き取ってから料理に使いましょう。

塩鮭を使うなら中辛口がおすすめ

塩鮭には辛口、中辛口、甘口がありますが、三平汁に使うのであれば適度に塩味が強いものを選ぶのがおすすめです。

中辛口なら、煮込んだ後も鮭に適度な塩味が残り、汁も身も美味しく頂けるでしょう。

【崩れ防止】生タラを使う場合は塩振りする

生タラは身が崩れやすいため、そのまま煮込んでしまうと切り身がバラバラになってしまいます。

必ず塩振りをしてから使いましょう。臭みが抜けるだけでなく、身がキュッと引き締まって崩れにくくなりますよ。

また、白子を入れる場合には、塩振りしたものを湯通しして氷水で引き締めるのがおすすめです。その後、三平汁に入れて使うのがよいでしょう。

まとめ

北海道の郷土料理「三平汁」について紹介してきました。保存食を使ったお手軽料理ですが、その味は絶品です。冷えた身体をポカポカに温めてくれる三平汁を、ぜひご自宅でも味わってみてください。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!