マルメロとは?食べ方や効能、カリンとの違いを解説

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黄色くてややゴツゴツした洋ナシ型の見た目が特徴的なマルメロ。食べた事がない人やマルメロを知らないという人も多いのではないでしょうか?主に長野や青森、秋田、北海道などで栽培されているマルメロには、さまざまな魅力が詰まっています。

この記事では、マルメロとはどのような果物なのか、食べ方や効能などを徹底解説します。栄養豊富なマルメロを美味しく食べたいという人はぜひ参考にしてみてください

この記事でわかること

  • マルメロはバラ科マルメロ属の植物でセイヨウカリンとも呼ばれる
  • かりんと似ているがうぶ毛の有無や葉の形が違う
  • マルメロにはさまざまな栄養があり、風邪の予防などにも用いられる
  • マルメロはジャムや果実酒など調理、加工して食べられている
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

マルメロとは?

マルメロとは?

マルメロはバラ科マルメロ属の落葉高木に実る果実です。セイヨウカリンと呼ばれることもあり、黄色くて洋ナシ型のゴツゴツした形が特徴的です。原産は中央アジアのイランやトルキスタンで、日本へは江戸時代に伝来されたと記録されています。

マルメロという名前はポルトガル語である「Marmelo」が由来となっており、江戸時代にポルトガルからの輸入品として伝わったため、ポルトガル語の名前が日本でも定着したのだと考えられます。

ちなみに、ポルトガル語のMarmeloには語源があり、ギリシャ語の「melimelon」が変形してMarmeloになったといわれています。melimelonは「蜂蜜のリンゴ」という意味がありますが、マルメロとリンゴは形や味などが全く違います。

マルメロは英語でなんという?

マルメロは英語でQuince(クインス)と言います。日本ではマルメロもクインスも同じ位の頻度で使われているため、マルメロと聞いてもピンとこないけどクインスなら分かるという人も中にはいるでしょう。

マルメロは漢字でなんと書く?

マルメロを漢字で表記すると「木瓜」という字が当てられることがあります。しかし、本来、木瓜(ぼけ)はマルメロとは異なる品種の植物です。木瓜はバラ科の落葉低木で、マルメロとよく似た緑色の樹の実「木瓜実(もっかじつ)」が実ります。

木瓜の他にも、「榲桲」と書いてマルメロと読むこともあります。

マルメロとかりんの違い

マルメロとよく似た果物に、かりんがあります。かりんは長野県の一部などで生産が盛んな果物で、バラ科カリン属の植物です。昔からマルメロとかりんは同じように扱われることも多いため、マルメロとかりんを同じものだと思っている人もいるのではないでしょうか。

マルメロとかりんは、形やうぶ毛があるかどうかを見分けることで違いがすぐにわかります。

マルメロとかりんの違い

マルメロは洋ナシに似た形をしているのに対して、かりんは楕円形です。さらに、マルメロの未熟な果実には全体にビッシリと短いうぶ毛が生えていますが、かりんはつるんとしています。

木になっているマルメロとかりんを見分ける時には葉の形で見分けることもできます。かりんの葉は縁がギザギザになっていますが、マルメロの葉はギザギザがなく楕円形の丸みがある葉をしています。樹木を観察すると、マルメロとかりんの違いは一目瞭然です。

マルメロの栄養と効能

マルメロにはビタミンや食物繊維の他、鉄、カリウム、マグネシウムなどさまざまな栄養素が含まれます。抗酸化作用が高く、免疫力を高める効果が期待できることから民間療法のように「のどの痛みにはマルメロ」と、古くから風邪予防などにも活用されていました。

近年はマルメロの種に含まれるクインスシードエキスの高い美容効果が注目されています。クインスシードエキスの高い保湿性が肌に潤いを与えるとされ、化粧品などに用いられています。

マルメロの人気品種

かりんは品種がごくわずかなのに対し、マルメロにはさまざまな品種があります。日本で多く栽培されている人気品種は「チャンピョン」「スミルナ」「アップルクインス」など。

その他イギリスで広く愛されている「Vranja」という品種や、マルメロの品種の中でも特に品質がよいと言われる「Sobu」という品種も存在します。

マルメロの旬

マルメロの旬

マルメロの果実は9~10月頃に実ります。これらの果実が成熟しきるのが約1ヵ月後です。マルメロは収穫後はすぐに市場に流通するため、10~11月頃が旬の時期と言えるでしょう。特に生産が盛んなギリシャなどでは、マルメロは秋の味覚として広く知られています。

マルメロの生産地

日本で最も多くマルメロを生産・出荷しているのは長野県です。その他、青森や秋田など比較的寒冷な地域で生産されています。

日本最北端の北海道でもマルメロが栽培されており、北斗市ではマルメロが特産品になっています。北斗市と言えば「怪しいゆるキャラ」としてSNSで話題になったずーしーほっきーが公認ゆるキャラとして知られています。

美味しいマルメロの見分け方

美味しいマルメロの見分け方

よく熟したマルメロを選ぶには、以下のポイントをチェックしてみてください

  • 皮に傷のないもの
  • 茶色っぽく変色していないもの
  • 緑色の部分が少ないもの
  • 匂ってみて香りの強いもの

マルメロは、よく熟したものほど強く香ります。その香りは豊潤で爽やかさが感じられ、古代ギリシャでは口臭を甘く爽やかにするためにマルメロを食べていたそうです。

マルメロは生で食べられるの?

マルメロは生で食べられるの?

マルメロは、強い酸味と独特な渋みがあるため生では食べられません。 また、繊維質でとても硬いため、基本的に加熱して調理・加工したものが食べられています。

マルメロは加熱すると実が柔らかくなり渋みや酸味が飛び、強い香りと爽やかな風味を楽しむことができますよ。

マルメロのおすすめの食べ方

続いては、マルメロのおすすめの食べ方について紹介します。定番の食べ方から、ちょっと変わった食べ方まで、さまざまな方法でマルメロを味わってみてください。

ジャム

マルメロのジャム

世界各国で愛される、マルメロ定番の食べ方はジャムです。たっぷりの砂糖とマルメロを煮込んで作ったジャムは香り豊かでパンやスイーツ、お菓子作りなどにも使われます。

はちみつ漬け

マルメロは、喉の痛みを抑える効果があると言われているため、はちみつ漬けにするのもおすすめです。特に生産が盛んな地域では秋に収穫したマルメロを、冬に向けて風邪予防のためはちみつ漬けにしておく家庭も多いそうです。

温かいお湯で割ると、マルメロの爽やかな香りと蜂蜜の優しい甘味がじんわりと広がり、体を芯から温めてくれる飲み物になります。

シロップ

香りの強いマルメロは氷砂糖で浸け込んでシロップにすることもできます。水や炭酸で割れば、手軽にマルメロジュースが作れますし、ゼラチンを混ぜてゼリーにすることもできます。

マルメロのシロップはヨーグルトとも相性も良く、甘味と風味をしっかり楽しめるのが魅力です。

ゼリー

マルメロには豊富なペクチンが含まれています。ペクチンは植物に含まれる食物繊維の一種で、ゲルのように半固形化するのが特徴です。

多くの場合ゼリーを作る際には、ゼラチンを使って果汁を固めますが、ペクチンの豊富なマルメロは砂糖を混ぜるだけでゼリーのように固形化します。

加熱したマルメロに砂糖を加えて煮詰め冷やし固めたゼリーは、イギリスで「クインスチーズ」と呼ばれる朝食の定番メニューのひとつです。

ピューレ

マルメロは、煮詰めて柔らかくした後にミキサーなどで細かくすればピューレとして楽しむこともできます。

優しい味わいと爽やかで香り高いマルメロピューレは、フルーツソースとしてアイスクリームやヨーグルトにかけて食べても美味しいです。

ジュース

繊維質で硬いマルメロですが、果汁がない訳ではありません。マルメロの果汁をジュースとして楽しむこともできます。

販売されているマルメロジュースには、一度シロップに加工してジュースにしたものと、マルメロの果汁を絞ってジュースにしたものがあります。購入する際には、どちらの製品なのかしっかりチェックしてみください。マルメロ本来の味わいを楽しみたい人には、生絞りジュースがおすすめです。

ワイン

近年、マルメロの香りの高さを活かしたワインが注目を集めています。優しい甘味と豊潤な香りのマルメロワインは、洋食和食問わずどんな料理にも合うとして人気です。

果実酒

マルメロは梅酒やフルーツ酒などのように、果実酒としてもよく飲まれています。氷砂糖とホワイトリカーで浸け込んだマルメロの果実酒は、すっきりと飲みやすく普段お酒をあまり飲まないという人にもおすすめです。

豚肉料理

マルメロは豚肉との相性が特に良く、マルメロの果実と塊肉を一緒に煮込んだり、マルメロジャムで浸け込んだスペアリブなども絶品です。甘味と風味が豚肉に移り、フルーティーな豚肉料理になります。

特産地だからこそ!ちょっと変わったマルメロの活用方法

特産地では、他の地域では見られない変わった方法で収穫物を活用することがあります。マルメロにも、特産地だからこそ見られる変わった活用方法がありました。

今回は、北海道北斗市のマルメロの活用方法を紹介します。

車の芳香剤

多くの果物は、皮を剥いたりカットしたりすることで香りが増しますが、マルメロはそのまま果実を置いておくだけで芳香剤代わりになる位、強く香ります。

この特徴を活かして、車にマルメロを置いておき、車内の芳香剤として活用することがあるそうです。車内が爽やかな香りで満たされれば、運転中も気持ち良く過ごせるでしょう。

入浴剤

香り高いだけでなく、シード(種)オイルに高い保湿成分が含まれるマルメロは入浴剤として使うのもおすすめです。

ゆず湯のように果実をそのまま湯舟に浮かべるのも良いですが、食べる時に剥いたマルメロの皮を目の細かいネットに入れたものでも充分です。湯上りは肌がしっとりと潤いますよ。

マルメロの保存方法

マルメロはすぐに食べる場合常温保存が可能です。常温の場合、3~4日以内に食べきるようにし、保存している間は新聞紙などに包んでおくと乾燥しにくく香りを保ちやすいでしょう。

それ以上保存する場合には、新聞紙に包んだ状態でポリ袋などに入れ冷蔵庫の野菜室で保存します。黄色の色味が強いものや香りが強いものほど熟しており、保存中に傷みやすいため、熟しているものから先に使っていくようにしましょう。

冷蔵庫で保存する場合も1週間以内には使い切るのがおすすめです。それよりも長期保存したい場合はジャムや果実酒などに加工してください。

まとめ

今回は珍しい果物マルメロについて紹介しました。抗酸化作用や免疫力を高める効能は、美容や健康のためにも積極的に摂りたいところです。

ぜひ、秋に旬を迎えるマルメロを、果実酒やジャム、豚肉料理などさまざまな方法で味わってみてはいかがでしょうか。また、車の芳香剤や入浴剤など生活に癒しを与えてくれるアイテムとして活用するのもおすすめです。

美味しくって香り高い魅惑のくだものマルメロ。これまで食べたことがないという人も、一度味わってみてはいかがですか。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!