函館ワインをお土産にするならコレ! 地元民が選ぶおすすめの1本と合わせたい料理
北海道では明治時代にぶどうの栽培が始まり、それと同時にワイン造りが開始されました。現在、道内各地で多数のワイナリーが凌ぎを削っており、それぞれに個性あるワインを醸造しています。開港から西洋文化が根付く、道南の函館にも地元民に長く愛され続けているワインとワイナリーがあります。
本記事では函館ワインの歴史や特徴、ワイナリーについてご紹介。おすすめワインやマッチする料理も解説していますので、参考にしてみてください。
函館ワインとは?
ワインの本場・ヨーロッパの産地と気候、土壌、地形が似ていると言われる函館市。西洋の技術や味覚をそのまま模倣するのではなく、函館市では、日本人のライフスタイルを意識したカジュアルながらも本格的なワインが作られています。目指すは日本人の味覚に合う「日本ワイン」なのだそう。
函館ワインの歴史
函館ワインの歴史は幕末まで遡ります。1865年に、当時の函館奉行がプロシア人(プロイセン人)のガルトネルに西洋式農業の許可を与えたそう。そして1882年にブドウの栽培品種のひとつであるコンコードが栽培され、ワインが製造が開始されたという記録が残っています。
1929年には函館の森町で複数の果樹園が開園し、さらにワイン造りが盛んになったようです。
函館ワインの産地と品種
函館ワインとは“函館エリア”で生産されたワインの総称で、産地もいくつかあります。
その中のひとつである七飯町は、幕末の頃にブドウが造られた地。気候は比較的温暖で降水量も一年を通して多くなく、ブドウの栽培に適しています。七飯町では、おもにキャンベル種やナイアガラ種が栽培されています。
函館で人気のワイナリー「はこだてわいん」
「はこだてわいん」は、1973年に「駒ケ岳酒造」として設立。道南の有名観光スポット・大沼国定公園にほど近い七飯町に工場を構え、現在もワイン造りに取り組んでいます。
高度なワインの製造技術によって、国産ワインコンクールにおいて、金賞と部門最高賞をそれぞれ2度受賞するなど高い評価を得ており、北海道で唯一“ISO9001”に基づく品質管理体制を構築しているのも特徴です。
名称 | 株式会社はこだてわいん |
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住所 | 北海道亀田郡七飯町字上藤城11番地 |
アクセス | JR函館駅から国道5号線経由で車で約30分 |
電話番号 | 0138-65-8115 |
見学 | 無料 ※1日3回(10名以上は要予約) |
試飲 | 無料、随時 |
公式サイト | https://www.hakodatewine.co.jp/ |
はこだてわいんの代表的なワイン
「はこだてわいん」には、メーカーの顔といえるワインが6種類あります。料理や食事シーンに合わせてワインを選ぶと、より美味しく楽しめます。
それでは一つずつ紹介していきますね。
テーブルワインにおすすめ
日常使いしたいワインを紹介します。
年輪(赤・白)
はこだてわいんを象徴するテーブルワインとして、地元函館の人々から愛され続けているのが「年輪」です。ラベルの中央に描かれている年輪のデザインは、発売当初から変わっていません。北海道の食材に合うワインとして、心地よい酸味と柑橘系や青リンゴの繊細な香りが特徴の辛口ワイン。
プロムナード 赤(夜景)
世界三大夜景の函館山からの夜景をモチーフにした本格的なテーブルワインで、ラベルには函館の夜景が輝いています。癖のない風味とスッキリとした後味が特徴的で、微かにフルーティーさも感じられる気品のあるワイン。常温でも、冷やして飲んでも美味しくいただけます。
酸化防止剤無添加ワイン
酸化防止剤を一切使用せずに造られたワイン。厳選された素材の風味を活かすため、徹底した管理のもとで製造されており、同社自慢の自然派志向のワインです。
キャンベルアーリー(赤)
北海道産キャンベル・アーリーを100%使用し、生果実から丁寧につくられた無添加ワイン。いちごを想わせる甘い香りと爽やかな酸味の調和がとれた自然派志向ワインで、冷やしてからいただくと、柑橘系の果実の香りと味を楽しめます。
ナイアガラ
北海道で収穫されたナイアガラ種を100%使用しており、フレッシュで華やかな果実の香りと洋梨のような甘さが特徴の甘口のワイン。飲み口の爽やかさから女性の間で人気が高いワインです。
道民イチオシ「北海道100シリーズ」
北海道産の原料にこだわった「北海道100シリーズ」は、ワイン専用の品種を100%使用した本格的な口当たりを贅沢に堪能できるワインが揃っています。
ドルンフェルダー
厳選された農家が栽培した北海道産のドルンフェルダー種を使用しており、北海道産ではめずらしいフルボディタイプで、肉料理全般によく合います。2016年に日本ワインコンクールの欧米系品種赤部門で銀賞を受賞しています。
ピノ・ノワール2018
北海道余市町の契約農園で収穫されたピノ・ノワール種を100%使用して、原料の栽培から醸造まですべてにこだわったワイン。淡いルビー色で、気品溢れる果実味と滑らかな余韻は日本人好みです。
しばれづくり製法のワイン
葡萄を凍結させて搾汁する「しばれづくり製法」で醸造される、高級デザートワインの数々。葡萄の果汁成分が濃縮して醸造されていて、甘さ、酸味、香りを奥深く楽しめるものばかりです。
しばれづくりケルナー(白)
北海道余市町産のケルナー種を100%使用しており、2018年に日本ワインコンクールで銀賞を受賞しています。甘み、酸味、芳醇で華やかな香りが印象的で女性に人気です。
ナイアガラしばれづくり(白)
北海道産ナイアガラ種を100%使用したデザートワイン。しばれづくりならではの濃厚な味わいと、ナイアガラ種特有の豊潤な芳香が特徴で人気があります。
スパークリングワインもチェック
冷涼な気候ならではの特徴ある厳選された原料を100%使用し、キレのある酸味と、フルーツの豊かな香りがする飲み口すっきりのスパークリングワインをピックアップしました。
香り仕込みケルナー Sparkling
完熟したケルナー種を100%使用しており、果物本来の甘みとほんのり感じる酸味は、とても飲みやすくて食前酒にもぴったりです。スパークリングワインの独特のシュワシュワ感が心地良く、口当たりも柔らかいので飲みやすい一杯。
果実の特徴を活かしたフルーツワイン
函館ななえシードル
はこだてわいんの本拠地である七飯町で収穫されたリンゴを使った「函館ななえシールド」。りんご100%使用で、皮から丸ごと搾ることでもぎたて&丸かじり感を表現しています。泡がきめ細かく非常に繊細で、やや甘口でリンゴの酸味が感じられ、食事にも合わせやすいと評判です。
豊浦スイートいちごわいん
北海道豊浦産のイチゴを用いたイチゴワインをベースに、香り、酸味、甘みの調和がとれたフレッシュでフルーティーな甘口ワインなので、食前酒やデザートワインとしておすすめです。
函館ワイン全般に合う料理を紹介
ワインと料理の相性がぴったりと合った時、それぞれのおいしさはさらに増幅され、食事の時間ももっと楽しくなります。また、各地域で季節の旬の食材が豊富に存在する北海道では、ワインと料理の組み合わせも無限に存在します。
ここでは、函館ワインに合う北海道の美味しい素材や料理を紹介します。
北海道産のチーズ
ワインとの相性を語るうえで「チーズ」はやはり欠かせません。北海道は乳酸品が有名で、その中でもチーズは高い人気を誇り、たくさんの地元メーカーがあります。
ここではワインとの相性が抜群のチーズを紹介します。
ジャパンブルー おこっぺ
興部町にある「富田ファーム」が手がけるアオカビのチーズ「ジャパンブルー おこっぺ」。栗やサツマイモを思わせるねっとりとした質感と濃厚なコクが特徴です。甘口の白ワインや赤ワインを合わせると、ワインの優雅な甘さと酸味が、強いチーズのコクと見事に調和します。
モッツアレラ
白糠の「酪恵舎」の「モッツアレラ」は表面は艶やかで、モチモチとした弾力があり、口に入れるとミルクがあふれ出ます。すっきりとした味わいの辛口の白ワインと合わせると、より風味が深まります。
牛肉料理
北海道にもたくさんのブランド和牛がありますが、木古内町で生産されている「はこだて和牛」は、清潔な環境の中で丹精込めて育て上げられた和牛です。じっくりと時間をかけて作る牛肉の煮込み料理には断然赤ワインが合います。濃いめの煮込み味と果実の甘みが感じられる赤ワインとの相性は抜群です。
ジンギスカン
北海道を代表する郷土料理ジンギスカンもワインとの相性抜群です。ラム肉独特の野趣ある香りや風味と、ジンギスカン独特の甘辛いタレには、脂を中和してくれる酸味が強い赤ワインが合います。
はこだてわいんが買える場所
はこだてわいんの本社・工場隣には、直営売店「葡萄館本店」があり、常時5種類以上の無料試飲やワイナリーならではの限定商品が販売されています。また、「金森赤レンガ倉庫」にあるはこだて明治館には、直営店「葡萄館西部店」があり、こちらも人気です。
それ以外にも、函館山ロープウェイや空港などのお土産物店、函館市周辺の量販店やスーパーなどでも購入が可能。公式サイトにはオンラインショップもあり、全国から注文できます。
まとめ
気候や土壌、地形などからワイン用のぶどう栽培適地として期待が高まっている函館。今後はますます函館産のぶどうを使い、函館で醸造される「新しい函館ワイン」が登場する日も近いでしょう。
ぜひワイン好きな人へのお土産や函館の思い出を語るアイテムとして、函館ワインを購入してみてはいかがでしょうか。