サクラマス(桜鱒)とは? 鮭との違いを知ろう! 旬や料理についても解説

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春が訪れるとき、海では桜色をした魚が回遊し始めます。それが「サクラマス」です。日本各地で春の訪れを告げる大切な存在として知られ、河口付近で群れをなして泳ぐ姿は、神々しさを感じるほどです。

この記事では、サクラマスの特徴やサケとの違い、捕れる場所や美味しい料理方法などを紹介します。

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サクラマスとは?

サクラマス

サクラマスとはサケ科サケ属の一種。寒い海に生息しており、日本ではオホーツク海沿岸での漁獲量が最も多く、国産のサクラマスの7割を占めているそうです。

また、サクラマスはサケと同様に降海型(こうかいがた)の魚で、産卵のために再び川に戻る習性があります。

名前の由来

サクラマスの名前の由来は、婚姻色が桜色であるからだと言われてます。また、川を遡上する時期が、ちょうど桜の開花と重なることから名付けられたという説もあります。

特徴・形態

サクラマスはサケと同じように、川で孵化したあとは海に出て、産卵のため再び川を遡上する降海型の魚です。

体型は大きく、全身が銀白色に輝いていて、背側には小さな黒点が散らばっています。メスの産卵期には薄いピンク色の模様が浮かび上がり、オスは上アゴの先端が下に曲がります。体長は30〜70㎝くらいで、寿命は3年ほどです。

食性

幼魚のころはプランクトンや水生昆虫、落下昆虫などを食べて成長します。海洋に出てからのエサはイカや小魚、オキアミなどのプランクトンです。

産卵

産卵は9〜10月頃で、産卵床は湧水性の河床ではなく、水通しの良い砂礫質の河床に産みます。ただ、サクラマスは産卵を行うと死んでしまいます。ちなみに、サクラマスのお腹に入っている卵の数は約4000個です。

白身魚なの?

サクラマスは白身魚です。身のピンク色はアスタキサンチンというカロチノイド系色素によるものです。アスタキサンチンは甲殻類などに多く含まれており、甲殻類のプランクトンを食べることで蓄積され、身が赤っぽくなります。

サクラマスとサケとの違いは?

サクラマスとサケとの違い

サクラマスとサケの違いは、生物学的に明確な区分はありません。それではなぜ「サケ」「サクラマス」という異なる種類の名前になったのでしょうか?

捕れる時期の違い

一般的に、サケは秋に水揚げされることが多いのに対して、サクラマスの水揚げの時期は春という違いがあります。この捕れる時期の違いで名前が分かれています。

身に含まれる脂の量

サクラマスは、サケと比較して身に含まれる脂の量が多いようです。旨味成分が詰まっているといえます。身も柔らかく、サクラマスのステーキやカマ焼きは絶品。その旨味を求めるファンも多いようです。

あいまいな生態で名付け

日本では、サケは海で獲れる大きなもの、(サクラ)マスは淡水で獲れる小さなもの、という大雑把な分け方になっています。種類がよくわからないうちに名前を付けたため、あいまいになってしまったようです。

サクラマスの主な生息地

サクラマス

サクラマスは太平洋北西部を中心に広く分布し、日本海では山口県以北、太平洋側では静岡県以北の本州、大分県をのぞく九州に生息しています。

北海道でよく捕れる場所

北海道の河川ではサケ・マス類の捕獲は年間を通して一切禁止。北海道で釣るサクラマスはすべて「海サクラマス」となります。ちなみに、サクラマスがよく捕れる場所は、川に遡上する前の海や河口付近です。

この項目では、北海道でよく捕れる場所を紹介します。

盃漁港 、 盃川河口海岸

泊村にある、盃(カブト)漁港~盃川河口海岸〜盃漁港カブト地区周辺。ところどころに岩礁などがあって、その周りをサクラマスが回遊していることがあります。

精進川河口海岸

蘭越町の精進川(ショウジンガワ)河口付近の海岸。尻別川河口までの砂浜までがポイントで、海岸近くまで回遊していることがあります。

岩内港東外防波堤

玉川という小さな川の河口から、岩内港の一番東側の防波堤あたりがサクラマスのポイントです。回遊が見られることがあります。

サクラマスを使った人気料理

サクラマスを使った人気料理

サクラマスを美味しくいただくには、脂がのった新鮮なサクラマスの選び方を覚えることが大切です。脂がのったサクラマスを選ぶ際のポイントは、魚の体高が高いものを選択するようにしましょう。また、鮮度という点では、強い弾力があるか、エラの色が鮮やかなのかという点も重要なポイントになります。

それでは、サクラマスを使った人気料理とレシピを紹介します。

サクラマスの刺身(ルイベ)

サクラマスの刺身(ルイベ)

北海道の名物グルメ「サクラマスの刺身」。

サクラマスの刺身を楽しみたいという場合は、十分に冷凍してから楽しみましょう(厚生労働省によると-20度で24時間の冷凍が推奨されています)。

作り方を簡単に説明

  1. サクラマスの水気をとって1〜2日間冷凍庫で保管する
  2. 解凍時に、完全に解凍される前に塩をかける
  3. サクラマスのルイベが完成

冷凍によって新鮮なまま旨味が濃縮されます。そして、少し凍った状態の時にいただくため、身がまだシャリシャリとしており、その歯触りと食感、濃い旨味を楽しむことができます。

サクラマスのマリネ

サクラマスのマリネは、サクラマスとお酢の相性が抜群で、さっぱりとしていて美味しいと人気です。

作り方を簡単に説明

  1. サクラマスは皮ごと食べやすい大きさに切り、塩を少々をふって5分ほど置く
  2. サクラマスから出てきた水分をふき取り取る
  3. フライパンにオリーブオイルを入れ、皮目から焼く
  4. ボールに玉ねぎ(みじん切り)を半分入れ、その上に焼いたサクラマスをのせる
  5. 残りの玉ねぎと鷹の爪をのせ、ポン酢しょうゆを加えて冷蔵庫で1時間ほど味を馴染ませて、完成

新玉ねぎを使うと、玉ねぎの旨味が増してさらに美味しくなります。

サクラマスの塩焼き

サクラマスの塩焼き

シンプルに塩焼きしたサクラマスは美味です。ぜひ塩焼きで晩の食卓に。

作り方を簡単に説明

  1. サクラマスの両面に塩を振り、魚焼きグリルで12〜15分焼き上げて完成

素材の味を堪能できる食べ方です。時間がない方にもオススメの料理。

サクラマスのムニエル

サケ同様に、サクラマスのムニエルも人気です。

作り方を簡単に説明

  1. サクラマスに塩を振り、小麦粉をまぶす
  2. フライパンにバター、にんにくスライスを入れて中火で加熱する
  3. 少し香りが出たところで、サクラマスを入れて焼いていく
  4. 5分ほど焼いたら裏返し、反対の面も焼くと完成

白身魚の王道の食べ方ですね。

まとめ

サクラマスは脂が豊かで身が柔らかなため、いろいろな料理に重宝される人気の魚です。また、サクラマスの価格はサケと比較すると漁獲量が少ないため、やや高くなっています。ただ、幻の高級魚としてファンも多く、味は絶品です。

一度は桜のように美しいサクラマスを美味しくいただきたいですね。

PREZO編集部
PREZO編集部
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