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トマトの旬は夏じゃない!? 一番おいしい季節とは

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真夏の太陽を浴びて真っ赤に実ったトマトの旬は夏!実は、それ間違いなんです。夏野菜のイメージがありますが、本当に美味しい時期は夏ではありません。この記事では、トマトが美味しい時期を詳しく解説。栄養素や選び方、調理方法、保存方法も紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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トマトってどんな野菜?

トマトってどんな野菜?

トマトは、世界中で食べられている野菜ですが、原産地はペルーやエクアドルなどアンデス山地と言われています。ラテンアメリカの原住民が食べていたそうで、コロンブスによって発見され、ヨーロッパへと広がっていきました。

日本に入ってきたのは江戸時代初期で、当初は食用ではなく観賞用の植物だったそうです。昭和に入ってからは食用として生活になじんでいきました。 古代メキシコ語の「トマトゥル」が名前の由来で、膨らむ果実という意味です。トマトといえば赤ですが、当時の人たちは膨らむことの方が印象深かったのかもしれませんね。

トマトの旬は年2回ある

トマトの旬は年2回ある

トマトは夏野菜に含まれることが多く、暑い夏が一番美味しくなると思われがちです。実際、トマトの栽培が始まったころは夏に食べられていましたが、実は夏はトマトの旬ではありません。

【味が良い】冬春トマトの旬は12月~6月

トマトは高温多湿の環境が苦手で、強い日差しや冷涼な気候の下でよく育ちます。そのため、夏の気候はトマトにとって厳しい環境。夏に種まきをして冬から春にかけて収穫されるトマトは、寒冷な気候でじっくりと時間をかけて育つため、大きく甘いトマトになります。

甘いトマトを味わいたいのであれば、冬春トマトの旬の時期である12月から6月にかけて収穫されるトマトがおすすめです。

【収穫量が多い】夏秋トマトの旬は7月~11月

高温多湿を嫌うトマトですが、夏の日差しはトマトをすくすくと成長させます。そのため、春に種まきをして夏から秋にかけて収穫される夏秋トマトは、非常に収穫量が多くなるのが特徴です。

冬春トマトに比べると成長スピードが早いため、糖度が上がるまで待つとトマトが育ち過ぎてしまいます。トマトが完熟する前に収穫することから、やや水っぽさや酸味が感じられるものが多いです。

ただし、近年の農業の発展により品種改良やハウス栽培などが行われ、夏でも美味しいトマトが収穫できるようになりつつあります。夏秋トマトでも品種や産地などで選ぶと、甘く美味しいトマトが食べられるでしょう。

トマトの収穫量ランキング

トマトの収穫量ランキング

トマトの主な生産地として知られているのが「熊本県」「北海道」「茨城県」「愛知県」「栃木県」です。しかし、トマトはハウス栽培が可能なため、比較的日本全国で栽培されています。

冬春トマトの出荷量ランキング

都道府県 出荷量
1位 熊本県 108,900t
2位 愛知県 38,600t
3位 栃木県 25,100t

農林水産省の作物統計調査によると、冬春トマトの出荷量1位は熊本県でした。全国の出荷量が359,100tなので、冬春トマトの約3割は熊本県産ということになりますね。

ちなみに、北海道の冬春トマトの出荷量は9,660tです。

夏秋トマトの出荷量ランキング

都道府県 出荷量
1位 北海道 45,900t
2位 茨城県 29,700t
3位 岐阜県 19,700t

夏秋トマトの出荷量は、同調査によると北海道が1位でした。寒冷な北海道では美味しいトマトが夏にも収穫できることが理由のひとつとして挙げられます。

日本で食べられている主なトマトの種類

日本で食べられている主なトマトの種類

日本だけでも300種類以上の品種があるトマトは、種類の多い野菜です。トマトの種類は「色」「大きさ」「その他」という3つの基準で分けることができます。

【色】ピンク系トマト

日本で最も多く生食されているトマトはピンク系トマトです。皮が薄いため、皮ごと食べやすく、サラダなど生食に適しています。また、酸味や青臭さが少なく、甘みが強いものが多いことも人気の理由のひとつです。

ピンク系といっても、私達が想像するような桃色ではなく、店頭でよく見かける赤いトマトです。

【色】赤色系トマト

赤色系トマトは、私達が最もイメージしやすいトマトです。熟したような鮮やかな赤色になるのが特徴で、皮が厚く濃厚な味わいを感じられます。

酸味も甘みも強いため、生食に用いられる他トマトジュースや缶詰、ケチャップなどの加工用になる品種も多いのが特徴です。

【色】その他の色のトマト

ピンク系や赤系以外にも、黄色系トマトや緑色系トマト、黒色系トマトなどもあります。

黄色や緑色のものは、熟しても赤くならずそのままの色で出荷されます。カラフルで見た目がよくサラダ野菜として重宝されています。

黒色系のトマトは、日本ではあまり見かけることがありませんが、海外では比較的ポピュラーに栽培されています。あっさりしてトマト特有の青臭さが少ない品種が多いため、日本でも食べやすいトマトとしてSNSなど中心に話題です。

【大きさ】大玉トマト

【大きさ】大玉トマト

100g以上の大きさのトマトは大玉トマトに分類されます。カットして食べられることが多く、サラダ野菜の他、加熱調理に用いられるものも多いです。

代表的な品種に「桃太郎セレクト」「りんか409」「麗容」などがあります。

【大きさ】中玉トマト(ミディトマト)

【大きさ】中玉トマト(ミディトマト)

30gから60g程度の大きさのトマトは中玉トマトに分類されます。ミディトマトと呼ばれることもあり、カットして加熱調理したり、そのままサラダ野菜として出したりと、使い勝手のよい大きさのトマトです。

代表的な品種に「ソプラノ」「ルネッサンス」「フルティカ」などがあり、中には、緑と赤の縞模様をしている「ゼブラトマト」など、珍しい品種もあります。

【大きさ】ミニトマト

ミニトマト

10gから30g程度の大きさのトマトはミニトマトに分類されます。流通量が非常に多く、サラダの定番野菜としても好まれています。彩り野菜として添えられることも多く、黄色系や緑色系など、さまざまな色味の品種があるのもミニトマトの特徴です。

代表的な品種には「アイコ」や「トマトベリー」「キャロル7」などがあります。

【その他】加工用トマト

トマトは生食用と加工用に分けて栽培されることが多いです。加工用トマトは加熱して甘みが増すことを想定して酸味の強い品種が選ばれることが多いです。

また、生食用のトマトに比べて栄養価の高いものも多く、生食用よりも果肉部分が多い品種が加工用に選ばれています。

【その他】フルーツトマト

近年、人気が高まっているフルーツトマトは品種ではありません。フルーツのように糖度を高めて栽培されたトマトを指します。冬春トマトに分類されることが多く、品種によっては一般的なトマトの2倍以上の糖度をもつものもあります。

トマトに含まれる主な栄養

トマトに含まれる主な栄養

トマトは栄養豊富な野菜ですが、具体的にどのような栄養が含まれているのでしょうか。主な栄養と効果・効能をチェックしていきましょう。

リコピン

リコピンは、トマトの赤色の元になっている色素。緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンの一種で、抗酸化作用に優れています。肌荒れやシミ・シワなどの原因になる活性酵素に作用し、肌の調子を維持してくれるのが嬉しい効果です。似た働きを持つβ-カロテンやビタミンEよりも強い効果があるため、美肌づくりに取り組んでいる方は積極的に食べてみましょう。

β-カロテン

β-カロテンは、体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の調子を整えてくれます。リコピンと同じ抗酸化作用や免疫力向上効果もあり、肌や身体を健やかに保ってくれる栄養素です。ビタミンAに変換するのは不足しているときなので、摂りすぎにならないのも嬉しいポイント。

ビタミンC

ビタミン群の中でも、トマトにはビタミンCが多く含まれています。コラーゲンの生成や鉄の吸収を助けるのが主な働きです。コラーゲンは細胞と細胞とつなげるもの、鉄は赤血球の材料になるものなので、どちらも欠かせません。トマトを摂取すれば、ビタミンCを補うことができ、抵抗力を高めたり、動脈硬化を予防したりする効果を期待できます。

カリウム

カリウムは、ミネラルの一種です。神経の興奮や筋肉の収縮などを調整する働きがあり、塩分の排出にも関わっています。不足すると、脱力感や食欲不振などが起きやすいです。水溶性であるため、水を使って調理すると逃げてしまいます。カリウムを意識して摂取したいときは、生がおすすめです。

美味しいトマトを選ぶ5つのポイント

美味しいトマトを選ぶ5つのポイント

スーパーや八百屋さんに並んでいるトマトは、一つひとつに違いがあります。形、重さ、模様、ヘタの様子などは三者三様。その違いこそ、美味しいトマトを見極めるポイントです。目利きのコツを押さえて、たくさんのトマトから一番美味しいトマトを見つけ出してみましょう。

ポイント1.丸くて形が良い

丸いトマトは、中身がしっかり詰まっていることが多いです。表面がでこぼこしていたり、角ばっていたりすると、空洞ができていることが多く、食べてみて物足りなく感じることがあります。品種によっては丸くないこともあるので、その場合は形がきれいなものを選びましょう。

ポイント2.重みを感じる

手に持ったときに重みを感じるトマトは、美味しいことが多いです。いくつかトマトを手に取ってみて、一番重く感じたものを購入してみましょう。

ポイント3.筋が放射状に広がっている

お尻の先から筋が放射状に広がっていること

トマトの下側のお尻部分を見てみると、線が走っています。筋がはっきりしていて、放射状に広がっているものは糖度が高いことが多いです。この模様はスターマークと呼ばれています。より甘いトマトを食べたいときは、お尻の模様に注目です。

ポイント4.ヘタがピンとしている

新鮮なトマトか見極めるときは、ヘタの状態に注目しましょう。ヘタがピンと立っていて、色が良いものは収穫してからまだ時間が経っていない新鮮なトマトです。ヘタがしおれているものは、鮮度が落ちている傾向があります。

ポイント5.旬の産地から出荷されている

トマトは、全国で栽培されているため、品種はもちろんですが産地で選ぶと美味しいものを見つけやすくなります。同じシーズンに収穫されたトマトであっても、旬の終わり頃に収穫されたトマトは水っぽい味わいになりやすいため、南から北へと徐々に旬の時期を迎えていくと考えるとよいでしょう。

その時期に最も美味しいトマトが収穫できる産地のものを選んでみてください。

トマトの上手な保存方法

トマトの保存方法

トマトは、常温、冷蔵、冷凍、どの方法でも保存できます。購入してすぐのとき、青い部分があるときは、常温保存がおすすめ。15~25度の温度で収穫後も熟していきます。全体が赤くなったら冷蔵庫に入れましょう。

冷蔵保存は、トマトの歯ごたえを残しやすい保存方法です。熟す前に冷蔵することで、気持ちいい食感でトマトを食べられます。重なっているところから悪くなっていくので、トマト同士が接しないようにしましょう。

料理に使用する場合は、冷凍するのも方法のひとつです。冷凍によってうまみや栄養が閉じ込められ、約1ヶ月保存が利きます。解凍の手間が気になるときは、冷凍する前にカットしておくと楽です。

トマトをもっと美味しく食べられる食べ方

トマトをもっと美味しく食べられる食べ方

日本では、トマトと言えば生食をイメージする人が多いのではないでしょうか。あっさりした味わいと彩の良さからサラダ野菜として添えられているケースも多くあります。

しかし、実は世界でもトマトを主に生食するのは少数派と言われています。諸外国では加熱料理して食べることの方が多いです。それは、トマトのもつ旨味や甘み、コクが加熱することで増加して、より美味しく食べられるからです。

日本にはさまざまな生食して美味しいトマトがありますが、トマトの酸味や青臭さ、種の食感が苦手という人も少なくありません。それでも、トマトの栄養をしっかり摂りたい時には、ぜひ加熱して食べてみてください。
炒め物やスープとして食べると、トマトの甘みをより感じられ美味しく栄養が摂れますよ。

湯むきして皮を剥く

湯むきして皮を剥く

トマトを料理に使うときは、皮をむくのが基本です。湯むきは、皮が気持ちよくめくれる方法。お尻の部分に十字に切り込みを入れて、沸騰したお湯に入れると、切れ目から皮がめくれてきます。冷たい水で冷やしたら、切り込みから皮をむきましょう。口当たりが良くなり、なめらかなトマトを味わえます。

オーブンで焼く

トマトをオーブンで焼くと、余分な水分を飛ばすことができます。甘みや旨みだけが残るので、トマトの美味しさをストレートに感じられますよ。グラタンやドリアに乗せたり、ステーキや魚料理に添えたりするのがおすすめです。

煮込み料理でコトコト煮る

缶詰のホールトマトやカットトマトをカレーや煮込み料理に使っている方が多いのではないでしょうか。生のトマトを煮込み料理に使うときは、湯むきしてからカットするのがポイントです。

旨みや栄養を逃したくないときは、皮ごとミキサーにかけてから鍋に加えると良いでしょう。皮に含まれる旨みを逃さず、料理に入れることができます。

ミキサーでピューレにするのもおすすめ

ミキサーでピューレにするのもおすすめ

湯むきしたトマトをミキサーにかけると、トマトピューレができます。簡単な味付けでトマトソースになり、スパゲッティや魚料理、サラダなどに合うソースが完成。

レモン汁や塩を加えてミキサーにかければ、トマトジュースも手作りできます。栄養をサッと摂取でき、習慣にするとダイエットや美容に効果が現れるでしょう。

まとめ

トマトの旬は、実は春や秋です。夏のトマトよりも糖度が高く、味が濃いので、トマトそのものの味わいを存分に感じられます。そのまま食べても美味しいですが、オーブンで焼いたり、煮込んだり、ピューレにしたりしても美味しく食べられるのは、トマトの魅力です。
形や重さ、ヘタの状態、お尻の模様にも注目して、旬の時期に鮮度が高くて味の良いトマトを食べてみましょう!

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!