カーリングで再注目! 常呂町ってどんなところ?

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冬季オリンピック2大会連続で、日本代表となった女子カーリングチーム「ロコ・ソラーレ」。そのロコ・ソラーレが拠点とするのが、道東・北見市常呂町(ところちょう)。ロコ・ソラーレがオリンピックでメダルを獲得して以来、さらに注目を浴びています。

オリンピアン・カーラーを多く輩出している「常呂町」は、どのようなところなのでしょう。

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サロマ湖とオホーツク海に面する北見市

北海道のオホーツクエリアにある北見市。その北見市は、北見・端野(たんの)・常呂・留辺蘂(るべしべ)の4つのエリアからなる人口約11万4,000人の市で、常呂町は北見市で最も北にあるエリアです。

2006年、常呂町が北見市を“海のある市”に!

常呂町の街イメージ

かつては常呂郡常呂町という独立した町でしたが、市町村合併にともない2006年に北見市と合併し、北見市常呂町(常呂エリア)になりました。

北見市は、もともと玉ねぎ生産量が全国トップクラスなことで知られ、さまざまな農産物が栽培されています。そこへ日本で3番目に大きな湖「サロマ湖」とオホーツク海に面した常呂町が合併し、北見市は海のある市になりました。

絶景広がる流氷の町

常呂町の街イメージ2

オホーツク海に面した町といえば、思い浮かぶのは「流氷」。北海道の中でもオホーツク海に面した町ならではの自然現象です。常呂の冬の冷え込みは、北見市の内陸ほど厳しくはありませんが、沿岸部のため風が強く、1月・2月の最低気温はマイナス10度を下回るので体感温度はそれよりかなり低くなります。

毎年1月下旬~2月上旬になると、常呂の海岸から水平線の彼方まで一面の流氷で覆われます。この時期、海の中には流氷の天使といわれる「クリオネ」も。特に天気の良い日は、青い空と白い流氷のコントラストが絶景を作ります。3月下旬~4月上旬に流氷が去る「海明け」まで、約2カ月にわたってオホーツク海に敷き詰められたり漂ったりする流氷が見られます。

ホタテやカキ、毛ガニ…海の幸・湖の幸

常呂町の海鮮イメージ

「湖のあるところ」という意味のアイヌ語が由来の「常呂」。常呂が面したサロマ湖は、冬の「氷上釣り」でワカサギ・チカ・キュウリなどを釣る人が訪れます。

流氷が沖へ遠のき船が出せるようになる“海明け”後の春から秋にかけては、サロマ湖でホタテやシジミの養殖をおこなっており、オホーツク海でのホタテ養殖とともに、北見市を代表する特産品です。特にホタテは、常呂がホタテ養殖発祥の地といわれています。

また、オホーツク海の常呂漁港を拠点に秋サケ漁や毛ガニ漁も盛んで、北海道ならではの海産物が水揚げされることでも知られています。

ピンクにんにく

ピンクにんにく

海のイメージが強い常呂ですが、広大な畑が広がりジャガイモや玉ねぎなどの農作物の栽培も盛んです。なかでも注目されているのが「ところピンクにんにく」です。

北海道在来品種で、一般的なニンニクより栄養価が高いそう。1970年代には国内市町村でのニンニク作付面積1位だったほど栽培が盛んであり、明治時代から伝わる「ところピンクにんにく」は数量限定で9月に出荷されます。

日本のカーリング普及に大きく貢献

カーリングのイメージ

国内屈指のカーリング強豪チーム、ロコ・ソラーレを生んだ常呂町。日本でカーリングのクラブができたのは長野県(1936年)でしたが、1970年代後半に北海道で初めて池田町にカーリングが伝えられて以降、北海道は、姉妹都市のカナダ・アルバータ州との文化交流でカナダ人講師によるカーリング講習会を実施。このとき旧・常呂町民も講習会に参加し、その後、カーリング人口が増えていきました。

国内カーリング協会の先駆け

旧・常呂町では、カーリング講習会を受けた町民が手作りの用具とリンクでカーリングを町内で広め、そこから次第にカーリングを楽しむ町民が増えていきます。

積極的な普及活動により、北海道カーリング協会や日本カーリング協会の設立に先駆けて「常呂カーリング協会」が設立されました。

常呂エリアは学校授業でカーリング

カーリングのイメージ2

2018年の平昌オリンピック冬季競技大会では、常呂を拠点とする女子カーリングチーム「ロコ・ソラーレ」が銅メダル、2022年北京オリンピック冬季競技大会では銀メダルを獲得しました。その快挙に貢献したのは、練習環境。日本で初めて屋内カーリング専用リンクを作ったのは、旧・常呂町でした。

「常呂町カーリングホール」の完成により、旧・常呂町の小学校で体育の授業にカーリングを導入。その後中学・高校でもカーリング授業を導入し、町内すべての子どもがカーリングを学べる環境になりました。現在は、授業のほかに講習会も開催されています。

町の人々の熱意と練習環境の整備により、旧・常呂町のカーリング選手層は厚くなっていきます。そして1998年の長野オリンピック冬季競技大会でカーリングが正式種目となることを機に、町では「常呂町からメダリストを」という機運が高まり、同大会では男女の選手10名中5名が旧・常呂町出身という快挙につながりました。

その後もカーリング環境の整備は続き、2013年に国内最大級の「アドヴィックス常呂カーリングホール」をオープン、2020年には、さらに競技力向上のための動作測定システムなどを導入したカーリング専用屋内競技場「アルゴグラフィックス北見カーリングホール」がオープンしました。

これは欲しい! カーリングモチーフのアイテム

思わず応援したくなるロコ・ソラーレの選手のみなさんですが、ロコ・ソラーレの応援グッズ以外にも、北見市民をあげてカーリングを盛り上げていこう! という思いが伝わるカーリングアイテムがたくさんあります。

カーリングストーンストラップお守り

常呂神社 カーリングストーンストラップお守り おみくじ付

女子カーリングチーム「ロコ・ソラーレ」が、オリンピックの必勝祈願に訪れた神社です。ロコ・ソラーレゆかりの場所としてはもちろん、注目を浴びているのが常呂神社の授与品です。「カーリングストーンストラップお守り おみくじ付」は、カーリングストーン6色(赤・黄・緑・青・紫・ピンク)から選べます。

住所 北海道北見市常呂町63
アクセス JR北見駅より車で約50分
女満別空港より車で約40分
札幌より車で約4時間20分
公式SNS https://www.instagram.com/tokoro_jinja/

カーリングストーンベーグル

JR北見駅近くのベーグル専門店「オホーツクベーグル」は、オホーツク産小麦を使用したベーグルを販売。玉ねぎの生産で有名な北見市ならではの「北見産オニオン・バジルベーグル」など、地元食材を使ったベーグルが人気です。

平昌オリンピックでロコ・ソラーレが銅メダルを獲得して発売した「カーリングストーンベーグル」も人気。常呂産ビーツや佐呂間町産カボチャなども使ったベーグルで、お店は商品が売り切れ次第クローズするので来店はお早めに。

住所 北海道北見市泉町1-4-28
営業時間 10:00~14:30(売切れ次第閉店)
定休日 日曜・月曜日
アクセス JR北見駅より徒歩約10分
女満別空港より車で約35分
公式サイト https://ohobagel.ocnk.net/

カーリングポット

カーリングポット

常呂町にある窯元「流氷窯」は、流氷をモチーフにした「流氷焼」の作品を制作しています。特徴は地元の粘土や釉薬に特産のホタテ・カキ・海藻を取り入れているところ。ここで製作しているシュガーポットやキャンディポットにぴったりの「カーリングポット」は注目の人気作品です。数に限りがあるので売り切れることがありますが、流氷窯のギャラリーで販売しています。

住所 北海道北見市常呂町土佐2-34 手芸の館
電話番号 0152-54-2272
営業時間 9:00~17:00
定休日 月曜日 *祝日の場合は営業、翌平日休み
アクセス JR北見駅より車で約50分
女満別空港より車で約50分
札幌より車で約4時間15分
公式サイト http://tokorollc.sakura.ne.jp/

SODAね~キャンディ

「流氷飴」や「ハッカ飴」で知られる永田製飴が作っている「SODAね~キャンディ」。ソーダ味のキャンディは、北見市応援キャンディとして作ったそう。カーリングをモチーフにしたパッケージで、お土産におすすめです。北見市内の「コミュィテープラザパラボ」などで購入可能です。

永田製飴株式会社 公式サイト https://www.nagata-candy.jp/

常呂町を体感できるスポット

北見市常呂町には、ぜひアクセスしたい場所があります。そのいくつかをご紹介します。

サロマ湖に沈む夕日

サロマ湖に沈む夕日

常呂町が隣接する日本で3番目に大きい湖「サロマ湖」は、海水が侵入する汽水湖としては最も大きな湖です。夕日の名所として知られ、サロマ湖へ沈む夕日はオレンジ色の湖面と一体となって輝きます。

サロマ湖と夕日の景観を楽しむなら「サロマ湖サンセットパーキング」へのアクセスがおすすめです。

住所 北海道北見市常呂町栄浦(サロマ湖サンセットパーキング)
アクセス JR北見駅より車で約50分
女満別空港より車で約45分
札幌より車で約4時間10分
北見市観光協会 https://kitamikanko.jp/

ワッカ原生花園とサロマ湖ワッカネイチャーセンター

サロマ湖ワッカ原生花園

網走国定公園の一部でもある「ワッカ原生花園」は、国内最大級の原生花園で約20kmにもわたる海岸沿いのお花畑です。早春のエゾエンゴサクに始まり、エゾタンポポ・オオバナノエンレイソウ・センダイハギ・ハマナス・エゾスカシユリ・エゾフウロ…。300種以上もの植物が咲くといわれ、北海道遺産にも選定されています。

遊歩道やサイクリングコースが整備され、「サロマ湖ワッカネイチャーセンター」でレンタサイクルを借りて巡ると、まさに気分爽快です。

住所 北海道北見市常呂町栄浦242-1
アクセス JR北見駅から車で約50分
女満別空港から車で約50分
札幌から車で約4時間20分
公式サイト http://tokorollc.sakura.ne.jp/wakka/index.htm

アドヴィックス常呂カーリングホール

国内最大級の屋内カーリングホール。トップチームが練習や合宿に利用し、日本カーリング選手権大会も行われます。大会や練習、アイスメンテナンスなどによる臨時休館以外の日は、事前に予約をすれば一般の人も利用可能(1シート1時間1,400円ほか)。レンタルのブラシやスライダーなど用具一式(ひとり1回120円/税込)、防寒着(上下ひと組1回400円/税込)も利用できます。

住所 北海道北見市常呂町土佐2-2
電話番号 0152-54-1099
営業時間 10:00~22:00(日曜・祝日は~17:00)
定休日 月曜日
アクセス JR北見駅から車で約50分
女満別空港から車で約40分
札幌から車で約4時間20分
公式サイト https://seesaawiki.jp/w/curlingtokoro/

アルゴグラフィックス北見カーリングホール

2020年に完成した通年型のカーリング専用屋内施設(3シート)で、トップチームなどの練習や大会にも使用されています。一般の人が講師から指導を受けられるカーリング体験メニューがあり(1シート1時間1,400円ほか、用具使用料ひとり1回税込120円、指導料講師1名につき1時間税込2,500円)、体験希望日2日前の17時までに予約をすれば、初心者も本物のカーリングを体験できます。

住所 北海道北見市柏陽町603-14
電話番号 0157-57-6151
営業時間 10:00~22:00
定休日 火曜日
アクセス JR北見駅から車で約7分
女満別空港から車で約30分
札幌から車で約4時間
備考 体験講習は事前予約制
公式サイト https://www.kitami-curlinghall.info/

名産のホタテをお土産に

ホタテのお土産イメージ

常呂といえば、ホタテ。サロマ湖やオホーツク海で育ったホタテは、お刺身用の貝柱や、貝殻付きの活ホタテなどがあり、「ところ道の市」や「常呂漁協直売店」で購入や地方発送ができます。

また、おすすめのホタテに「帆立燻油漬」があります。こちらは「ところ・しんや直売店 貝の蔵」で手に入れることができます。

ホタテ商品が購入できるお店

  • ところ道の駅(北見市常呂町岐阜10-3)
  • 常呂漁協直売店(北見市常呂町東浜23-4)
  • ところ・しんや直売店 貝の蔵(北見市常呂町常呂45-6)

まとめ

日本のカーリングのメッカ、北見市常呂町。美しい自然景観を楽しんだり、カーリングを体験したり、おいしいものを探したり。春・夏・秋にもたくさんの魅力が詰まった町です。

writerprof_ichinomiya
市之宮 直子
フォトライター / コミュニケーション・アテンダント
小樽生まれ、江別育ち、札幌在住の「どさんこ」。取材記者時代には、釧路で道東ライフを満喫。近年は食と観光を中心に、北海道の魅力発信をライフワークとしている。Facebookページ“Photogenic Hokkaido”主宰。