一夜干しが絶品の氷下魚(こまい)ってどんな魚?旬の時期や食べ方を紹介

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凍りの下の魚と書いて氷下魚(こまい)、と読む魚がいることをご存知ですか? 北海道や東北では冬の珍味ともされ、古くから食べられている魚です。

今回は、そんな氷下魚について徹底解説。旬や生産地、おすすめの食べ方、珍しい食べ方、食べる時の注意点などを紹介します。最後には鮮度が落ちやすく入手の困難な氷下魚の購入方法についても紹介しているので、氷下魚を食べてみたい人はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 氷下魚はタラ目タラ科の魚
  • 大きさ(全長)によって呼び名が変わる
  • 日本の一大生産地は北海道
  • 氷下魚の旬は12~2月
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

氷下魚(こまい)とは

氷下魚(こまい)とは

氷下魚(こまい)は、タラ目タラ科に属する魚で別名を「寒海(カンカイ)」と言います。その名の通り氷の張った海の下でも生きることができる魚です。見た目がマダラに似ていますが、顎の小ささやひげの短さなどで区別できます。

氷下魚(こまい)は成長によって名前が変わる

氷下魚は大きさによって名前が変わる魚としても有名です。稚魚から体長15cmまでは「ゴタッペ」、15cm~25cmを「氷下魚」、25cm以上を「オオマイ」と呼びます。

氷下魚(こまい)はアイヌとも馴染み深い魚

「こまい」はアイヌ語で「小さな音がする魚」という意味を持ち、アイヌ民族が古くから食べていた魚として知られています。

特に、アイヌの代表的な魚の食べ方であるルイベ(魚を半解凍状態で食べるアイヌ民族の調理法)は、元々氷下魚を食べる際に用いられていた食べ方だったそうです。

氷下魚(こまい)の生産地

氷下魚は水深100m~200mほどの浅瀬で、比較的水温の低い海に生息しています。日本での主な生産地は北海道、世界ではロシアで多く水揚げされています。

氷下魚(こまい)の旬

氷下魚の旬は冬です。12~2月にかけて水揚げされる氷下魚には、白子や魚卵があり特に美味しいと言われています。元々、氷下魚は鮮魚を焼いて食べると水っぽく旨味に欠けると言われており、基本的に干物で食べられることが多い魚です。しかし、白子や魚卵は珍味として重宝されているため、産卵を控えた冬の時期が氷下魚の旬として鮮魚が多く出回るようになります。

氷下魚(こまい)の目利きポイント

氷下魚は足が早く、生産地以外の場所で鮮魚として流通することは珍しいですが、もしも鮮魚を目利きすることがあれば、白子や魚卵のあるものを選びましょう。また、目が澄んでいるものや、エラが鮮やかな赤色をしているものを選ぶのもポイントです。

できるだけ大きな物の方が味がよいとも言われています。

おすすめの食べ方

氷下魚は北海道や東北、関東で干物などが流通しています。しかし、鮮魚として出回ることが滅多に無いことや、関東以南ではあまり流通していないことから、食べ方が分からないという人も多いでしょう。

続いては、氷下魚のおすすめの食べ方について紹介していきます。

【おつまみにぴったり】一夜干しの炙り

一夜干しの炙り

氷下魚は一夜干しとして流通していることが多いです。そのため、一番おすすめな食べ方は、お酒のアテにもぴったりな一夜干しの炙り。魚焼きグリルやフライパンなどで軽く炙り、マヨネーズを付けて食べると美味しいですよ。

【丸ごと食べれる】唐揚げ

鮮魚を手に入れた時は、丸ごと食べられる唐揚げもおすすめです。頭と内臓を落としてしっかり洗い、水気を切った氷下魚に片栗粉をまぶしてじっくり揚げましょう。二度揚げすると、骨まで柔らかく1匹まるごと美味しく食べられる唐揚げに仕上がります。

【白子も味わいたいなら】煮付け

白子のついている氷下魚は、煮付けにするのがおすすめです。砂糖、醤油、お酒で甘辛く煮付ければ、フンワリした身ととろけるような白子を味わえます。ただし、氷下魚は元々身崩れの良い魚なので、長時間煮過ぎないよう注意しましょう。

【北海道の郷土料理】三平汁

三平汁

北海道の郷土料理である三平汁。本来は鮭やニシンなどの魚と野菜を煮込んで作りますが、氷下魚を入れて作るのもおすすめです。氷下魚は煮付けると身の甘みを感じやすいため、三平汁とも相性抜群。頭と内臓を落として、そのまま三平汁に投入して味わってください。

【意外とおすすめ】BBQ

BBQ

氷下魚の干物はガスで焼くのもよいですが、最もおすすめなのは炭火焼です。炭の香りが移り、より氷下魚の甘みや旨味を引き立ててくれるでしょう。そこでおすすめなのがBBQです。お肉を食べ終わった頃に、〆として氷下魚の一夜干しを焼いてみてください。さっぱりとした味わいがクセになること間違い無しです。

氷下魚の変わった食べ方

氷下魚の一般的な食べ方を紹介しましたが、一大生産地である北海道では変わった方法で親しまれています。続いては、氷下魚の変わった食べ方についてみていきましょう。

ルイベ

アイヌ民族にとってルイベ=氷下魚であったという説もあります。新鮮な氷下魚の頭と内臓を落とし、一度冷凍したものを半解凍状態で食べる氷下魚のルイベ。シャリっとした食感と、口の中で溶けて刺身になっていく感覚がクセになりますよ。

氷下魚子醤油漬

氷下魚子醤油漬

氷下魚子醤油漬けは、氷下魚の魚卵を醤油で漬けたものです。プチプチと弾けるのに、滑らかさを感じる不思議な食感が魅力の珍味。特有のマイルドな味わいは病みつきになること間違いなしの美味しさです。そのまま食べてお酒のツマミにするのもおすすめ。温かいご飯に乗せて食べてもおいしいですよ。

かんかい

かんかい

かんかいは旬の時期の氷下魚を氷点下の屋外で干したものです。昼間は太陽の熱でとけ、夜は氷点下の寒さで凍り、解凍と冷凍を何度も繰り返し何日もかけて干されます。かんかいは大変硬く、木槌で叩いて解したものを、炙って柔らかくしてから食べるのが一般的です。

元々は、かんかいとして流通していた氷下魚ですが、保存技術が発達した現代では一夜干しの方がメジャーになっています。

氷下魚の生食はダメ!

氷下魚は鮮魚をそのまま焼くと水っぽいと言われ干物の方が人気ですが、実は刺身にすると甘みが強く美味しい魚です。しかし、足が早い上にアニサキスが寄生していることも多く、いくら新鮮でも生食するのは大変危険だと言われています。

氷下魚を生食したい場合、一度マイナス20℃以下で24時間凍らせアニサキスを死滅させる必要があります。氷下魚を生食する際には、必ず冷凍して下ごしらえするようにしましょう。

どこで購入できるの?

氷下魚は大変足が早いため、干物で流通することが多い魚です。それも北海道、東北、関東では流通しているものの、関東以南では一気に流通量が減ります。

スーパーなどで購入するのは難しいでしょう。そのため、氷下魚を購入するなら、インターネットでお取り寄せしてみてはいかがでしょう。特に、北海道で水揚げされたばかりの氷下魚を新鮮な内に干物にしたものを選ぶのがおすすめです。

干物と言えど、新鮮で上質な魚から作られたものは味わいが全く違います。通販などで氷下魚をお取り寄せする際には、北海道で水揚げされた美味しい干物を選んでみてください。

まとめ

北海道で多く水揚げされ、干物として流通する氷下魚。大きさによって呼び名が変わり、アイヌ民族も古くから食してきた魚であることが分かりました。

干物の炙り以外にも、唐揚げや煮付け、ルイベ、魚卵の醤油漬けなどさまざまな食べ方ができる魚ですが、生産地以外では鮮魚を手に入れるのも難しいでしょう。まずは、手軽に入手しやすい干物で、氷下魚を味わってみるのがおすすめです。

通販のお取り寄せで、ぜひ自宅でも氷下魚を味わってみてください。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!