釧路のローカルフード「スパカツ」って何? どこで食べられる?
釧路が誇るソウルフード「スパカツ」。名前の通り、スパゲッティとトンカツを一緒に食べられるB級グルメですが、ただ組み合わせただけではありません。市民や全国にいるファンから愛され続けているのには、この2つの料理を一番美味しい状態で楽しめる密かな工夫があるからこそ。
耳にしたことはあるけど「スパカツって何?」という初心者から、北海道ツウの方まで、奥深いご当地グルメの世界にご案内。釧路で食べられるお店も見つかりますよ♪
この記事でわかること
- スパカツとは、鉄皿に乗ったミートソーススパゲッティとトンカツ
- 元祖スパカツが食べられるのは「泉屋 本店」
- お店によって味付けや内容が異なる
スパカツとは
スパカツとは、スパゲッティとカツレツ(トンカツ)を組み合わせた、釧路発祥のローカルフード。それぞれを食しても美味しくて満足感のあるグルメを、贅沢に合体させているのが魅力です。今でこそ、全国でも良く知られるようになったメニューですが、どのようにして生まれたのでしょうか。ここでは、スパカツの誕生の背景や味わいを紹介していきます。
釧路のレストラン「泉屋」で生まれたご当地グルメ
スパカツは、今も釧路でレストランを営む「泉屋」で生まれたグルメです。札幌のホテルで修行していた当時の社長・小泉俊一さんが故郷の釧路に戻り、レストランで洋食を振る舞ったのが始まり。
その頃の釧路では洋食は馴染みがなかったものの、鉄皿に乗せた最後までアツアツで食べられるスパゲティが一躍話題になりました。そこにトンカツを乗せるというアイデアから生まれたのがスパカツ。当時のメニュー名は「ミートソースポークカツレツ」でしたが、スパゲッティとトンカツで「スパカツ!」と注文されるようになり、その名が浸透していきました。
スパゲッティとトンカツでボリューム満点!
スパゲッティの上にトンカツが乗り、さらに上からミートソースがたっぷりかかっていて、見た目だけでもボリュームに圧倒されるのがスパカツ。普通のお皿ではなく、鉄皿で提供されるので、ソースがグツグツ、スパゲティとトンカツはアツアツで、最後まで温かい状態で食べられるのが嬉しいポイントです。
味の決め手は、こだわりのミートソース。たっぷりの玉ねぎをじっくり煮込んでから寝かすことによって、甘みやコクが存分に引き出されます。スパゲティとトンカツとの相性が良く、飽きることなく食べきれる絶妙な味わいです。
ボリューミーな見た目と満足感のある味わいに加えて、重量もずっしり。普通サイズでも満腹になるので、大盛は自信のある方だけの特権かもしれません。普段あまり量を食べない方や女性の方は、普通盛りからスパカツデビューするのがおすすめです。
元祖スパカツを食べられる「泉屋」とは
スパカツをこの世に生み出したのは釧路にある「泉屋」。北海道テレビ放送(HTB)の夕方ワイド番組「イチオシ!」で行われた企画「自分の街に1つだけ残したい味」では、3年連続でここのスパカツが1位に輝きました。スパカツを知るならやはり元祖は外せないところ。「レストラン泉屋」の歴史やスパカツの特徴、店内の雰囲気などを紹介します。気になる方はぜひ足を運んでみてください。
長年洋食文化を伝え続ける名店
「泉屋」は釧路にスパカツを生み出しただけではなく、洋食文化を伝えた重要なお店でもあります。開業した当時、洋食は身近なものではなく、「ポタージュ?」「マカロニ?」というお客さんがいれば、ピザを振る舞ったところ「そのまま手で食べろなんで失礼だ!」というお客さんもいたのだそう。
その頃は目新しかった洋食を作り続け、味わいを浸透させていったのは「泉屋」の功績なのではないでしょうか。ただ洋食を振る舞うだけではなく、スパカツのような「どうしたら美味しく食べてもらえるか」を考え抜いたメニューが、釧路の洋食文化の歴史を築いたと言えるかもしれません。
スパカツ以外のメニューも魅力的
「泉屋」で食べられるのはスパカツだけではありません。種類豊富な洋食メニューやお得なランチメニューなども提供しています。ハンバーグやステーキ、グラタン、オムライス、デザートなど豊富なメニューでお出迎え。フードメニューはどれもボリューム満点で、満腹になること間違いなしです。初めて訪れた時はスパカツ、次に来店した時は他のメニューにも目を向けてみましょう!
昔ながら雰囲気漂うレトロな店内
「泉屋」は、1950年代から続く歴史あるレストラン。現在の店内は、古き良きレストランの雰囲気が漂う佇まいです。レンガ調の壁面、歴史を感じるインテリア、ところどころに置かれている観葉植物などがレトロな空間を演出しています。ひとたび席に着けば、当時の様子を知らなくても、いつしか感じたような安心感に包まれるはず。スパカツはもちろん、店内の様子もぜひ楽しんでみてください。
スパカツ自慢の釧路の名店7選
スパカツが生まれた釧路では、レストラン泉屋以外にも、いくつかのお店でスパカツが振る舞われています。ここでは、スパカツを食べられるお店を7店ご紹介。店内の雰囲気はもちろん、スパカツもお店それぞれなので、気になるお店を決めても良し、食べ比べするのもおすすめです。
レストラン泉屋本店
初めてスパカツを食べるなら、元祖を味わえるレストラン泉屋 本店がおすすめ。釧路駅から徒歩20分程度の場所で、飲食店や居酒屋が軒を連ねる末広町に本店があります。鉄皿に乗ったミートソース、トンカツ、太麺のスパゲッティが絡み合い、ボリューム満点ながらもペロリと平らげてしまう絶妙な味わいが魅力です。スパカツ以外にも豊富なメニューがあります。元祖スパカツと気になるメニューをぜひ味わってみてください。
イタリア料理ポロネ
イタリア料理ポロネは、泉屋が運営するイタリアンレストランで、泉屋 本店の地下にあります。17時から夜22時30分までの営業となっていて、ディナーにぴったりの店舗です。泉屋直営ならではの元祖スパカツはもちろん、ピザやパスタなどの洋食が揃い、アルコールメニューも充実しています。たっぷり食べたい日の夜やお酒と洋食を楽しみたいときにおすすめの店舗です。
イタリア料理ポロネ
レストラン山彦
レストラン山彦は、釧路駅から徒歩で10分ほどの場所で営まれているお店です。50年以上の歴史があり、店主はレストラン泉屋で働いていた経験があるそう。ここのスパカツはカツの大きさが段違い!スパゲッティが隠れるほどのサイズで、トンカツではなくチキンカツを採用し、サクサクの衣の食感と柔らかい鶏肉を存分に楽しめます。ミートソースはピリ辛に仕上げ、ほどよく酸味が利いていて、飽きずに食べられる味わいです。
スパゲティーハウス ピレネ
スパゲティーハウス ピレネのマスターも泉屋出身。釧路駅から徒歩6分の場所にあり、「ミートソースカツレツ」という名前でスパカツを振る舞っています。丸い鉄皿に盛りつけられたミートソーススパゲッティは濃いめの味付けで、ケチャップをベースにしたソースの甘さと酸味がスパゲッティとマッチ。トンカツが隠れるくらいたっぷりかかったソースは、上手に食べても余ってしまうほどです。最後にソースだけで味わって、ピレネのスパカツの締めとしましょう。
ドリーム
ドリームは、レトロな雰囲気でどこか落ち着く町の洋食屋さんです。スパカツをはじめとして、シーフードスパゲッティやカレーライス、ハンバーグ、ビーフシチュー、グラタンなど豊富な洋食が揃います。スパカツは、細めの麺を使用したスパゲッティにカツを乗せ、玉ねぎとひき肉が利いたソースがたっぷりかかっているのが特徴。追いソースや粉チーズが用意されているので、味の変化を楽しみながら最後まで飽きずに楽しめます。
鶴居ノーザンビレッジHOTEL TAITO レストラン
鶴居ノーザンビレッジHOTEL TAITOは、自然写真家のオーナーが運営する鶴居村のホテル。源泉かけ流しの温泉やミニフォトギャラリーなどが多くのゲストを迎えています。レストランは宿泊客以外も利用でき、「カツミート」「メンチカツミート」「ハンバーグミート」といったスパゲッティ、そば、うどん、カレーなど豊富なメニューを用意。スタンダードな「カツミート」はもちろん、カツをメンチカツやハンバーグに変えた変わり種のスパカツを食べられます。
鶴居ノーザンビレッジHOTEL TAITO レストラン
軽食・喫茶エルム
軽食・喫茶エルムは、阿寒湖温泉にある喫茶店。アメリカンテイストなおしゃれな外観と同じように、店内もシックで洗練された雰囲気が魅力です。ここで食べられるスパカツは「ミートスパ」。細めのパスタに濃厚なデミグラスソースを合わせ、満足感のある味わいに仕上がっています。ご飯ものやお酒など豊富なメニューがあり、スパカツ以外のグルメも気になるはず。阿寒へのドライブや阿寒湖温泉の宿泊の際などにぜひ訪れてみてくださいね。