話題の古古古米（こここまい）とは？味や安全性・活用法を調べてみた

新米と古米の違い

日本政府が備蓄米として保管していた古古古米の販売をスタートしたことで話題になった「古米（こまい）」ですが、どのような米なのか皆さんご存知でしょうか。

新米はその年に収穫された米のことを言います。厳密には農林水産省によって以下のように定義されています。

※参考：農林水産省｜新米の表示の定義を教えてください

新米の収穫時期は、主に秋頃なので年内に包装された米だけが「新米」と表示されて流通します。一方、新米として収穫された米であっても翌年に包装された米は「新米」とは表示できないのです。（厳密には翌年11月1日以降に包装された米を「古米」と呼びますが、1月1日～10月31日までに包装された米は新米にも古米にも分類されないまま流通します）

前年に収穫（包装）された米を「古米」、前々年の米を「古古米（ここまい）と、保存年数分だけ「古」という字を増やして呼ぶことで、いつ収穫・包装された米なのか判断しやすくしています。

この米は何年前のもの？古米早見表

保存年を表す呼び方が一般的な古米ですが、一般の人が呼び方ですぐに何年産の米なのか判断するのは難しいでしょう。
以下は2025年6月現在を基準にした古米の早見表です。

この表からも分かるように、現在政府備蓄米として販売されている「古古古米」は、2021年産の米ということになりますね。

スマイルマルシェ

東神楽町北斗米「ゆきのつや」 白米5kg【令和6年産】

4,300円（税込）

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混植栽培米の北斗米ゆきのつやは、1品種のお米ではなく、5品種の種もみを1つの田んぼで混ぜて育てたお米です。画期的な作り方で、病害虫に強くなることから農薬を減らすこともできます。粘り・つや・甘みも向上した生産者にとっても食べる人にとっても嬉しいお米。

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備蓄米の基本ルールは5年保管。それより長く保管された米はある？

連日話題になっている古古古米は、日本の食料法に則って農林水産省で備蓄されたものです。

備蓄米は、米の安定供給が難しくなった場合に備えて、政府が米農家から直接米を買い入れて備蓄した米です。基本は特定の産地に限定せず、全国のさまざまな地域から買い取った米およそ100万トンを備蓄します。

基本的には最長5年間保管することと定められていますが、世の中の米の流通状況を確認しつつ3年を経過した米（古古古米）から毎年20万トンほどを市場に放出していくことが多いようです。備蓄米は、食用はもちろん加工用や飼料用など、さまざまな用途で販売されます。

※参考：農林水産省｜米の備蓄運営について②

つまり、政府では長くても「古古古古米」までしか備蓄していないということです。

余談ですが、米は保存年数に応じて「古」という字を追加していくため、「古古古古米」よりも長く保管された米も勿論存在します。Xでは2025年6月10日に「古古古古古古古米があった」というポストが話題になりました。自宅の蔵で平成30年度産（2018年）の米を見つけたそうですが、適切に保管されていなかったため食べられた味ではなかったとか。平成30年度産ともなると「古」が7つもついて「こここここここまい」と呼ばれます。

話題の古古古米って実際どうなの？

備蓄米については賛否両論ありますが、世間の評価は概ね「思ったより美味しい」「全然、食べられるお米」といった肯定的な印象です。味・風味などは後ほど詳しく紹介いたします。

米は生鮮食品のため、収穫してから時間が経てば経つほど品質が劣化します。収穫時間が経過することで米が劣化してしまうことを「古米化」と呼び、古古古米についても古米化が心配されていました。

米が古米化すると以下のような変化が見られることが多いです。

古米化は収穫した米ならどんな米にも起こることですが、適切に保管することで進行を遅らせることができます。政府備蓄米の場合、専用保管倉庫で適切な温度と湿度を維持して保管しているため、致命的な品質劣化には至らなかったようです。

【カビや虫は大丈夫？】古古古米の安全性

米は適切に保管しなければカビが生えたり、虫が湧いたりしてしまうこともあります。そこで、数年間保管された古古古米について安全性が気になる人もいるでしょう。

2025年6月19日時点では、政府備蓄米として放出された古古古米からカビや虫が検出されたというニュースなどは報じられていません。カビは温度が20～30度、湿度70％以上の環境下で活発に増殖すると言われています。

政府の備蓄米管理は、以下の状態で保存されているためカビは発生しにくい環境と言えるでしょう。

ただし、購入した備蓄米を家庭で保存する際に、カビが生えてしまう可能性はあります。購入時のチェックはもちろん、家庭でも適切に保管してカビが生えないように注意してください。古古古米の保管方法については記事の後半で紹介します。

また、米に沸く害虫として知られるコクゾウムシは15度以下の環境で米を保管することで、発生を防ぐことができると言われています。政府備蓄米として放出されている古古古米については、リスクが少なく安全に食べられると判断してよいでしょう。

古古古米は家畜の餌って本当？

備蓄米の放出にあたり、一部の米農家さんや政治家による発言について不安を感じたという人も少なくありません。「古古古米はもう一年経てば家畜の餌になるような米だ」といった発言などもあり、「家畜の餌と同等の米を食卓に届けるのか」と憤る人も多かったでしょう。

実際、古古古米は米の流通が安定している状況であっても年間20万トンほどが飼料用として販売されています。また、5年間保管された備蓄米は飼料用として売り渡されるようになっており、家畜の飼料とされていることは事実です。

しかし、これはあくまで食用米の市場を崩壊させないための施策であることも理解しておくとよいでしょう。実際に平成22年の調査結果では、平常時でも備蓄米を食用として販売していることが報告されています。

また、東日本大震災や熊本地震などの災害時にも、政府備蓄米を供給することで食料支援を行ってきました。このように、備蓄米は意外と身近に食べられてきた米と言えるのです。

平常時に新鮮で美味しいお米が適正に流通しているのであれば、不要となる備蓄米を飼料用として活用しており、品質の問題だけで飼料用になっている訳ではないことを改めて知っておきたいところですね。

※参考：農林水産省｜米の備蓄運営の現状と課題
※参考：農林水産省｜東日本大震災を踏まえての災害時に対応した備蓄

古古古米の特徴

今回、政府備蓄米として放出された古古古米については、安全に食べられるものがほとんどのようですが、気になるのは実際に食べた際の味や風味などの特徴です。

続いては、古古古米の特徴についてさまざまな口コミを参考に解説していきます。

古古古米の美味しい炊き方・食べ方

米が手に入らない現状で食べる分には、なんら問題ないと評価されている備蓄米。しかし、どうせ食べるなら美味しく食べたいですよね。

続いては、古古古米を美味しく炊くポイントを紹介します。

水は多少濁っていてもOK

洗米する際「水が透明になるまで洗う」という人も少なくありません。しかし、洗い過ぎてしまうと旨味や甘みなども流出してしまう可能性があります。古古古米には、特に甘み成分が少ないため、残った成分をなるべく残すのがポイントです。

水は2～3回取り換える程度にして、水が少し濁っている状態で炊飯しましょう。

チャーハンやパエリアにおすすめ！

古古古米は、炊き立ての香りや粘り気がやや弱くなる傾向がありますが、逆にその特徴を活かせる料理があります。代表的なのがチャーハンやパエリアです。

これらの料理では、水分が少なく、お米がパラっと仕上がることが重要。古古古米は新米に比べて粘りが出にくいため、フライパン調理でもベタつきにくく、粒立ちの良いチャーハンやしっかりした食感のパエリアを作るのにぴったりです。

「ごはんそのものの風味を楽しむ」というよりは、「具材やスパイスとの相性を楽しむ料理」に向いているため、古古古米を美味しく活用したいときは、ぜひ炒めご飯系のレシピに挑戦してみてはいかがでしょうか。

購入した備蓄米は安全に保管！古古古米の保存方法

適切な環境で保存された古古古米でも、購入後の保存状態が悪ければカビが生えたり虫が湧いたりしてしまうことがあります。家庭内で、衛生的かつ少しでも美味しい状態を長持ちさせるために以下の方法で古古古米を保存してみてください。

特に、米の酸化を防ぐことができる保存用袋に入れて冷蔵庫の野菜室に保管するのがおすすめです。袋から空気を抜けば酸化を防ぎ、冷蔵庫に保管することでカビや虫の発生を防ぐこともできます。

まとめ

今回は備蓄米として話題になった古古古米について紹介してきました。米は生鮮食品なので、収穫したてが一番美味しいのは当然ですが、適切に保管してたものであれば数年経っても安全に食べられることをご理解いただけたでしょう。

日本人にとって主食である米は食卓に欠かせない素材です。どうしてもブランド米などが手に入らないのであれば、古古古米に一手間加えて食べてみてください。

今回紹介した方法で古古古米を炊けば美味しく食べられますよ。ぜひ、試してみてくださいね。