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夏と言えば、盆踊り!北海道の盆踊りの特徴と、本州との違いについて

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夏の風物詩といえば、各地で開催される盆踊り。8月のお盆休みや、子どもの夏休み期間に参加したことのある方も多いのではないでしょうか。
全国様々な地域で行われる盆踊りですが、北海道の盆踊りには本州とは異なる特徴があるのをご存知ですか?

この記事では、北海道の盆踊りの特徴を、本州との違いとともに詳しく解説します。北海道の盆踊りを踊ったことがある方も、そうでない方も、「知らなかった!」ということが分かるかも?ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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そもそも、盆踊りって?

盆踊り

盆踊りとは、お盆に帰ってきた先祖の霊をもてなし、感謝を伝えて送り出すための行事のひとつです。
盆踊りの起源は諸説ありますが、平安時代に僧侶が仏教を広めようと、念仏を唱えながら踊ったことが始まりだと言われています。
次第に「踊り念仏」として全国に広まり、様々な習俗を取り入れ発展。その後、お盆の霊鎮め(たましずめ)の儀式と「踊り念仏」が結びつき、現代の「盆踊り」となったとされています。

北海道の盆踊り誕生の歴史

盆踊り

北海道の盆踊りの始まりは、当時炭鉱町として栄えていた、三笠市の幾春別(いくしゅんべつ)で歌われていた炭鉱歌をもとに作られたという「北海盆唄」です。
昭和34年(1959年)に「北海盆唄」は、歌手・三橋美智也さんの歌でレコードとなり全国発売されたことによって、広く知られるようになりました。

また、昭和27年(1952年)には、北海道教育委員会などの教育関係者の尽力により「子供盆踊り唄」が作られ、夏祭りで踊られるようになりました。

戦後生まれた「北海盆唄」と「子供盆踊り唄」という2つの盆踊り唄とともに、北海道の盆踊りは広がっていったのです。
この2つの唄については、後ほど詳しく解説します。

北海道の盆踊りは2部構成!本州との違い

盆踊り

北海道の盆踊りの特徴は、子どもが踊る「子供盆踊り」と、大人が踊る「北海盆踊り」の2部構成であることです。前半が子供、後半が大人と時間帯が分かれており、それぞれ1時間〜2時間ずつ踊ります。

もうひとつの特徴は、「子供盆おどり唄」と「北海盆唄」の2曲のみで行われることです。本州では、北海道のような特定の曲がない地域も多く、子供向けの盆踊りでは「ドラえもん音頭」や「アンパンマン音頭」などが交互にかけられているところもあるそう。同じ曲を繰り返して踊るスタイルは、北海道ならではと言えるでしょう。

さらに、この「同じ曲で踊り続ける」スタイルは、北海道のほとんどの地域で統一されています。道内の広範囲で同じ盆踊りが行われているのも、北海道の盆踊りの特徴です。

次からは、2部構成である北海道の盆踊りで流れる「子供盆おどり唄」と「北海盆唄」の特徴についてもみていきましょう。

子どもが踊る「子供盆おどり唄」

北海道の盆踊りで、子どもが踊るのは「子供盆おどり唄」。歌詞の中にある「シャンコシャンコ」という言葉にピンとくるのは、きっと道内出身の方でしょう。中には「“チャンコ“だったはず」という方もいらっしゃるかもしれません。

「子供盆おどり唄」が生まれた昭和20年代、当時流行していた盆踊りは大人向けの内容でした。そこで、北海道教育委員会などの教育関係者が中心となり「子どもが健全に楽しめるように」と生まれた唄が「子供盆おどり唄」。作詞者である坪松一郎さんは、当時北海道江別市の教員であったため、江別市野幌町にはこの唄の歌碑が今も残されています。

では、なぜ「シャンコ」と「チャンコ」、2つの歌詞があるのでしょうか?
それは昭和27年(1952年)に「子供盆おどり唄」が発表された後の平成7年(1995年)、オリジナル版とは異なる音源が発売されたことに由来しています。
平成7年に発売されたバージョンは、無断で歌詞の「シャンコ」を「チャンコ」に変え、歌詞を増やしていたそうです。当然問題となり廃盤にいたるのですが、発売されていた間に「チャンコ」が広まったのではないか、とされています。

紆余曲折ありながらも、現在では、北海道のほとんどの地域でオリジナルバージョンの「子供盆おどり唄」が使われています。

大人が踊る「北海盆唄」

「子供盆踊り」が終わった後、大人が踊るのが「北海盆唄」です。地域によっては「仮装盆踊り」として開催されるところもありますが、流れているのは「北海盆唄」です。

「北海盆唄」が北海道全域の盆踊りに広がったきっかけは、昭和34年(1959年)に歌手・三橋美智也さんがレコーディングして発売したこと。三橋さんは当時演歌歌手として絶大な人気を誇っており、「北海盆唄」は北海道のみならず、全国で大ヒットしました。

もしかすると、北海道以外の出身の方でも「北海盆唄」のメロディーを「聞いたことがある」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実はこの「北海盆唄」、かつて国民的人気を得ていたテレビ番組「8時だョ!全員集合」のオープニング曲の元ネタでもあるのです。テンポが違うので分かりにくいのですが、よく聞いてみると気づく方もいるのでは。興味のある方はぜひ調べてみてくださいね。

そのほか、独自の「盆踊り」

北海道の一部では「子供盆おどり唄」でも「北海盆唄」でもない、独自の唄で盆踊りを踊る地域や、「子供盆踊り」自体を行わない地域もあるようです。

たとえば、函館市で踊るのは「いか踊り」。「函館港まつり」での定番曲ですが、盆踊りでも使われているそうです。
また、札幌近郊にある小樽市の盆踊りでは「潮音頭」が定番だそう。小樽の夏の一大イベント「おたる潮まつり」で流れる曲でもあります。

このように、北海道には郷土に伝わる音頭や、独自の踊りを取り入れている盆踊りも開催されています。

北海道の盆踊り5選

ここからは、歴史ある盆踊りから一風変わった盆踊りまで、北海道の盆踊り5つをピックアップ!流れる曲は同じでも、地域による違いを感じられるかもしれません。ぜひ夏の北海道を訪れる際の参考にしてみてくださいね。

①北海盆踊り

北海盆踊り

「北海道の盆踊り」として広く知られているのが、札幌大通公園で行われる「北海盆踊り」です。昭和29年(1954年)に第1回さっぽろ夏まつり内で開催されてから、長年札幌に住む人たちに親しまれてきました。提灯などで華やかに飾りつけられた「やぐら」の周りを、子どもから大人まで囲んで踊り歩きます。

イベント名 北海盆踊り
開催場所 札幌大通公園西2丁目
住所 北海道札幌市中央区大通西2丁目
日程 2023年8月11日(日)~8月16日(金)

②くしろ市民北海盆踊り

くしろ市民北海盆踊り

2,000人以上が踊り手として参加するという「くしろ市民北海盆踊り」は、夏の終わりの風物詩。大人の部では、仮装、手踊り、フリースタイルと3部門に分かれて盆踊りが開催されます。観客の飛び入り参加もOK!太鼓の演奏とともに、踊り手と観客が一体となって楽しむことができる盆踊りです。

イベント名 くしろ市民北海盆踊り
開催場所 栄町平和公園
住所 北海道釧路市栄町6丁目9
日程 2023年8月19日(月)

③びばい歌舞裸(かぶら)まつり

「びばい歌舞裸まつり」は、平成6年(1994年)から開催されている、歌(うた)、舞(おどり)、裸(みこし)の3つを表現した一大イベント。例年約1万人が訪れる、美唄の夏の風物詩です。
こども盆踊りや仮装盆踊りのほかに、ステージでのよさこいやダンス、ライブパフォーマンス、飲食屋台など、盛りだくさんの内容が詰まった2日間です。

イベント名 びばい歌舞裸(かぶら)まつり
開催場所 美唄市役所駐車場
住所 北海道美唄市西3条南1丁目
日程 2023年8月3日(土)〜4日(日)

④永山屯田まつり

「永山屯田まつり」は、北海道北部にある市街地、旭川市の永山地区を代表する夏祭りです。地域に住む人たちの手作りによるお祭りですが、今では旭川市内だけでなく、道内外から多くの観客が訪れるイベントになっています。
特に夜に行われる「屯山(みやま)あんどん」と呼ばれる豪華な山車(だし)が、灯りとともに練り歩く姿は圧巻です。

イベント名 永山屯田まつり
開催場所 永山交流センター前特設会場
住所 北海道旭川市永山3条20丁目
日程 2024年7月27(土)~28日(日)

⑤三笠北海盆おどり

「北海盆唄」発祥の地とされている三笠市で行われる「三笠北海盆おどり」は、例年8月13日から15日までの3日間で開催されています。
「巨大やぐら」を囲んで踊る盆踊りはもちろん、三笠ならではの催しである「石炭カツギレース」や、約700発が打ち上げられる花火大会など、見どころ満載のイベントです!

イベント名 三笠北海盆おどり
開催場所 三笠市中央公園
住所 北海道三笠市幸町
日程 2024年8月13日(火)〜14日(水)

⑥宮の森納涼盆踊り

北海道神宮の北1条駐車場にて、丸太で組んだ櫓(やぐら)を中心に踊る伝統的な盆踊りです。
子供から大人まで楽しめる盆踊りで、焼き鳥やビールなどの屋台も並び、夏の想い出を華やかに彩ります!

イベント名 宮の森納涼盆踊り
開催場所 北海道神宮北1条駐車場
住所 北海道札幌市中央区宮ケ丘474
日程 2024年8月14日(水)・15日(木)・16日(金)

まとめ

北海道の盆踊りは、大人と子どもで分かれて踊るという特徴がありながらも、年齢問わずどんな人でも一緒に楽しめる夏の一大イベントです。
北海道の盆踊りの由来や歴史を知ることで、より盆踊りを楽しく、身近に感じることができるでしょう。

北海道の盆踊りは、誰でも気軽に参加できることも魅力のひとつ。北海道を訪れた際には、ぜひ踊り手として、盆踊りの楽しさを体験してみてくださいね。

writerprof_honma
本間 幸乃
ライター
北海道浦河町生まれ、札幌育ち。北海道の生産者・事業者にまつわるストーリー、食やカルチャー情報など「暮らしがちょっと豊かになる」記事を執筆中。好きな六花亭のおやつは『霜だたみ』。