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自宅で簡単にできる「燻製」のやり方とおすすめの食材をご紹介♪

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独特な風味と香りを楽しめる燻製。日本では古くから、食材を長期保存するための方法としても親しまれてきました。しかし、実際に燻製を行うとなると「難しそう」と感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、初めての方でも簡単に始められる燻製の基本的なやり方と、燻製におすすめの食材をご紹介します。
これから燻製を始めたい方や、新しい食材で燻製に挑戦してみたい!という方は、ぜひ参考にしてください。

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そもそも「燻製」とは?

燻製とは

燻製とは、塩漬けにした肉や魚に煙をかけて特有の風味を付け、保存性を高めた加工食品、またはその調理法のことをいいます。スモークサーモンやベーコン、スモークハムなどは、おつまみとしてもおなじみ。日本の伝統的な食品である「かつお節」や、秋田県の名産品「いぶりがっこ」も燻製のひとつです。さらに燻製は、肉や魚だけでなく、チーズや卵などでも楽しむことができます。

燻製の歴史は古く、なんと1万年以上前の縄文時代から、食材を長持ちさせる手段として活用されてきたそう。現在では、豊かな風味と香りを楽しむ加工方法として、広く親しまれています。

燻製の種類

燻製の種類

燻製には主に、熱燻、温燻、冷燻の3つの種類があります。それぞれの特徴を知っておくことで、食材や保存期間、出来上がりの味に合った燻製方法を選ぶことができますよ。

熱燻

熱燻とは、その名前の通り、80℃〜140℃の高温で食材を燻す方法です。香ばしく炙ったような風味が口の中に広がるのが特徴です。

熱燻の魅力は、30分から1時間の短時間で燻製が完成するところ。燻製を手軽に楽しむことができるので、初めて燻製に挑戦する方や、アウトドアでの燻製にもおすすめです。
熱燻に向いている食材は、スモークチキンやホタテ、小魚類など。短時間で燻すため、しっとりジューシーな食感に仕上がります。

ただし、熱燻は他の燻製方法に比べて水分があまり蒸発しないため、保存性は低め。作ってから1〜2日で食べ切るようにしましょう。

温燻

温燻とは、食材に優しい30℃ほどから始まり、最終的には70℃〜80℃の煙を当てて燻製する方法です。

燻製で一番メジャーな方法が、この温燻。1〜3時間かけて食材を乾燥させながら燻すため、適度に水分が抜けて風味がマイルドになり、「噛めば噛むほど味が出る」仕上がりになります。ロースハム、ベーコン、ソーセージなどが温燻向きの食材です。

温燻の魅力は、保存性と味のバランスの良さ。食材の約50%の水分が残るため、保存期間は冷蔵庫で2〜4日、最長で1週間が目安となります。また、季節に左右されず、一年中燻製が楽しめるのも温燻ならではの特徴です。
温燻は、ダンボールスモーカーでも手軽に作ることができます。熱燻に続き、燻製初心者におすすめの方法です。

冷燻

冷燻とは、15℃〜30℃の低温で長時間かけて燻製する方法です。生ハムやスモークサーモンが冷燻の代表。ねっとりとした食感と深い風味、味わいが特徴です。

冷燻は、数日〜数週間かけてゆっくりと燻すのがポイント。その間正確な温度管理が求められるため、上級者向けのスキルが必要です。

代表的な食材である生ハムやスモークサーモンのほか、いぶりがっこやチーズ、ジャーキーなど、長期保存したい食品にも冷燻はぴったりです。冷燻は時間と手間がかかりますが、その分風味豊かで保存性の高い燻製が出来上がります。

燻製で使う道具と材料

燻製鍋

燻製鍋

燻製鍋には、主に陶器製と金属製の2種類があります。それぞれに特徴があるため、自分の好みや用途に合う方を選んでください。

陶器製の燻製鍋は、遠赤外線効果で食材がジューシーに仕上がるのが特徴です。重量があるので、キャンプなどのアウトドアには不向きですが、煙が漏れにくいため室内で使うにはぴったり。自宅でゆっくりと燻製を楽しみたい方には、陶器製の燻製鍋がおすすめです。
ただし、陶器製の燻製鍋は急激な温度変化に弱く、ひび割れしやすいというデメリットもあります。取り扱いには十分注意してください。

一方、金属製の燻製鍋は軽量で耐久性が高いため、アウトドアでの燻製にぴったりです。ステンレス製の鍋はサビにくく、汚れを落としやすいので、使用頻度が高い人にもおすすめ。また、鉄製のものは熱伝導率が高く、強い火力にも耐えられるのが特徴です。

燻製メーカー(スモーキングガン)

燻製メーカー(スモーキングガン)を使えば、上級者向けの燻製方法である「冷燻」を楽しむことができます。燻製メーカーとは、本体と燻煙を送るためのチューブがセットになったもの。燻煙時間が数分と短いため、「燻製風」の風味付けを手軽に行うことができます。ただし、食材を加熱するものではないので、加熱が必要な食材には向いていません。

燻製メーカーは、急におつまみが必要になった時にも便利なアイテム。たとえばサラダのトッピングやチーズの風味付けに使うことで、普段の料理が一段とおしゃれに、美味しくなりますよ。

フライパン

フライパン

燻製は、自宅にあるフライパンでも簡単に楽しむことができます。ただし、フライパンで燻製する際には、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

一番のポイントは、テフロン加工(フッ素樹脂加工)がされていないフライパンを選ぶこと。テフロン加工のフライパンは空焚きがNG。空焚きすると、加工部分から有害ガスが発生する恐れがあります。フライパンで燻製を行う場合は、鉄製のフライパンやホーロー鍋などを利用しましょう。

2つ目のポイントは、広がりのある深めのフライパンを選ぶこと。燻製では底にアルミホイルを敷き、その上にスモークチップ、金網、食材を順番に重ねていくため、円錐型で厚手のフライパンがベストです。さらに煙が逃げないよう、フライパンがピッタリと閉まるふたも用意しましょう。

フライパンに燻煙がついてしまうのが気になる場合は、燻製専用の鍋として新しいフライパンを購入するのもおすすめです。

ダンボール

ダンボールで燻製

身近にあるダンボールで、燻製器を自作することも可能です。ダンボールで燻製器を組み立てる際の注意点は、食材と熱源の出し入れのために、上下を開けられるようにしておくこと。また、前面には食材の状態を確認するための扉を作っておくと便利です。

最近では、大手100円ショップで燻製用のダンボールが販売されていることがあります。燻製用のダンボールには焼き網用の穴が空いているため、組み立てるだけですぐに燻製ができ便利です。ぜひチェックしてみてください。

ダンボール燻製器は、手軽で費用もほとんどかからない、メリットの多いアイテム。しかしその構造上、煙が漏れ出てしまうため、できれば屋外で使うことをおすすめします。室内で使う場合は換気扇を回し、その下で使うようにしましょう。

スモークチップ、スモークウッド

スモークチップス

燻製に欠かせないのが、スモークチップやスモークウッドです。スモークチップは細かい木片で、スモークウッドは木くずを固めたもの。どちらも火をつけて発生させた煙によって、食材に風味や香りづけをします。

スモークチップとスモークウッドにはさまざまな種類があり、食材や好みによって使い分けることで、燻製の楽しみが広がります。
たとえば、香りが強いサクラのスモークチップは、豚肉やマトンなどのクセのある食材にぴったりです。リンゴのスモークウッドはまろやかで甘い香りがあり、鶏肉や白身魚によく合います。

スモークチップやスモークウッドはその種類によって、燻製の風味や香りが大きく変わります。ぜひ色々な種類を試してみて、自分好みの燻製を見つけてみてください。

焼き網

焼き網は、食材をのせるために使います。焼き網を選ぶ際には、鍋やフライパンに合うサイズを選ぶのがポイント。ダンボール燻製器を使う場合は、網をダンボールに引っ掛けられるよう、少し幅の広いものを選ぶと良いでしょう。

焼き網の素材はステンレス製がおすすめ。サビにくくて手入れが簡単なので、初心者にも扱いやすいです。安いものであれば100円台から販売しています。

焼き網を使用することで、食材が蒸れることなく、スモークを食材全体に行き渡らせることができます。

アルミホイル

アルミホイルは、燻製時に重宝する道具です。スモークチップを載せるために燻製器の底に敷いたり、フライパンや鍋の底に敷いて焦げつきを防いだりと、その用途はさまざま。
また、チーズやナッツの燻製を作る際には、網の上にアルミホイルを敷くことで、食材の落下を防ぎ、均一に燻製することができます。100円ショップやドラッグストアで気軽に手に入るのも嬉しいポイントです。

燻製に適した食材

燻製に適した材料

美味しい燻製を作るには、食材選びも重要です。一般的に燻製に向いているのは、塩漬けにして水分を抜いた食材や、水分が少なくて味付けがされている食材と言われています。たとえば、チーズやナッツがその代表。燻製前の下処理も必要ないため、燻製初心者にもおすすめです。

一方で、水分が多すぎる食材は燻製には不向きと言われています。果物や生野菜は燻製することで水分が飛び、風味が損なわれることがあります。あらかじめ燻製に適した食材を選ぶことで、より美味しい燻製料理を楽しむことができますよ。

基本は3ステップ!家庭でできる燻製のやり方

下味付け

一見すると難しそうな燻製づくりですが、実は「下味付け」「乾燥」「燻製」の3ステップで作ることができます。今回ご紹介するのは、フライパンを利用した「熱燻」のやり方です。気軽に挑戦できるシンプルな方法ですので、ぜひ試してみてくださいね。

下味付け

燻製の第一歩は「下味付け」。単に食材に味を付けるだけでなく、食材の殺菌や保存効果も期待できます。

下味付けの方法には「ふり塩」と「たて塩」の2種類があります。ふり塩は「乾塩法」とも呼ばれ、素材に塩や砂糖、スパイスを直接まぶすやり方です。この方法では、食材の重量の1.5〜3%の塩分濃度を目安に味付けします。

一方、たて塩は「ソミュール液法」とも呼ばれ、水に砂糖やスパイスを入れて沸騰させて冷ました液に、食材を漬け込むやり方です。こちらは塩分濃度が30%程度と高めですが、食材全体に均一に味付けができるのが特徴です。

乾燥

次のステップは「乾燥」です。塩漬けが終わった食材は、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させましょう。燻製の深みと旨味を引き出すためには、食材の表面をしっかりと乾燥させることが重要です。表面に水分が残っていると、煙の苦味成分が付着しやすくなり、燻製の仕上がりに悪影響を与えてしまいます。

気温が高い時期や梅雨の時期に燻製をしたい場合には、冷蔵庫の中で乾燥させるのがおすすめです。食材の表面が完全に乾くまで乾燥させることで、酸味や苦味のない、香り高い燻製を作ることができます。

燻製

最後のステップは、いよいよ「燻製」です。今回は燻製器を使わず、身近にあるフライパンでできるやり方をご紹介します。今回は手軽にできる「熱燻」に挑戦してみましょう。

フライパン燻製のやり方

  1. フライパンの底にアルミホイルを敷き、その上にスモークチップを置きます。スモークチップの目安は約6グラム(一掴み分程度)です。
  2. スモークチップの上に焼き網をのせて、その上に味付けして乾燥させた食材を並べます。
  3. フライパンにふたをして強火で加熱し、チップから煙が出るまで待ちます。煙が出始めたら中〜弱火に切り替え燻煙します。ナッツやチーズなど、加熱済みの食材の場合は10分〜15分が目安です。

焼き網の上に直接置きにくい小さめの食材は、アルミホイルでお皿を作り、その上に置くと便利です。一度に複数の食材を燻製すると匂いが混ざってしまうので、1種類ずつ燻製すると良いでしょう。

初心者向け♪燻製におすすめの定番具材

燻製にオススメの食材

ここからは、初心者の方でも取り扱いやすい、燻製におすすめの定番具材をご紹介します。下味付けや乾燥の必要がないものをメインにピックアップしましたので、ぜひチャレンジしてみてください。

「燻製といえば卵!」という方も多いのでは?燻製卵は比較的短時間で作ることができるため、燻製初心者にもおすすめしたい食材です。卵を茹でて殻をむき、水気を拭き取ってから燻製するだけでOK。香りのよいチップを使うことで、一味違った美味しさを楽しむことができます。

燻製卵は、そのまま食べてももちろん美味しいのですが、サラダやラーメン、おにぎりの具材としても活用できます。特に半熟卵を燻製にすると、とろけるような食感とスモーキーな風味が絶妙にマッチ。ぜひ、ベストな燻製卵づくりを楽しんでみてください。

チーズ

チーズは、燻製の中でも手軽で美味しい食材のひとつです。チーズを燻製するときのポイントは、チーズが溶けないようにすること。あらかじめ加熱してあるプロセスチーズがおすすめです。それでも溶けやすいので、燻製する際は間隔を空けて並べてください。

燻製チーズはそのままワインのおつまみにしたり、パンに乗せてトーストにするなど、多彩なアレンジが楽しめます。

ナッツ

アーモンドやカシューナッツ、くるみなどのナッツ類は、燻製によって一層香ばしさが増し、食感もカリッと仕上がります。ナッツは事前に軽くローストしておくと、スモークの香りがよりしっかりと付きます。

燻製ナッツはそのままおつまみにするだけでなく、サラダのトッピングやヨーグルトのアクセントにもぴったりです。

ちくわ

身近な食材でありながら、燻製にすると驚くほど美味しくなるのが「ちくわ」です。燻製ちくわは、そのまま食べるだけでなく、マヨネーズや七味唐辛子を添えるとおつまみにぴったり。サラダや炒め物の具材に入れると、一味違った一品になりますよ。

たくわん

たくわんを燻製することで、その独特の風味と食感がさらに引き立ちます。
燻製たくあんはそのまま食べても美味しいのですが、お茶漬けやおにぎりに加えると、燻製の風味がアクセントになり、ひと味違った楽しみ方ができます。
また、お酒との相性も抜群。細かく刻んでマヨネーズと和えてディップにしてもGOODです。ぜひ一度試してみてください。

意外に合う!変わり種の燻製具材

燻製にオススメの食材

燻製の定番食材である肉や魚、卵、チーズ以外にも、燻製に向いている食材は多くあります。ここでは「こんなものも燻製できるの?」という変わり種の燻製具材をご紹介。いつもの食卓がぐっと特別なものに変わりますよ。

バナナ

「バナナの燻製」と聞くとびっくりするかもしれませんが、実はその甘みと燻製の香りが絶妙にマッチするんです。燻製のやり方は簡単で、皮をむかずにそのまま丸ごと燻製器に入れて燻すだけ。約70度の温燻で燻製すると、バナナの甘みがより引き立ちます。

そのままデザートとして楽しめるだけでなく、パンケーキのトッピングやアイスクリームと一緒に食べるのもおすすめです。燻製の香ばしさが甘いバナナに深みを与える、新感覚のデザートです。

ポテトチップス

ポテトチップスも燻製にすることで、一味違う楽しみ方ができます。既に塩味がついている市販のポテトチップスを使うことで、燻製も短時間でOK。燻製のリッチな香りと風味が楽しめます。
燻製ポテトチップスはビールやワインのお供にはもちろん、おもてなしやパーティでも盛り上がる一品です。

クッキー

クッキーなどの焼き菓子も、実は燻製に向いている食材です。特にバタークッキーやオートミールクッキーなど、風味豊かなものが燻製向き。燻製の香りがクッキーにしっかりと染み込み、より深い味わいが生まれます。
燻製クッキーはそのままでも美味しいのですが、チーズや果物と一緒に食べることで、新しい風味が楽しめます。いつものティータイムが特別な時間になること間違いなしです。

ポテトサラダ

おかずの定番、ポテトサラダも燻製にすることで、新たな味が生まれます。燻製の香りがポテトに移ることで、いつもとは一味違う奥深い味に。揚げ物やメインディッシュの付け合わせにもぴったりです。

餃子

市販の冷凍餃子やチルド餃子も燻製にすることで、風味豊かでリッチな一品になります。
燻製のやり方は、餃子を通常通り焼いたり蒸したりした後に燻製するだけ。燻製の香りが餃子のジューシーな具材や皮と絡み合い、深い味わいが楽しめます。ビールや焼酎などのアルコールとの相性も抜群。ちょっとしたひと手間で、いつもの餃子がさらに魅力的な一品になります。

調味料も燻製できる!

燻製塩

実は、身近な調味料も燻製することができるんです!特におすすめしたいのは、燻製塩と燻製しょうゆ。燻製塩は、料理に独特の深みをプラスしてくれる万能調味料になります。サラダや肉料理のアクセントとして活躍するだけでなく、おもてなし料理に使っても喜ばれること間違いなし!燻製しょうゆは、卵かけごはんやお刺身にぴったりです。
調味料には燻製の香りがしっかり付くので、まずは少量から気軽にチャレンジしてみてくださいね。

手作り燻製の保存方法

手作りした燻製は、食材や燻製方法によって保存期間が異なります。短時間で作る熱燻の場合は冷蔵で1〜2日、温燻の場合は冷蔵で7日ほどの保存が可能です。

燻製は真空パック器などを使って保存すると、雑菌の繁殖や脂質の酸化を防ぐこともでき、風味も長持ちします。自宅で真空にすることが難しい場合は、ラップで包んで保存袋などに入れ、空気をしっかり抜いて保存。できるだけ早く食べ切るようにしましょう。

まとめ

この記事では、自宅で簡単に楽しめる燻製のやり方と、おすすめの食材についてご紹介しました。

専用の燻製器を揃えなくても、家庭にある鍋やフライパンでも十分に楽しめるのが燻製の魅力。燻製のやり方には、温度や道具、チップの種類などによって多くのバリエーションがあります。何度か実践し、自分の好みに合わせたアレンジを楽しんでみてください。

燻製は手軽にできる調理方法でありながらも、その味は驚くほど本格的。ぜひ週末や休日に、家族や友達と楽しんでみてはいかがでしょうか。

writerprof_honma
本間 幸乃
ライター
北海道浦河町生まれ、札幌育ち。北海道の生産者・事業者にまつわるストーリー、食やカルチャー情報など「暮らしがちょっと豊かになる」記事を執筆中。好きな六花亭のおやつは『霜だたみ』。