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北海道で見かけるオンコの実とは?食べるのは危険?注意点を解説

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自然豊かな北海道には、さまざまな植物が生息していますが、その中でも特にユニークな名前と見た目で知られているのが「オンコの実」です。一見食べられそうな赤い実ですが、実際はどうなのでしょうか?

この記事では、オンコの実の特徴や歴史、食べる際の危険性まで、詳しく解説していきます。さらに、オンコの実を安全に楽しむための注意点や、北海道内でみられる特別な「オンコの木」についてもご紹介しますので、ぜひ道内観光の参考にしてみてくださいね。

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オンコの実とは?

オンコの実

オンコの実とは、常緑針葉樹である「イチイ」になる実のこと。日本では特に、北海道や東北地方に広く分布している植物です。耐寒性があるため、庭木や公園の木としても多く用いられています。

オンコの実といえば、鮮やかな赤色に小さくて丸いフォルムが特徴的。直径7mm〜8mmの実は触ると柔らかく、ゼリーのような見た目をしています。

秋になると赤い実をつけるオンコの実ですが、中には黄色の実をつけるものもあることをご存知でしょうか。それは「キノミオンコ」と呼ばれる、イチイの一種。北海道内でも札幌と小樽でしか見られないという、とても珍しい品種です。北海道が作成している植物のレッドリストにも、希少種として掲載されています。

イチイとは?「オンコの実」の名前の由来

オンコの実

イチイとは、イチイ科に属する常緑の針葉樹です。日本を含むアジアやヨーロッパの寒帯から温帯地方に広く分布しています。

このイチイのことを、北海道では「オンコ」と呼びます。「オンコ」とはアイヌ語が由来とされる、いわゆる方言。北海道と東北地方の一部で親しまれている呼び名です。かつてのアイヌの人々は、オンコの実を食用にし、枝は弓にしていたとか。
また、イチイは一年を通して葉が青々としていることから、北海道では現在でも、イチイの枝葉を神様に捧げる「玉串」として使用している神社があります。

なお、イチイの漢字表記は「一位」です。皇族など位の高い人が手にもつ「笏(しゃく)」と呼ばれる細長い木の板に、イチイが使われていたことから、この名前がついたとされています。

オンコの実は食べられる?味は?

オンコの実

オンコの実を「昔、子どもの頃に食べたことがある」という方もいるかもしれませんが、オンコの実は食用には適していません。
オンコの実の種には有毒性があるため、噛むと体に悪影響を及ぼします。かつては一部の民間療法で薬として使われていたオンコですが、現在は使用されていないこともわかっています。

なお、オンコの実の赤い果実部分には毒性はなく、熟すとわずかな甘みがあります。しかし、食べる時には種を絶対に噛まないよう、細心の注意を払う必要があります。
特に小さいお子様は、種を飲み込んでしまう恐れがあります。無闇にオンコの実を口にすることは避けた方が良いでしょう。

オンコの実には毒性がある?

オンコの実

オンコの実自体には毒性はありませんが、その中に含まれる種には「タキシン」と呼ばれる有毒な成分が含まれています。また、オンコの枝葉にも、同じくタキシンが含まれています。

ちなみに、イギリスの文豪シェイクスピアの代表作「ハムレット」に出てくる毒は、「オンコ(イチイ)」の毒だとか。日本では「オンコの実=毒がある」というイメージはあまりないかもしれませんが、ヨーロッパでは古くから、オンコの毒性が認識されていたと言えます。

果実部分の甘みの印象が強いオンコの実ですが、実際は強い毒性を持っているのです。オンコの実は食用ではなく、観賞用として楽しむことをおすすめします。

オンコの実の種を食べるとどうなる?

オンコの実を種ごと食べてしまった場合、種に含まれる毒性のために、吐き気、嘔吐、腹痛、めまい、痙攣などの症状を引き起こすことがあります。
オンコの種に含まれるタキシンは毒性が強く、摂取量によっては、呼吸困難や筋力低下、最悪の場合は死に至る場合があります。果実部分には毒性はないものの、無闇に食べるのは避けた方が安全です。

なお、タキシンはオンコの実の種だけでなく、枝葉にも含まれています。そのため散歩中のワンちゃんがイチイの枝葉で遊ぶことで、中毒症状を起こす可能性もあります。特に小型犬の場合は少量で致死量となるため、十分な注意が必要です。

胸の痛み

北海道にある「黄金水松(こがねみずまつ)」とは?

黄金水松

黄金水松(こがねみずまつ)とは、北海道芦別(あしべつ)市の公園内にある、巨大なオンコ(イチイ)の木です。推定樹齢は1,700年。樹高21m、幹周6.2mと日本でも有数の大木で、その太さは全国8位、道内2位を誇ります。

黄金水松は、その長い樹齢から、町のシンボルとしてだけでなく、「御神木」として崇められてきた歴史があります。地域の人々が猟の無事や無病息災を祈る場所であり、白蛇伝説もあるそうですよ。

また、この地区はかつて宮内省の管理下にあったことから、黄金水松は保護木に指定されています。1962年には芦別市の指定文化財となりました。
その後も「新日本名木100選」や北海道指定の文化財(天然記念物)に指定されるなど、その価値は広く認知され、訪れた人々を魅了し続けています。

スポット名 黄金水松(こがねみずまつ)公園
住所 北海道芦別市黄金町764番地
アクセス JR根室本線「芦別駅」より車で約25分
お問い合わせ 0124-27-7380(芦別市都市建設課土木係)
公式サイト 黄金水松|芦別市観光総合ガイド「星の降る里あしべつ」

まとめ

この記事では、北海道で広く親しまれている「オンコ」とその実について、詳しくご紹介しました。オンコの実は、その可愛らしさが目を惹く一方で、種には強い毒性が含まれています。無闇に食べることは避けてくださいね。

オンコの実をはじめ、植物に関する正しい知識と理解を深めることで、自然とのふれあいをより楽しむことができます。
北海道の自然の中でオンコの実を見かけた際には、ぜひその美しさを安全に楽しんでくださいね。

writerprof_honma
本間 幸乃
ライター
北海道浦河町生まれ、札幌育ち。北海道の生産者・事業者にまつわるストーリー、食やカルチャー情報など「暮らしがちょっと豊かになる」記事を執筆中。好きな六花亭のおやつは『霜だたみ』。