きくらげの栄養とその効能とは?種類ごとの違いやおいしい食べ方も紹介

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コリコリとした食感と風味で、料理にアクセントと彩りを添えてくれるきくらげ。中華料理の食材として身近なきくらげですが、実は美容と健康を支える栄養がたっぷり詰まっていることをご存知でしょうか?

今回は、そんなきくらげの栄養と効能、種類ごとの違いまで、詳しくご紹介していきます。きくらげの栄養を効率的に摂取するための美味しい食べ方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • 北海道のあじさいは7月中旬〜8月上旬が見頃
  • 白樺とあじさいを一緒に見られるスポットがある
  • 歴史的建造物とあじさいを一緒に見られるスポットがある
  • あじさいは土の酸度(pH度)で色が変化する
  • あじさいは日本原産の花で、イギリスから逆輸入された
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

きくらげってどんな食べもの?

きくらげとは

きくらげは、中国や日本、韓国などの東アジアで古くから食べられているキノコの一種です。春から秋にかけて、広葉樹の倒木などに発生します。

見た目は海藻に似ていますが、その正体は山や森で育つキノコ。耳の形に似ていることから、漢字では「木耳」と表されます。クラゲのようなコリコリとした食感と、淡白な味わいが魅力です。

現在日本で流通しているきくらげのほとんどは、東南アジアからの輸入品ですが、日本の山林に自生するきくらげも一部存在しています。沖縄では自生しているきくらげを「みみぐい」、奄美大島では「みんぐり」と呼んでおり、それぞれの地域に根付いた食文化としても親しまれています。

きくらげの歴史

古くから東アジア各国で食されてきたきくらげ。特に白きくらげは中国で「銀耳」と呼ばれ、美容と健康を求める人々に重宝されてきました。歴史上の美女・楊貴妃(ようきひ)も好んで食べていたそうです。

そんなきくらげが日本に伝わったのは、平安時代だと言われています。中国から伝わったきくらげは、その後多くの人々の食生活に取り入れられてきました。平安時代に編集された『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』という辞書にも、きくらげに関する記載があることから、その歴史の古さがうかがえます。

平安時代以降発行された古文書にも、きくらげを用いた料理がたびたび登場しています。江戸時代に発行された食に関する文献には、きくらげの特徴や栽培方法が記述されていることがわかっています。

きくらげの種類

古くから親しまれている食材のきくらげですが、実はさまざまな種類があることをご存知でしょうか。
日本で流通している主な食用きくらげは「あらげきくらげ」「きくらげ」「白きくらげ」の3つに分けられます。それぞれの特徴についてみていきましょう。

あらげきくらげ(黒きくらげ)

あらげきくらげ

あらげきくらげは、一般的な市場でよく見かけるきくらげです。その名の通り表面に粗く白い毛が生えているのが特徴。
温暖な地域で栽培されており、中国から輸入している乾燥きくらげや、国内で獲れる生きくらげはこの「あらげきくらげ」であることがほとんどです。
生のあらげきくらげの旬は、6月〜9月。ブラウンがかった色味が特徴ですが、乾燥すると黒く変わります。コリコリとした食感と無味無臭であることが特徴で、さまざまな料理で食感を楽しむために使われています。

きくらげ(黒きくらげ)

黒きくらげ

きくらげは、あらげきくらげに比べて小さめで、滑らかな表面が特徴です。北方系の品種であり、湿気を好み、低い温度で発生するため、乾燥にはあまり向いていないと言われています。
コリコリとした食感と無味無臭であることは、あらげきくらげと同様です。食材と合わせやすく、さまざまな料理に活用されています。

白きくらげ

白きくらげ

白きくらげは、乳白色で花びらのような美しい見た目が特徴のきくらげです。
中国では「銀耳」と呼ばれるほど重宝されており、スイーツやデザートに多く使われています。色が白く味が淡白なので、さまざまな食材と合わせやすいという魅力があります。
現在日本国内で流通している白きくらげは、高級食材として中国から輸入されたものがほとんどです。

美容・健康にも◎きくらげの栄養効果

きくらげの栄養

きくらげは、食感の楽しさだけではなく、美容や健康維持に嬉しい効果があることがわかっています。ここからは、きくらげが持つ豊富な栄養素とその効果について、詳しく解説していきます。

きくらげの主な栄養素

国内で主に流通している「あらげきくらげ(乾燥・生)」と「白きくらげ(乾燥)」100gに含まれる成分・栄養素を、下記表にまとめました。
比較対象として、同じきのこ類である「ぶなしめじ(生)」の栄養素も掲載していますので、参考にしてみてくださいね。

栄養成分 あらげきくらげ(乾燥) 白きくらげ(乾燥) あらげきくらげ(生) ぶなしめじ(生)
エネルギー 184kcal 170kcal 14kcal 26kcal
たんぱく質 6.9g 4.9g 0.7g 2.7g
炭水化物 77.0g 74.5g 5.4g 4.8g
脂質 0.7g 0.7g 0.1g 0.5g
食物繊維 79.5g 68.7g 5.6g 3.0g
カリウム 630mg 1,400mg 59mg 370mg
カルシウム 82mg 240mg 10mg 1mg
10.0mg 4.4mg 0.1mg 0.5mg
亜鉛 0.8mg 3.6mg 0.1mg 0.5mg
ビタミンD 130.0μg 15μg 0.1μg 0.5μg
葉酸 15μg 76μg 5μg 29μg

参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成
あらげきくらげ(乾)
しろきくらげ(乾)
あらげきくらげ(生)
ぶなしめじ(生)

きくらげには、たんぱく質や炭水化物、ミネラルなど、私たちの体に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
特に注目したい栄養素は、食物繊維と鉄分、そしてビタミンD。きくらげ(乾燥)とぶなしめじを比べてみると、その差は歴然です。

次からは、きくらげならではの栄養効果について解説するとともに、きくらげの食物繊維に含まれる「βグルガン」についてもピックアップしてご紹介します。

きくらげに含まれる「βグルカン」は免疫力アップに効果あり⁉

きくらげに豊富に含まれる「βグルカン」という成分は、不溶性食物繊維の一種です。腸内の免疫細胞に直接作用することで、免疫力を高める効果が期待されています。
体内の免疫機能に関わる細胞である、マクロファージやNK細胞、T細胞、B細胞などの働きを「βグルカン」が活性化させることで、風邪やインフルエンザの予防、アレルギー症状の緩和、さらにはがん細胞の抑制にも効果があるとされています。

きくらげに含まれる「βグルガン」は、腸の内壁にある細胞に働きかけるため、空腹時に摂取することでその効果を最大限に引き出せるとも言われています。中華料理の前菜にきくらげの和え物や酢の物が出てくる理由は、栄養効果とも関係があるのかもしれませんね。

きくらげの豊富な鉄分で貧血予防

きくらげに含まれる鉄分は、レバーの3.5倍とも言われているほど、貧血予防に効果的です。女性が不足しがちな鉄分を効率よく摂ることで、赤血球を健康に保ち、めまいや息切れ、疲れやすい体質の改善にも役立ちます。

鉄分は、ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂取することで、さらに吸収率がアップすると言われています。きくらげに野菜や卵などを加えて調理するなど、料理にひと工夫することで、より効率的に鉄分を体内に取り込むことができますよ。

きくらげの栄養

ダントツの含有量!ビタミンDで骨を丈夫に

きくらげに豊富に含まれているビタミンDは、脂溶性ビタミンの一種です。体内で活性化することでカルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にする効果があります。

また、ビタミンDには免疫機能を調整する働きもあるため、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防する効果も期待できるでしょう。なお、ビタミンDは脂溶性であることから、油を使って調理することで吸収率が高まります。

数ある食品の中でも、あらげきくらげ(乾燥)に含まれるビタミンD量はトップクラス。ビタミンDが多いとされている魚類の代表、紅鮭の2倍以上の含有量を誇っています。

食物繊維で腸内環境を整える

きくらげは食物繊維も豊富です。その含有量はごぼうの約3倍とも言われるほど。特に不溶性の食物繊維が多く含まれていることが、きくらげの特徴です。不溶性の食物繊維は、腸内で水分を吸収することで腸を刺激し、ぜんどう運動を活発にします。そのため便通が良くなり、腸内環境を整える効果が期待できます。

また、きくらげの食感により噛む回数が増えることで、満腹感をもたらし、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。

栄養を効率的に摂取!きくらげの美味しい食べ方

きくらげは、その独特の食感と栄養価の高さから、さまざまな料理で愛用されています。ここでは、豊富な栄養素を効率よく摂取できる、おすすめの食べ方をご紹介!
生きくらげと乾燥きくらげ、それぞれの特徴を活かした、美味しくて栄養たっぷりの食べ方をみていきましょう。

ビタミンDは油と相性◎乾燥きくらげは炒めものがおすすめ

きくらげのレシピ

きくらげの中でも、特に乾燥きくらげに多く含まれるビタミンD。ビタミンDは脂溶性のため、油と一緒に摂取することで吸収率がアップします。特におすすめしたい食べ方は炒め物です。

たとえば、きくらげと卵のシンプルな炒め物や、きくらげと豚肉のオイスターソース炒めなどは、ビタミンDを効率よく摂るにはぴったりのメニュー。中華料理の定番である八宝菜や、きくらげの天ぷらもおすすめです。
炒め物や揚げ物は、きくらげのコリコリとした食感を楽しみつつ栄養もしっかり摂れる、まさに一石二鳥のメニューと言えるでしょう。

骨や歯を丈夫にするビタミンDを効率よく摂取できる、乾燥きくらげを使ったメニューは、骨粗しょう症の予防にも効果的。成長期のお子様だけでなく、高齢者の方にもおすすめです。

食感が楽しい!生きくらげはサラダや和え物で

きくらげのレシピ

きくらげの中でも、プリプリっとした瑞々しさと食感が魅力の「生きくらげ」は、サラダや和え物がおすすめです。低カロリーでありながら、βグルカンを豊富に含んでいるため、ダイエット中の方にも嬉しい一品。空腹時に食べると、さらに栄養吸収効果がアップしますよ。

生きくらげを使用したサラダや中華風の和え物は、暑い季節の前菜としてもぴったりです。特におすすめしたいメニューは、生きくらげ・トマト・ささみの中華和え。夏に旬を迎える生きくらげの食感を楽しみつつ、トマトのビタミンCと、ささみのタンパク質により、きくらげに含まれる鉄分を効率的に摂取できます。

なお、生きくらげを使用する際には、石づきを落とし、湯通しをしてから料理に使用してくださいね。

まとめ

きくらげが持つ栄養の魅力と効能、美味しい食べ方についてご紹介してきました。
免疫力の向上に役立つβグルカンや豊富な鉄分、高含有量のビタミンDなど、美容と健康意識の高い方にとって、きくらげはまさに頼りになる食材と言えるでしょう。

普段の食事に手軽に取り入れられるのもきくらげの嬉しいところ。気軽に試すことができるレシピも多数あるため、ぜひ楽しみながら、きくらげを食卓に取り入れてみてくださいね。

writerprof_honma
本間 幸乃
ライター
北海道浦河町生まれ、札幌育ち。北海道の生産者・事業者にまつわるストーリー、食やカルチャー情報など「暮らしがちょっと豊かになる」記事を執筆中。好きな六花亭のおやつは『霜だたみ』。