カレーの保存方法を冷蔵・冷凍別に解説!美味しい保存方法や冷凍カレーに合う具材も紹介

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肉とたまねぎ、にんじん、じゃがいもを煮てルーを加えれば、簡単に美味しく作ることができるカレー。調理工程も手軽なことから、毎回鍋いっぱいのカレーを作るという家庭も少なくありません。

しかし、カレーはとても傷みやすく、適切に保存しなければ菌が増殖して食中毒の原因になってしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、カレーの正しい保存方法を解説します。冷蔵、冷凍別の保存方法や美味しく保存するポイント、保存期間、食べる時の加熱・解凍方法なども紹介。合わせて冷凍カレーに合うおすすめの具材も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • カレーはウェルシュ菌が増殖しやすく常温保存では傷みやすい
  • 冷蔵で2~3日、冷凍で約1ヶ月保存可能
  • 冷凍する時には、にんじんやじゃがいもなどの根菜を取り除くのがおすすめ
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【常温保存は危険?】カレーが傷みやすい理由

カレー

大人から子どもまで幅広い年代に好まれるカレー。手に入りやすい材料で手軽に作ることができるため、作り置きメニューとしても人気です。

しかし、カレーはとても傷みやすい料理だということをご存知でしょうか?

ウェルシュ菌が存在するから

ウェルシュ菌とは、人の腸内にも生息している細菌です。土や水中、動物の腸内にも存在し、特に牛や鶏は多く保菌していると言われています。

ウェルシュ菌の芽胞は熱に強く、嫌気性の細菌のため、汚染された具材を使用したカレーを常温で放置すると粘性が高く酸素の届きにくいカレーのなかでどんどん増殖が進んでしまいます。

ウェルシュ菌は元々、人の体内にも存在している菌です。そのため、少量なら取り込んでも問題はありません。しかし、ウェルシュ菌が大量に増殖したカレーを食べると食中毒の症状を起こす可能性があります。

じゃがいものデンプン質が菌の増殖を促すから

カレーの定番具材であるじゃがいもは、細胞壁が薄く、加熱することで簡単に細胞壁が崩れてしまいます。細菌はでんぷん質などの栄養の元で増殖するため、じゃがいもが入っていることでカレーが傷みやすくなってしまうのです。

カレーは寝かせた方が美味しくなるんじゃないの?

カレーは寝かせた方が美味しくなるんじゃないの?

カレーが傷みやすい理由を紹介しましたが、なかには「カレーは寝かせた方が美味しくなるんじゃないの?」「翌日のカレーの方が美味しいってよく聞く」という人もいるのではないでしょうか。

確かに、カレーは寝かせた方が美味しくなります。

カレーを寝かせると美味しくなる理由

  • 具材の成分や旨味がルーに溶けだすから
  • 肉が柔らかくなるから
  • ブイヨンの旨味が熟成するから
  • スパイスの香りと風味がルーに調和するから

寝かせるからといって鍋のまま常温で保存してしまうと、菌が増殖してカレーが傷んでしまいます。気温の低い環境なら多少はもつかもしれませんが、夏場など気温・湿度共に高い環境の場合、数時間でカレーが傷んでしまうことも珍しくありません。

【鍋ごと保存はNG】カレーはどうやって寝かせる?

保存容器

カレーを寝かせる際、鍋で保存し何度も火を通す方法もありますが、以下の4つの問題点があります。

  • 気温が高いと数時間で菌が増殖してしまう
  • 粗熱をとるのに時間がかかる
  • 鍋の底部分は特に酸素が届きにくく嫌気性のウェルシュ菌が増殖しやすい
  • 鍋ごと冷蔵庫で保存する必要があり、スペースが必要になる

安全にカレーを食べるためにも、鍋で寝かせたり保存したりするのはおすすめできません。

カレーを寝かせる際は、この後紹介する冷蔵・冷凍保存の方法を参考に、小分けにして保存しましょう。小分けにして冷蔵・冷凍保存した場合も、カレーはしっかり寝かせた状態になり野菜や肉の熟成がすすみ美味しくなります。

カレーの正しい保存方法

カレーを安全に保存する際には、冷蔵・冷凍それぞれに適した方法を選びましょう。続いて、カレーの正しい保存方法を、冷蔵の場合、冷凍の場合に分けて紹介します。

冷蔵の場合

カレーは小分けにして保存

カレーを冷蔵で保存する場合、粗熱をとってから保存容器に入れ、冷蔵庫の冷蔵室で保存します。保存する際には、以下の保存容器を使用するのがおすすめです。

  • ジッパー付き食品保存袋
  • タッパー
  • ガラス容器

タッパーやガラス容器を使う際には、なるべく大きめのものを選びましょう。小さく深い保存容器を使用すると、カレーの温度がなかなか下がらず菌の増殖を促す可能性もあります。
ジッパー付き食品保存袋なら、平らな状態で置いておけば中心部まで早く冷えるので鮮度をキープしたまま保存できるでしょう。

冷凍保存する場合

カレー

カレーを冷凍で保存する場合は、完全に冷めた状態で保存容器に入れて冷凍室で保存します。冷凍する際には、なるべく早く凍らせるのが美味しさを保つ秘訣です。冷蔵庫に急速冷凍機能がついている場合は、上手に活用しましょう。

ジッパー付き食品保存用袋に入れたカレーを平らな状態で凍らせてしまえば、完全に凍ったカレーを立てて冷凍庫内に収納できます。薄く平らな状態の方が解凍もしやすいため、冷凍保存する際にはジッパー付き食品保存袋がおすすめです。

カレーを上手に保存する5つのポイント

カレー

カレーを美味しく、衛生的に保存するために、以下の5つのポイントに気を付けてみてください。

1.出来立てのカレーを早く冷まして保存する

菌の増殖を防ぐためには、出来立てのカレーをなるべく早く冷まして保存することが大切です。カレーの食中毒で注意したいウェルシュ菌は芽胞の状態なら100度以上の熱にも耐え、12~50度と広範囲の温度で増殖します。そのため、自然に粗熱が取れるのを待っていると、その間にもどんどん菌の増殖が進む可能性もあるでしょう。

カレーを素早く冷ましたい時には、氷水を入れた容器にカレーを鍋ごと入れてよくかき混ぜる方法がおすすめです。全体が均一に冷めていくうえ、嫌気性のウェルシュ菌の嫌う空気が鍋の底まで行き届きます。

粗熱がとれたら素早く冷蔵もしくは冷凍保存してください。

2.1食分ずつ保存する

カレーは1食分ずつ小分けに保存することで、素早く冷やされ美味しさを損なわずに保存できます。また、1度冷蔵・冷凍したカレーを再び冷蔵・冷凍するのは推奨されないため、1食分ずつ食べ切れる量で分けておくことも大切なポイントです。

3.匂い・色移りが気になるならガラス容器を使おう

カレーを保存する際、プラスチック製のタッパーなどで保存すると、容器に匂いや色が移ってしまうことが多いです。何度も繰り返し使うタッパーへの匂い移りや色移りが気になる場合は、ガラス製の保存容器を使うと匂いや色が移りにくくなります。

また、タッパーにサランラップを敷いてからカレーを入れるなど、工夫もしてみるのもよいでしょう。

4.保存袋に入れる時は空気を抜いて薄く平らにする

カレーをジッパー付き食品保存袋に入れて保存する場合は、空気を抜いて薄く平らにした状態で冷蔵・冷凍しましょう。

空気を抜き薄く平らな状態にすることで、カレーが中心部まで素早く冷め、鮮度や味を保ったまま保存できるようになります。空気がしっかり抜けていると、酸化して味が変わってしまうことも防げるため、保存する際にしっかり空気を抜いて密閉して保存してください。

5.冷凍する際は根菜を取り除く

冷蔵の場合は特に問題ありませんが、カレーを冷凍保存する際には具材に注意が必要です。カレーの定番具材であるじゃがいもやにんじんなどの根菜は、冷凍すると解凍時に水分が抜けてパサパサとした食感に変わってしまいます。特に、具材を大きめにカットして作ったカレーは、食感の悪さが際立ってしまうでしょう。

カレーを冷凍保存する際には、じゃがいもやにんじんなどの根菜を取り除いて冷凍するのがおすすめです。

取り除いた野菜は他の料理にアレンジしたり、どうしてもカレーにいれたい場合は微塵切りや摺り下ろすなど、なるべく小さくして食感が気にならないようにしておくとよいですよ。

カレーの保存期間

カレー

カレーの保存期間の目安は以下のとおりです。

  • 常温の場合…その日のうちに食べ切る
  • 冷蔵の場合…2~3日以内
  • 冷凍の場合…約1ヶ月

カレーは大変傷みやすい食べ物のため、夏場など気温や湿度が高いと数時間で傷んでしまうこともあります。その日のうちに食べ切る場合でも3~6時間ごとに加熱し、なるべく早く粗熱をとって保存することが大切です。

また、冷蔵の場合でも3日以内には必ず食べ切るようにしましょう。

【解凍方法】冷蔵・冷凍保存したカレーを食べるとき

調理する女性

上手に保存したカレーは、食べる時にも一手間かけて美味しく食べましょう。冷蔵保存した時と冷凍保存した時、それぞれのカレーを食べるときの加熱・解凍方法を紹介します。

冷蔵保存したカレーを食べるとき

冷蔵保存したカレーは、保存袋や保存容器から出して鍋に移し、加熱するのがおすすめです。じっくり加熱し全体に火を通すことで、保存前よりも熟成した美味しいカレーを味わうことができるでしょう。

電子レンジで温める方法もありますが、電子レンジでは温めムラができてしまうことも少なくありません。どうしても電子レンジで加熱する場合は、一度温めたカレーをよく混ぜ、もう1度温めると全体がしっかりと加熱されます。

冷凍保存したカレーを食べるとき

冷凍保存したカレーは、流水解凍もしくは冷蔵庫内での自然解凍で解凍し、鍋に移して加熱して食べるのがおすすめです。

薄く平らな状態で冷凍されているものなら、流水解凍で約10~15分で解凍可能です。また、冷蔵庫内で自然解凍する場合は、凍ったカレーを冷蔵室に移し半日程度で解凍できます。

電子レンジで解凍してしまうと、カレーの水分や風味が抜けてしまうので注意してください。

【要注意】カレーが傷んだ時の特徴

カレーはとても傷みやすい食べ物のため、衛生状態に気を配っていても思わぬ所で傷んで食べられなくなってしまうことがあります。

1度保存したカレーを食べる際には、以下の特徴をチェックして、カレーが傷んでいないか確認してから食べるようにしてください。

  • 白カビが生えている
  • 糸を引いている
  • すっぱい匂いがする

上記の特徴が見られるカレーは、既に傷んでいる可能性が非常に高く、誤って食べてしまうと腹痛や下痢などの食中毒症状が見られることがあります。

【冷凍保存で長く楽しむ】作り置きカレーにおすすめの具材

カレーは自宅で手軽に作れる作り置きメニューとしても人気です。特に冷凍しておけば約1ヶ月と長い間食べられるため、休みの日に多めに作って冷凍しておくという人もいるでしょう。

もともと、カレーを冷凍保存するつもりで作るなら、冷凍向きの具材を使ってカレーを作るのがおすすめです。冷凍しても食感や風味を損ないにくい具材を使って、作り置きに適したカレーを作ってみてください。

トマト

トマト

カレーに甘みと酸味、旨味を加えてくれるトマト。トマトは加熱すると身が崩れてペースト状になるため、冷凍しても味わいや食感が損なわれることがありません。

それ所か、トマトのもつ旨味が熟成され、時間を置いて寝かせることで、よりコク深い味わいのカレーになります。スパイスを調整すればまろやかな味わいになるため、子どもにもおすすめです。


アスパラ

アスパラ

ビタミンや葉酸、ルチンなどさまざまな栄養が豊富なアスパラも、冷凍カレーにおすすめの具材です。冷凍することでアスパラの持つ甘みが増すため、より美味しく食べられるようになります。

アスパラカレーを作る際には、アスパラを加熱し過ぎないことがポイントです。サッと下茹でしたものを完成したカレーに加える程度にしてみてください。

エリンギ

エリンギ

豊富な食物繊維と歯ごたえのある食感が魅力のエリンギもカレーとの相性抜群です。冷凍しても食感が損なわれないため、食べ応えのあるカレーを好む人にぴったりの具材と言えるでしょう。

まとめ

今回は、カレーの保存方法について紹介してきました。家庭料理の定番メニューとして親しまれるカレー。一度にたくさんの量を作り置きしやすい一方、正しく保存しなければ簡単に傷んでしまい全て食べられなくなってしまうこともあります。

カレーを保存する際には、ぜひ今回紹介した保存方法を参考にして、冷蔵・冷凍どちらの場合も美味しく衛生的に保存してみてくださいね。


PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!