春雨とビーフンの違いとは?それぞれの特徴と、栄養価や相性のいい料理方法などご紹介!
ダイエット食でお馴染みの春雨と、見た目がそっくりなビーフン。どちらも透き通った乾麺で、淡白な味わいも似ていますよね。しかし春雨とビーフンには、大きな違いがあることをご存知でしょうか?
この記事では、春雨とビーフンの違いを大解剖!それぞれの特徴や栄養、相性の良い食材やおすすめの調理法まで詳しくご紹介します!
春雨ってどんな食べ物?
春雨とは、豆類やいも類に含まれている「でんぷん」から作る麺状の乾物です。発祥は中国で、日本には鎌倉時代に伝わったと言われています。
まずは春雨の原材料や種類、製造方法についてみていきましょう。
春雨の原材料
春雨の原材料は、製造する国によって若干異なります。
日本で作られている春雨の主な原材料は、ジャガイモやサツマイモのでんぷん。もちもちとした食感と、味の染み込みやすさが特徴です。
一方中国産の春雨は、緑豆やえんどう豆のでんぷんが主な原料。コシが強くコリコリとした歯ごたえがあり、長時間煮ても溶けにくいのが特徴です。
ちなみに韓国産の春雨は「タンミョン」と呼ばれており、サツマイモのでんぷんで作られています。弾力のある太めの麺で食べ応え抜群です!
春雨ってどうやって作られるの?
国内産の春雨の多くは「垂下式(もしくは落下式)」という方法で作られています。
垂下式とは、春雨の生地を垂れ下げて作る方法です。具体的な方法は以下の通りです。
春雨の作り方
- 原料のでんぷんと水をよく混ぜて糊状の生地を作る。
- 底に小さな穴の空いた金属の容器に流し込む。
- 穴から落ちて麺状になった生地を熱湯に入れて固める。
- 固まった生地を冷却・冷凍、乾燥させる。
春雨の製造工程のポイントは、圧力をかけて生地を押し出すのではなく、自然の重みでゆっくりと落下させるところ。美しい麺の形にするためには、熟練した職人の技が必要と言われています。
ビーフンってどんな食べ物?
ビーフンとは、中国語で「米粉」と呼ばれる通り、お米からできた麺状の乾物です。ビーフンの発祥の地は春雨と同様、中国と言われています。その歴史は古く、紀元前220年頃から食べられていたそう。
その後台湾や東南アジアに広まり、アメリカやヨーロッパでも、土地の食文化に合わせた形や名前で親しまれるようになりました。日本には、第二次世界大戦後から流通したと言われています。
今では世界各国で食べられているビーフン。その原材料や特徴、製造方法についてご紹介します。
ビーフンの原材料
ビーフンの主な原材料は米粉です。お米の豊かな風味と弾力のある歯応えが特徴。製品によっては粘りを出すために、とうもろこし由来のコーンスターチなどが配合されているものもあります。
ビーフンは国によって形状が異なりますが、日本で流通しているビーフンは、そうめんのように細長い形状が一般的です。
ちなみにベトナムの国民食である平麺「フォー」も米粉からできているという点では、ビーフンとほぼ同じ特徴を持つ麺だと言えるでしょう。
ビーフンってどうやって作られるの?
ビーフンは「押出し式」という方法で作られています。押出し式とは、ところてんのように、生地に圧力をかけて押し出すことで麺状にする方法です。具体的な作り方は以下の通りです。
ビーフンの作り方
- 原材料である米を精米して水に浸す。
- ①を細かく砕き、脱水してよく混ぜる。
- ②に水を加えて加熱した生地を、穴の開いた金属プレートが付いた高圧押出機に入れ、押し出す。
- 麺状に出てきた生地をねかせて、さらに乾燥させる。
春雨とビーフンの栄養
原材料や製造方法が異なる春雨とビーフンですが、それぞれに含まれる成分や栄養素、効果にも違いがあります。ここからは春雨とビーフンの栄養についてみていきましょう。
春雨の栄養
春雨100g(乾燥)に含まれる成分・栄養素は下記表のとおりです。
栄養成分 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 344kcal |
たんぱく質 | 0.2g |
炭水化物 | 87.5g |
脂質 | 0.4g |
食物繊維 | 4.1g |
カリウム | 13mg |
マグネシウム | 3mg |
鉄 | 0.5mg |
亜鉛 | 0.1mg |
参考: 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成
春雨のカロリーは100gあたり344kcalです。思ったより多く感じる方もいるかもしれませんが、これは乾燥した状態の数値。30gの春雨は、水分を含むと120gほどになります。
ご飯お茶碗一杯(約150g)のカロリーが234kcal※ですから、120g約100kcalの茹で春雨は、かなりの低カロリー食材であることがわかります。
また、春雨はコシがあるため、噛む回数が増えることで少量でも満腹感を得やすいことも特徴です。さらに、春雨に含まれるカリウムには利尿作用があり、余分な水分を排出してむくみを解消する作用があります。
春雨は、ダイエット中の方にはぴったりの食材と言えるでしょう。
ビーフンの栄養
ビーフン100gに含まれる成分・栄養素は下記表のとおりです。
栄養成分 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 360kcal |
たんぱく質 | 7.0g |
炭水化物 | 79.9g |
脂質 | 1.6g |
食物繊維 | 0.9g |
カリウム | 33mg |
マグネシウム | 13mg |
鉄 | 0.7mg |
亜鉛 | 0.6mg |
葉酸 | 4μg |
参考: 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成
ビーフンの主原料はお米のため、炭水化物やたんぱく質など、お米と同じ成分・栄養素が含まれています。
近年、ビーフンが注目されている理由のひとつに「グルテンフリー」が挙げられます。
グルテンフリーとは、小麦などに含まれる「グルテン」というたんぱく質の一種の摂取を避ける食生活のこと。もともと免疫疾患を持つ人や、小麦アレルギーを持つ人の代用食として始まったとされていますが、健康や美容にも効果があることがわかり、世界的に広まっています。
さらにグルテンフリーを実践することで、ダイエット効果があることもわかっています。
グルテンを含む製品は、お米に比べて消化に時間がかかるため、摂取を控えることで新陳代謝が高まり、消費カロリーが増えるとされています。
また、小麦に含まれる成分には中毒性があると言われているため、グルテンフリーを取り入れることで、食べ過ぎを防ぐことができるのです。
小麦製品であるパンやパスタを、お米から作られているビーフンに代えることで、健康や美容に嬉しい効果が期待できると言えるでしょう。
ダイエットにおすすめ!春雨とビーフンのおすすめの食べ方
ダイエット効果や健康効果が期待できる春雨とビーフン。それぞれの特徴を活かした食べ方や相性の良い食材を知っておくと、栄養を効率よく摂取しながらおいしく味わうことができます。
春雨は「あと一品」足りない時のおかずやスープに。ビーフンは副菜だけでなく、食卓のメイン料理にも。どちらも幅広く活用できる食材ですが、今回は特におすすめの食べ方をご紹介します!
春雨は野菜たっぷりのスープやサラダで
春雨と一緒に食べたいのが、たっぷりの野菜。春雨に不足している、ビタミンやミネラルを野菜で補うことがポイントです。
ツルツルとした食感と、味が染み込みやすい春雨の特徴を活かした野菜スープや、春雨ときゅうりでできる定番の春雨サラダはおすすめの一品です。
また、春雨は淡白な食材のため、どんな味付けともマッチします。ボリュームが欲しい時にはキムチと一緒に炒めるだけでOK。味付けいらずの手軽でおいしいおかずになりますよ。
ビーフンは具だくさんにしてメイン料理に
お米が原材料のビーフンは、炒めてよし、スープに入れてよしの万能食材。たっぷりの野菜やお肉と一緒に調理することで主菜にもなります。
中でもキャベツやにんじん、玉ねぎ、豚肉などを加えて、焼きそば感覚で作る「焼きビーフン」がおすすめ。ビーフンがお肉と野菜の旨みを吸い込むため、具だくさんにすることがポイントです。味つけはあっさりと、鶏ガラスープとしょうゆでどうぞ!
春雨とビーフンの特徴
最後に、春雨とビーフンの特徴を簡単にまとめてみました。どちらを選ぶか迷った時は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
春雨 | ビーフン | |
---|---|---|
原材料 | 緑豆、えんどう豆、ジャガイモ、サツマイモのでんぷん | 米粉 |
製造方法 | 垂下式 | 押し出し式 |
栄養効果 | 低カロリーでダイエット向き | グルテンフリー食材 |
相性の良い食材 | ビタミンを補える野菜類 | 肉など旨味のあるもの |
料理方法 | スープ、炒め物、サラダ | 焼きビーフン |
まとめ
同じ麺状の乾燥食品である春雨とビーフンですが、原材料や製造方法などに違いがあることがわかりました。それぞれの特徴を知ることで、よりおいしく調理することができますよ。
工夫次第でさまざまな料理を楽しめるのも、春雨とビーフンの魅力です。特にダイエット中の方や健康志向の方にはどちらもおすすめの食材。それぞれの違いを活かして、ぜひ毎日の食卓に取り入れてみてくださいね。