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胡椒に塩分はない?意外と知らない胡椒の効果や種類を紹介

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料理に欠かせない調味料のひとつ「胡椒」。塩と一緒に使われることの多い胡椒ですが、その塩分量について気になっている方もいるのではないでしょうか。結論からお伝えすると、胡椒に含まれる塩分量はほとんどないので、胡椒を使えば減塩することができます。ただし、塩胡椒には多くの塩分が含まれるので注意が必要です。

こちらの記事では、胡椒の塩分量や胡椒のかけすぎによる注意点、胡椒の種類、成分、健康効果について解説します。

この記事でわかること

  • 胡椒の塩分量は100gあたり0.2g(黒胡椒)
  • 塩胡椒の塩分量は100gあたり約70〜80g
  • 黒胡椒は肉料理など強い味の料理と相性がいい
  • 白胡椒はクリーム系や白身魚の料理と相性がいい
  • 中世ヨーロッパでは胡椒は金と同等の価値だった
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

胡椒に塩分はない?ほとんど含まれない

胡椒

胡椒にはほとんど塩分が含まれていません。日本食品標準成分表をデータソースとする情報提供サイト「食品成分データベース」によれば、胡椒の塩分量は次のようになっています。

  • ブラックペッパー(黒胡椒):0.2g
  • ホワイトペッパー(白胡椒):0g

一般的に、塩分量は「食塩相当量」という表記で知ることができます。食塩相当量とは、食品に含まれているナトリウム(食塩の成分の一部)の量を、食塩の量に換算した数値のことです。

つまり、ブラックペッパーは0.2g/100g、ホワイトペッパーは0g/100gの食塩相当量が含まれるということになります。市販されている胡椒の内容量は、20g〜50gが一般的です。このことから胡椒にはほとんど塩分が含まれないことがわかります。そのため、減塩中でも塩分量を気にすることなく使用可能です。

参照:黒こしょう(粉)|食品成分データベース
白こしょう(粉)|食品成分データベース

胡椒ひと振りの塩分量は?

胡椒ひと振りには、塩分がほとんど含まれません。胡椒ひと振りの分量は約0.05gとされています。ブラックペッパー100gあたりの食塩相当量は0.2gなので、胡椒ひと振りの塩分量は「0.0001g」になる計算です。そのため、胡椒を2〜3回振りかけるなど、軽く使用する程度であれば塩分を気にする必要はないでしょう。

塩胡椒(塩こしょう)の塩分量は?

胡椒にはほとんど塩分が含まれていませんが、塩胡椒(塩こしょう)には多くの塩分が含まれているので使いすぎには注意が必要です。メーカーや商品により塩分量は異なり、各メーカーの塩胡椒の塩分量は次のとおりです。

製品 食塩相当量(100g)
味付け塩こしょう(S&B) 81.3g
味付けあらびき塩こしょう(S&B) 71.1g
味・塩こしょう(ダイショー) 67.3g
味・塩こしょう あら挽き黒こしょう(ダイショー) 73.7g

上記のとおり、塩胡椒の食塩相当量は100gあたり約70〜80gなので、大半が塩分ということがわかります。塩分量を気にする方で塩胡椒を使用する場合は、塩分量を確認したうえで購入することをおすすめします。

胡椒のかけすぎは体に悪い?適量は?過剰摂取のリスク

腹痛

胡椒を使用する際に塩分量を気にする必要はありませんが、使いすぎには注意が必要です。胡椒は刺激の強い調味料なので、摂りすぎると体に悪影響です。胡椒の過剰摂取には次のようなリスクがあります。

  • 下痢・腹痛を起こすことがある
  • 味覚が鈍くなる
  • アレルギー物質が含まれる製品がある

ここからは、それぞれの副作用のほか、胡椒の摂りすぎによる高血圧リスクについても解説します。

1.下痢・腹痛を起こすことがある

胡椒を過剰摂取すると、下痢や腹痛を起こすことがあります。胡椒の辛みのもとである「ピペリン」という有機化合物は、腸を活性化させるはたらきがあります。しかし、摂取量が多ければ胃腸を刺激し、下痢や腹痛につながりやすいです。適量であれば体にいい効果が期待できますが摂りすぎは逆効果です。

胡椒などのスパイスは刺激物なので、摂りすぎは胃腸を荒らしたり弱っている胃の状態を悪くしたりします。疲労などで胃痛がする方や、小さい子どもには適量を心がけましょう。

2.味覚が鈍くなる

胡椒は多く摂りすぎると味覚が鈍くなるので注意が必要です。料理に胡椒をかけすぎれば、辛みばかりを感じて料理そのものの味を味わえないことがあります。たとえば、ラーメンのスープが黒くなるまでかければ、胡椒の味わいが強くなり、ラーメン本来の味わいを損なってしまうでしょう。少量であれば料理にアクセントがついて、よりおいしく食べることができますが、胡椒のかけすぎは逆効果です。症状がひどければ味覚を感じる機能が刺激を受け、甘みや塩味、冷たさ、熱さの判断が鈍くなるほど味覚障害にもなると言われています。

3.アレルギー物質が含まれる製品がある

原材料が胡椒のみの製品であれば、胡椒アレルギーの方でない限りアレルギー症状が現れることはありません。ただし、胡椒を加工した製品によってはアレルギー物質が含まれるものもあり、過剰摂取によりアレルギー症状が現れる可能性があります。たとえば、胡椒や塩のほかに、その他のスパイスを含むもの、大豆や小麦といった添加物を含むものなどさまざまです。かけすぎに注意するだけでなく、アレルギー体質の方が胡椒を使用する際は、製品のアレルギー表示を確認したうえで購入しましょう。

胡椒の摂りすぎは高血圧になるって本当?

香辛料を食べすぎると血圧が上昇する、高血圧になるというイメージを持っている方は多いかと思います。しかし、胡椒には血圧をあげる成分は含まれていません。塩分の摂りすぎは体内の血液量が増えて高血圧につながりますが、胡椒には塩分がほとんど含まれていないため高血圧になるリスクは少ないです。高血圧を避けたいと考えている方でも、適量であれば気にせず胡椒は食べられます。むしろ胡椒のアクセントで料理の味付けをより楽しめるのであれば、胡椒で減塩ができるので高血圧の予防につながります。

胡椒は4種類!使い分けや特徴の違いを紹介

胡椒の種類

胡椒は大きく分けて次の4種類があります。

胡椒の種類

  • ブラックペッパー(黒胡椒)
  • ホワイトペッパー(白胡椒)
  • グリーンペッパー
  • ピンクペッパー

胡椒の種類は、それぞれで品質が違うのではなく、収穫後の処理方法で呼び名が変わります。ここからは胡椒の種類について詳しく解説します。

ブラックペッパー(黒胡椒)

胡椒

ブラックペッパー(黒胡椒)は、胡椒の種類のなかでも最も主要で、一般家庭でもよく使われている種類です。まだ完熟していない緑色の胡椒の実を天日干しして乾燥させたものです。表皮にも辛み成分が多く含まれており、胡椒特有の香りや辛みが強いという特徴があります。

香りと辛みが味を引き締めてくれるほか、臭みを消してくれるので、肉料理をはじめとする強い味の料理との相性がいいです。ホール(粒)のまま料理に使用することはほとんどなく、ミルと呼ばれる機械を使用し挽いてから使用するのが一般的です。特に挽き立ては香りがいいので、ホールで保存しておき使用する直前に挽いて使用することをおすすめします。

ホワイトペッパー(白胡椒)

ホワイトペッパー

ホワイトペッパーは、赤く熟した胡椒の実を収穫してから果皮を除去した種類です。収穫後に1週間程度水に浸すことで発酵させ、果皮を外して核部分のみを外し、乾燥させるとホワイトペッパーができあがります。ブラックペッパーと比べて香りや風味が少なく、見た目も目立ちにくいのでクリーム系の料理や煮込み料理、白身魚の料理などによく用いられます。

グリーンペッパー

グリーンペッパー

グリーンペッパーは、熟していない胡椒の実を加工したもので、「青胡椒」「緑胡椒」などと呼ばれます。未熟な緑色の胡椒の実を塩漬けしたもの、フリーズドライしたものがグリーンペッパーです。さわやかな辛みと香りが特徴で、肉料理と魚料理の両方に合います。ミルで挽かずにホールのまま料理に使われることも多く、時には味のアクセントとなる食材として食べられています。

ピンクペッパー

ピンクペッパー

ピンクペッパーは、「ウルシ科コショウボク」とよばれる植物の実を茹でて塩漬けにしたものです。なかには、胡椒の実を乾燥させたもの、「バラ科セイヨウナナカマド」の実を乾燥させたものがあります。コショウボクやセイヨウナナカマドから作られたピンクペッパーは、辛みがないことが特徴です。ピンクペッパーはブラックペッパーなどと比べて風味はマイルドですが、胡椒特有の香りと酸味、ほのかな甘みがあります。カルパッチョやオイル系のサラダと相性がいいほか、鮮やかな赤色をしているので、料理の彩りにも使われます。

胡椒に含まれる成分

白胡椒・黒胡椒

胡椒には主に次の成分が含まれます。

胡椒の成分

  • カリウム
  • ピペリン

それぞれの成分と作用について解説します。

カリウム|体内の塩分を排出する

胡椒にはカリウムが多く含まれています。カリウムは、体内の塩分を排出するはたらきがある、人体に必要なミネラルの一種です。ナトリウムと相互作用し、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑えて尿として余分なナトリウムを排出します。胡椒を上手に取り入れることで、減塩対策が可能です。また、体内の塩分が排出されるので血圧を下げる効果が期待でき、高血圧予防やむくみ改善に役立ちます。

鉄|全身へ酸素を運ぶ

胡椒には鉄分も含まれています。鉄分は、カリウムと同じミネラルの一種で、赤血球の材料となり全身に酸素を運ぶ役割を持ちます。鉄分は体内で合成できないため、食事から摂取する必要のある成分です。鉄分が不足すれば、全身に十分な量の酸素を運べなくなり、めまいや倦怠感といった「鉄欠乏症貧血」になる可能性があります。胡椒ひと振りの鉄分量はわずかですが、日々の食事に取り入れることで鉄分摂取の助けになります。

ピペリン|体の代謝を促進する

ピペリンは胡椒の辛み成分のもとであり、抗菌作用や防腐作用などを持つ有機化合物です。黒胡椒は全体の栄養成分の6〜9%を占めています。ピペリンには血管を広げて血流をよくするはたらきがあるほか、代謝を促進したり胃腸の調子を整えたりする効果が期待できます。

胡椒の摂取で期待できる健康効果

ペッパーミル

胡椒は適量摂取することで、次の健康効果が期待できます。

胡椒の健康効果

  • 血行を促進
  • 胃腸の調子を良くする
  • ダイエット効果

これらの主な効果は、胡椒の主要成分「ピペリン」によるものです。それぞれの詳細を解説します。

血行を促進

胡椒に含まれるピペリンは、血行を促進させる成分です。血管を拡張して血流を良くします。血流が良くなることにより、冷え性改善や肩こりの軽減、目の下のクマ改善などの効果が期待できます。さらに、胡椒には塩分を排出するカリウムも含まれており、高血圧の予防に役立ちます。

胃腸の調子を良くする

胡椒に含まれるピペリンは、脾臓(ひぞう)の消化酵素を刺激する作用があります。さらに、血行促進作用により消化器官のはたらきを向上させ、胃腸の調子を良くするほか、食欲増進に役立ちます。さらに、血行が促進されることにより栄養素が全身に行き届きやすくなり、その他の栄養素の吸収も高めることが可能です。そのため、胃が疲れた時や食欲がない時に胡椒の摂取がおすすめです。

ダイエット効果

ピペリンはエネルギー代謝の向上にもつながります。エネルギーが代謝されれば体温が上がり、脂肪が燃焼されやすくなるので、ダイエット効果が期待できます。ただし、胡椒には食欲を増進させるはたらきもあるので、胡椒を使用する際は食事量(摂取カロリー)が増えないよう注意が必要です。ダイエットを目的とする場合は、食生活に適量の胡椒を取り入れて、食事管理と適度な運動も欠かせません。

胡椒のおすすめの摂取方法

胡椒はさまざまな料理に加えることができ、料理の味わいにアクセントをつけてくれます。おすすめの摂取方法には以下があります。

胡椒のおすすめの摂取方法

  • カレーに加える
  • 温かいスープに生姜と一緒に加える
  • サラダにオリーブオイルと一緒に加える

それぞれ詳しく解説します。

カレーに加える

カレー

胡椒はカレーに加えるのがおすすめの食べ方です。さまざまなスパイスが入ったカレーは胡椒と相性がいいです。カレーに使われる香辛料のひとつ「ターメリック」には、抗炎症作用や抗がん作用などがあり、便秘の改善や美肌の維持などに役立ちます。さらに、胡椒に含まれるピペリンはターメリックの吸収率を向上させるはたらきがあるので、味と成分の両方と相性がいい組み合わせです。

温かいスープに生姜と一緒に加える

温かいスープに生姜と胡椒を一緒に加えるのもおすすめの食べ方です。生姜には体を温める作用があり、胡椒には血流を良くする作用があるので、冷え性の改善に役立ちます。さらに、冷えによる胃腸の不良・消化不良にも改善効果が期待できます。また、ピペリンは血流を良くして全身に栄養素が行き届くのを助けてくれるので、具沢山のスープにするのがおすすめです。

サラダにオリーブオイルと一緒に加える

サラダ

サラダのドレッシングとして、オリーブオイルと胡椒を一緒に加えるのもおすすめです。緑黄色野菜をはじめ、野菜に含まれる栄養と胡椒の栄養を同時に摂取することで、美肌効果が期待できます。

胡椒をかけすぎて辛い時の対処法

トマト

適量であれば健康効果が期待できる胡椒ですが、ついついかけすぎると胡椒の辛さを強く感じて料理の味を損なう可能性があります。胡椒をかけすぎて辛いと感じた時には、以下2つの対処法があります。

胡椒をかけすぎた時の対処法

  • 脂肪の多い食品を足す
  • きゅうりやトマトを食べる

調理中に胡椒をかけすぎた場合は、無塩バターやクリームなどの脂肪分を足すと味がまろやかになります。食べる直前に胡椒をかけすぎた場合は、牛乳などを飲むのもおすすめです。

また、トマトやきゅうりなど水分の多い野菜などがあれば、一緒に食べることで辛みによる体の火照りを緩和させられます。

塩分を控える味付けのコツ!減塩で健康的な食事に

塩

塩分を控えるために、塩分がほとんどない胡椒の使用を検討している方は多いかと思います。胡椒は味付けのアクセントになるので多少の満足感を得られます。しかし、なかには胡椒だけでは物足りなく感じるかもしれません。減塩を目指している方におすすめの味付けは以下があります。

塩分を控える味付けのコツ

  • 料理の旨みや香りを楽しむ
  • ごま油やオイルを加えてコクを楽しむ
  • 下味にだけ少し食塩を使う
  • 酸味を加える

塩分が少なくても、旨みや香りのある料理であれば満足感を増すことができます。昆布やカツオ、きのこ類には旨み成分が豊富に含まれており、生姜やにんにくなどの香味野菜は料理の香りを引き立ててくれます。

そのほか、ごま油やオリーブオイル、バター、ナッツなど油分の多い調味料・食材を使えば、料理にコクが生まれて口当たりがなめらかになり、塩分控えめでも料理を楽しむことが可能です。ただし、オイルを使用する際は無塩バターや無添加ナッツなど、食塩が使われていないものを選びましょう。また、煮込み料理などに入れる肉・魚には下味にだけ少し食塩を使ったり、レモンやお酢で酸味を楽しんだりするのもおすすめです。

そもそも胡椒とは?歴史や基本情報を解説

胡椒

胡椒は世界中で良く使われている香辛料です。胡椒の基本情報は次のとおりです。

分類 コショウ科コショウ属
原産地 インド
草丈 つる性の植物。5m〜9mまで成長
開花期

胡椒の歴史は古く、古代からインド地方の貴重な輸出品として用いられており、紀元前4世紀はじめごろにはすでに胡椒の存在が記録されています。中世ヨーロッパでは胡椒の防腐作用・防虫作用は珍重されており、貨幣の代用とされていました。その価値は金と同重量で扱われていたほど、非常に貴重なものでした。

また、胡椒は中国西方の異民族を指す言葉「胡」と山椒の「椒」の2文字からなります。「胡の国から伝わった辛いもの」という意味で中国で名付けられ、日本ではそのまま胡椒という言葉が使われています。

まとめ

胡椒にはほとんど塩分が含まれていないため、減塩目的として役立つ調味料です。料理の味わいにアクセントをつけられるので、塩分が少なくても満足感を得やすいです。適量であれば健康効果も期待できるので、日々の食事にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!