ラズベリーってどういう果物?栄養価を落とさず美味しく食べる方法とは
ルビーのような鮮やかな色と、小さくてコロンとした、可愛いフォルムが特徴の果物、ラズベリー。お菓子のトッピングなどで見かけるラズベリーですが、実は様々な美容健康効果が期待できる、今注目の果実であることをご存知でしょうか?
この記事では、ラズベリーが持つ驚きの栄養効果を解説。栄養を損なわずおいしく食べられる、おすすめの食べ方についても詳しくご紹介します!
この記事でわかること
- ラズベリーの日本語は「木いちご」フランス語は「フランボワーズ」
- ラズベリーの歴史は古く、日本には明治維新のころに伝わったと言われる
- 北海道は、国内で3位(シェア28%)のラズベリー生産量!
- ラズベリーの栄養価は高く、特にラズベリーケトンという成分がすごい
- 栄養価を逃さずに美味しくラズベリーを食べる方法
ラズベリーってどんな果物?
ラズベリーとは、バラ科キイチゴ属の果樹です。ヨーロッパや北アメリカでは古くから野生のラズベリーが自生しており、栽培にあたって品種改良が進められてきました。
ルビーのような赤い果実のイメージが強いラズベリーですが、黒、紫、黄色の実がなるラズベリーもあるんですよ。
バラ科キイチゴ属に属する果樹は400種以上と言われていますが、なかでもラズベリーの仲間とされやすいのが「ブラックベリー」。実はラズベリーとは別物です。果実が熟したときに内部が空洞になるのがラズベリー、中身が詰まっているのがブラックベリーです。味わいにも違いがあります。
ラズベリーは日本では「木いちご」とも呼ばれています。ちなみにフランス語では「フランボワーズ」。これら3つは、呼び方は違えど全て同じものです。
ラズベリーの歴史
ラズベリーは、古くから欧米を中心に世界各地で生息していましたが、本格的な栽培が始まったのは、16世紀以降のイギリスが最初だとされています。
ヨーロッパではラズベリーの葉は、体調を整えるためのハーブティーとして愛飲されています。特に出産前後の女性にとっては「なくてはならないお茶」として知られているそうですよ。
その後ラズベリーはアメリカに伝わり、独自に改良、栽培化されて発展しました。
日本にラズベリーが伝わったのは、明治維新がきっかけと言われています。アメリカから導入された多くの果樹のなかに、14種のラズベリーがありました。
しかし、当時は栽培技術が未発達だったことや、食文化の違いにより栽培には至らず。その後、1955年以降の高度経済成長期に、改めて果樹として国内で栽培されるようになりました。
北海道は国内第3位のラズベリー生産地!
日本でのラズベリー生産量は3.6t。他の果実類と比べると流通量は少なく、希少価値の高い果物のひとつと言えるでしょう。
ラズベリーの国内生産量の概要は以下のとおりです。
順位 | 都道府県 | 栽培面積 | 出荷量 | 全国シェア |
---|---|---|---|---|
1位 | 秋田県 | 1.2 | 1.4 | 39% |
2位 | 山形県 | 1.4 | 1.2 | 33% |
3位 | 北海道 | 1.7 | 1.0 | 28% |
計 | 4.3(ha) | 3.6(t) |
参考:農林水産省「令和2年特産果樹生産動態等調査(かんきつ類以外の果樹【落葉果樹】)
貴重な国内産ラズベリーの生産量、第3位は北海道。日本で生産している約3割のラズベリーが、北海道で栽培されています。北海道での主な産地は十勝地方の帯広市、釧路地方の弟子屈町、後志地方の仁木町などです。
ラズベリーの栽培が日本であまり流通しいない理由のひとつに、収穫期の気候があります。ラズベリーは6〜7月が収穫期。日本の気候では果実が傷みやすく、生産量があまり確保できないそうです。
東北地方や北海道の気候は、国内でも比較的ラズベリーの栽培に向いている地域と言えるでしょう。
ラズベリーの栄養効果
一粒一粒手をかけて作られているラズベリーは、甘酸っぱいおいしさが特徴。さらにおいしいだけではなく、女性にうれしい効果がたっぷり詰まっているんですよ。
次からは、ラズベリーの栄養効果についてご紹介していきましょう。なかでもラズベリーならではの成分「ラズベリーケトン」には注目です!
ラズベリーの主な栄養素
ラズベリー100gに含まれる成分・栄養素は下記表のとおりです。
栄養成分 | 含有量 | ブルーベリー |
---|---|---|
エネルギー | 36kcal | 48kcal |
たんぱく質 | 1.1g | 0.5g |
炭水化物 | 10.2g | 12.9g |
脂質 | 0.1g | 0.1g |
食物繊維 | 4.7g | 3.3g |
ビタミンA | 2μg | 5μg |
ビタミンC | 22mg | 9mg |
ビタミンE | 0.8mg | 1.7mg |
カリウム | 150mg | 70mg |
マグネシウム | 21mg | 5mg |
鉄 | 0.7mg | 0.2mg |
亜鉛 | 0.4mg | 0.1mg |
葉酸 | 38μg | 12μg |
ラズベリーは100gあたり36kcalと、同じベリー類であるブルーベリーに比べて、低カロリーであることがわかります。
さらにラズベリーにはカリウムや鉄、亜鉛などのミネラルが多く含まれており、ビタミンやタンパク質、食物繊維がバランスよく詰まった、栄養価の高い果物なんです。
なかでもビタミンCの含有量は、なんとブルーベリーの約2.5倍!タンパク質の合成を促進させる葉酸も、ブルーベリーの3倍以上含まれています。
ラズベリーの栄養成分「ラズベリーケトン」とは?
ラズベリーに含まれる栄養成分のなかで、特に注目されているのが「ラズベリーケトン」と呼ばれる香り成分です。
ラズベリー特有の甘酸っぱい香りに含まれており、脂肪に直接働きかけ、分解する効果があるとされています。その効果は、唐辛子の成分で有名な「カプサイシン」の3倍にもなるそう!ラズベリーケトンは、優れたダイエット効果を発揮する成分と言えるでしょう。
さらにラズベリーケトンには、肌の弾力を高めて、発毛を促進する効果もあることがわかっています。
まだまだあります!ラズベリーの嬉しい効果
驚きのダイエット効果が期待できる「ラズベリーケトン」を筆頭に、豊富な栄養成分のあるラズベリー。女性に嬉しい効果はまだまだあります!
眼精疲労の改善
ラズベリーに含まれている「アントシアニン」というポリフェノールの一種には、目の機能を改善する働きがあることがわかっています。
アントシアニンの作用は、目の網膜のなかにある「ロドプシン」と呼ばれるタンパク質の分解、再合成の促進です。アントシアニンがロドプシンの働きを助けることで、視力の向上や、眼精疲労の改善に役立っています。
さらに、白内障や緑内障などの眼病予防にも効果があるとされています。
美白効果、老化防止
赤いラズベリーに多く含まれている「エラグ酸」は、強い抗酸化作用を持つポリフェノールの一種です。
シミの原因となるメラニンの生成防止に効果的であるほか、体内の毒素を排出して老化現象を防いだり、内臓機能を高める効果があるとされています。
エラグ酸が含まれる食べ物のなかでも、ラズベリーは特に効率よく体内に吸収できる食材としても知られています。
ラズベリーは冷凍しても栄養そのまま?
国内産の生ラズベリーは、流通量が少なくあまり日持ちしないため、冷凍品で見かけることが多いのではないでしょうか。
手軽に食べられる冷凍ラズベリーですが、冷凍することで栄養価が下がらないか、心配になる方もいるのでは?
安心してください。ラズベリーの栄養素は冷凍しても損なわれないどころか、生のラズベリーよりも栄養価がアップすることがわかっています!
なぜなら、ラズベリーの皮部分の細胞が壊れることで、栄養成分の吸収率が上がるから。細胞が壊れても、成分量は変わりません。
もし自宅で生のラズベリーを保存する場合も冷凍保存がおすすめです。
洗った後は水分を丁寧に拭き取り、バットやトレイにラズベリーが重ならないよう平らに並べてから、凍らせましょう。果実が凍ったらジッパー付きの保存袋に移し、1か月ほど保存が可能です。
おいしさと栄養を逃がさない!ラズベリーのおすすめの食べ方
女性にうれしい美容効果が詰まったラズベリー。そのまま食べてももちろんおいしいのですが、さらにおいしく、ラズベリーの栄養を効率的に摂れる食べ方をご紹介!毎日の食卓からちょっと特別な日の食事まで、幅広く活用できますよ。
おすすめは冷凍ラズベリーをそのまま食べられるジェラートやスムージー!
ラズベリーの栄養価を効率的に摂りたい方におすすめなのは、冷凍したラズベリーのアレンジ。冷凍することで栄養価をアップさせたラズベリーを、フードプロセッサーで混ぜるだけで出来る、ジェラートやスムージーにするのがおすすめです。
ヨーグルトやバナナを混ぜることで、整腸作用が促進されるだけでなく、食べた時の満足感も得られるメリットがありますよ。
バナナにはむくみ解消のカリウムもたっぷり入っており、ラズベリーの甘酸っぱさともベストマッチ。お好みではちみつを足すとGOODです。
フレッシュな生ラズベリーはトッピングやジャム、ソースに
ビタミンCたっぷりのフレッシュな生ラズベリーは、お菓子のトッピングにぴったりです。鮮やかな色と可愛いフォルムは、ひとつトッピングするだけで華やかさを演出できます。
大きさがまちまちだったり、酸みが強い生のラズベリーは、ジャムやソースにするとよいでしょう。電子レンジでも簡単に作ることができますよ。
ラズベリーを使ったソースは、肉料理におすすめ。色鮮やかでフルーティなベリーソースは、特別なディナーメニューにもぴったりです。
まとめ
ラズベリーは栄養価が高く、「ラズベリーケトン」をはじめ、美容効果や健康効果が期待できるフルーツです。
冷凍ラズベリーであれば手軽に食べられるうえに栄養価もアップ!忙しい朝やダイエット中のおやつにもおすすめです。
鮮やかな美しい色と、甘酸っぱさが魅力のラズベリー。ぜひ毎日の食卓に、お菓子づくりにと、積極的に取り入れてみてくださいね。