今更聞けない…「SDGs」とは?意味や読み方、私たちにできることをわかりやすく解説!
近年、テレビや雑誌などでもよく耳にするようになったSDGsという言葉。世界中で行われている取り組みで、私達ひとりひとりも活動の参加者です。
そんなSDGsですが、実は意味をよく知らない、読み方が分からないなんて人も少なくありません。
この記事では、SDGsの意味や読み方などを解説します。大人はもちろん、子供にもわかるよう内容をわかりやすく簡単に紹介しているので、まずは気軽にご覧ください。
- SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略
- SDGsの読み方は「エスディージーズ」
- 17の目標と169のターゲットを設定し、2030年までの達成を目標にしている
この記事でわかること
今さら聞けない!SDGsってどういう意味?
メディアでも頻繁に取り上げられ、近頃は企業の取り組みも活発になってきたSDGs。何となく意味などは分かっているものの、人に説明できる程詳しくないという人も少なくないでしょう。
まずは、SDGsはどのような取り組みなのか意味や概要、目的を解説します。
始まりは2015年
SDGsは2015年9月に行われた国連サミットで採択された、国連加盟国196カ国すべてが取り組むべき施策です。施策の達成期間は15年後の2030年に設定されています。
ちなみに、国連サミットで採択されたのは「Transforming Our World(我々の世界を変革する)」という文書で、SDGsは文書内に記載された施策のひとつであることはあまり知られていません。
SDGsの目的
SDGsは日本語に訳すと「持続可能な開発目標」です。17の目標と169のターゲットを開発目標に掲げ、貧困、自然環境の破壊、全ての人々の人権の保護など、世界共通の問題に対する解決を目的としています。
SDGsの読み方
SDGsは「エスディージーズ」と読みます。また、正式名称は「Sustainable Development Goals」で「サステナブル デベロップメント ゴールズ」です。
SDGsの影響で「サステナブル」「サステナビリティ」などの言葉を聞く機会も増えましたよね。
サステナブルは「持続可能な」という意味を持つのに対し、サステナビリティは「持続の可能性を持つ状態」を指します。よく似ている言葉ですが、間違えてしまうと全く違う意味になるため注意しましょう。
【一覧】SDGsが掲げる17の目標
SDGsでは、持続可能な開発目標として17の目標を掲げています。
17の目標は以下のとおりです。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさを守ろう
- 平和と構成をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
それぞれの目標に対して、具体的なターゲットが5~19個設定されています。
SDGsが掲げる169のターゲット
SDGsが掲げる17の目標には、それぞれの対象を具体的に説明する169のターゲットが設定されています。
「目標1.貧困をなくそう」なら「ターゲット1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。」のように、具体的にどのような状態に陥っている人を対象として、どのような持続可能な開発を行っていくのか明記されています。
最もターゲットの多い目標は「目標17.パートナーシップで目標を達成しよう」で、19のターゲットが設定されています。
SDGsについて知りたいからといって169の全てのターゲットを理解して覚える必要はありませんが、気になる方は全てのターゲットが記載されている総務省の仮訳した資料や外務省のSDGsのプラットフォームから読んでみてはいかがでしょうか。
総務省:持続可能な開発目標(SDGs)指標仮訳
外務省:JAPAN SDGs Action Platform|グローバル指標
SDGsの具体的な取り組み
SDGsが世界をより良くするための目標であることが分かってきましたが、具体的にどのような取り組みを国、企業、個人が行っているのでしょうか。
続いて、SDGsの具体的な取り組みについてみていきましょう。
日本の取り組み
日本では、2016年に故・安倍元総理が本部長として第1回「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合」が行われています。国としてどのようにSDGsに取り組むのかを考え、約4,000億円の投資を検討するなど数回に渡って行われた推進本部会合では、SDGsについてさまざまな議論が交わされました。
また、2019年にはSDGsアクションプラン2020を発表。以下の3つを基本軸とした取り組みに注力していくことがアピールされています。
- ビジネスイノベーション SDGsと連携する「Society(ソサエティー)5.0」の推進
- SDGsを原動力とした地方創成、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり
- SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメント
ビジネス・環境・人、それぞれの視点から包括的にSDGsに取り組むことを表明しています。
企業の取り組み
企業にとってSDGsはブランドイメージの向上や社会貢献などのメリットがあり、大企業ほど取り組みに力を入れていることが多いです。
大和ハウス工業株式会社ではSDGsに関する情報発信や子供への教育活動などに取り組んでいます。また、積水化学工業株式会社では、里山の保全や森づくり活動など自然環境に関する取り組みが行われています。
グローバル企業ほどSDGsへの貢献が重視される世界的風潮にあり、世界的なビジネスを行う企業にとって、今やSDGsへの取り組みは欠かせないものと言えるでしょう。
個人の取り組み
個人でできる取り組みとしては以下を参考にしてみてください。
- エアコンの設定温度を夏は高めに、冬は低めに設定する(目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに)
- 水を節約する(目標6.安全な水とトイレを世界中に)
- 食べ残しを出さない(目標12.つくる責任 つかう責任)
その他、フェアトレード製品を選んで購入することもSDGsに繋がります。個人でできる取り組みは他にもさまざまなものがあるため、1人1人が無理なくできることからはじめてみてください。
SDGs達成度ランキング
国際研究組織「SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)」では、毎年世界各国のSDGs達成度をランキング化して発表しています。
2022年度版では、日本は163カ国中19位でした。ベスト20は以下のとおりです。
2022年の順位 | 国名 | 前年の順位 |
---|---|---|
1位 | フィンランド | 1位 |
2位 | デンマーク | 3位 |
3位 | スウェーデン | 2位 |
4位 | ノルウェー | 7位 |
5位 | オーストリア | 6位 |
6位 | ドイツ | 4位 |
7位 | フランス | 8位 |
8位 | スイス | 16位 |
9位 | アイルランド | 13位 |
10位 | エストニア | 10位 |
11位 | イギリス | 17位 |
12位 | ポーランド | 15位 |
13位 | チェコ | 12位 |
14位 | ラトビア | 22位 |
15位 | スロベニア | 9位 |
16位 | スペイン | 20位 |
17位 | オランダ | 11位 |
18位 | ベルギー | 5位 |
19位 | 日本 | 18位 |
20位 | ポルトガル | 27位 |
達成度ランキングは、SDGsの達成度をスコア化して順位をつけています。先進国のなかでもヨーロッパ諸国は特に取り組みが盛んに行われており、日本はアジア・太平洋の先進国のなかで唯一ベスト20にランクインしています。
SDGsに関連するさまざまな取り組み
SDGsの他にも世界共通でこれまで進めてきた取り組みにはさまざまなものがあります。前身となる取り組みを知ることで、SDGsの重要性がもっと理解できるようになります。
また、SDGsに積極的に取り組むためにもさまざまな新しい施策が行われています。最後に、SDGsに関連する取り組みをみていきましょう。
投資に伴うESGへの配慮の提言
2006年に当時の国連事務総長、コフィー・アッタ・アナン氏の提言が、SDGsに大きな影響を与えていると言われています。アナン氏は、全ての投資家に対して、投資先の企業を選ぶ際に、その企業がESG(Eは「環境」Sは「社会」Gは「企業統治」を表す)への責任を果たしているかどうかを重視すべきと提言しました。
この提言により、日本企業のなかでもESGを重視する風潮が広まりました。SDGsへの貢献度はESGへの責任を果たしている指標となります。投資先を選ぶ指標としてもSDGsへの取り組みが重視されることで、現在の企業の積極的な取り組みが実現しているのです。
MDGs
MDGsとはMillenium Development Goalsの略称で「エムディージーズ」と読みます。ミレニアム開発目標という意味を持ち、2000年に行われた国連ミレニアム・サミットで採択されました。8つのゴールを2015年まで達成することを目標に取り組みが行われており、MDGsで達成できなかった目標や新たな問題がSDGsに採用されています。
SDGs未来都市
SDGsは日本で行われている取り組みです。同取り組みでは、積極的にSDGsに取り組んでいる自治体をSDGs未来都市として選定し、特に優れた取り組みを行っている10の自治体に上限4,000万円の補助金制度を設けています。
地方創成の後押しとなり、自治体が自ら考えSDGsに取り組むことを推進している施策のひとつです。
まとめ
これまで世界では資源は無限に湧き、ひたすら技術や文明が進化し続けられるものだと考えられていました。しかし、資源には限りがあり、技術や文明を進化させるためにも、人間がこれまで見て見ぬふりをしてきたものを守り・育てる必要があります。
SDGsは、これからも世界中の人が幸せに暮らしていくため、そして人間が力を合わせてたった一つの地球という星で暮らし続けるために重要な目標です。
SDGsへの理解を深め、国や企業、個人ができることに取り組んでいくことで、より良い世界を実現できるでしょう。まずは、SDGsについて知り、自分に何ができるのか、考えるきっかけにしてみてください。