マカロン・ダミアンってどんなお菓子?作り方や一般的なマカロンとの違いも解説
マカロンの一種「マカロン・ダミアン」。フランスの伝統的なお菓子で、日本でよく知られているマカロンとは違ってやや素朴な味わいのマカロンです。アーモンドを大量に使用するので、アーモンドのコクと風味を感じられるのがマカロン・ダミアンの特徴です。
こちらの記事では、マカロン・ダミアンの味わいや歴史、ほかのマカロンとの違いを解説します。
- マカロン・ダミアンはフランスのアミアン市発祥のお菓子
- アーモンドの風味とコクが特徴
- 外はザクッ、中はねっとりとした食感
- マカロンはフランスの地方によって製法・歴史が異なる
この記事でわかること
マカロン・ダミアンとは?
マカロン・ダミアンとはアーモンドの風味が特徴的なフランス発祥のお菓子です。
フランス北部ピカルディ地方の州都「アミアン」の特産品で、16世紀ごろに誕生しました。フランスでは、伝統的なお菓子のひとつとしてよく知られています。さまざまな製法がありますが、主にアーモンドプードル(アーモンドパウダー)をベースとして卵や砂糖、はちみつ、ジャムなどの材料から作られます。
日本でマカロンと言えば、スベスベとした表面のカラフルなマカロンが一般的ですが、あちらは「マカロン・パリジャン」というスイーツ。「マカロン・ダミアン」はザラザラとした表面でねっとりとした食感のお菓子で、大量のアーモンドプードルを使用することによってアーモンドの深いコクをより楽しめるのが特徴です。
マカロン・ダミアンはどんな味?
マカロン・ダミアンはアーモンドの風味とコク、そして素朴な甘さが特徴。噛めば噛むほどアーモンドの深い味わいと香りを感じられます。外側はこんがり焼かれてザクっとしており、内側はハチミツのようなねっとりとした食感です。
製法によって味わいはやや異なり、アプリコットジャムを加えてより甘くしたものやバニラエッセンスを加えて香りを華やかにしたものなどもあります。また、コーヒーとの相性もよく、一口サイズで食べやすいのもマカロン・ダミアンの魅力のひとつです。
マカロン・ダミアンの歴史や名称の由来
マカロン・ダミアンは、16世紀にフランス王「アンリ2世」の元へ嫁いだイタリア人女性「カトリーヌ・ド・メディシス」によって、イタリアからフランスへマカロンが伝わったことが原点です。アミアン市で作られるマカロンは、次第に「Macarons d’Amiens(アミアン風マカロン)」として広まったと言われています。
しかし、なかには13世紀のイタリアで中東アジアのアーモンド粉を使ったマカロン・ダミアンがすでに作られていたという説もあります。
また、近年では1992年の「国際製菓フェア」でフランス地域料理グランプリを獲得しました。現在マカロン・ダミアンはフランスの代表的なお菓子としても知られています。
マカロン・ダミアンとマカロンの違いは?3種類のマカロン比較
マカロンにはさまざまな種類があります。日本でよく知られているマカロン(マカロン・パリジャン)など、フランスにはご当地マカロンが多数存在します。
代表的なマカロンの種類
- マカロン・パリジャン
- マカロン・ド・ナンシー
- マカロン・ド・サンテミリオン
どれも同じフランス発祥のマカロンで、材料は主に卵・砂糖・アーモンドなどと同じですが、それぞれマカロンが生まれた地方が違い、作り方も違います。
アミアン市で生まれたマカロン・ダミアンはドーム状や円柱状の形をしていますが、ナンシー市のマカロンやサンテミリオン市のマカロンは平らな形状をしており、製法が異なるので見た目や味わいも異なります。
また、ほかにもマカロン・モンモリオンやマカロン・サンジャン・ド・リュズなどが知られ、マカロンの種類は地方によってさまざまです。ここからは、上記3種類のマカロンについて詳しく紹介します。
1.マカロン・パリジャン
マカロン・パリジャン(Macarons Parisiens)は、2枚の生地にクリームやガナッシュと呼ばれる生チョコなどを挟んだマカロンです。カラフルに着色された生地やスベスベな表面が特徴的で、日本で有名なマカロンがこのマカロン・パリジャンです。さくっとした軽い食感ととろっとしたやわらかい舌触りとなっており、バニラやチョコのほかに、ゆずやレモンなどの幅広いフレーバーがあります。色鮮やかでかわいらしい箱に詰めてあることも多く、おしゃれな見た目から女性を中心に人気を集めています。
また、マカロン・パリジャンはパリで最近誕生したばかりのマカロンです。歴史の古い伝統的なマカロンとは違って卵白をメレンゲ状に泡立てたあと、1週間寝かせてから作り始めるという手間のかかる製法も特徴のひとつです。
2.マカロン・ド・ナンシー
マカロン・ド・ナンシー(Macarons de Nancy)は、フランスのグラン・テスト地方の都市「ナンシー」のマカロンです。フラットな形をしており、固くひび割れした表面にやわらかい中身が特徴です。煮詰めた砂糖に卵白やアーモンドを加えて作られており、シンプルな材料で素朴な味わいとなっています。
マカロン・ド・ナンシーの発祥は、二人の修道女が作りはじめたことがきっかけとされています。
18世紀のフランス革命時、迫害を受けていた二人の修道女はナンシーの医師の自宅にかくまってもらい、助けてくれたお礼に医師へマカロンを作りました。修道女が作ったマカロンはたちまち町の評判となり、銘菓となったと言われています。
3.マカロン・ド・サンテミリオン
マカロン・ド・サンテミリオン(Macarons de St-Emilion)は、世界遺産のブドウ畑でも有名なフランスの「サンテミリオン」のマカロンです。
平らで小ぶりな形をしており、固くひび割れた表面にややねっとりとした食感が特徴です。1620年にウルスラ修道会の修道女が作ったのが始まりとされてます。
マカロン・ダミアンの作り方
マカロン・ダミアンは以下の手順で作られます。
マカロン・ダミアンの作り方
- アーモンドプードルと砂糖を混ぜる
- はちみつなどを入れて混ぜる
- 卵白を加えて生地をまとめる
- 一晩休ませる
- 生地を棒状にして厚さ2㎝にカットする
- オーブンで焼く
基本となる材料はアーモンドプードル・砂糖・卵白・はちみつです。ほかに、りんごジャムやアプリコットジャムなどを入れて甘くするアレンジや、アーモンドオイルやバニラエッセンスで香り高くするアレンジもあります。
まとめ
マカロン・ダミアンは、外側のザクっとした食感と内側のねっとりとした歯触りが特徴的なフランス発祥のお菓子です。 ほかの種類と違ってアーモンドを多く使用するので、アーモンドの香りやコクを楽しめるマカロン・ダミアンをぜひお試しください。