リンゴ酢を飲むタイミングはいつ? もっとも効果が得られる時間帯と正しい飲み方
体に良いというリンゴ酢。最近ではいろんなフルーツビネガーが出ていますが、それらは調理用というよりも飲用に特化してアレンジされているようですね。こちらの記事ではフルーツビネガーとしては初期から親しまれ、調理用・飲用どちらにも利用できる「リンゴ酢」についてまとめてみました。
この記事でわかること
- リンゴ酢は栄養豊かな醸造酢
- 脂肪燃焼など効能もたっぷり!
- 摂り過ぎには注意して
- 食事中や食後、寝る前に飲むのが効果的
リンゴ酢とは
リンゴ酢は一般的な食酢の1種です。食酢は醸造酢と合成酢とにわけられ、果実や穀類を原料にして酢酸を使わないものを醸造酢、酢酸を水で希釈して調味料を加えて造られた食酢を合成酢と呼びます。リンゴ酢は、リンゴ果汁を発酵させて作った醸造酢となります。
醸造酢
醸造酢は、でんぷん質を含む農作物に酢酸菌を混ぜたり、天然の発酵菌を利用して酢酸発酵させたものをろ過して作られます。原材料となる農作物はさまざまで米や麦、豆類のほか、リンゴ酢のように果物も使われます。また、酢酸菌や酵母、酵素の違いによっても風味が大きく異なります。主な成分は酢酸のほか、有機酸、糖類、脂質、アミノ酸、ビタミン、アルコールなど。これらが複雑に絡み合い、さまざまな味を作り出しています。
醸造酢は栄養価が非常に高く、疲労回復や高脂血症の予防、抗菌・殺菌作用など人間の身体が持っている修復機能を助ける働きがあるとされています。
また醸造酢は保存環境が良ければ、かなりの長期間保存のきく調味料です。そして保存すればするほど、酢の中の酢酸菌とタンパク質が作り出す沈殿物が増え、黄金色から少しずつ色が濃くなります。
合成酢
醸造酢の製造は比較的長い時間が必要で、数ヶ月の発酵期間を必要とします。天然素材を使用するため生産コストが上がり、結果的に値段も高くなってしまいます。これらのデメリットを改善するために開発されたのが合成酢です。
合成酢とは、酢酸や氷酢酸を水で薄めて砂糖や酸味料、醸造酢などを加えたもの、あるいはエタノールを化学的に作り出したものを指します。合成酢は発酵、熟成過程を経ないため、醸造酢のような効能はなく、味わいにも差があることから現在はほとんど生産されていません。
現在では、合成酢に代わって、「加工酢」が多く流通しています。加工酢とは醸造酢や合成酢にさらに香辛料や調味料を加え「酢風味の調味料」として完全に味付けされたものを指します。身近なものでは「ポン酢」や「すし酢」がそれにあたります。
加工酢には特に規定がなく、化学調味料や添加物が多く含まれている可能性があるため購入する際には原材料表示をチェックしてみると良いかもしれません。
リンゴ酢を飲むとどんな効果がある?
醸造酢であるリンゴ酢には豊かな効能があることが知られています。その効能の多くは、酢酸によるものです。あの「酸っぱさ」が体にいいんですね。
脂肪燃焼を促進して太りにくくする
リンゴ酢の主成分である酢酸には、脂質代謝を促進して内臓脂肪を減少させる効果があります。脂質は主にエネルギーとして利用される栄養素で、体を動かすときに欠かせないものですが、過剰摂取してしまうと、内臓脂肪となって体内に貯蔵されて肥満に繋がってしまいます。酢酸は脂質の利用・分解を促進するため、肥満を予防し、ダイエットにも効果的と考えられます。
血糖値の上昇を防ぐ
リンゴ酢に限りませんが、食酢には血糖値の上昇を抑制する効果があり、食品を酢と一緒に摂取するほうが、血糖値の上昇が緩やかになるといわれています。なかでもリンゴ酢は糖新生(体内でブドウ糖を合成する反応のことで、糖新生が起こると血糖値が上昇すると言われています)を抑制するため、血糖値上昇の抑制に効果的といわれています。
高血圧の予防
リンゴ酢には穀物酢と比べ、カリウムが豊富に含まれています。カリウムには体の中の余分な塩分(ナトリウム)を排出させ、高血圧やむくみを防ぐ効果があります。カリウムの利尿作用により、塩分とともに余分な水分を尿として排出させるため、血圧を下げたり、むくみを改善・予防する効果があるといわれます。
疲労回復と美肌効果
酢に多く含まれるクエン酸は、エネルギー産生に関わる栄養素です。エネルギー不足により疲労を感じている身体にエネルギーを補給し、疲労回復に効果的です。
また、クエン酸は肌の新陳代謝を促し、古い角質や老廃物を排出して新たな細胞に生まれ変わらせるターンオーバーをスムーズにするため、美白や美肌効果も期待できます。
整腸効果
リンゴに含まれるペクチンが乳酸菌を増殖させて、腸内の環境を整えます。また、ペクチンには便の容積を増やし腸の動きを良くする働きがあるため、便秘の改善にも効果があります。
リンゴ酢の摂り過ぎは危険って本当?
様々な効果が期待されるリンゴ酢ですが、「酢」なので飲み過ぎるとよくないこともあります。主成分である酢酸は酸性の強い物質なので、摂取しすぎると胃腸が荒れてしまうことがあります。とくに胃腸の弱い方や、消化器系の疾患を持っている方は飲み過ぎないように注意しましょう。
また、大量に摂取すると歯の表面を溶かしてしまうこともあります。飲用にする場合には5~7倍程度に薄めて飲みますが、薄めた状態で、1日あたりコップ1杯程度が目安になります。
リンゴ酢を飲むのはどの時間帯?効果的なタイミングとは?
リンゴ酢は血圧や血糖のコントロール、脂肪燃焼によるダイエット効果が期待できるので、もちろん摂り過ぎには要注意としても、積極的に摂取したいところ。では、どのタイミングで飲むのが効果的なのでしょうか。
食事中のドリンクや食後のデザートとして
酢酸は体の中で脂肪がつくられるときに働く酵素を邪魔するので、コレステロールや中性脂肪など血液中の脂質の過剰な増加も予防します。また、血糖値のコントロールにも効果的です。脂っこいものを食べたときや炭水化物が多い食事をとったときに、リンゴ酢をプラスするのがおすすめです。ドリンクとして添えるのはもちろん、酢の物やサラダのドレッシングにリンゴ酢を使っても同じ効果が得られます。
リンゴ酢にハチミツを加え、水や炭酸水で割ったものに果物をいれるとすっきりとしたデザートドリンクにもなりますよ。
食欲がない時に飲む
酢酸は胃や腸に働きかけて消化液の分泌を促してくれるので、食欲がないときにはお湯や炭酸などで薄めて飲むと食事がすすみやすくなります。飲みやすくて体を温めてくれるホットリンゴ酢もおすすめです。
ホットリンゴ酢の作り方
- リンゴ酢 大さじ1杯 + ハチミツ 大さじ2杯を合わせる
- 150mlのお湯を少しずつ加え、都度かき混ぜる
お湯の代わりに炭酸水で割ると爽やかなリンゴ酢ソーダに。食欲がない時には炭酸割りですっきり飲むのもいいですね。
運動後に飲むのも効果的
運動をすると筋肉内に乳酸が溜まり、それが筋疲労の一因になるという説があります。乳酸を速やかに代謝するには、入浴などで血流をよくすることがよいと言われていますが、酢酸も乳酸の代謝を促してくれます。
長距離のマラソンなど、体に負荷の高い運動を行なった後にリンゴ酢入りのドリンクを飲むと、より効果を感じられるかもしれません。
寝る前に飲むのもおすすめ
リンゴ酢には、細胞へのダメージを遅らせる抗酸化作用があるため、肌へのダメージも減らせます。寝る前に飲めば、睡眠との相乗効果で疲労回復、美肌、血圧コントロールなどに効果的です。リンゴ酢は血糖値の急激な上昇を抑えることから、眠りやすくする効果があるとも言われています。
リンゴ酢を飲みやすくするには
一般的な穀物酢や米酢と違って、リンゴを原料とするリンゴ酢は風味もフルーティーですが、水やお湯、炭酸などで割っただけではちょっと飲みにくいと感じる方もいるかと思います。
リンゴ酢の風味が苦手な方は牛乳や野菜ジュースで割っても美味しくいただけます。もちろん、果汁のジュースで割っても良いのですが、果汁には糖分が多く含まれているので、リンゴ酢でせっかく血糖値を下げる効果があるのに、相殺されてしまうことも。
料理にも積極的に
ドリンクとしては飲みにくいという方には、料理で使うのがおすすめです。酢の物や酢豚、甘酢あんかけなど、一般的に酢を使う料理もリンゴ酢で置き換えられます。爽やかなフルーティーさが、料理をより香り高く仕上げてくれるでしょう。
ドレッシングやピクルス、カルパッチョ、マリネなど、酢の香りをダイレクトに味わう料理であればなおさら、リンゴ酢の風味が際立ちます。酸味が苦手な方は、トマトソースにリンゴ酢を加えてもOK。トマトや他の食材と馴染むので、酸味が気にならなくなります。
まとめ
「リンゴ酢は体にいい」と漠然と知ってはいましたが、今回あらためて調べてみて、その効果に驚きでした!脂肪の分解によるダイエット効果に加え、血糖値や血圧のコントロール、美肌効果、整腸効果など、日々の生活をより健康的にしてくれる効果が揃っています。
毎日意識して飲むのはなかなか続かないという方でも、普段の料理の中で、穀物酢をリンゴ酢に置き換えるだけなら続けられそうですね!