見ても食べても元気になれる!「ひまわり」の育て方と美味しい食べ方
夏を代表する花といえばひまわり。太陽に向かって伸びる大きな花が特徴のひまわりは、見るだけで元気が湧いてくる、贈り物にもぴったりの花です。
そんな魅力溢れるひまわりですが、育て方のポイントを知っておけば、初心者でもご自宅で栽培できるのをご存知でしょうか。またひまわりは、育てるだけでなく、食用としても栄養価が高いことでも知られています。
この記事では、ひまわりの特徴や栽培方法について詳しくご紹介します。さらに、ひまわりの「種」の美味しい食べ方もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ひまわりの特徴や花言葉や植物としての特徴など
- 初心者でも自宅でひまわりを育てる方法と長く楽しむ方法
- 美味しくて健康にもいい!ひまわりの食べ方
ひまわりの特徴
ひまわりは、北アメリカ原産のキク科の一年草です。ひまわりの主な特徴は、夏になると咲かせる大きく豪華な花と、高く伸びる背丈。高さは2~3mのものが一般的ですが、最近では品種改良により、30㎝~150cmのひまわりも見られるようになりました。ひまわりの花色も黄色のほかに、オレンジや赤、白などの品種も多く出回っています。
また、ひまわりは「大きなひとつの花」に見えますが、実は「小さな花が集まっている花」であることをご存知でしょうか?
ひまわりの「花びら」に見える部分は、何枚もの花びらが重なってできた「花」であり、一つひとつの「花」のことを「舌状花」と呼びます。ひまわりの花は、この「舌状花」がたくさん集まってできています。
ひまわりの名前の由来
ひまわりは漢字で書くと「向日葵」です。この表記のとおり「太陽に向かって咲く植物」であることから「ひまわり」という名前がついたとされています。
ちなみにひまわりが太陽に合わせて動く姿は、つぼみをつける頃までといわれています。成長期のひまわりは、花だけでなく上部の葉も、太陽に合わせて動いているそうです。しかしその動きも開花の前にピークを迎え、花が咲いた後は向きを変えることはないといいます。
自宅などでひまわりを育てる際には、ぜひ太陽とともに動くひまわりの姿も観察してみてくださいね。
ひまわりの花言葉
ひまわりの代表的な花言葉は「あなただけを見つめている」「情熱」「憧れ」「光輝」などです。いずれも夏の厳しい暑さの中、元気に太陽に向かって咲きほこる姿から生まれたとされています。
そのためひまわりは、応援したい相手や、感謝を伝えたい相手への贈り物としてぴったりの花。また、ひまわりは7月の誕生花でもあるため、7月生まれの方へのプレゼントにもおすすめです。
ひまわりの栽培方法
ここからは実践編!ひまわりの栽培方法について詳しく解説していきます。
一年草で植え替えの必要がないひまわりは、ご自宅の庭や鉢植えでも比較的管理のしやすい植物です。栽培環境や育て方のポイントをおさえることで、きれいなひまわりを楽しむことができますよ。
ひまわり栽培に向いている土
ひまわりの栽培に向いているのは、日当たりが良く水はけの良い場所。土は中性~弱酸性を好みます。
ひまわりを鉢植えする場合は、花苗用の培養土に堆肥や腐葉土を混ぜると良いでしょう。割合の目安は培養土:腐葉土:堆肥=7:2:1です。肥料は元肥として、できるだけ深くまで混ぜ込んでおくことをおすすめします。
また、ひまわりは草丈と同じくらいの根を伸ばすので、鉢植えの場合は深さのある鉢を選びましょう。鉢植えに入れる鉢底石、鉢底ネットもお忘れなく。
地植えの場合は深さ30~40cmほどまで掘り返し、土をふかふかにしておきます。植え付けの1週間ほど前に腐葉土や堆肥、元肥を混ぜて耕しておくと良いでしょう。
ひまわりの栽培①種まき
ひまわりの発芽温度は、20℃~25℃といわれています。そのため種を蒔く時期は4月~6月がおすすめです。
ひまわりの種まき方法は、以下のとおりです。
- 土に1~2cmほどの穴を開ける。
高性種の場合は30~40cm間隔、花壇用の中高性種の場合は20cm間隔がベスト。 - 1つの穴につき、2~3粒ずつ種をまく
- まいた種の上に1cmほど土をかぶせる
- かぶせた場所を中心に、たっぷりの水をまく
万が一「種をまく場所が決まらない」といった場合には、育苗ポットにまきましょう。1ポットにつき2~3粒まいて、3週間前後育ててから植え付けをします。
ひまわりの栽培②育苗
ひまわりの種は順調にいけば、10日から15日前後(育苗ポットの場合は1週間程度)で発芽します。この期間に注意したいのは水切れです。種が乾燥すると芽が出にくいため、水を切らさないようにしましょう。ただし、水を与えすぎると種が腐ってしまうので注意が必要です。毎日土の状態を確認しながら、水やりを続けてください。
また、ひまわりの本葉が出始めたタイミングで、週に1回程度、液体の肥料を与えます。その後本葉が2~3枚程度になったら、丈夫な苗だけを1本だけ残して間引きをしましょう。間引きをすることで、この後のひまわりが成長しやすく、見栄えよく育ちます。
ひまわりの栽培③植えつけ
もし育苗ポットで育てていた場合は、本葉が4~5枚の頃、種まきから3週間程度までには植えつけを済ませましょう。この頃にはひまわりの根が十分張っているので、根を傷つけないよう、丁寧に植えつけを行ってください。また、植えつけした後は種まきの時と同様、根が定着するまで毎日水やりを行いましょう。
ひまわりは成長が早いため、植えつけ後は月に1回追肥を与えることをおすすめします。
なお、本葉が4~5枚の頃に芽の先端を摘んでおく(摘心する)ことで、栄養が脇芽に分散され、複数の花を咲かせやすくなります。一方、花は増やさずに「一輪の大きな花だけ咲かせたい」といった場合には、摘心はせずに脇芽だけを摘み取って、栄養を1か所に集中させると良いでしょう。
ひまわりの栽培④開花
ひまわりの花の蕾が見えてくると、茎も伸び倒れやすくなるため、支柱を立てましょう。開花前の梅雨明けの時期には土も乾きやすくなるため、週に1回程度たっぷりと水やりを行います。
開花時期に、複数の花を咲かせるひまわりの場合は、咲き終わった花を順番に切り取っていくと、長く花を楽しむことができます。
ひまわりの開花時期が終わると、少しずつ花がしおれてきて種ができます。乾燥させた種を保存しておけば、翌年もひまわりの栽培を楽しむことができますよ!
ひまわりの病害虫
ひまわりに発生しやすい害虫はアブラムシです。アブラムシの発生しやすい時期と、ひまわりの生育時期は重なるため、シーズンをとおして注意が必要です。
見つけたらすぐに駆除することはもちろん、専用薬剤で発生を予防することもできます。また、大量発生してしまった場合にも、薬剤で駆除することができます。
他にも水の与えすぎや、水はけの悪い土壌により、黒い病斑や「うどんこ病」に至る場合があります。変色している葉を見つけたらすぐに切り取り、薬剤を使って対処することをおすすめします。また、水の与えすぎや過湿にも十分注意しましょう。
ひまわりの種は食べられる!
観賞用のイメージが強いひまわりですが、実はひまわりの種は食べられるのをご存知でしょうか?
ひまわりの種は一般的に食用と観賞用に分けて販売されており、食べられるのは、食用種の殻を剥いた中の部分です。食用として販売されているひまわりの種はクセがなく、さまざまな食べ方を楽しむことができます。
なお、観賞用に栽培されたひまわりは農薬を使っていることが多いため、食べるのは避けた方が良いでしょう。
では、ひまわりの種にはどのような栄養効果や食べ方があるのでしょうか?続いては、ひまわりの種の美味しい食べ方についてみていきましょう!
ひまわりの種の栄養・効果
ひまわりの種には、オレイン酸やリノール酸などのオメガ脂肪酸、ビタミンE、葉酸などの栄養素が含まれています。
特にオメガ脂肪酸は、体内で合成できない必須脂肪酸のひとつで、血中のコレステロール値や中性脂肪値を下げる作用があることで知られています。また、ビタミンEには、老化や免疫機能の低下を防ぐ抗酸化作用があります。
ひまわりの種には、健康や美容に気を配る方に嬉しい効果がたくさん詰まっているのです。
ひまわりの種の美味しい食べ方
栄養が詰まったひまわりの種は、お菓子やパンなどへの利用価値が高いことでも知られています。
ここでは、ひまわりの種の美味しい食べ方をご紹介します!
ローストして塩味で
ひまわりの種は、殻をむいてそのまま食べられるのが特徴です。 おすすめは、縞模様の殻をむいたあとにフライパンなどで軽くローストして、塩をふって食べるというお手軽レシピ。炒ったひまわりの種の香ばしさと、ポリポリとした食感がやみつきに。おつまみにもぴったりです!
サラダやスープ、ヨーグルトのトッピングに
ひまわりの種はトッピングにも向いています。食感や味のアクセントになるため、サラダやスープのトッピングや、朝食用のグラノーラやヨーグルトにもぴったり。また、オートミールやナッツなどにひまわりの種を混ぜ込み、はちみつなどで固めたシリアルバーにすると、手軽に栄養補給ができるのでおすすめです。
パンやお菓子に混ぜ込んで
パン生地やクッキー、チョコなどにひまわりの種を混ぜ込んだり、トッピングしたりすると、香ばしい風味のパンやお菓子が焼きあがります。
おすすめは、ホームベーカリーなどでパンを焼く際に、ひまわりの種をたっぷり入れること。ふかふかのパンにカリッとした種の食感がアクセントになります。ぜひお試しください!
ひまわり油の美味しい食べ方
ひまわりの種は、種を原料にした「ひまわり油」としても活用されています。
ほぼ無味無臭のひまわり油は、風味が軽やかで料理の邪魔をしないため、さまざまな使い方・食べ方を楽しむことができます。
おすすめの食べ方は、サラダなどに添えるドレッシング。加熱せずにそのままドレッシングとして食べることで、効率よくひまわり油を摂取できます。
また、揚げ物など、加熱調理に使う場合は「オレイン酸」が多く含まれているひまわり油を選ぶと良いでしょう。オレイン酸が多く含まれるひまわり油は、酸化安定性が優れており、熱に強いという特徴があるためです。
まとめ
夏の空に向かって美しく咲き、見る人に元気を与えるひまわり。育て方のコツを押さえることで、自宅で成長を楽しみながら栽培ができます。
また、ひまわりの種には栄養がたっぷり詰まっています。見て楽しむだけではなく、美容や健康にも良いひまわりの種やひまわり油を使って、ご自宅などで料理やお菓子作りも楽しんでみてはいかがでしょうか。