蕎麦に合う薬味は?定番からアレンジ、粋な食べ方まで紹介
香りやツルリとしたのど越しが人気の蕎麦ですが、どのような薬味を選ぶのかは好みが分かれます。また、冷たい蕎麦に合う薬味や温かい蕎麦に合う薬味など、蕎麦の調理方法によっても合う薬味は変わってくるでしょう。
この記事では、蕎麦の薬味を「冷たい蕎麦に合う薬味」「温かい蕎麦に合う薬味」「定番の薬味」「変わり種薬味」に分けてランキングなどで紹介しています。蕎麦をもっと美味しく食べたい人やいつもと違う薬味を使いたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 江戸時代には、蕎麦の薬味として大根おろしを使うのが主流だった
- 徳川家康が好んだことでわさびが流行したという説がある
- 蕎麦の上にわさびをのせて食べるのが粋な食べ方
蕎麦に薬味をのせる?のせない?
出来上がった料理に添える少量の香味野菜や香辛料を薬味といい、シンプルな料理の魅力をさらに引き出すものとしてさまざまな料理に用いられています。風味や旨味をシンプルに味わう蕎麦は、さまざまな薬味をのせて味わうことができます。
そんな薬味ですが、あなたは蕎麦を食べるとき薬味をのせて食べますか?薬味をのせずに蕎麦だけを食べますか?もちろん、好みはあるでしょうが、薬味を使って蕎麦を食べるのには2つの利点があります。
風味や味わいが豊かになる
薬味には、料理の味や風味を際立たせるものを選ぶのが一般的です。蕎麦のようにシンプルな料理ほど、その影響を受けやすいと言えます。
薬味をのせて味わうことで、より一層蕎麦の魅力を楽しめることもあるでしょう。また、食べている途中で薬味をのせることで、味を変え1皿で2つの味を楽しむこともできます。
栄養を取れる
シンプルな料理ほど、含まれる栄養が偏りがちです。そんなとき、薬味を使うことでさまざまな栄養を補うことができるという利点もあります。
薬味の栄養が、料理の持つ栄養と反応することで、よい影響を与える場合もあるでしょう。古くから定番として用いられている薬味の多くは、美味しいだけでなく料理にない栄養を補ったり、吸収率を挙げたりする組み合わせのものも多いです。
歴史から見る蕎麦の薬味事情
蕎麦の原料である蕎麦の実は、縄文時代に日本に伝わったと言われており、元々は粒のまま粥にして食べることが一般的だったようです。現在の麺状になったのは1500年代後半と言われており、当時は「蕎麦切り」と呼ばれていたそうです。
江戸時代に入ると蕎麦切りは江戸を中心に流行し、広く普及しました。江戸時代の蕎麦は味噌をベースにしたタレをで味わうのが一般的で、蒸して調理していたという記録が残っています。
やがて、現在と近い醤油ベースのつゆが使われるようになりました。
当時の定番は大根おろし?
蕎麦が流行した江戸時代、薬味には大根おろしを使うのが定番だったそうです。大根おろしの持つ殺菌効果により、蕎麦が衛生的に保たれるという利点もありました。薬味のルーツには、蕎麦を衛生的に保つ目的があったのではないでしょうか。
徳川家康はわさび派だった?
昔は、蕎麦と言えば冷たいものが一般的でした。一方で、冷たい蕎麦の薬味と言えばわさびを連想する人が多いのではないでしょうか。
実は、蕎麦の薬味としてわさびが一般的になった背景には、江戸幕府の初代征夷大将軍・徳川家康の影響があったのではないかと言われています。
江戸時代、蕎麦の薬味としてポピュラーだったのは大根おろしでしたが、徳川家康は夏に蕎麦を食べる際、旬ではない大根おろしを使うのを好ましく思っていなかったそうです。そこで、夏でも美味しく蕎麦を食べられる薬味はないかと試案していたところ、徳川家に献上されたわさびに白羽の矢が刺さりました。
わさびは一年中収穫でき、冷たい蕎麦によく合います。さらに、わさびの葉が徳川家の家紋である葵に似ていたことも好印象を持たれる要因だったそうです。
徳川家にとって縁起が良く、家康の好みにも合うわさびは大変気に入られ、江戸の城下でも人気を博し現代に至るという説があります。
冷たい蕎麦に合う薬味ランキング
ツルリと喉を通る食感と風味が魅力の冷たい蕎麦。ざる蕎麦や盛り蕎麦、冷やし蕎麦など、冷たい蕎麦派の人も多いのではないでしょうか。そんな冷たい蕎麦にぴったりな薬味とは?
編集部が独自にランキングした冷たい蕎麦に合う薬味ランキングを発表します。
第8位 みょうが
しょうがの仲間であるみょうがは、独特の香りが特徴的です。冷たい蕎麦のせると、風味が良くなりほんのり赤みがかった色味が食欲をそそります。
みょうがは英語でJapanese Gingerといい、世界でも食用しているのは日本だけなのだそうです。カリウムやマグネシウム、カルシウムなどさまざまな栄養が含まれ、抗酸化作用を持つポリフェノールの一種・アントシアニンも含んでいます。
第7位 オクラ
夏の高栄養野菜の代表格とも言えるオクラは、冷やしぶっかけ蕎麦などにのせられることが多い薬味です。ネバネバ成分には整腸作用やコレステロールの排出作用もあるため、夏に冷たいものを食べ過ぎた時には、冷やしオクラぶっかけ蕎麦でお腹の調子を整えましょう。
家庭で調理するなら、オクラをサッと茹でて蕎麦にのせますが、実は収穫したての鮮度が高いオクラは生でも食べられます。生のオクラをのせた蕎麦は、独特のシャキシャキ食感がアクセントになり、一味違った味わいを楽しめるのでおすすめです。
第6位 とろろ
夏に出回るぶっかけ蕎麦の一種であるとろろ蕎麦。粘りのあるとろろと蕎麦の相性が抜群で、食欲がないときにもおすすめの一品です。
とろろはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、ビタミンB6など栄養豊富な食材です。食欲がない時には、滋養強壮の効果も期待できます。
ちなみに、一般的にとろろに使われるのは長芋が多いそうです。山芋(自然薯)のとろろは希少なうえに高級品でなかなかお目にかかれません。山芋で作る高級なとろろ蕎麦も食べてみたいものです。
第5位 すだち
爽やかな酸味が食欲をそそるすだちも、蕎麦の薬味にぴったりです。果汁を絞るのも良いですが、皮を擂り下ろして少量加えると、さらに大人の味わいになります。
第4位 大葉
薬味としてさまざまな料理に使われる大葉は、豊富なビタミンと食物繊維が含まれています。また、殺菌・防腐作用の強いペリルアルデヒドの働きによって、夏場は料理を傷みにくくしてくれる効果も期待できる万能薬味です。
さっぱりした冷たい蕎麦に、鼻に抜ける爽やかな香りをプラスしてくれる大葉は、他の薬味と合わせてのせてもよいでしょう。調和しやすいため、とろろ、梅干し、わさびなどとも相性抜群です。
第3位 梅干し
梅干しをのせた冷やし蕎麦は夏に人気のメニューです。キューっと唇をすぼめてしまうような強い酸味と蕎麦がよく合い、一口、もう一口と食欲をそそる味わいに箸がすすみます。
梅干しにはクエン酸が含まれているため、疲労回復などの効果が期待できます。疲れた時には、梅干しをのせた冷やし蕎麦で心も体もリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
第2位 海苔
冷たい蕎麦の定番、ざる蕎麦や盛り蕎麦に必ずのせられている海苔が堂々の第2位です。現代では、ざる蕎麦・盛り蕎麦どちらにも海苔がのせられているケースが多いですが、実は昔は違いました。
海苔がのっているのはざる蕎麦、海苔がのっていないのは盛り蕎麦と区別されていたのです。そもそも、昔は海苔が高級品とされており、盛り蕎麦よりも上質な料理としてざる蕎麦を区別するため、海苔がのせられたという説があります。
海の野菜との別名を持つ海苔には、ビタミンやタウリン、葉酸なども豊富に含まれているため、蕎麦にない栄養を補うという点でも薬味としてぴったりでしょう。
第1位 わさび
冷たい蕎麦に合う薬味と言えばわさびを連想する人が多いのではないでしょうか。日本の味を楽しめる薬味の王様・わさびが第1位に輝きました。かの徳川家康も愛したというわさびは、鼻に抜ける強い辛味が特徴です。しかし、辛いだけではない上品な香りや風味は大人だからこそ楽しめる味わい深さがあります。
あまりの辛さに、昔は外国人には敬遠されがちな薬味とされていましたが、現代ではwasabiとして世界各国で愛されるようになりました。外国人観光客のなかには、日本の伝統的な手法で作った蕎麦をわさびで食べるのを楽しみにしている人もいるようです。
熱してしまうと辛みが飛んでしまうため、わさびの味わいを楽しむなら冷たい蕎麦が一番です。冷たい蕎麦だからこそ魅力が活きるわさびは、まさに冷たい蕎麦に1番合う薬味と言えるでしょう。
温かい蕎麦に合う薬味ランキング
年中問わず好まれる温かい蕎麦も、薬味を添えることで味わいがグッと深まります。続いては、温かい蕎麦に合う薬味ランキングをみていきましょう。
第5位 こしょう
ピリリとした辛みと風味が、どんな料理とも合うこしょうも蕎麦にぴったりな薬味のひとつです。こしょうには、食欲増進や消化促進などの効果があり、少量のせるだけで蕎麦を食べる手がより進むことでしょう。
蕎麦に合わせるなら、素材の味を引き立ててくれる白こしょうがよく合います。ちなみに、「胡椒蕎麦」と明記されている場合、日本蕎麦ではなくラーメン風の中華蕎麦であるケースが多いためご注意ください。
第4位 柚子ごしょう
「こしょう」と名前に入るため勘違いされがちですが、実は柚子ごしょうには胡椒ではなく唐辛子が入っていることをご存知でしょうか。柚子の皮と唐辛子を一緒にすり潰して熟成させた柚子ごしょうは、柚子の強い風味と唐辛子の鋭い辛みが特徴的です。
熱を加えても風味が消えることなく際立つ柚子ごしょうは、温かい蕎麦にぴったりと言えます。
第3位 天かす
天ぷらを揚げた際に生じた揚げかすは、天かす・揚げ玉と呼ばれ薬味界で主役級となることもあります。蕎麦屋では昔から天ぷらなどの揚げ物を提供していた店が多かったため、大量に出た天かすを薬味で使うようになったのは、当然と言えるかもしれません。
ちなみに、関西では天かすをのせた蕎麦を「はいから蕎麦」というそうです。
第2位 かつおぶし(花がつお)
出汁をとる際に活躍するかつおぶしですが、そのまま食べても美味しく、昔から蕎麦の薬味として使われて来ました。かつおぶしは、豊富なたんぱく質とアミノ酸、ビタミン、ミネラル、カリウム、DHA必須アミノ酸なども含まれる栄養豊富な食材であることをご存知でしょうか。
さらに、かつおぶしに含まれるイノシン酸は旨味成分の一種で、温かい蕎麦にかけるとつゆの旨味をさらに引き立てます。ぜひ、温かい蕎麦にたっぷりのかつおぶしをのせていただいてみてください。
あがる湯気からかつおの風味が感じられ、蕎麦をより美味しくいただけます。
第1位 生姜
体を芯から温めてくれる生姜は古来から薬味のほか、漢方として扱われてきたこともある由緒ある香辛料です。独特の強い香りと辛みは日本の出汁を使った料理との相性がよく、温かい蕎麦にもぴったりです。
蕎麦の風味を邪魔せず、それでいて出汁の旨味を引き立ててくれる生姜は温かい蕎麦だからこそ合う薬味とも言えます。
そのまま擂り下ろしたものの他、甘酢に漬けたものをのせるのもおすすめです。昔は生姜の絞り汁に冷たい蕎麦をつける食べ方が粋とされていたそうですが、刺激が強すぎて現代では好みが分かれてしまうかもしれません。
一方、温かい蕎麦なら、辛みもマイルドになり大人から子どもまで美味しく味わえます。温かい蕎麦にのせて味わって欲しい薬味として堂々の第1位に輝きました。
温かい&冷たい蕎麦に!定番の薬味4種
冷たい蕎麦・温かい蕎麦に合う薬味ランキングの他、どちらにでもぴったりな定番薬味もさまざまな種類があります。誰もが一度は食べたことがある定番薬味にもそれぞれに魅力的なポイントがありました。
1.大根おろし
蕎麦の薬味として一番長い歴史を持つと言われる大根おろし。昔は、大根おろしの絞り汁を薬味として使っていたそうですが、現代ではおろした大根をそのままのせることが多いです。
冷たい蕎麦ならピリリとした辛みが際立ち、温かい蕎麦ならマイルドな辛みと風味が際立つ大根おろしは、どんな蕎麦とも合います。また、他の薬味とも調和しやすいため、自分好みのバリエーションを楽しめるのも魅力です。
大根に含まれるイソチオシアネートは免疫力アップやガン予防、動脈硬化の予防などにも効果が期待できる成分として知られています。大根をそのまま食べるより、大根おろしにする方がイソチオシアネートを効率的に摂取できると言われており、味・栄養ともに文句の付けようのない優秀さです。
2.ねぎ
こちらも薬味の定番です。ねぎはマイルドな辛みを持ち、蕎麦に彩りを添えるという意味で使われることも少なくありません。大根おろしと同じく、冷たい蕎麦に入れるとピリリとした辛みが、温かい蕎麦に入れるとマイルドな味わいが楽しめます。
実は、ねぎには蕎麦に含まれるビタミンの吸収を高めるアリシンという成分が含まれており、蕎麦の薬味としてのせるのは理にかなった組み合わせと言えます。
ちなみに、北海道や東北などでは白ネギをのせることが多いですが、関西以南は青ネギを使うことが多いそうです。甘みの強い白ネギは温かい蕎麦にのせるとより美味しく味わえます。
3.七味唐辛子・一味唐辛子
辛いもの好きな人から強い支持を集める七味唐辛子と一味唐辛子も蕎麦によく使われる定番薬味のひとつです。唐辛子に含まれるカプサイシンには、血流の促進や疲労回復などの効果が期待できるため、疲れた時には蕎麦の薬味としてのせてみてはいかがでしょう。
温かい蕎麦にかけば、マイルドながらも存在感のある辛みを味わえるほか、冷たい蕎麦にかけると辛みによって蕎麦本来の甘みが際立ちより美味しく食べられます。
一味唐辛子は唐辛子だけを使っており、七味唐辛子には唐辛子以外の香辛料も含まれています。そのため、辛みが強いものが好きな人は一味唐辛子、マイルドな味わいが好きな人は七味唐辛子がおすすめです。
4.ごま
豊富な栄養を持ち料理に風味を添えてくれるごまも、蕎麦の薬味として定番です。ごまは、抗酸化作用、コレステロールの減少、高血圧の予防など、健康効果が注目されていることでも知られています。
そんなごまは温かい蕎麦にも冷たい蕎麦にも合い、そのままのせても擦ってのせても美味しいです。しかし、基本的に蕎麦は噛まずに食べるのが粋と言われているため、擦ってのせた方が風味が味わいやすいでしょう。
主にマイルドな風味で蕎麦に調和しやすい白ごまを使うことが多いですが、機会があれば金ごまをのせてみるのがおすすめです。強い香りとコクを持つ金ごまは蕎麦との相性がよく、これまでにない味わいを楽しめますよ。
そんなものも?蕎麦の変わり種薬味12種
蕎麦にどのような薬味をのせるのかは個人の自由です。そのため「え!?そんなものを!?」と思わず声に出してしまう、変わった薬味を選ぶ人も。
続いては、変わり種の薬味を紹介していきます。
1.玉ねぎ
冷やし蕎麦にのせられていることが多い玉ねぎ。辛みが効いていて、確かに蕎麦に合います。玉ねぎに含まれる硫化アリルは、血液をサラサラにしてくれる他、蕎麦に含まれるビタミンB1の吸収を高めてくれる効果もある野菜です。
変わり種ではあるものの蕎麦の薬味としてはぴったりですね。
2.味噌
もともと、蕎麦は味噌だれで食べられていたと言われています。当時は、大根のおろし汁に焼き味噌を溶いて、つゆとして食べていたそうです。
普段なかなか味噌を薬味とする蕎麦をみかけることはありませんが、福井県や長野県では焼き味噌で蕎麦をいただく「高遠(たかとお)蕎麦」が郷土料理として伝えられています。どんな味か気になる方はぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。
3.塩
高級料亭などでは、蕎麦の薬味として塩を提供しているお店もあるそうです。主に冷たい蕎麦によく合い、塩で蕎麦の味を感じるのが粋な食べ方なのだとか。
岩塩やハーブ塩など、現代風のこだわりを加えてもよさそうですね。
4.にんにく
蕎麦のつゆには一見合わ無さそうなにんにくですが、「意外と蕎麦に合う」「これまで食べた事ない味」と人気を博しています。
濃厚なつゆやトッピングとして豚肉などが入っている蕎麦におすすめです。
5.からし
今でこそ「蕎麦にからし?」と思う人も多いでしょうが、昔はわさびが貴重品であったために代用品としてからしを使うことも多かったそうです。
現代でも新潟県ではメジャーな薬味としてからしを選ぶ人が多いです。ぜひ一度試してみたいものですね。
6.じゃこ
蕎麦だけじゃ栄養が物足りないな、と思う時におすすめなのがじゃこです。特に、子どもの食事などで蕎麦を出す時には、じゃこをのせるという親御さんも多いのではないでしょうか。
豊富なカルシウムやタンパク質を含み、蕎麦を栄養たっぷりにして食べることができます。
7.くるみ
意外な薬味ですが、実は蕎麦が一般的になり始めた江戸時代の書物にも、くるみを薬味にしていたという記述があるそうです。
細かく擂ってのせれば、香ばしさがアップします。くるみは、ポリフェノールやビタミン、葉酸なども豊富で、ダイエットや美容にもよい食材です。ダイエット中の方や、綺麗になりたい人はぜひくるみをのせて食べてみてください。
8.たで
こちらも江戸時代から蕎麦の薬味として使われてきましたが「たでって何?」という人も少なくないのではないでしょうか。たではお刺身などにも添えられていることがある、赤紫のカイワレ大根に似た見た目をしている野菜です。日本では古くから食べられており、味わいもカイワレ大根に似ています。
ポリフェノールを豊富に含み、ビタミンCも含まれるため、健康や美容面でもおすすめです。
9.バジル
創作蕎麦料理でよく使われているバジルも、変わり種薬味と言えるでしょう。バジルの爽やかな香りと蕎麦の風味は、意外とよく合います。
10.あさつきの球
あさつきとはヒガンバナ科に属する植物で、淡い色の彼岸花に似た花が咲きます。葉や鱗茎(りんけい:球根のような部分)は食用でき、昔から蕎麦の薬味として好まれてきました。
特徴的な香りと強い辛みが特徴で、一度食べたら病みつきになるという人もいるそうです。
11.みかんの皮
江戸時代に発行された書物「本朝食艦」には、蕎麦の薬味としてみかんの皮をのせていたという記述があります。柚子やすだちの皮をすりおろして薬味とすることもあるため、おかしな話ではありませんが、現代では変わり種と言えるでしょう。
12.食べるラー油
万能調味料と名高い食べるラー油は、蕎麦との相性も抜群です。特に、冷たい蕎麦にのせて食べると強い辛みと旨味を感じられ、油蕎麦のような味わいを楽しめます。
薬味はどのタイミングで食べるのが粋?蕎麦の食べ方
蕎麦が流行した江戸時代は、垢ぬけてかっこいい様子やさっぱりとした所作を「粋」として、一般庶民の間でも大切な文化としていました。
もちろん、蕎麦にも粋な食べ方があります。食べ方をマスターし粋な江戸っ子になりきって、蕎麦を食べてみてはいかがでしょうか。
粋な蕎麦の食べ方
- まず、蕎麦だけを何もつけずに食べる
- 蕎麦に少量のわさびをのせ、わさびと蕎麦を一緒に食べる
- 蕎麦に少量のわさびをのせて、つゆをつけて食べる
今回紹介しているのは、ざる蕎麦や盛り蕎麦を食べる際の粋な食べ方です。昔は冷たい蕎麦が一般的だったため、こういった食べ方が蕎麦の粋な食べ方として流行していたそうです。
まとめ
蕎麦の薬味について紹介してきました。蕎麦が流行した頃に、一般的な薬味として使われていたのが大根おろしだということに驚いた人もいるのではないでしょうか。
冷たい蕎麦や温かい蕎麦など、調理方法によって合う薬味も変わってきます。今回紹介したさまざまな薬味をお好みで使い分け、蕎麦をもっと美味しく召し上がってみてください。