北海道はスギ花粉がない!?種類や時期・対策など北海道の花粉事情を紹介

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花粉症の人を悩ませるスギ花粉。春の飛散時期になると、花粉症が怖いという人も少なくないでしょう。雪国では花粉がない、なんて言われることから「北海道に住みたい」という人もいます。しかし、これは大きな間違いです。

北海道にも、道民を悩ませるさまざまな花粉症がありますが、本州とは違う部分も多いです。この記事では、北海道の花粉事情について紹介します。北海道に多い花粉の種類や飛散時期、2023年の飛散予想なども紹介しているので、参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • 北海道はスギ花粉が少ないものの、シラカバ花粉が多い
  • 北海道では春から秋まで花粉シーズンが続く
  • シラカバ・イネ・ブタクサの花粉症の人は、果物アレルギーを併発する人も多い
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

北海道は花粉が少ないって本当?

北海道は花粉が少ないって本当?

冬の終わりと共にさまざまな種類の植物が順に迎える花粉の飛散。花粉症の人のなかには、この時期になると毎日の花粉症対策や花粉の飛散予報チェックに忙しいという人もいるでしょう。

日本では昔からスギを木材として活用してきた歴史があり、盛んにスギの植林を行ってきました。その結果スギ花粉が本州全域で大量に飛散することから、スギ花粉をアレルゲンとする花粉症の人が多いです。

しかし、北海道は違います。北海道の気候はスギの生育に適さないため、本州ほど数が多くありません。そのため、北海道ではスギ花粉の飛散量が少なく、道民にはスギ花粉をアレルゲンとする花粉症の人が本州に比べると少ない傾向にあります。

北海道でスギがまとまって分布しているのは道南の極一部の地域だけと言われています。

花粉はスギだけではない!北海道民に多い花粉症とは

花粉はスギだけではない!北海道民に多い花粉症とは

スギの分布が少ない北海道では、スギ花粉をアレルゲンとする花粉症の人は少ないです。また、本州では秋の花粉症の代表的なものとしてブタクサがありますが、北海道ではあまり自生しておらず、ブタクサ花粉をアレルゲンとする花粉症の人も少ないようです。 しかし、花粉症を引き起こすのはスギ花粉・ブタクサ花粉だけではありません。

北海道では、寒冷な気候でもよく育つシラカバやハンノキなどの樹木が多く分布しており、これらの花粉をアレルゲンとする花粉症の道民が多いです。また、北海道では米の生産が盛んなことからイネ花粉が原因の花粉症を発症する人も少なくありません。

シラカバやハンノキ、イネ以外にも以下のような花粉も多く飛散しています。

  • カモガヤ
  • ヨモギ

北海道は確かにスギ花粉が少ないですが、だからといって花粉症がない訳ではありません。

【季節別】北海道の花粉事情

【季節別】北海道の花粉事情

本州ではあまりみられないシラカバなどの樹木は、いつ花粉シーズンを迎えるのか知らないという人も少なくないでしょう。

続いては、季節ごとに北海道の花粉事情を紹介していきます。

【春】ハンノキ・シラカバ

春はハンノキやシラカバの花粉の飛散がピークを迎えます

春はハンノキやシラカバの花粉の飛散がピークを迎えます。

ハンノキとは、カバノキ科に属し、湿地や水田のあぜ道など水辺で見られる樹木です。ハンノキは花粉の飛散時期が早く、気温などの条件が揃えば1月末頃から徐々に花粉の飛散が始まります。

全国的にも見られる樹木ですが、自然豊かな北海道では特に多く分布しており、ハンノキの花粉にアレルギーを持つ道民も少なくありません。飛散の時期はスギ花粉に大変似ており3~4月をピークに、5月頃まで続きます。

シラカバは、カバノキ科に属する樹木でシラカンバと呼ばれることもあります。北海道にはシラカバの群生地が多く存在しており、高原などに特に多く見られる樹木です。

他の樹木が育ち難い極寒や火山灰地、砂地などでも強く根を張り短時間で大きく育つことから、本州では庭木や街路樹として植樹されることもあります。

ハンノキよりも花粉の飛散時期が遅く、4月下旬から5月上旬にかけてピークを迎えます。雪が溶け、行楽シーズンに突入するのと同時に花粉の飛散が最高潮に達するため、本州のスギ花粉と同じ位、道民からは危険視されているのがシラカバ花粉です。

【夏】イネ・カモガヤ

夏にはイネ科の花粉飛散が多い

北海道は米の作付面積・収穫量ともに、米どころとして知られる新潟県に続き全国第2位です。そのため、夏にはイネ科の花粉飛散が多くなります。

イネ花粉は5月下旬から10月にかけて飛散し、イネ花粉をアレルゲンとする花粉症の人が悩まされます。

イネ科のなかでも特に注意すべきはカモガヤです。カモガヤはイネ科の植物で、北海道開拓時代に海外から輸入された牧草です。カモガヤは野生化して群生し、北海道のみならず全国に分布するようになっています。

カモガヤ花粉は特にアレルギー症状が強くでる傾向にあると言われています。喘息などの呼吸器疾患を持つ人の場合、カモガヤの花粉が発作を誘発する可能性もあると言われており、注意が必要です。

【秋】ヨモギ

秋にはヨモギをはじめとしたキク科の植物の花粉飛散が盛ん

秋にはヨモギをはじめとしたキク科の植物の花粉飛散が盛んになります。8月中旬から徐々に飛散量が増え、10月頃まで続くのが特徴です。

ヨモギは原っぱや公園、道路の脇など、さまざまな所に分布しているうえ、河原などで草刈りが行われると一気に飛散量が増えます。

また、春に花粉症の症状が見られる人は秋にも注意が必要です。春に飛散する花粉は、秋に飛散する花粉とタンパク質の構造が似ていると言われています。「秋の花粉は大丈夫」と油断せず、充分な花粉対策をしてください。

北海道ではシラカバ花粉症が多い

北海道ではシラカバ花粉症が多い

本州では、花粉症と言えばスギ花粉が原因のものが多いです。しかし、スギの少ない北海道では花粉症と言えばシラカバを思い浮かべる人も少なくありません。

北海道はシラカバ花粉症を患う人が多く、1996年からシラカバの花粉飛散状況調査も行っています。花粉のシーズンになると、ニュースなどでシラカバ花粉飛散の予報などが発表され、道民は花粉対策をします。

調査開始時には、札幌市でのみ観測されていたシラカバ花粉飛散状況ですが、現在では観測所も増え、札幌市、函館市、岩見沢市、旭川市、帯広市、北見市、稚内市の計7都市で調査が行われています。

北海道のシラカバ花粉はいつから飛散する?

北海道のシラカバ花粉はいつから飛散する?

シラカバ花粉の飛散時期は気温の変化に大きな影響を受けます。特に3月頃から4月中旬頃までの影響を受けるため、直前の気温情報を元にシラカバ花粉の飛散予報が発表されます。

シラカバ花粉飛散の開始時期は以下のような例年値データが発表されています。

札幌市 4月23日
函館市 4月27日
岩見沢市 4月29日
旭川市 5月1日
帯広市 5月1日
北見市 5月3日
稚内市 5月8日

参考:北海道立衛生研究所|シラカバ花粉の飛散開始時期と飛散量について

2023年のシラカバ花粉飛散量予想

2023年のシラカバ花粉飛散量予想

シラカバの花粉飛散量は前年の夏の気候による影響を受けます。また、シラカバは花粉飛散量の多い年と少ない年が交互に起こる傾向もあり、これらの情報を元に花粉飛散量予測が発表されています。

札幌市 去年より少ない
函館市 去年より少ない
岩見沢市 去年と同じ
旭川市 去年よりやや多い
帯広市 去年よりやや少ない

全体で見ると、2022年よりも花粉飛散量は少ないと予想されています。ただし、旭川市だけは2022年よりも花粉飛散量が増えることが予想されるため、花粉症の人は充分対策をしておくのがよいでしょう。

参考:北海道立衛生研究所|シラカバ花粉の飛散開始時期と飛散量について

【花粉症と関係があるかも】果物アレルギーにも要注意

【花粉症と関係があるかも】果物アレルギーにも要注意

近年、花粉症と果物アレルギーの関係性についての研究が進められており、特にシラカバを始めとするカバノキ属の花粉症の人に注意が呼びかけられています。

ある調査からシラカバ花粉症の人の約半数に果物アレルギーが見られるとして研究を進めたところ、花粉症と関係する果物アレルギーと花粉症に関係しない果物アレルギーがあることが分かってきました。

果物をアレルゲンとする口腔内アレルギー症候群(OAS)では、口・唇・喉などをはじめとする周辺粘膜にアレルギー症状が見られます。特定の野菜や果物を食べた後に、唇が痒くなったり喉がイガイガしたりするという人はOASの可能性もあるでしょう。

花粉症と関連性を持つ果物アレルギーは、カバノキ属、イネ科、ブタクサ属の花粉に関係があると考えられています。さらに、アレルゲンはリンゴ、サクランボ、ナシ、モモ、イチゴ、プラム、キウイフルーツ、メロン、ニンジン、ジャガイモ、セロリと多岐にわたります。

北海道は農業も盛んで、行楽シーズンになるとさまざまな味覚狩りも人気です。花粉と果物の条件が合いやすい北海道では、花粉症の人は特に注意しておきましょう。

花粉症の症状

花粉症の症状

花粉症の症状と言えば、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどが一般的に知られています。しかし、花粉の影響で起こる症状はそれだけではありません。

花粉症の症状

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 目のかゆみ
  • のどの痒み
  • 頭痛
  • 倦怠感

咳や頭痛、倦怠感などは花粉症のイメージが薄いため、季節の変わり目ということもあり風邪症状と勘違いされることも少なくありません。花粉飛散の時期にこれらの症状が起こりやすい人は、一度アレルギー検査を受けてみるのがよいでしょう。

基本の花粉症対策4つ

基本の花粉症対策4つ

北海道で快適に過ごしたいのであれば、花粉症の人は充分な花粉症対策をして過ごすのがおすすめです。アレルゲンとなる花粉の飛散状況を把握し、適切な対策で花粉症の症状を抑えましょう。

1.内服薬を服用する

目、鼻、喉などさまざまな症状が併発して起こるタイプの花粉症の対策には、内服薬の服用がおすすめです。内科や耳鼻科、アレルギー科などの医療機関で処方されるものの他、市販でも花粉症対策の内服薬が販売されています。

ただし、薬の種類によっては眠気などの副作用を伴うものもあるため、車を運転する人は特に注意が必要です。また、漢方薬のなかにも花粉症対策となるものがあるため、自然由来のものを選びたいという人は検討してみるとよいでしょう。

2.点鼻薬や点眼薬を使う

鼻づまりや目の痒みなど、部位によってピンポイントで症状が見られる人は、点鼻薬や点眼薬を使うのもよいでしょう。抗ヒスタミン薬などが配合されていると、花粉症対策効果が期待できます。

鼻づまりや目のかゆみは強い不快感を伴うため、点鼻薬や点眼薬は頻繁に使いたくなるものです。しかし、それぞれに使用上の注意点や一日の使用数の目安などが定められているため、用法用量に合わせて使用してください。

3.マスクやメガネで花粉避ける

花粉症の人に最も有効な対策は、花粉に触れないことです。マスクで花粉を吸い込まないようにし、メガネなどで目の粘膜に花粉が付着しないようにしましょう。

花粉対策用のメガネはゴーグル仕様になっているため、顔とメガネの隙間からの花粉の侵入も防ぎやすいです。マスクは不織布タイプで花粉の遮断率が高いものを選ぶとよいでしょう。

4.花粉を室内に持ち込まないようにする

花粉症の人が特に注意すべきなのが、屋内に入るときです。家に帰った時などは、玄関先で上着を脱いでから入るようにしてください。

服についた花粉が室内に入ってしまうと、帰宅してマスクを外した途端に花粉症の症状が出てしまうこともあります。家でゆっくりとリラックスするためにも、上着や鞄についた花粉は玄関先で落としてから家に入るようにしましょう。

まとめ

北海道で見られる花粉症事情について紹介してきました。本州では一般的なスギ花粉ですが、北海道ではあまり見られず、代わりにシラカバ花粉が多くの道民を悩ませています。

北の大地である北海道は、花粉が少ないと思われがちですが、自然が多いため春から秋にかけてさまざまな花粉が飛散しています。道民はもちろん、本州から北海道を訪れる人も、毎日の花粉飛散予報をしっかりチェックして、充分な対策をしてください。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!