おかわかめは栄養満点のスーパーフード!主な栄養素やおいしく食べる方法を紹介
「おかわかめ」という野菜をご存知でしょうか?おかわかめは市場に出回ることが少ない野菜なので、知らない方も多いかと思いますが、野菜の中でも栄養豊富なスーパーフードのひとつです。
おかわかめにはマグネシウムや亜鉛、葉酸などの栄養素が多く含まれており、美肌効果や代謝アップのほか、糖尿病のリスク低減にも有効と言われる野菜です。しっかりとした歯応えとぬめりのある舌触りが特徴的で、味噌汁やスープに入れておいしく食べられます。
この記事ではおかわかめの特徴や主な栄養素、効果、自宅での栽培方法、おいしい食べ方を紹介します。
この記事でわかること
- おかわかめの旬は6月〜10月
- おかわかめの産地は大分県や北海道など
- おかわかめは糖尿病のリスク低減にも役立つ
- 味噌汁やスープ、お浸しにするとおいしい
おかわかめとは? 栄養豊富なスーパーフード
おかわかめとは、ツルムラサキ科に分類されるつる性の多年草で、主な原産地は東南アジアや南アメリカなどの熱帯地域です。国内では沖縄や九州で生産されていますが、かつて中国から日本に伝わったとされ、「雲南百薬(うんなんひゃくやく)」とも呼ばれます。
「おかわかめ」と呼ばれるようになったのは、葉が大きくゴムのような手触りをしており、茹でると弾力のある歯応えと、ぬめりのある食感が「わかめ」に似ているからだとか。
おかわかめは「百薬」という名前がつくほど栄養価が高いことが特徴です。マグネシウムや銅、ビタミンAなどを多く含んでいるスーパーフードのひとつです。抗酸化作用や免疫力の向上など、健康野菜として食べられています。
生でも茹でても食べることができ、味噌汁やお浸しなどにして食べるのが一般的です。
おかわかめの旬は? 収穫時期は6月〜10月
おかわかめの収穫時期は主に6月〜10月で、旬の時期は葉が大きくなります。おかわかめは気温が低くなると冬眠して根塊の状態で冬を越して、春になってまた芽を伸ばします。
おかわかめの産地は? 大分県の中津市が有名
おかわかめの主な産地は大分県の中津市で、全国に出荷されています。熱帯地域が原産の野菜なので暖かい地域での栽培に適していますが、北海道でも比較的温暖な気候の伊達市で栽培されています。
また、一般家庭でも簡単に栽培できるため緑のカーテンとして用いることも可能です。
おかわかめの保存方法と賞味期限
おかわかめは冷蔵保存で2週間、冷凍保存で1カ月ほど日持ちします。ただし、おかわかめは茹でた後に冷凍保存すると粘り気がなくなってしまうので、生のまま冷凍保存するのがおすすめです。
おかわかめは栄養満点!主な栄養素とその効果
おかわかめは栄養価が高いことが特徴的で、スーパーフードのひとつに数えられます。おかわかめに含まれる主な栄養素には次のものがあります。
おかわかめの主な栄養素(100gあたり) | |
---|---|
マグネシウム | 62.3mg |
亜鉛 | 0.709mg |
葉酸 | 24μg |
βカロテン | 8,400μg |
ビタミンA | 1,740μg |
カルシウム | 70.8mg |
以下では、それぞれの栄養素の具体的な効果効能について紹介します。
1.マグネシウム|代謝アップによるダイエット効果
マグネシウムには次のような効果効能があります。
マグネシウムの効果効能
- 代謝アップ
- ダイエット効果
- 歯や骨を丈夫にする
- 血行改善
- 便秘解消
マグネシウムが不足すると、臓器の機能低下や中性脂肪の増加などにつながるため、マグネシウムを摂取すればエネルギーの代謝アップが可能です。脂肪細胞から脂肪燃焼作用のあるホルモンの分泌を促す作用もあり、緩やかなダイエット効果が期待できます。
さらに歯や骨を強くするためにはマグネシウムが欠かせません。カルシウムが骨の強度を高めるのに対し、マグネシウムには骨や歯の柔軟性と弾力性を高めてくれる作用があります。血液をサラサラにする血行改善のはたらきもあり、冷え性や肩こり、血栓の発生を予防することが可能です。
また、マグネシウムには水分を引き込む作用があり、腸内で水分を取り込んで便を柔らかく膨らますことによって便秘解消も期待できます。
2.亜鉛|肌のたるみやくすみを防止
亜鉛には次のような効果効能があります。
亜鉛の効果効能
- たるみやくすみの防止
- 美肌効果
- 味覚の維持
おかわかめは亜鉛を多く含んでいる野菜のひとつです。亜鉛には糖分を代謝するはたらきがあり、糖質の過剰摂取による肌のくすみやたるみの防止につながります。
また亜鉛は細胞の再生を促す作用があるため、美肌へと導くほか傷の治りを早める効果が期待できます。味覚を維持する役割も持っており、おかわかめを食べることで亜鉛不足を防ぐことが可能です。
3.葉酸|シミ防止や冷え性の改善
葉酸には次のような効果効能があります。
葉酸の効果効能
- シミの防止
- 冷え性の改善
- 髪のツヤとハリを維持
- 新生児障害のリスクを低減
葉酸には新陳代謝を助けてたんぱく質の合成をサポートするはたらきがあり、肌細胞の生まれ変わりを促します。シミの元となる「メラニン色素」が排出されることでシミの防止・改善だけではなく、ニキビ跡の改善にも有効な成分です。たんぱく質の合成を助けるはたらきによって、髪のハリ・ツヤを維持することができます。
葉酸は赤血球の生成を手助けする作用があるため、冷え性の改善や貧血予防にもつながるほか、新生児障害のリスクを減らすのにも葉酸が有効と考えられています。
4.βカロテン|抗酸化作用で健康をサポート
おかわかめにはβカロテンも含まれており、βカロテンの主な効果は「抗酸化作用」です。体内に取り込まれたβカロテンはビタミンAに変換されて作用し、皮膚や粘膜の健康を維持・サポートします。そのため、乾燥肌の方や肌荒れしやすい方は、おかわかめを食べることできめ細かな肌へと導くことができます。
そのほか、βカロテンには粘膜の抵抗力を高める作用があり、ウイルスが体内に侵入するのを防いでくれるため風邪の予防にも有効です。
5.ビタミンA|眼精疲労の回復
おかわかめに含まれる栄養素の中でも特に注目すべきなのがビタミンAです。ビタミンAには粘膜の保護や視力回復などのはたらきがあるため、眼精疲労やドライアイをはじめ、目に現れる症状を改善するのに役立ちます。おかわかめは野菜の中でもビタミンAが非常に豊富なので、目の疲れを感じたらおかわかめを食べるのがいいでしょう。
6.カルシウム|骨や歯を形成を助ける
カルシウムは骨や歯を形成するのに必要な成分です。おかわかめには、ピーマンの6倍のカルシウムが含まれているとも言われており、骨や歯を形成するのを助けます。
また、カルシウムだけを摂りすぎると骨からカルシウムが溶け出し、逆に骨粗しょう症を招く可能性があるため、血管にカルシウムが付着するのを防止するマグネシウムも摂取することが大切です。おかわかめにはカルシウムとマグネシウムがバランスよく含まれており、骨粗しょう症や動脈硬化の予防に効果的です。
おかわかめは糖尿病のリスクを下げるって本当?
おかわかめは糖尿病のリスクを下げることが期待できます。そもそも糖尿病とは、「インスリン」と呼ばれる、血糖値を下げるはたらきを持つ成分が不足して起こる疾患です。
おかわかめにも多く含まれている「マグネシウム」には、インスリンのはたらきを良くして、体内の糖の代謝を改善することが示唆されています。実際、マグネシウムを摂取することで糖尿病のリスクが低減することが報告されています。日本人は農耕民族という特性から、欧米人と比べてインスリン分泌能力が弱く、糖尿病を発症しやすいです。おかわかめを食べて適量のマグネシウムを摂取すれば、糖尿病リスクを低減できます。
自分で栽培しても食べられる? おかわかめの栽培方法
おかわかめは害虫や病気に強く簡単に栽培できるので、自分で栽培して食べるのもおすすめです。
おかわかめの栽培方法
- 2〜3株を15cm間隔で植える
- 土の表面が乾いたら水やりをする
- ツルを支柱に誘引する
- 定期的に葉っぱを摘む
おかわかめは水やりをするだけでどんどん成長し、すぐにツルが伸びてしまうため、支柱を置いてツルを誘引することがポイントです。緑のカーテンとして使用する場合は、園芸ネットを利用して栽培しましょう。また、おかわかめは暑い時期によく成長するので、植え付けは4月〜6月の間が適しています。
おかわかめをおいしく食べる方法
おかわかめは生でも食べられますが、生だと青臭さがあるため加熱した方が食べやすいです。15秒〜20秒さっと茹でるだけでアクが抜けて食べやすくなります。
おかわかめをおいしく食べる方法
- お浸し
- 酢の物
- 味噌汁
- スープ
- 天ぷら
- サラダ
おかわかめはお浸し・酢の物にするほか、味噌汁やスープに入れるとまろやかさが増し、トロッとした食感でおいしく食べられます。天ぷらにしてもおいしく、サクサクとした食感ととろりとした舌触りは「タラの芽」に似ています。サラダにして生で食べる場合は、しっかり水洗いして好みの野菜と一緒に食べましょう。
また、おかわかめはむかごや球根も食べることができます。暑い夏にさっぱりと食べられて栄養満点のおかわかめをぜひお試しください。
まとめ
おかわかめは栄養が豊富なスーパーフードのひとつです。マグネシウムやカルシウム、亜鉛をはじめとするさまざまな栄養が含まれていて、糖尿病のリスクを下げるのにも役立ちます。
野菜との知名度はあまり高くない「おかわかめ」ですが、ぜひこれを機会に食べてみてはいかがでしょうか。