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てんさい(甜菜)糖はビートという植物からできている!特徴や他の砂糖との違いも紹介

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砂糖にはさまざまな種類がありますが、そのひとつに「てんさい糖」という砂糖があることをご存知でしょうか。

この記事では、てんさい糖について徹底解説。てんさい糖の原料や製造方法、他の砂糖との違い、てんさい糖を食べることで得られるメリットなども紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • てんさい糖は北海道で生産される甜菜という作物から作られた砂糖
  • てんさい糖は、甜菜の糖成分から抽出された糖蜜を冷やし固めたもの
  • てんさい糖には、他の砂糖にはないオリゴ糖が含まれる
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  • スープカレー特集

てんさい糖とは

てんさい糖とは

てんさい糖とは、甜菜(てんさい)から作られた砂糖を言います。砂糖の原料と言えばサトウキビを連想する人も多いですが、実は一般家庭で多く使われる上白糖のうち、国産原料を使ったものの7割は甜菜を原料としている砂糖です。

てんさい糖の特徴

てんさい糖の特徴

てんさい糖には以下の特徴があります。

上品な甘さがある

てんさい糖は上品でまろやかな甘みが特徴です。甘みのなかにコクや風味を感じられることから、料理の隠し味やスイーツ作りに適しています。

オリゴ糖を含んでいる

てんさい糖にはオリゴ糖が含まれることも特徴のひとつです。てんさい糖に含まれるオリゴ糖は決して多くはありませんが、日常的に使う調味料である分「どうせ使うのならオリゴ糖を含むてんさい糖を選びたい」という人もいます。

てんさい糖の原料「甜菜」ってどんな野菜?

さまざまな特徴を持ったてんさい糖ですが、その原材料「甜菜」がどのような作物なのか知らないという人も多いです。

続いては、てんさい糖の原料である甜菜について、どのような野菜なのかみていきましょう。

大根のような見た目

甜菜は大根のような見た目

甜菜は、ヒユ科アカザ亜種に属する植物で大根に似た見た目をしています。その見た目からサトウダイコンと呼ばれることもあり、寒冷地で貴重な糖原料として古くから栽培されている野菜です。

糖原料となる根の部分が白く太いため大根に似ていると言われますが、茎が細く葉の形も違うので比べてみると違いは一目瞭然です。アブラナ科の大根よりも、同じヒユ科であるホウレン草に近い野菜と言えます。

葉にも甘みがあるため、生の状態でかじればほのかな甘みを感じます。しかし、基本的にはアクが強く泥臭い味わいのため、生食されることはほぼありません。

約6kgの甜菜から、1kg前後の砂糖が作られます。

甜菜は英語でbeet(ビート)

甜菜は英語でbeet(ビート)

甜菜は英語でbeet(ビート)と言います。そのため、てんさい糖のことを「beet sugar(ビートシュガー)」と呼ぶこともあります。

しかし、beetにはさまざま品種があり、甜菜はその一種に過ぎません。ヒユ科の植物全般をbeetと呼ぶため、英語で言うならbeet sugarと表現した方が伝わりやすいでしょう。

よく似た名前の作物にビーツがありますが、ビーツはビートの仲間です。赤カブによく似ていて、レッドビーツ、テーブルビーツなどと呼ばれることもあり、ボルシチなどに欠かせない野菜です。

一大生産地は北海道

ビート(甜菜)の一大生産地は北海道

甜菜は寒冷な気候を好む作物で、世界的に見るとヨーロッパで栽培が盛んです。日本で甜菜の栽培条件を満たせるのは北海道だけと言われており、現に北海道以外で甜菜を栽培している地域はほとんどありません。つまり、国産てんさい糖=北海道産ということです。

日本の砂糖は、温帯を好むサトウキビが沖縄で、寒帯を好む甜菜が北海道でそれぞれ栽培されています。一方、フランスやドイツなど甜菜の栽培が盛んな諸外国では、てんさい糖が一般的に使われていて、サトウキビを原料とした砂糖が珍しい場合もあります。

てんさい糖の作り方

てんさい糖の作り方

てんさい糖は以下の方法で製造されています。

  1. 甜菜を刻んでお湯に浸ける→甜菜の糖分が沁み出た液体(糖原料)ができる
  2. 糖原料をろ過して煮詰め、糖液と結晶が混じった液体を作る
  3. 遠心分離機で結晶を分離する
  4. 残った糖蜜を乾燥させる
  5. 甜菜を刻んでお湯に浸ける→甜菜の糖分が沁み出た液体(糖原料)ができる

てんさい糖はシンプルな工程で作られているからこそ、甜菜の持つミネラルが豊富に含まれます。ちなみに、てんさい糖ができる過程や経過でグラニュー糖や上白糖、三温糖なども製造されます。

てんさい糖と他の砂糖の違い

てんさい糖について紹介してきましたが、日常的に使っている砂糖とどう違うんだろう?と、いまいちピンとこない人も多いのではないでしょうか。

砂糖は原料の違いや製造方法の違いによってさまざまな種類に分類される調味料です。続いては、てんさい糖と他の砂糖との違いについて紹介していきます。

上白糖との違い

上白糖との違い

一般家庭で使われる砂糖としてポピュラーな上白糖は、真っ白でさっぱりした甘みが感じられます。

上白糖の原料は甜菜もしくはサトウキビです。糖原料から抽出した糖分をろ過して煮詰め結晶化したもので、結晶化の際に転化糖液を用いて精製したものが上白糖です。

ちなみに、結晶化させた際に、糖原料は結晶と糖蜜に分類されます。その際に出た糖蜜がてんさい糖となります。

てんさい糖 上白糖
原料の違い 甜菜 甜菜またはサトウキビ
精製の違い 煮詰めてできた糖蜜 煮詰めてできた結晶
琥珀色 白色
特徴 ミネラルやオリゴ糖などを含む 不純物を全て取り除いている
99%が炭水化物

グラニュー糖との違い

グラニュー糖との違い

製菓に使われることも多いグラニュー糖も私達にとって身近な砂糖のひとつと言えるでしょう。サラサラとして、クセのない甘みが特徴的です。

グラニュー糖の原料は甜菜もしくはサトウキビです。糖原料から抽出した糖分をろ過して煮詰め結晶化したものを、そのまま乾燥させて純度を高めています。そのため、サラサラと乾燥していて大変溶けやすく、コーヒーや紅茶などをはじめとする飲み物の甘味料として用いられることも多いです。

一見白っぽく見えますが、結晶は無色透明です(白く見えるのは結晶が光を乱反射しているから)。日本では上白糖が一般的に使われていますが、世界ではグラニュー糖の方がポピュラーな砂糖として使われています。

てんさい糖 グラニュー糖
原料の違い 甜菜 甜菜またはサトウキビ
精製の違い 煮詰めてできた糖蜜 煮詰めてできた結晶を乾燥させる
琥珀色 無色透明
特徴 ミネラルやオリゴ糖などを含む 溶けやすい
砂糖のなかで最も高カロリー

三温糖との違い

三温糖との違い

三温糖は、独特な優しい甘みを持つ砂糖で料理などに使われることも多いです。薄い茶褐色をしています。

上白糖やグラニュー等と同じく、三温糖も甜菜もしくはサトウキビから抽出した糖原料を結晶化しているものです。最も純度の高い結晶はグラニュー糖として精製され、次に残った糖蜜をさらに結晶化させると上白糖が精製されます。

三温糖は上白糖を抽出した後に残った糖液をさらに加熱、結晶化させた砂糖です。糖蜜を三度温め直して抽出することから三温糖と名付けられたとも言われています。

てんさい糖 三温糖
原料の違い 甜菜 甜菜またはサトウキビ
精製の違い 煮詰めてできた糖蜜 糖液を複数回煮詰めて結晶化させる
琥珀色 薄い茶褐色
特徴 ミネラルやオリゴ糖などを含む 風味の感じられる甘み
少量のミネラルを含む

黒糖との違い

黒糖との違い

黒糖(こくとう)は黒砂糖(くろざとう)と呼ばれることもある、黒褐色の砂糖です。てんさい糖とは原料が異なり、サトウキビから作られています。ややクセのある甘みですが、強烈で濃厚な味わいが特徴的です。

黒糖は、サトウキビの絞り汁を煮詰めたものを冷やし固めています。そのため、カルシウムや亜鉛などが多く含まれる栄養豊富な砂糖です。

てんさい糖 三温糖
原料の違い 甜菜 サトウキビ
精製の違い 煮詰めてできた糖蜜 煮詰めた糖液を冷やして固める
琥珀色 黒褐色
特徴 ミネラルやオリゴ糖などを含む クセのある強い甘み
ミネラルを豊富に含む

てんさい糖と他の砂糖に含まれる栄養を比較

てんさい糖と他の砂糖に含まれる栄養を比較

栄養豊富と言われるてんさい糖ですが、他の砂糖と栄養成分を比較すると以下のデータが見えてきました。

てんさい糖と他の砂糖との成分の違い

参考:食品成分データベースホクレン|てんさい糖

上白糖やグラニュー糖は不純物を取り除く過程でミネラルも除去されてしまうため、栄養はあまり含まれません。三温糖は糖蜜を何度も精製するなかで多少のミネラルが含まれるものの、てんさい糖や黒糖に比べると左程多くの栄養はないと言えるでしょう。

一方、分離した糖蜜をそのまま精製しているてんさい糖や黒糖は豊富なミネラルを含んでいることが分かります。特に黒糖はミネラルが他の砂糖より飛びぬけて多く含まれていますが、その分雑味やクセが強く、甘味料として使うシーンが限定されてしまいやすいです。

てんさい糖は栄養を含みつつも、クセを抑えて調理や製菓、飲料などさまざまなシーンで使いやすい砂糖です。さらに、オリゴ糖が含まれているのはてんさい糖のみであることも大きなポイントと言えます。

てんさい糖が健康に良いと言われる理由

てんさい糖が健康に良いと言われる理由

てんさい糖は体に良い影響を与える調味料として知られています。代表的なものとしてオリゴ糖の整腸作用にありますが、てんさい糖はその他にもさまざまな効果が期待できる砂糖です。

続いて、てんさい糖が体に良いと言われる理由について紹介していきます。

理由その1.腸内環境が良くなるから

オリゴ糖は胃や小腸などで吸収されず、大腸に届く糖として知られており母乳にも含まれています。消化されないまま大腸まで届くことで、腸内の善玉菌を増やす整腸作用が期待できる糖です。

増えた善玉菌が、大腸菌を始めとする悪玉菌の増殖を抑えてくれるため、腸内のバランスを良い状態で保ってくれます。

理由その2.免疫力免疫力アップや抗ガン作用が期待されるから

てんさい糖に含まれるオリゴ糖はラフィノースという種類で、ビフィズス菌を増やす働きも期待されます。

ビフィズス菌には、免疫力を高める効果が期待でき、病気になりにくくなる効果も期待できます。その他にも、ビフィズス菌には抗ガン作用、ウイルス感染防御作用などが期待され研究が進められているそうです。

理由その3.便秘改善が期待されるから

腸内でビフィズス菌の作用によって善玉菌が増殖すると、腸の働きが整い便秘や下痢の改善効果が期待されます。

さらに、便秘や下痢が改善されると新陳代謝が向上するため、基礎体温の向上による痩せやすい体作りに繋がったり、肌のターンオーバーが促進されて肌荒れの解消やシミなどが改善されたりすることもあるでしょう。

理由その4.アトピーの改善が期待されるから

ラフィノースはアトピー性皮膚炎の改善効果が期待されています。そのため、アトピー性皮膚炎患者向けのサプリメントなどにも配合されている成分です。

てんさい糖に含まれるオリゴ糖はラフィノースであるため、日常的に食べる砂糖をてんさい糖にすることでアトピー性皮膚炎の改善効果を期待する人も少なくありません。

理由その5.血糖値の上昇を緩やかにするから

てんさい糖は、血糖値の上昇を抑えて緩やかに吸収される低GI食品です。GI値の低さは他の砂糖と比べても一目瞭然です。

てんさい糖 黒糖 三温糖
GI値 65 99 108

血糖値の上昇を緩やかにすることで、肥満や高血圧などの防止などにも効果が期待できます。

【要注意】てんさい糖の間違った使い方は危険

【要注意】てんさい糖の間違った使い方は危険

体に良い効果が期待されるてんさい糖ですが、だからといって過剰摂取してしまうと、かえって悪影響を及ぼしてしまうこともあります。

てんさい糖が体に良いと言われるのは、あくまで日常的に使う砂糖をてんさい糖に変えるメリットということを理解しましょう。てんさい糖を万能薬の様に摂取しても期待する効果は得られません。

最後に、てんさい糖の過剰摂取による危険性について解説します。

アトピーが悪化する場合がある

アトピー性皮膚炎はさまざまな要因で引き起こされる症状です。その要因のひとつに腸カンジダがあります。腸内に増殖したカンジダ菌によって体内で炎症が起こりアトピー性皮膚炎を引き起こしてしまうことが原因です。

カンジダ菌は砂糖を好むため、腸内までスムーズに送られるてんさい糖を過剰に摂取してしまうと、腸内のカンジダ菌に栄養を送り増殖を促すことになってしまいます。結果として、アトピーを悪化させてしまう危険性もあるでしょう。

糖尿病に対する医学的な効果は証明されていない

てんさい糖は血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待されることから、糖尿病患者に向いている甘味料なのではないかと言われることが度々あります。

しかし、いくら血糖値の上昇が緩やかになっても、ショ糖の占める量が他の砂糖と変わらないのであれば、糖質制限を必要とする糖尿病患者にとっては悪影響を及ぼす可能性が大きいです。

てんさい糖であれば糖尿病患者でも食べられるという認識は誤っています。糖尿病患者の糖の過剰摂取は命に関わるため、特に誤った情報を信じてしまわないよう注意しましょう。

過剰摂取にはさまざまな危険がある

てんさい糖に限らず、砂糖を過剰摂取することで肥満や虫歯、中毒症状、心臓病、糖尿病など病気のリスク上昇というデメリットがあることが分かっています。

また、砂糖の過剰摂取がアルツハイマー病の発症や老化を促しているのではないかという研究も行われています。1日の摂取量を抑えるようにすることが大切です。

まとめ

北海道の名産品である甜菜から作られたてんさい糖について紹介してきました。豊富な栄養やオリゴ糖を含むてんさい糖は、他の砂糖とは一味違います。

味や風味はもちろん、豊富な栄養成分を含むてんさい糖を使って、健康に配慮した美味しい食生活を送ってみてはいかがですか。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!