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根室のエスカロップが超絶旨い。名物誕生までの歴史とおすすめのお店

根室のエスカロップが超絶旨い。名物誕生までの歴史とおすすめのお店の画像

北海道東部の港町・根室で食べられている「エスカロップ」という料理をご存じでしょうか。「地元で人気の」や「B級グルメ」などと冠される料理は、地元ならではの特産品を使ったものが多いのですが、北海道の港町で人気のご当地グルメ「エスカロップ」はバターライス+トンカツ+デミグラスソースという、港町の印象からはちょっと想像がつかない料理です。

根室名物「エスカロップ」の特徴や由来、食べられるお店をまとめてみました。

この記事でわかること

  • エスカロップはもともとフランス料理
  • 漁師の要望から始まった
  • 赤エスカと白エスカがある
  • おすすめの11店舗+α
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

エスカロップってそもそも何?

エスカロップ

根室で食べられているご当地グルメ「エスカロップ」は筍入りのバターライスにトンカツをのせ、上からデミグラスソースをかけた洋食です。

関西の一部で食べられている「カツめし」にも似ています。

エスカロップは料理用語でもあり料理名でもある

「Escalope」(エスカロップ/エスカロープ)は本来、フランスの料理用語のひとつで、肉を薄切りにすること(日本で言う薄切り肉よりも厚め)を言います

それにパン粉をつけて揚げ焼きにすると、フランスではコートレット(日本のカツレツの由来)、オーストリアではウインナー・シュニッツェルとなります。

エスカロップ

「Escalopes de Veau」(仔牛の薄切り肉)として、スライスした肉を叩いて薄くし、パン粉をつけて焼いた料理が、現代フランス料理の祖と言われるオーギュスト・エスコフィエ氏が書いた料理書『Le guide culinaire』に掲載されています。

エスカロップは昔から食べられていた?

根室

エスコフィエ氏の料理をメニューによくのせていた戦前の横浜ホテルニューグランドにもエスカロップがあり、戦前~戦後にかけての日本の西洋料理の集大成となる料理書『荒田西洋料理』にもエスカロップが記載されていました。

つまりエスカロップはもともと、日本が西洋料理を取り入れ始めた時代に、肉を使った洋食のひとつとして受け入れられたメニューだったのです。

根室でエスカロップが誕生した背景

北海道では、根室の洋食屋「モンブラン」が、1963年頃に初めてメニューに載せました。地元の漁師たちからの「早く食べられて満腹になるメニューが欲しい」という要望に応えたのがその始まりです。

店内

最初はフランスの古典レシピから、カツに仔牛肉を使用し、ライスではなくナポリタンを添えていましたが、後にトンカツとケチャップライスという組み合わせとなりました。上にかけられたデミグラスソースも好評で、発売後すぐに人気が出たと言われています。

『荒田西洋料理』の発行が1964年なのと、当初は牛肉が使われていたことから、根室のエスカロップは本来のフランス古典料理からの発想だろうと言われています。ただ、北海道ではフランス料理があまり知られていなかったため、お客さんからは「オリジナル料理」として受け入れられたようです。

根室のエスカロップの特徴

古典料理ではスパゲッティが添えられていたエスカロップですが、「モンブラン」ではナポリタンの上に仔牛のカツレツをのせて提供する形から始まり、ナポリタンがケチャップライスに変化しました。

その色合いから「赤エスカロップ」として広まり、後に筍入りのバターライスを使用したものが「白エスカロップ」として親しまれます。

赤エスカと白エスカ

赤エスカと白エスカの違い

通称「赤エスカ」「白エスカ」などとも言われますが、現在では「白エスカ」のほうが一般的となっています。バターライスにみじん切りの筍が入っているのが食感にアクセントを加えてくれます。

近くにエスカロップにちょっと似た料理も!

ちなみに、同じく北海道東部にある釧路には、トンカツ+ミートソーススパゲティのローカルフード「スパカツ」があります。エスカロップも最初はカツ+ナポリタンだったことを思えば、ひょっとしたらルーツは同じところにあるのかもしれませんね。

根室のエスカロップ3大名店

白エスカ

根室以外にも、札幌をはじめとした道内各地でエスカロップをメニューに出しているお店はありますが、せっかくのご当地グルメですから、ここはぜひ地元へ! まずは3大名店と名高いお店から。

ニューモンブラン

エスカロップ発祥の店「モンブラン」の味を引き継ぎ、「元祖エスカロップ」として味を守り続け、創業50年を越えた老舗です。店内はどこか懐かしい、少しレトロな落ち着いた空間です。

店名 ニューモンブラン
住所 北海道根室市光和町1丁目1
電話番号 0153-24-3301
営業時間 10:00~15:00、17:00~20:00
定休日 月3回で不定休
料金 エスカロップ900円(税込)

どりあん

1969年創業で、こちらも50年を超える老舗です。「モンブラン」を引き継いだ「ニューモンブラン」から独立したシェフが創業しました。本物のエスカロップが食べられるお店として、メディアにも多く紹介されています。1週間以上煮込んだデミグラスソースの深い味わいを堪能してください。

店名 どりあん
住所 北海道根室市常盤町2丁目9
電話番号 0153-24-3403
営業時間 10:00~21:00(Lo.20:40)
定休日 火曜日※祝日の場合は営業
料金 エスカロップ950円(税込)

薔薇

古き良き喫茶店といった趣のお店です。肉が苦手な方でも食べられるようにエビエスカがあり、エビとトンカツのミックスエスカや、2人前量のマル特エスカロップなどもあってメニューが豊富!

店名 薔薇
住所 北海道根室市弥生町2丁目9
電話番号 0153-24-4746
営業時間 10:00~15:00、16:30~20:00(Lo.19:30)
定休日 月曜日
料金 エスカロップ950円、エビエスカ1,050円、ミックスエスカ1,050円、マル特エスカロップ1,800円※各税込

根室市内中心部のエスカロップおすすめ5店

エスカロップ

観光途中に立ち寄るなら、市内中心部のお店がやっぱり便利ですよね。他のお店と食べ比べてみるのも面白いかもしれません。

あんくる&チボリ

エスカロップはもちろんですが、その他にも根室産エゾ鹿肉の料理や、時期によっては花咲ガニの料理も楽しめます。道東をまるごと味わえるのがうれしいですね。デミグラスソースは長年つぎ足しているそうで、手間ひまかけた味わいです。

店名 あんくる&チボリ
住所 北海道根室市緑町2丁目28-28
電話番号 0153-22-2960
営業時間 17:00~23:00
定休日 不定
料金 エスカロップ980円(税込)

レストラン光和

イースト・ハーバーホテル内にあるレストラン。もちろん、宿泊客以外でも利用OKです。こちらのエスカロップは、発祥当時の味わいに忠実な仔牛のカツレツを使用しています。

店名 レストラン光和
住所 北海道根室市光和町1丁目26 イーストハーバーホテル
電話番号 0153-23-6040
営業時間 10:00~21:30
定休日 なし
料金 エスカロップ(ヒレ)980円、エスカロップ(ロース)980円、海老エスカロップ980円、仔牛のエスカロップ1,100円 ※各税込

レストランプルミエ

根室市街の中心部に、1階がレンガ張りの、80年の歴史ある建物があります。実はこの建物の裏には大戦中に米軍機の銃弾を受けた跡が残っているんです。根室で最古のコンクリート造りの建物に入っているレストランがプルミエです。

店名 レストランプルミエ
住所 北海道根室市花咲町1丁目6
電話番号 0153-24-8929
営業時間 11:00~22:00
定休日 不定
料金 要問合せ

ニューかおり

エスカロップが美味しいのはもちろん、もう1つの根室名物とも言われる「スタミナライス」(ご飯+トンカツ+野菜炒め+目玉焼き)発祥のお店です。その他にもオリジナルメニューがあり、美味しさに定評のあるお店!

店名 ニューかおり
住所 北海道根室市松ケ枝町2丁目7 根室商工会館1階
電話番号 0153-23-3939
営業時間 10:00~Lo.19:00
定休日 不定
料金 エスカロップ970円(税込)

ミナト食堂

こちらは穴場とも言える、市役所地下の食堂です。食券スタイルですが、券売機ではなくお店の方からの手売りという懐かしい方式。市役所内の食堂ということで、注目すべきはその安さ! 900円前後のお店が多いなか、こちらでは600円でいただけます。もちろん味はお値段以上! 営業時間が短いのでご注意を。

店名 ミナト食堂
住所 北海道根室市常盤町2丁目27 根室市役所地下1階
電話番号 0153-24-1771
営業時間 12:00〜13:30
定休日 土曜・日曜・祝日
料金 エスカロップ600円(税込)

根室市郊外にもエスカロップの名店あり

せっかく根室に来たなら、郊外まで足を延ばすのもおすすめ。レンタカーで道東ドライブを楽しむのも爽快です。

バードパル

国道44号線沿いの「道の駅」スワン44ねむろ内にあるレストランです。野鳥の宝庫である風蓮湖や春国岱を一望できるガラス張りのお店で、白鳥や丹頂鶴など、季節によっていろいろな野鳥を見ながら食事ができます。こちらではカキフライを使った「カキエスカ」も楽しめます。

店名 バードパル
住所 北海道根室市酪陽1
電話番号 0153-25-3055
営業時間 9:00~17:00(7・8月は18時まで、12・1月は16時までの営業)
定休日 11月~4月は月曜日(祝日の場合は営業、翌平日休み)、年末年始
料金 エスカロップ950円、カキエスカ1,200円 ※各税込

明郷 伊藤☆牧場レストラン アットコ

自社飼育の日本短角和牛や低温殺菌牛乳、地元産・北海道産の素材にこだわったレストランです。こちらのエスカロップは、「明郷短角牛」といわれる和牛のカツレツを使用しています。デザートには濃厚なソフトクリームがおすすめ!

店名 明郷 伊藤☆牧場レストラン アットコ
住所 北海道根室市明郷101番地21
電話番号 0153-26-2288
営業時間 9:30~17:00
定休日 第1・第3水曜日
料金 和牛・明郷短角牛のエスカロップ1,397円(税込)

エスカロップをちょっと違う楽しみ方で

こちらではテイクアウトのお弁当と、ホテルの夕食をご紹介します。こういう楽しみ方ができるのも地元グルメならではですね。

タイエー 千島本店

「やきとり弁当」で有名な函館のコンビニ「ハセガワストア」からのれん分けした、地元に根ざしたコンビニです。品揃えを見ると、コンビニというよりスーパーマーケットのような店舗もあります。こちらではテイクアウトのお弁当でエスカロップを販売。ドライブのお供にも良いですね。

店名 タイエー 千島本店
住所 北海道根室市千島町2丁目43
電話番号 0153-23-3443
営業時間 7:00~22:00
定休日 なし
備考 お弁当としてテイクアウト販売

レイクサンセット

季節を問わず、年間300種類以上を観察できる野鳥の宝庫として有名な「風蓮湖」の目の前にある宿泊施設です。レストランの日帰り利用はできませんが、夕食でエスカロップがいただける宿泊プランがあります。道東の撮影旅行を楽しむのも素敵ですね。

店名 レイクサンセット
住所 北海道根室市東梅218-6
電話番号 0153-25-3510
営業時間 チェックイン15:00~
定休日 なし
料金 宿泊プランの夕食として提供あり

東京でもエスカロップが食べられる!

東京都内にもエスカロップを食べられるお店があるのをご存知ですか。

根室ふうれん

東京で北海道グルメが楽しめるお店です。根室グルメのエスカロップはもちろん、根室の鮮魚のフライや旬の焼き魚、知床鶏のザンギ、蝦夷鹿料理など、東京にいながらにして北海道を感じられます。

店名 根室ふうれん
住所 東京都中央区日本橋人形町2-30-5 エイム人形町1階
電話番号 0153-23-3443
営業時間 平日/11:30~13:30、17:00~23:00 土曜・祝日/17:00~22:00
定休日 日曜日
料金 知床豚のエスカロップ980円(税込) ※平日ランチのみの提供

まとめ

根強いファンが多い、根室のご当地グルメ「エスカロップ」。SNSで検索してみると、全店制覇を目指す強者も存在しているくらい高い人気を誇る一品です。道東を訪れる時には、旅の計画に加えてみてはいかがでしょう。

writerprof_minagawa
皆川 今日子
札幌在住。旅行誌を中心に、観光・グルメ系メディアにて執筆中。趣味は料理とゲーム。長年、掃除を苦手としていることで悩んでいたが、「掃除に必要な才能を生まれ持たなかった」と割り切ることで気が楽になった。