ブドウエビは北海道の羅臼で食べられる!味わいや値段、食べ方を紹介
ブドウエビについて気になっている方は、きっと食通の方でしょう。水揚げ量が少ないブドウエビは、幻のエビとも言われるほど希少です。
味わいはボタンエビを濃厚にした感じで、甘みも強いです。新鮮な状態であれば、コリコリとした食感を楽しむこともできます。全国的に漁獲量が少ないブドウエビですが、特に水揚げ量が多いのは北海道の羅臼町です。
本記事では、ブドウエビの名前の由来や味わい、食べられるところを詳しく紹介します。
この記事でわかること
- ブドウエビは希少で高価なエビ
- 甘みが強くて濃厚な味わい
- まとまって水揚げされているのは羅臼町だけ
- ブドウエビは刺身や寿司にして食べるのがおすすめ
ブドウエビとは? 「幻のエビ」とも呼ばれる
ブドウエビとは「幻のエビ」とも呼ばれるほど希少なエビです。水揚げ量が少なく一般に流通することもほとんどないため、漁師やごく一部の食通の方に知られています。殻は柔らかく、身は甘く濃厚な味わいで、さらに新鮮な状態だと食感が強くコリコリとしていることが特徴です。
ブドウエビの主な生産水域は北海道の知床・羅臼(らうす)町です。ブドウエビは太平洋の広い範囲で漁獲できると考えられていますが、水揚げ量が少なく、まとまって漁獲されているのは羅臼町くらいになります。羅臼町では、平成9年からブドウエビの操業が開始されました。
ブドウエビの名前の由来
ブドウエビの標準和名は「ヒゴロモエビ」です。エビ目・タラバエビ科・モロトゲエビに属している種類です。
ブドウエビの名前の由来には諸説ありますが、果物の「ぶどう」のような色をしていたため、北海道の羅臼町の漁師が「ブドウエビ」と言い始めたことがきっかけだとか。ブドウエビは、巨峰のような鮮やかな紫がかった殻が特徴的です。
ちょこっと豆知識!
羅臼沖で水揚げされているブドウエビは「ヒゴロモエビ」と考えられていましたが、2015年の調査で別種と判明。2000年に北方領土の択捉島(えとろふとう)の北にあるウルップ島で確認されたことがあるエビであることが分かっています。現在は、羅臼沖で水揚げされるブドウエビは、新種として正式名「ラウスブドウエビ」と登録されています。
ブドウエビの味わい
ブドウエビは殻が柔らかく身に強い甘みがあるエビです。ボタンエビを濃厚にしたような味わいで、刺身で食べた時に「甘い」と言われるボタンエビよりも、さらに甘さは上回ると言われています。
ブドウエビに限らず、エビは鮮度が良い状態よりも冷蔵して寝かせると刺身で食べた時に甘みが増します。また新鮮なブドウエビはコリコリとした特徴的な食感があるので、漁獲されてすぐに冷凍されたブドウエビなら、解凍した時にコリコリした食感を楽しむことができます。
ブドウエビは値段が高い?水揚げ量が少なくて希少だから高価
ブドウエビは他と比べても高価なエビです。2022年現在、大手通販サイトでは400gあたり2万円以上で販売されています。その他の通販業者でも、ブドウエビの販売価格は1kgあたり4万円以上が相場です。1尾40g〜50gの大きさなので、エビ1尾あたり数千円にもなります。
ブドウエビの値段が高い理由は、水揚げ量が少なく希少価値が高いためです。1日の水揚げ量はわずか十数kgで、市場に並ぶのも珍しく、その分高値で取引されています。
ブドウエビが食べられるところはどこ?名産地は知床・羅臼
ブドウエビがまとまって水揚げされているところは、北海道の知床半島にある「羅臼(らうす)」です。羅臼といえば昆布の名産地として知られていますが、そのほかにも鮭やイカ、ホッケなどの漁獲量が北海道内でもトップクラスに多いです。さらに羅臼町のキンキは脂ののりが非常に良いことが特徴で、地元では「メンメ」と親しまれています。
羅臼町の海は、山から放出された豊富なミネラルが流れ込んでいて、さらにオホーツク海の流水からプランクトンが運ばれてきています。プランクトンは海産物の栄養源となるため、海産物の種類が多くて味も優れていることが羅臼町の海の特徴です。
ブドウエビは太平洋の広い範囲で獲れるとされていますが、他の地域よりも水揚げ量が多いのは海に恵まれた羅臼町です。鮮度が良いブドウエビがセリに出されているのも、羅臼町の特徴でもあります。
またブドウエビは茨城県でもわずかに水揚げされており、さらに2022年には茨城県でブドウエビの稚エビの養殖に成功しました。今後、養殖技術が確立すればブドウエビが全国で一般的に流通する日が来るかもしれません。
ブドウエビの漁獲方法は「エビ籠」
ブドウエビは「エビ籠」と呼ばれる漁法で採取されています。エビ籠とは、ブドウエビのエサが入っているカゴを海の中に仕掛け、ブドウエビを生きたまま採取する漁法です。ブドウエビは水揚げされた後すぐに氷が入った水槽に入れて、新鮮な状態のまま市場に運ばれます。
しかしエビ籠の操業数は少なく、さらにブドウエビの操業は限られます。
ブドウエビの旬・漁獲期
ブドウエビの旬は夏頃です。漁獲が行われるのは7月〜9月の約2カ月間となっています。さらに1日十数kgしか水揚げされないので、非常に数が少なく希少なことがわかります。
また漁獲時期はブドウエビだけではなく、ボタンエビやナンバンエビなども一緒に水揚げされています。エビを漁獲できるノルマが年間5トンまでと決められていて、他のエビの水揚げ量が多いため、ブドウエビの水揚げ量がその分少ないということです。
ブドウエビの食べ方・調理法は?刺身・寿司がおすすめ
ブドウエビの食べ方でおすすめなのが刺身です。加熱してもおいしく食べられますが、ブドウエビの持つ濃厚な味わいと甘みを楽しむなら、刺身または寿司で食べるのが一番です。
ただし、エビは鮮度が良い場合は刺身で食べた時に甘みがあまり感じられません。ブドウエビを刺身で食べる場合は、冷蔵保存されたものを購入するか、あるいは冷凍保存したものを解凍して冷蔵庫で少しの間保存してから食べましょう。
また加熱調理して食べるのなら、天ぷらやみそ汁などに入れるとおいしくいただけます。ブドウエビは水分をあまり多く含んでいないので、焼いて食べたりしゃぶしゃぶにしたりしてもおいしいです。
まとめ
幻のエビとも言われる「ブドウエビ」。水揚げ量が少なく希少なエビですが、特にまとまって水揚げされているのは北海道の羅臼町だけです。
北海道の羅臼は昆布や鮭、メンメなど幅広い海産物の名産地にもなっています。羅臼に訪れた際は、ぜひブドウエビを堪能してください。