十勝の海に輝く「ジュエリーアイス」とは? 豊頃町の新絶景を楽しむ方法
十勝川の河口に位置する豊頃町で見られる「ジュエリーアイス」をご存知ですか? ジュエリーアイスとは、豊頃町の大津海岸に打ち上げられた氷の塊のこと。毎年1月中旬〜2月下旬頃にしか見られない、世界的にも珍しいといわれている自然現象です。太陽に照らされ輝くジュエリーアイスはSNSなどで話題になり、近年では新しい観光スポットとして注目されています。
今回は冬の北海道が生み出すジュエリーアイスの見どころや注意点、撮影ポイントなどを詳しくご紹介します。
ジュエリーアイスって何?
まずはジュエリーアイスの基本から。なぜ「ジュエリーアイス」と呼ばれるようになったのか、その名前の由来や特徴についてご紹介します。
ジュエリーアイスの意味
「ジュエリーアイス」という名前は、クリスタルのように透明で「宝石のように美しい」ことから付けられました。 朝日や夕陽に照らされて輝く姿はもちろん、雪を纏った幻想的な姿など、時間や時期によって表情が変わることもジュエリーアイスの魅力のひとつです。
ジュエリーアイスの特徴
ジュエリーアイスは、十勝川の氷が大津海岸に打ち上げられてできたもの。海岸に打ち上がる氷といえば「流氷」が思い浮かびますが、ジュエリーアイスはこの流氷とはまったく別物です。
ジュエリーアイスと流氷の大きな違いは、氷の色と透明度にあります。網走などで見られる流氷は白色ですが、ジュエリーアイスは透明色。光を受けて輝くほどの透き通った氷が、ジュエリーアイスの特徴です。 海の水ではなく川の水だからこそできる、透明な氷。さらに波で角が削られて丸くなり、宝石のような形になります。
世界でもあまり見ることができない、非常に珍しい自然現象といわれています。
ジュエリーアイスを見るには?
宝石のように透き通った美しさが特徴のジュエリーアイス。「実際に見に行ってみたい!」と思われる方も多いのではないでしょうか。では、ジュエリーアイスはいつ、どこでみられるのか、詳しい場所や期間をご紹介していきます。
ジュエリーアイスはどこで見られる?
ジュエリーアイスが見られるのは、北海道十勝地方にある豊頃町の大津海岸です。十勝川から太平洋へ流れ出るのが大津海岸。その海岸の砂浜に、ジュエリーアイスは打ち上げられます。
豊頃町の大津海岸へは、帯広市街から車で1時間程度。札幌からは道東自動車道を利用して3時間50分ほどの場所にあります。
ジュエリーアイスの期間
ジュエリーアイスが見られる期間は、毎年1月中旬〜2月下旬頃です。期間は1カ月半程度と限られていますが、天候によっては見られる時期がずれる場合も。随時更新される豊頃町観光協会の公式サイトで、最新のジュエリーアイス情報を確認すると良いでしょう。
ジュエリーアイスを撮影するコツ
ジュエリーアイスは、冬の寒さが厳しい北海道ならではの現象です。そのため寒さへの対策や撮影の準備が欠かせません。次はジュエリーアイスを撮影するための準備や、現地での撮影のコツについてお伝えしていきます。
撮るための準備
交通機関
ジュエリーアイスの撮影の際にまず確認しておくポイントは、現地までの交通手段です。 豊頃町の大津海岸までは、公共交通機関がありません。そのため基本は、自家用車かレンタカーを使用する必要があります。
また、海岸までは車の乗り入れはできませんので、無料駐車場や近隣のパーキングをあらかじめ調べておくと良いでしょう。 車での移動以外にも、バス・タクシー会社や旅行会社が企画運営する「ジュエリーアイスツアー」を利用するのもおすすめです。
ちなみに大津海岸付近にはコンビニエンスストアもありません。お手洗いや飲み物の用意などは、撮影前に済ませておくと安心です。
服装
ジュエリーアイスが現れる世界は、マイナス15〜20℃。時期によってはマイナス20℃を下回ることもあります。 そのため服装には、しっかりとした防寒対策が必要です。重ね着をして真冬の寒さに備えましょう。
ジュエリーアイス見学・撮影時の服装のポイントは、次の6つです。
- インナーは保温効果のあるインナーがおすすめ。汗を吸収して冷えてしまう綿素材などは避けたほうがベター
- インナーの上にはセーター、フリース、ダウンベストなどを重ねるとGOOD
- アウターは厚手のダウン、アウトドア用ウエアやスキーウエアなど機能性が高いものがおすすめ
- 帽子、手袋も忘れずに!
- 砂浜は足を取られて歩きにくいため、履き慣れたブーツや長靴が◎
- カイロは手先のほか、機材を温めることにも役立つ
機材
ジュエリーアイスの撮影をするためには、スマートフォンやカメラなどの機材への準備も必要です。
氷点下の気温の中で撮影するため寒さで機材の電圧が低くなり、バッテリーの駆動時間が短くなる可能性があります。撮影しない時間や移動の時には、カイロやニットなどで機材を包んで保温しておくと良いでしょう。また、万が一電源が切れてしまった時のために、予備バッテリーの準備もしておくと安心です。
レンズをいくつかお持ちの場合は、極寒の中でのレンズ交換は難しいため、あらかじめ使用するレンズを決めて、付けておくことをおすすめします。レンズヒーターがあるとさらに良いでしょう。
撮影後は、急激な温度変化で機材に結露ができることがあります。結露は故障の原因につながるため、カメラなどを入れるバックに乾燥剤を入れておき、ゆっくりと温めるなどの対策がおすすめです。
おすすめの持ち物
ジュエリーアイスの撮影の持ち物として、おすすめしたいアイテムが「お湯」です。水筒に入れたお湯は、飲用ではなく撮影用として使えるアイテム。ジュエリーアイスにお湯を少しずつかけて溶かすと、キラキラと輝きが増して美しい写真を撮ることができます。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
ジュエリーアイスを撮影してみよう
撮影時間
ジュエリーアイスは朝、昼、夕方で見える景色や表情が変化します。 どの時間帯も魅力的ですが、「ジュエリーアイスの様々な表情を一度に楽しみたい」という場合は、早朝の撮影がおすすめです。
ダークブルーから赤やオレンジと、刻々と変わる空の色とともに輝くジュエリーアイスの姿は、まさに幻想的。水平線からのぼる朝陽も楽しむことができます。また、冷え込みが厳しい時に海面に発生する霧(「けあらし」)も見られるかもしれません。
日の出前後の時間帯はシャッターチャンスが多く、多くの方が自分なりの撮影を楽しんでいるようです。
その他に夕陽に照らされたジュエリーアイスがオレンジ色に輝く姿や、昼間の海とジュエリーアイスとの爽やかなコントラストもおすすめ。特に昼間は早朝よりも気温が高いため、撮影しやすいというメリットもあります。
ジュエリーアイスの確率
ジュエリーアイスは自然現象のため、正確な発生の確率は発表されていません。現在大学などの研究機関により、発生を予測する研究が進められています。
また、ジュエリーアイスは川の氷が海に流れ出る現象のため、潮の満ち引きが大きい時ほど見えやすくなるといわれています。
豊頃町観光協会の公式サイトでは、ジュエリーアイスの最新の様子を見ることができますので、撮影前にチェックしておくことをおすすめします。
周辺のおすすめスポット
豊頃町にはジュエリーアイスの他にも、魅力的なスポットがたくさんあります。せっかく訪れたのなら、周辺のグルメや観光も楽しみたいですよね。
ここではジュエリーアイスとともに楽しめる、豊頃町内のおすすめスポット3選をご紹介します。
ジュエリーハウス
ジュエリーハウスは、ジュエリーアイスの期間に合わせて限定でオープンする休憩所です。海岸近くにあり、お手洗いが24時間利用できるのが嬉しいところ。 オープン時期については、豊頃町観光協会の公式サイトを確認してみてくださいね。
ハルニレの木
ハルニレの木は、豊頃町のシンボル木です。推定樹齢150年の大きな木ですが、実は2つの木が重なっているといいます。
冬には周辺の雪景色と調和して、静かで幻想的な風景が楽しめます。
朝日堂
朝日堂は、豊頃町にあるアメリカンドーナツのお店です。ふんわりさっくりした食感のドーナツは町内ではもちろん、全国から訪れる観光客にも大人気。休日には1日3,000個と、豊頃町の人口と同じくらいの数を売り上げるそうです!
朝日堂 | |
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住所 | 北海道中川郡豊頃町茂岩本町30 |
電話番号 | 015-574-2402 |
営業時間 | 9:00~20:00 |
定休日 | 月曜・火曜日(祝日の場合は営業) |
公式サイト | なし |
まとめ
冬の北海道豊頃町で、わずかな期間だけ現れるジュエリーアイス。その宝石のような輝きと幻想的な風景は、一度は目にしておきたい美しさです。
寒さ対策などの事前準備を万全にして、ジュエリーアイスの撮影や見学を楽しみましょう!